緋弾のアリアに転生したら危険な姉から逃げないといけなくなりました。 作:レイアメ
ついに首輪ですか。
あれから何日か経ったが、俺にはもう明確な日数が分からなくなってきた。逆に言えば、それだけ監禁されているということだ。
・・・・そろそろ外に出たい。
そもそもだ、何故俺は此処に居るのだろうか。レキに手錠をかけられて、レキに首輪を付けられて、レキに、レキに、レキに、レキに、レキに、レキににににに―――
「ちょっと燐!?」
はっ!俺は一体何を。
「さっきからブツブツ言ってたけど、大丈夫なの?―――あ、こっち見ないで。目が怖い」
俺に話しかけたのは、自らこの殺伐とした空間に入ることを望んだアリア。アリアは本当にいいほうだ。好きな時に出られるし、依頼もこなせる。一石二鳥だ。それに比べ俺は、ハハハ。イイナァ、アリアハ。
「ごめん、ほんとにごめん。だからそんな虚ろな目で見ないで!」
エ、ナニヲイッテルノカナ?コンナニモスガスガシイキモチナノニ(幻覚)。
「気をしっかり持って!
この時、ふと会話に出たてきた単語に俺がこんな目に遭う羽目になった原因の名前が出て来た気がする。
「ジャンヌウウゥゥゥ!!!」
ははは、プツンと来たぜ。あいつのせいか、あいつのせいなのか!
「ぶっ殺してやらああぁぁぁ!!!」
「落ち着いて、今だけだから!後ちょっとだから!」
そこはレキが居なくともカオスであった。
◇◇◇
あの後、落ち着いた俺とアリアはレキが居ないうちに作戦会議を立てた。
だが、結構長いので簡単に3行で表そう。
『アンタは時間稼ぎ、その後私とキンジでボコル』
『別に倒してしまっても構わんのだろう』
『オーケー』
とまあ、こんな感じだった。
何日か経ち、アドシアードが始まった。
アドシアードとは年に一度に行われる武偵校開催の国際競技大会だ。
その日のみ、俺の自由が約束されるのだ。
「いや、その、俺も一応代表だしアドシアードに出ないといけないんだけどな~」
「だからなんですか?」
「いや、だから―――「だから?」そ、その日だけは自由にしてくれないかな~って。アハハ」
こうやって実に3時間の説得をし、何とかその時間だけ自由を手に入れたのだ。そしてその日に、俺は―――
「―――ジャンヌを捕まえる」
ふふふ、お前さえ、お前さえ捕まえれば、
「ハハハハハ」
「怖いから!怖いからやめて!」
おっと気持ちが高ぶりすぎた。もっと押さえて、押さえて。
「......フフフ」
(あ、これはもうダメね)
こうして日は過ぎていく。
◇◇◇
「ああ、空が見える。空って灰色じゃなくて蒼かったんだ」
「どうしたんだ燐!」
何日あそこにいたのか分からないが、俺は空の色さえ忘れかけ、代わりにコンクリの色に染まるとこだった。
ちなみに隣に居るのはキンジ。今の今まで忘れていたが、俺があんな目にあっていたのに白雪と2人でイチャラブしていたキンジ君である。
「なあ、何でそんなに睨むんだ?何かしたか」
ああ、したな。俺が、俺がどんな目にあったか!そう言うと、
「その、マジでごめん」
すっごく哀れむような目で見られた。
「で、話は変わるがお前は何をするんだ?」
「いや、何も出ないけど?」
「え?じゃあ、お前がレキに言ったのは?」
「勿論、嘘だ」
そう、真っ赤な嘘。こうでもしないと俺は今日もあの部屋で虚ろな目をしていただろう。だが、それも今日で終わりだ。ジャンヌさえ捕まえれば、俺は解放される。
「......フフフ」
「なあ、友達にこういうのはあれだと思うが、こっち見ないでくれ」
さて、行くか。ちょうどメールも着たことだし。
「じゃあ、俺はもう行くわ。
「ん?おい、今のってどういう意味...」
キンジが何かを言う前に俺は移動しながらメールを見てみる。
○○○
from ジャンヌ
sub 返事
今すぐ武偵校の地下倉庫に来てくれ。
○○○
ハハハ、簡単に釣れたぜ。
これで舞台は揃った。後は俺がジャンヌと戦い、超能力を使わせて消耗させる。そこをアリキンコンビが倒す。という予定だが、俺としてはもう即ボコボコにしてやる。女だとか関係ない。時代は男女平等だ。
外道?知ったことか。何と言われようが俺はもう止まらんぞ、絶対捕まえて俺は自由を手に入れる!
地下倉庫にやって来た俺はとりあえず、戦いやすい広い場所の真ん中に立つ。
「よう、来たぜ」
「やっと来たか。では返事を聞かせてもらおうか」
声は聞こえるが、何処に居るかは分からない。だが、そんなことより―――
「返事はNOだ」
「そうか、ならば力ずくで手に入れるのみ」
俺とジャンヌは人知れず戦いを始めた。
◇◇◇
諸君。
君らはアリスやレキ等の病んだ相手に俺は勝てない。あんな相手に勝てるはずがない。病まれた時点でゲームセット。オワタ。―――とでも思っているのではないだろうか。そんなことを思った奴にこう言わせて欲しい。
『甘えよ』
と、鼻で笑い、上から見下し、口角を吊り上げ、ドヤ顔で言ってやろう。
確かに俺はあの頃、アリスに勝てかった。ただ逃げるくらいしか出来なかった。
だが、俺はあの逃亡生活の中で自分を研磨してきた。ただひたすらに、貪欲に強さを求めた。能力を使い、知恵を絞り、技術を磨き、肉体を鍛えた。
その努力が俺を此処まで強くした。
だが、それでもアリスには敵わない。それでも俺は何時かアリスに向き合わなくてはいけない。でも今会っても簡単に捕まるだけだ。だから今は己を磨く。そしてアリスに辿り着けたとき―――それが俺の最終目標だ。
だから、ジャンヌのような中ボs、四天王レベルの病みで負けてられないのだ。
ヤンデレには負ける?そんなことは無い。
俺は
さあ、反撃開始だ。