カミカゼエクスプローラー 無のメティス   作:簾木健

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短い・・・・なんか思うように進まないなぁ・・・・

ただ今回も甘くは出来ているはず!!(希望)

ではコーヒー片手にお読みくださいww

簾木 健


パン

makoto side―――――

 

「琴羽大丈夫か?」

 

おれは横を歩いている琴羽に小さい声で尋ねる。今は廊下なんだが・・・・・・すごい見られてるな。

 

「だ、だ、だだだだだだい、大丈夫よ!」

 

顔を真っ赤にしておれの方を向いて琴羽が言う。絶対大丈夫じゃないよな・・・・

 

「正直今週いっぱいはこんな感じだと思う・・・・」

 

「うん・・・そうだよね・・・・・はぁ・・・・」

 

琴羽がため息をこぼす。どうにかして手を打ちたいところだけど・・・・・・

 

「おれがなにかするとたぶん逆効果にしかならないよな」

 

おれはなんとかしようと策を色々と考えてみるが、逆効果になりそうな策しか出てこない。

 

「でも・・・・・」

 

おれはチラッと琴羽を見る。顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに伏せている・・・・・・正直すっごいかわいい!!!!

 

「この表情のためならずっとこのままでもいいよな」

 

おれはそんな風に少し悪いことを考える。でもそのとき不意に琴羽がこっちを向いておれと目があった。

 

「・・・・真なにか悪いこと考えてない?」

 

「・・・琴羽ってエスパー?」

 

おれは琴羽の発言に苦笑いを浮かべて聞く。

 

「やっぱり・・・なに考えてたの?」

 

「えっ!?」

 

「なによ?言えないの?」

 

「いや・・・・そういう訳じゃないんだけど・・・・・」

 

おれが言い淀むと琴羽がニヤリと笑った。

 

「ねぇ真・・・・どんなこと思ったの?」

 

「いや・・・それは・・・」

 

「ねぇ?」

 

・・・・こいつ気づいてやがる。おれが恥ずかしいこと考えてたことを・・・やっぱりエスパーなのか?

 

「・・・・・琴羽の照れ顔かわいいなって」

 

「なっ!?」

 

観念しておれは素直答える。それに対して琴羽は完全に固まってしまった。ただおれはそれに気づかない。だって・・・

 

「おれなんてこと言ってるんだよ・・・・・」

 

こんなこと言わされたのに周りなんか気にできるか!!!!

 

「おれこんなキャラじゃないのに・・・・」

 

もっとクールなキャラだったはずなのに・・・・

 

「はぁ・・・・・」

 

おれはため息をつく。

 

「まぁ・・・・でも・・・・」

 

おれは横で顔を赤くして俯いている女の子を見る。

 

「琴羽と一緒にいれるならいいか・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――ガラガラ

 

 

「「「「!!!!!!」」」」

 

「・・・・・おはよう」

 

「おはよう・・・」

 

なんかクラスが変だ。雰囲気が殺伐としてる気がする。

 

「えっと・・・・どうした?」

 

「・・・・真」

 

「どうした?」

 

クラスの男友達から話しかけられる。

 

「付き合うことになったのか?」

 

「・・・・・ああ」

 

「うん・・・・」

 

おれと琴羽がうなずく。

 

「今度は本当なのか?」

 

別の男子から尋ねられる。

 

「ああ。昨日からな」

 

「うん・・・・・」

 

「・・・・・そっか」

 

静かに頷かれる。なんだ?どうした?

 

「・・・・・全員。フォーメーションAだ」

 

「「「「イエッサー!!」」」

 

クラスの全員が凄まじいスピードでおれと琴羽を囲む。こいつら・・・・できる!

 

「・・・・やる気か?」

 

「真、沖原覚悟しろよ」

 

「「っ!?」」

 

おれと琴羽が身構える。

 

「はい!」

 

そこで何故か急にクラスの女の子が手を挙げた。

 

「どうぞ!!」

 

いやだからなんで指名してんの?戦うんじゃないの?

