お久しぶりです!!
なんとこの小説、評価に色が付きました!!。そして一度日刊ランキングに乗りました!!!!
日刊の順位はそれほど高くなかったのですが、評価に色がついたのと一緒に作者はうれしくて小踊りしましたね。またそのおかげもあってUAが7000突破!。お気に入り件数も130を突破しました!!
これもみなさんが応援してくださっているおかげです。本当にありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いします。
では、今回も楽しんでいただけると嬉しいです。
簾木 健
makoto side―――――
「おー。なにやらそれっぱい場所だ・・・・」
「速瀬くんはメティス実技室は初めてだっけ?」
「ああ、これがはじめてだよ」
次の授業はメティス実技訓練だったため、慶司、琴羽、姫川と一緒にメティス実技室に来ていた。でもこの授業、あんまりやることはないんだよな・・・おれがメティス使うとみんなに迷惑かかるし・・・・・
「そういや姫川は一時期放課後入り浸ってたよね」
「そういえばそうだったね」
ここといえば姫川だ。去年の一時期洋子さんと2人で放課後よく訓練してた。何回かおれも洋子さんに連れてこられたことがある。
「あ、放課後訓練?」
「慶司知ってたの?」
「前に姫川から聞いたんだよ」
「なるほど」
やっぱりこの2人仲良いよな。琴羽が言ってたことも気になってるみたいって言ってたし・・・・・
「うん。朝比奈先生に指導してもらって、一所懸命に《アイギス》の練習してたの。たまにはだけど神野くんにも手伝ってもらったりもしたんだよ・・・・・・そうだ、速瀬くんと一緒にやろうって約束してたよね?今日の放課後はどうかな?」
「「!!??」」
おれと琴羽の顔に一瞬驚きが走る。・・・・誘うのうまいな。
「ああ、姫川がいいならお願いしようかな。今日は《アルゴノート》ないって言ってたし」
それに慶司もすんなり了承してるし・・・・この2人もう付き合ってるんじゃないのか!?
「う~ん、仲良いねぇ・・・・・」
「そうだな・・・・・」
「そうだ!琴羽ちゃんと神野くんも一緒にやろうよ」
「あはは、あたしは実技室じゃMWI値を測るくらいしかできないから」
「おれは暴走したときに止めるくらいしかできないから」
「そういえば2人のメティスはあんまりこういった場所では活きないよな」
「そうだね・・・・うーん・・・琴羽ちゃんならおっきい水槽とか持ってきて・・・・・」
「・・・・正直そこまでの熱意ないし」
「それって熱意の問題なのか?」
「お、集まってるね」
チャイムが鳴ると同時に、一人の中年男性が入ってくる。人好きの良い笑顔で一人ひとりを頷きながら見ている。でもそんな笑顔の男性に見ておれは全く別のことを考えていた。
「相変わらず、すっごいオーラしてんな」
身体付きや動き・・・なにげなく見ていると気づかないかもしれないが、かなり洗練されたものを感じる。あきらかに一般人ではない。
「あれは誰?」
慶司が聞いてきた。
「えっとね、メティス実技室にある機材のインストラクターをやってくれてるCSCの黒瀧先生」
それに姫川が答える。そういえば前に黒瀧さんは紛争なんかにも参加した人だって言ってたな。
「CSC・・・・って、警備会社の?」
するとその黒瀧さんがおれたちのほうに近づいてくる・・・・・本当に隙がない。
「君が転入生の速瀬慶司君だね?話は聞いています。私はCSCの黒瀧信秀。よろしくお願いします。それと神野君久しぶりだね」
「どうも、こちらこそよろしくお願いします」
「ええ。前にCSCで会って以来ですね」
「そうだね。神野君とはまた機会がある時に話をしてみたいものだよ。あと速瀬くん、恐縮することはないよ。私はここにある機器の使用方法は確かに教えるが、教師というわけじゃない。むしろ、君たち《メティスパサー》のお役に立てることを光栄に思ってるくらいなんんだ。それとね速瀬君、CSCは今、《メティスパサー》の育成に力を入れているんだ。その一環として、ここに納入されているようなメティス関連機器の開発も行っているんだよ。まぁ、私はそれらの機器のインストラクターであると同時に、新開発の機器を先生方に紹介するようなことも――――」
「黒瀧さん、生徒に営業してどうするつもりですか?」
「あ、薫子先生」
そこにもう一人入ってくる。そういえば薫子さんの仕事って・・・・監視もだったっけ
「おおっと、これはまずいところを見つかってしまった。いや、我々CSCが警備だけをしているわけではないことを説明しようと思いましてね」
黒瀧さんがばつの悪そうに薫子さんに言い訳をする・・・・いつもながらこの人熱いな・・・・・でもバカじゃない。
「薫子さんも睨んでた通りこの人裏でなにかあるな」
慶司という転入生がいるということで、授業は黒瀧さんと汀さんによるMWI測定器を扱う講習となっていた。二人はCSCの職員であり教師ではないが、こうして講習を受け持つことがあるのだ。
「これがMWI測定器になります。このモニタに《メティス波》の波形が、こちらの枠内に《MWI値》が表示されます」
黒瀧さんが丁寧に説明していく。この人教えるのうまいんだよな・・・・教官とかしてたのか?
