緋弾のアリアに転生したら危険な姉から逃げないといけなくなりました。 作:レイアメ
じ、自由だ!(白目)
―――キンジSide―――
クソッ!一体どうなってるんだ!
あの後、燐と別れてから俺はアドシアードでやる演奏まで時間があったから武籐と時間を潰しておいたんだが、いつの間にか白雪が失踪していた。しかも、白雪から届いた俺宛のメールには、
『キンちゃんごめんね。さようなら』
というメールも来た。更に燐も現在行方不明らしい。
2人とも失踪なんかじゃない。そして俺はその原因を知っている。
―――
今更何を言おうが言い訳だ。アリアの言う事を信じられず、居るはずがないなんて思っていた。俺の方がバカだったんだ。
今になって、やっと気付いた。燐と別れるときに言っていたあいつの言葉の意味に。
『じゃあ、俺はもう行くわ。又後で』
又後で。これは燐からのメッセージ。こうなることをあいつは最初から分っていて、それを俺に教えてくれていたんだ。俺に期待していてくれたんだ。なのに、それを俺は!
その時、俺の携帯が鳴る。
『もしもし、レキです』
「レキ?オマエも燐w『燐さんの居場所を言いなさい』...ま、待て!俺も燐の居場所を知っているわけじゃないんだ!だからそんなことを言われても俺は言えない」
怖い。めちゃめちゃ怖かった。有無を言わさぬ声と携帯越しに感じる不気味なオーラ。こんな状況だというのに急激に家に帰りたくなった。
俺がレキにそう答えると舌打ちが聞こえ、
『そうですか』
と言って切れた。すると間髪入れずに又、電話が入る。
『全くしょうがないわね!バカキンジ!』
最近聞いてなかった、声が聞こえた。
「あ、アリア!?今まで何処に行ってたんだよ!」
『......ちょっとね』
「マジで何があった!」
何か、凄く疲れた声が聞こえた。心なしか燐の疲れた声と似ている。
『そのことは忘れましょう。今は魔剣よ』
「何か手がかりがあるのか?」
『ええ、今は燐が直接コンタクトを取っているわ。急いで合流するのよ。場所は地下倉庫よ』
「地下倉庫だと!?」
地下倉庫。武偵校では3大危険地域に入る場所だ。しかも地下倉庫とはあくまで優しく言っただけで、火薬倉庫なのだ。そんな所で拳銃でも使われでもしたら、この武偵校が吹っ飛ぶぞ!
『とりあえず、急ぎなさい!私も今向かってる!』
「ああ、分かった」
そう言って通話を終了し、俺は地下倉庫へ走った。
そして、俺は驚愕の光景を目の辺りにする。
―――キンジSaidEND―――
時は燐とジャンヌが戦闘を開始した時まで遡る。
―――燐Said―――
ジャンヌと戦う前に、俺の戦闘法を言っておこう。
まあ、戦闘法とか言っても基本、能力を使って不意打ち、奇襲がメインだったんだけど、今回はそんな方法は使わない。正々堂々、真正面からぶっ飛ばしてやる。勿論手加減はしない。女性にそんなことをしていいのかとか言われそうだが、知ったこっちゃない。この世は平等だ。泣こうが、喚こうがとりあえず一発殴る!
「いいぞ!もっと、もっとだ!」
それにこいつはマゾッ気があるみたいだし、大丈夫だ!......多分。
「うっせえ!」
「ああ、もっとだ!もっとぉ!」
「黙れえぇぇぇ!!」
こんなふざけた感じだが、ちゃんと戦闘はしている。この会話の間に何十回も剣戟が鳴り響いてる。
ちなみに俺の武器はあやや、俺がいつも特注の武器を作って貰ってる同級生だ―――に特注の中の特注で作ってくれたゴムで作られたナイフだ。しかもただのゴムではない。世界一といっても過言では無いほどのゴムで作られたナイフだ。耐衝撃、耐斬撃に優れた一品だ。他の詳しいことは知らん。というか理解出来なかった。
だがゴムで出来ている故に、
「あふんっ!」
「オラッ!」
「ふぐっ、あぁ!」
斬ることが出来ないので、真剣との鍔迫り合いに耐えられるめちゃくちゃ
つーか、このナイフで何回も叩きまくってるのに、何でそんな恍惚な表情を浮かべられる!くそっ、ダメだ。怒りのテンションで何とか乗り切れると思ったけど、こんな変態ぶりを見せられてはテンション駄々下がりだ。
「フフ、流石裏で【不可視の鬼神】と呼ばれるだけはあるな」
「グハァ!」
ダメだ。もう俺はダメだ。あんな恥ずかしい二つ名で呼ばれてるなんて誰かに知られたらもう自殺してやる。他の二つ名とかでも言われてたけど全部恥ずかしいやつばっかりだ。もうダメだぁ、お終いだぁ。
「フフフ、私は燐の勇姿に憧れて、伊・ウーにまで入ったのだからな」
「お、俺はそこまで有名じゃないぞ」
「何を言うか。君は裏では中々の有名人だ。知らない奴の方が珍しいくらいだ」
知らなかった。というかそれならアリスにもばれてるんじゃ......
一気に血の気が引くのが分かる。
「おい、聞きたいことが色々と増えた。容赦なく叩きのめしてでもお前を捕まえてやるからな」
とまあ、自分で言うのもアレだが、かっこいいセリフを言ったすぐ直後、某英雄達をサーヴァンととして戦うアニメの主題歌が流れる。俺の携帯だ。
ジャンヌを警戒しながら電話に出る。
「もしもs『燐さん、今何処n』―――人違いです」
切った。声が出た時点で即切った。又、同じ着メロが流れる。
「はい、『燐さん?何ですか?私の声が分からないんですか?そんなことありませんよね?燐さんが私の声を聞き間違うなんてことはありませんよね?ほら、あなたのレキですよ』―――」
切った。めっちゃ怖かった。ドロドロとした怨念に近い何かを感じた。又もや着信。無視。着信。無視。着信。無視。これが何回か続いた所で携帯が凍りつく。
「危なっ!」
「私と居るのに何故他の女と話をしているんだ!」
即座に手を放す。そしてこれをやったであろう人物に目をやる。そこには髪で表情がうまく見えないジャンヌが幽鬼のような、しかし確かな足取りで、此方に近づく。ジャンヌが通った跡は凍りついてる。
これはヤバイ。チョーヤバイ。剣の腕は俺に分があるが能力では向こうのほうが上だ。
無意識対氷結。
流石に分が悪い。別に勝てないわけでは無いのだが、かなり面倒くさい。
無意識で認識をそらすことは出来ても、そんなことお構いなしに全方位に攻撃をされたらゲームオーバーだ。
「しょうがない。あんまし使いたくなかったんだが...」
ポッケトに入れておいた、
「