 

「お互いにどこが好きなの?」

 

「「えっ!?」」

 

「さぁお答えください!!」

 

「「いやいや」」

 

「さすが息ぴったりですね」

 

「そんな問題じゃないだろ!?」

 

「そうよ!真の言う通り!!」

 

「でも、みんな気になるって言うから・・・・」

 

1人の男子が言う。

 

「そうなのか?」

 

おれは尋ねる。そこまで気になることなのか?

 

「当たり前だろ。お前ら2人がどんだけ影響力あるか知ってるか?」

 

「・・・・琴羽はともかく、おれにはそんなものがあるとは思ってない」

 

「真はその辺に本当に疎いからな」

 

そこ言いながら航平が入ってくる。後ろには息を切らした慶司もいる。

 

「だよね・・・・まぁそこが神野の良いところでもあるんだけど」

 

女子の一人がそう言って頷く。

 

「でも、こんな神野が彼氏だと大変かも・・・」

 

「ああ。それは男子から見てもちょっと思うわ」

 

「えっ!?」

 

おれが驚く。そんなおれの横では琴羽がああっと言いながら苦い顔している。

 

「だってさ、神野ってなんか自由人のくせに優しいから、色んなところで知らない間に別の女の子に優しくしてその子が惚れちゃったりして・・・・・・・」

 

「うっ!!」

 

なんというか心当たりが・・・・・というか昔からよくそう言われている。おれは床に両手をついて跪く。

 

「沖原こんなのが彼氏で本当にいいの?」

 

「ちょっと考え直そうかな・・・・」

 

「えっ!?マジで!?」

 

おれが琴羽をハッとして見る。

 

「・・・・・冗談よ、冗談」

 

「冗談って言ってる琴羽の目が全く冗談に見えない!!」

 

「本当に冗談だって・・・・もう」

 

琴羽がおれを立たせる。

 

「彼氏は真じゃないと嫌だ」

 

「へっ!!」

 

やば!びっくりして変な声出た。それも聞いて琴羽が子供っぽく笑った。

 

「真・・・照れたね」

 

「えっ・・・・あっ・・・おう・・・・」

 

「ちょっとかわいい」

 

なに言ってんだよ。こいつはおれを本当にどうにかするつもりかよ!?

 

「・・・・・これはダメだ」

 

クラスの誰かが呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・・」

 

おれは昼休み屋上に来ていた。

 

「琴羽のやつなにか振り切りやがったな・・・・」

 

朝のちょっと照れさせすぎたのかせいか、琴羽はあれ以降すごいイチャついてくる・・・・ただ彼女が初めての上照れやすいおれからすると琴羽がイチャついてくるのはすごくうれしいが恥ずかしく正直心臓が持たない。

 

「まぁちょっと風に当たってれば少しは良くなるかもな」

 

おれは屋上で空を眺める。青い空・・・・綺麗だな。

 

「・・・・・シルヴィ」

 

青い瞳の少女・・・・おれと同じ遺伝子から作られた悲劇の少女・・・・・

 

「進むと決めたけど、忘れることはないんだろうな・・・・まぁ忘れる訳にはいかないもんな」

 

おれはふうっと一つ息をつく。そこでガチャっという音がした。誰かが屋上に来たのだろう。

 

「・・・・真?」

 

「あれ?姫川と一緒に学食に行ったんじゃなかったのか?」

 

「風花は慶司に預けてきちゃった・・・風花、慶司のことが気になってるみたいだし」

 

「そうなのか?・・・まぁ姫川は最初からそんな感じではあったが・・・・」

 

「さすが真。気付いてたんだ」

 

「あれだけ分かりやすいと少し疑いたくなるレベルだったけどな・・・・ただ慶司は競争率が高いと思う」

 

「ハハハ・・・・なんか色んな人が狙ってるもんね。はいこれ、買ってきた」

 

そう言って琴羽がおれにパンを渡してくる。焼きそばパンか・・・・

 

「炭水化物+炭水化物って最高だよな」

 

