緋弾のアリアに転生したら危険な姉から逃げないといけなくなりました。 作:レイアメ
テストが忙しくて(泣)
この話は燐が緋弾のアリアではなく、ハイスクールD×Dに転生したらというIFの世界です。特典の能力はありません。
副題
ハイスクールD×Dに転生したら危険な姉から逃げられなくなりました。
転生した先は何処の世界か分からないが分かるのは、まず両親が居らず、代わりに双子の姉が居て、一緒に孤児院に引き取られたくらいか。
ああ、そうだ。いい忘れたが、俺の今世の名前はアルシル=アルジェント。姉の名前はアーシア=アルジェントだ。でも何故かアーシアって聞いたことがあるんだよな?何処でだろ?まあいいか。
ちなみに、容姿はアーシアの方に似ていて、金髪に翠眼で、何処か中性的な顔をしているとよく言われる。
「アル君。バスが来ましたよ」
「分かったよ、アー姉」
分かると思うが、アー姉とはアーシアの事だ。昔、何かの小説にでも影響を受けたのか、
『ねえ、アル君。私のことをおねえちゃんって呼んで?』
とキラキラした目で言ってくるのだ。断れるはずがない。と言うわけで心の中ではアーシアと、口に出すときはアー姉と少し面倒な事になっている。
そういえば、この世界には悪魔、堕天使、天使が三つ巴で争ってるらしい。俺たちは教会出身なので天使サイドということになるのか?まあもう追放された俺達には関係無い話だ。追放された話は後々語るとしよう。
そして俺達が信仰している聖書の神は特定の人間のみに与えられる
しかも所有者が成長すると神器も成長して、所有者の想い・願いが劇的な変化を遂げた時、【
そして俺達にも神器はあったのだ。
俺の神器は【
そのアーシアの神器は【
この神器でアーシアは教会で聖女って呼ばれていた。で、禁手なんだけどこれがほんと恐ろしくて、【
「ねえ、アル君?アル君は私を見捨てないよね?独りにしないよね?寂しくしないよね?私を―――」
アーシアの光の無い目、次々と出てくる俺への
昔、俺とアーシアが2人で出かけたときにアーシアが迷子になったと思って居たら誘拐されていた。犯人のことは詳しくは知らない。というか知りたくない。目的はアーシアの神器だった。何とか助かったけど幼い少女の心には相当のトラウマになって一時期は俺が少し離れるだけで体はガタガタ振るえ、涙をボロボロと流し、俺の名前を呼んでいたこともある。
それは今でも直っていない。少し離れていても大丈夫になったけど、まだ少し。俺はあの事件から今日の日まであの時のことを後悔しなかったことは一度たりともない。
あの時一緒に居たら守れたかもしれない、誘拐されたのが俺ならよかった、そんな後悔がグルグルと頭の中でよぎる。すると、
「あ、バス来たよ?」
「ああ、行こうかアル姉」
さっきまで呟いていた言葉を止め、俺に笑顔を向けてくるアーシア。この豹変に何回か驚いたけど、もう慣れた。嫌な慣れだ。というかこのままだったらすげー可愛いのにな。そう思ってもアーシアは、
「どうしたの?」
自覚無し。しかもさっきの状態も自覚なんてしていない。故に何時、あのアーシアになるのか分からないのだ。常に爆弾抱えてるみたいなものだ。
俺はアーシアにバレないようにこっそりため息を吐きながらバスに乗り込んだ。
◇◇◇
「此処が駒王市か。教会は何処だ?」
「う~ん。あっちじゃない?」
「ずいぶん適当だな」
まあ、それでも止まってるよりマシだろう。そんな訳で、俺達は移動することにした。で、結果。
「迷った」
「迷ったね。どうする?」
普通に迷った。地図とか持ってないし、言葉は通じないじ。あ、言い忘れたけど、俺達は英語を喋ってる。前世の記憶で日本語が喋れる筈、何だけどなあ。
「あの~少し良いですか?」※英語です。
「あ、ご、ごめんなさい!」
「・・・・」
こんな感じである。何故か転生してから日本語が使えなくなったのだ。俺からすれば日本語を話してる筈なんだけど。ちなみに紙に文字書いてもダメだった。
「なあ、無理じゃない?これ」
「もうちょっとがんばろうよ?」
いや、だってねえ?言葉が通じないんだし、文字もダメだろ。後何が残ってるよ?
「じぇ、ジェスチャー?」
可愛えぇぇ!首コテンとしながらだぞ!めちゃくちゃ可愛いじゃねえか!
「そうか。これが萌えか」
「え、急にどうしたの?」
「いや、何でも無いよ」
さて、気を取り直して。......ほんとにどうしよ?
◇◇◇
結果から言えば無事に教会に辿り着く事は出来た。ただ、あんなに悩んですぐのことだぞ?恥ずかしすぎるだろ。教会に行く道を教えてくれたのは、確かイッセーとか言う奴が教えてくれた。しかも英語ペラペラだった。何で助けたのか理由を聞いてみると、
『困ってる奴を助けるのに理由なんかいらないだろ?』
やだイケメン。ただ、1つ難を上げるとすれば、変態だったことか?道行く女の人の(しかも巨乳)胸をこっそり見ていたのをバッチリ俺は見てたぞ。アーシアは俺が目をそっと隠したため幻滅はされなかった。頼むからアーシアはそのままの純粋なままで居てくれ。まあ、それを抜いてもいい奴だった。でも、何で教会に近づくと頭抑えてたんだろ?ま、別に良いか。
「さて、入ろうか」
「そうだね」
まずアーシアがコンコンとドアを叩く。それにしてもボロっちいなあ。台風とか来たら壊れるんじゃないか?今日から此処に住むんだろ、大丈夫なのか?よし、勝手だけど直そう。そうと決まれば、
「どうしたの?」
「いや、此処を直そうと思ってね」
「それは勝手にやっても大丈夫なの?」
「大丈夫だってきっとお金が無いから直せないだけできっと困ってるはず......多分」
最後の方はアーシアに聞こえないようにボソッと言った。アーシアもそうだね!と言ってくれているので大丈夫だろう。よし、やるか!
直そうと神器を発動させるのと同時に、ドアが開いた。中から出て来た黒髪の女の人は時が巻き戻り、直っていく教会を見て固まってしまった。教会が直ったのを確認し、声を掛けてみることに。
「あ、あの~」
しかし、
「き、気絶してる」
慌てて神器を使うアーシアを見ながらこれからの生活に一抹の不安を感じざるを得ない俺だった。
続くかもしれない。