「知ってると思うけど、《メティス波》というのは《メティスパサー》特有の脳波の波形のことです。その波形が単位時間内に何周忌期観測されたかによって《メティス波強度》、つまり《MWI値》が計測されます。ちなみにMetis Wave Flux Density、メティス波フラックス密度という呼称もあるけど、あまり一般的ではないから気にしなくて構いません。またメティスを発現している人の《MWI値》は最低でも60以上、一般的には80以上が必要だと言われています」
まぁもともとはこの理論を発明した人自身がメティスパサーでその人の測定値を100として指標にしたものだからな・・・・もしかしたらズレているかもしれないが、まぁ大体あっているのでそのまま使われている。
「・・・・みんなはどれくらいなんだ?」
慶司が静かに聞いてくる。
「あたしは低いよ?夏休み前の測定値は85だったかな」
「まぁ琴羽は泳いでる時に測ればもっと行くだろうけど如何せん測る機器が今ないもんな」
「じゃ真は――」
「速瀬君、せっかくだから測ってみない?」
慶司の声が薫子さんに遮られる。
「え、俺ですか?」
「ええ、そうよ。本来なら定期的に測定するのだけど、速瀬君はまだ転入してきたばかりだもんね」
そういや慶司は測ったことないのか・・・慶司のメティス的に常にMWI値はそこそこあると思うけど・・・・チラッと慶司を見ると慶司は考え事をしている顔になっていた。どうせ色々考えているんだろう。人のこと言えないけど
「どうしたの?測るの怖い?」
「いえ、わかりました。お願いします」
慶司の顔の変化を不安と読み取ったのか薫子さんが笑顔で言う。
「くす・・・大丈夫よ。速瀬君はメティスパサーとして充分な《MWI値》が計測されるはずだから」
「べ、別に不安になってるわけじゃないですって」
薫子さん、慶司のこと子ども扱いするとかさすがだな・・・・昔はおれもよくされたな・・・・・
「では速瀬君そこに立って」
「はい」
測ると言っても所定の場所に立つだけだ。少し前まではいろいろと付けないといけなかったが科学の進歩によりそこまではしなくてよくなった。まぁまだ琴羽みたいなメティスの計測はできないからこれからももっと進歩はしていくだろう・・・・・
「ほほぅ」
「ふふ、やっぱり」
「いくらだったんですか?」
「114よ」
「わっ、すごい」
「慶司もなかなかだな」
「おー、やるね慶司。いまだに発動不安定とか言ってるくせに、あたしよりも30近く高いじゃない」
114あれば立派なメティスパサーだろう。でも慶司はうーんと少し唸っていた。
「どうかしたの?」
「いえ、こう数値にされても、あんまり実感がわかないものですね」
まぁなんとなくわかる。分かりづらいしな。
「そうかしら。フフ、私はそうでもないわ」
薫子さんがいたずらっぽく微笑む。まぁ薫子さんの能力ならそうだろうな・・・・・
「114!?そりゃ立派にメティスパサーだな」
教室に戻って慶司が航平にMWI値のことを言うと航平が驚きに声をあげる。まぁこれくらいの反応が見えるくらいにはすごい数値なんだよね。
「うーん、この数値ってそんなに大事なのか?」
「一応メティス実技の成績に加味される。114ありゃ普通にA判定もられる」
「マジかよ」
「ああ。慶司もやっぱりメティスパサーなんだな」
「そういえば姫川と真はどれくらいなんだよ?」
「えっ・・・それは・・・・」
姫川が言いよどむ。まぁ姫川少し気にしてたからな・・・・・
「?なんか言いにくいことでも姫川はあるのか?」
「いや・・・・そういうわけじゃないんだけど・・・・・」