おれは袋を開けて焼きそばパンを頬張る。その横で琴羽はメロンパンを開ける。いいなぁ・・・メロンパン。

 

「・・・・琴羽」

 

「うん?どうかした?」

 

「・・・一口頂戴」

 

「・・・・えっ!?」

 

ああ。わかった。おれって2人切りなら恥ずかしがらず言えるんだな。

 

「いや・・・メロンパンも食べたいし・・・・琴羽も焼きそばパン食べる?」

 

「えっ!・・・・えっと・・・・じゃあ・・・・・はい」

 

琴羽が少し顔を赤くしておれにメロンパンを差し出す。

 

「うんじゃ一口・・・・あむ」

 

うーーん、やっぱりメロンパンおいしいな。焼きそばパンも好きだがメロンパンは別格だな。これと競うのはクロワッサンくらいだろ。

 

「おいしいな。ありがとう琴羽」

 

「う、うん・・・・」

 

琴羽は顔を真っ赤にしてメロンパンのおれの食べたところを見つめ止まってしまった。

 

「琴羽どうかした?」

 

わかってる。琴羽が何を考えているのかは・・・でもここは追い打ちをかける場面だよな。

 

「えっ!?」

 

「いや・・・固まってるし・・・・」

 

「っっっ!!!!!」

 

さらに顔を赤くしておれのほうを見る。ちょっと口を開けて気まず恥ずかしそうにおれを見つめる。本当にかわいいな。

 

「琴羽・・・・本当にかわいいよ」

 

あっ・・・今自然に笑えた。さっきまではうまく笑えてなかったからな・・・・

 

「・・・・真のバカ」

 

「琴羽のその顔が見れるなら馬鹿でもいいよ」

 

「・・・・もう」

 

琴羽がちょっと膨れてメロンパンを食べ進める。でもその横顔は少し嬉しそうだった。

 

「琴羽・・・・」

 

「・・・・・・うん?」

 

「・・・・好きだよ」

 

「へっ!?」

 

「おっと・・・・」

 

おれの言葉に琴羽がメロンパンを落としたのでおれが空中でキャッチする。

 

「な、な、なに言ってんの!?」

 

琴羽が真っ赤になって叫ぶ。

 

「いや・・・・なんか・・・・言いたくなった」

 

おれは自分の頬を掻く。自分もこんな風にすんなりと出てくるとは思ってなかった。

 

「・・・・真って本当にズルいね」

 

琴羽の目には少し涙を浮かんでいる。

 

「でも、ありがとう・・・・あたしも好き」

 

笑って、でも少し恥ずかしそうに琴羽が言う。

 

「・・・・琴羽ちょっとおいで」

 

おれは琴羽を呼ぶ。琴羽がゆっくりとおれに近づいてくる。おれはそんな琴羽を・・・・・・・真ん前から抱きしめた。

 

「っ!!!!!」

 

琴羽の身体柔らかいな・・・・ずっと抱きしめてられる・・・・

 

「・・・・琴羽」

 

「・・・うん?」

 

「・・・・好きだよ」

 

「・・・・うん。あたしも・・・好き」

 

琴羽もおれの背に手をまわしてギュッと抱きしめてくる。おれもちょっと抱きしめる力を強める。

 

「・・・ちょっと痛い」

 

「・・・・ごめん」

 

「でも・・・・こういうの好き」

 

「そっか・・・」

 

「うん・・・」

 

少しの間2人はギュッと抱き合っていた。




いかがだったでしょうか?

きちんとコーヒーに合う話になっていたのなら幸いです。

このまま甘め路線でいくつか続けていこうと思います。

感想・批評・評価等ありましたらよろしくお願いします。


宣伝なのですが、もう一つ小説を投稿しようと思っています。そっちのほうは完全に勢い任せというか・・・・これを書いている時に少し別の話が書きたくなって書いたものなのですが、どうせなら投稿しようと思い投稿することにしました。よろしければそっちのほうも読んでいただけると嬉しいです。

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