緋弾のアリアに転生したら危険な姉から逃げないといけなくなりました。   作:レイアメ

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少しはヤンデレっぽく出来たと思います。
では、あらすじから。

前回のあらすじ
ぷ、プロポーズですか!?


勧誘と再びの監禁

 ジャンヌから言われた言葉がうまく飲み込めない。何?私の物になってくれ?どんなドSだ。

 

「いや、私が言ったのは、私の者になってくれないか?だ。む、失礼。電話だ」

 

 わざわざジャンヌがリピートしてくれても分からない。え?何なの?プロポーズ?しかも一定の振動しか与えないはずの携帯のバイブが心なしか強くなった気がする。まるで早く出ろと言わんばかりに。

 

「...いや、だか...」

「ふざけ...!彼は...だから!」

「私の方...好...ひっこ...理...」

「関係な...わた...早い...!調子に...殺...」

「やってみろ...ああ、いいだr...じゃあな」

 

 相手の方も大声で言ってるのか、所々がこっちにまで聞こえる。一体何を話しているか分からないが、不穏な言葉が飛び交い、口を出すと俺にも飛び火してきそうな会話であることは分かった。

 よし、逃げよう。何故もっと早くこの考えを思いつかなかったのか分からないくらい、簡単な答えだった。

 そうと決まれば、そう意気込んだときにはジャンヌが、

 

「な、何してるんですか、ジャンヌさん?」

 

 思わず、敬語になってしまうくらいビックリした。だって、

 

「何って逃げ出さないように抱きついただけだろ?」

 

 ジャンヌいきなり抱きついてきたのだから。少しくらい居た人達も微笑ましいものを見た目で何処かに行ってしまった。やめて、行かないで!

 

「さて、答えを聞かせてもらおうか?」

「いや、そんな急に言われましても、ねえ?」

「む、何だその答えは。・・・・まあいい、保留にしよう。ではもう1つ言わせてくれ」

 

 答えたら綺麗な目をハイライトを消し、鬼のように睨みつけながらこちらを見ていたが、すぐに顔を戻した。 

 怖い。アリス並みじゃなかったけどレキ並みで怖かった。

 

「な、何かな?」

 

 俺は震えながら聞く。

 

「伊・Uに入らないか?」

 

 先にそっちを聞け。

 

◇◇◇

 

 俺は勧誘も保留にしてもらい、色々と精神的に重いものがあった自由だな、と思いつつ帰路に着く。

 帰る家?アハハ。レキの所しかありませんね。笑えません。ちなみに着信履歴を見ると、レキと途中から理子、時間的にジャンヌと喋っていた時―――から着ていた。ああ、帰りたくないな。

 

 カチャ。

 

 そんな音が軽く響く。しかし俺にとっては思く、重過ぎる音であり、地獄の幕開けの音である。

 

「此処に居ましたか、燐さん?」

 

 いつも通り、無感情な筈の声が何処か苛立ったような気がする。

 ああ、誰か助けてくれないかな?一体誰に願ったのは自分でも分からないが、神か、悪魔か、アンノウンのどれかだろう。

 

「――――――レキ」

 

 軽く呟いたくらいの声で名を呼ぶ。

 

「ええ、貴方のレキです」

 

 何か、グレードアップしている気がする。何て言う勇気は俺に無い。

 

「やはり学校だろうと貴方から目を放すんじゃなかった。それが今回の件で分かりました。なのでこれからは私とずっと一緒に居てもらいます。家でも、学校でも、授業中でも、放課後でも、町でも、公園でも、食事でも、お風呂でも、トイレでも、夜でも、昼でも、朝でも、移動でも、何をしていなくても、例え―――死んでもです」

「......ハイ」

 

 もう俺にはこう言うしか無かった。攫われたほうが幸せなのか?とかマジで考えた俺はもうダメだと思う。

 おそらく、俺の目は虚ろだと思う。

 

「では、早く‘私達‘の家に行きましょう」

 

 何故か私達を強調するレキに疑問をぶつける。

 

「なあ、これは何なんだ?」

 

 首についている首輪を指しながら聞く。さすがに鎖はついてなかったけど、さっきのジャンヌの言葉を思い出してしまう。

 

[私の物にならないか?]

 

 ああ、ほらイメージしちゃったよ。レキの顔が無表情ながら怖い。

 

「燐さんが外した手錠と同じものです」

 

 つまり能力封じか。これは厄介な。しかも外れないし。

 

「それは私の意志でしか取り外し出来ません。つまり―――」

 

 ああ、もう分かった。それ以上言わなくてもいい。手で制し、黙るように言う。もしこれで、今の立場を分かっていますか?とでも言われたらほんとに泣いてしまいそうだが、幸いレキはそんなことを言わず、黙ってくれた。

 つまり、貴方の行動は私が握っている、的なことを言おうとしていたのだろ。ほんとに恐ろしい。

 

「では、帰りましょう」

 

 レキに手を引かれて帰る夜道は何だが悲しい気持ちになりました。

 後にアンノウンは語った。あれは俺でも、怖かったです、と。

 

◇◇◇

 

 帰って来てしまった、レキの部屋に。出ていった時と同じなのだが、一点だけ違う。それは、

 

「アリアさん。何の御用ですか?」

 

 アリアが居たのだ。何でと思うより、ありがとう、という言葉が真っ先に思い浮かぶ。それほどまで俺は精神的にヤバイのだ。

 

「ひっ!え、えっと、その」

「はっきり言ってくれますか?」

「ひゃ!ハイ!家出してきたので止めてください!」

 

 家出。大方キンジと何かあったのだろう。それより此処に戻って来ただけでも凄いと思う。あんなの見てよく此処を家出先に選んだな。

 レキは顎に手を当てて、ふむ、といった感じで頷く。アリアはレキが頷いただけでもビクッとなった。

 

「ちょうどいいですね。燐さんもさすがに2人からは逃げられないでしょうし、アリアさんも燐さんに色目を使う理由がありませんから、ねえ?」

 

 レキは一応アリアを置いてあげるみたいだけど、最後の、ねえ?と言う所は何だか部屋の温度が急に下がったような気がした。アリアも凄い勢いで首を振ってる。

 ああ、ようこそアリア。俺はお前を物凄く歓迎するよ。そう目で言うと、アリアから哀れんだ目で見られた。

 悲しく無いよ?ほんとだよ?


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