「まぁいいじゃん風花言っちゃえば」
「ええ・・・・ええっと・・・・ひゃくはちじゅうろく」
「186か・・・・」
慶司がキョトンとする。
「いやもっと驚けよ」
航平が呆れ顔で突っ込む。
「そんなこと言われても数値の指標自体がわかんねーんだって」
慶司が頭を掻く。まぁそうかもね・・・・なら・・・・
「比べたらわかりやすいよな・・・・今の三年生の一位が170くらいだったはずだ。てか姫川とおれが入学するまで最高が175だったはずだし」
「えっ!?マジで!?じゃ186ってかなりすげえじゃん・・・・」
「そうだよ・・・・でもそこにもっと化物がいる」
琴羽がおれを指さす。
「はぁ!?真いくつなの?」
慶司がさらに驚いた顔をする。まぁちょっと基準がわかればこうなるよな。
「200」
「200!?」
慶司が開いた口が塞がらないと言ったようすでおれ以外のみんなを見るがみんなはふうと一つ息をついたり肩をすくめたりしただけ・・・・もうどうしようもないみたいな感じにしてんじゃねぇよ。
「・・・・じゃおれの114ってそんなにすごくないじゃん」
「充分すごいわよ。あたしも85っていったでしょ?この2人が滅茶苦茶なだけよ」
「そんなことないよ!琴羽ちゃんだって、泳いでる時に測ったらもっと高いはずだって汀先生も言ってたし」
「うん。薫子さんが言ったのなら間違いないな。沖原はおっぱいも大きいし・・・」
航平が意味のわからないことを口にしてるなぁ・・・・・
「航平・・・・」
「ひっ!?」
「ちょっと帰ってからお話があるから、助っ人終わったらまっすぐ帰ってこいよ」
「真さん・・・笑顔がすごく怖いです・・・・あー、肩をそんな力強く掴まないで!!!」
―――――ガラガラ
「あっ朝比奈先生」
「帰りのホームルーム始めるぞ」
「みんな席についてー」
くっタイミング悪いな・・・・おれは航平の肩を離す。
「うう・・・・今日はなんて日だよ」
「お前が変なこと言うからだよ」
おれは席に着く。琴羽もおれの隣の席に座った。
「きりーつ、れい」
姫川の号令でホームルームが始まる。
「そういえば、琴羽今日の放課後なんかあるか?」
おれは隣の琴羽にだけ聞こえるように小さな声で聞く。
「えっ?今日は特になにもないよ。ちょっとお店冷やかしに行こうかなって思ってたくらい」
「・・・・・じゃさ・・・それ一緒に行かないか?」
「・・・へ?」
琴羽がおれの言葉に動きを止める。
「真それって・・・・・」
「ああ。そういうことだ・・・・」
ああ、恥ずかしい!!おれは慶司とか姫川みたいにすんなり誘えないっての!!なんだよあの2人レベル高すぎだろ!!!
「・・・・うん。わかった」
琴羽が少し顔を伏せて答える。ちょっと顔を赤らめている姿はかなりかわいかった。
どうだったでしょうか?
甘いの期待していたみなさん本当にすみません。今回は箸休めもかねて甘みの少ないほぼ原作通りの回でした。ただ次回は確実に甘くしますので楽しみにしていてください!!
前書きでも書きましたが、UA、お気に入り、評価、そして日刊ランキング。本当にみなさんありがとうございます。ただの自己満足で書き始めた小説で原作も正直そこまで有名ではないので読んでくれる人いるのかなと不安だったのですが、気がつけば本当にたくさんの人に読んでいただいています。これからも頑張って書いていこうと思いますのでこれからもよろしくお願いします。
今回の感想、批評、評価も募集していますのでよろしければよろしくお願いします。
ではまた次回。
簾木 健
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