緋弾のアリアに転生したら危険な姉から逃げないといけなくなりました。 作:レイアメ
前回のあらすじ
何か、かっこいい。
あのバスジャック事件の後の事を少し語ろうと思う。
まず、左肩から血がドバドバ出ていたそうで、すぐに武偵病院に入院したらしい。
前にも言ったが、今世の体はハイスペックなので治癒力も高い。この程度なら1週間で完治するだろう。なのでいろいろ怪しまれる前に裏工作をさしてもらった。具体的には言えないが、公に出来ない情報や金、これだけは言っておこう。
見舞いには多くの生徒、いや、多すぎる生徒の皆が来てくれた。中には泣いてる娘も居た。悪いけど、ちょっと引いた。あと、何かキンジがコンビニで大量の甘い物を買ってきてくれた。何か謝られたけど、何か言ったけ?もしかしたら無意識に何か言ってたかもしれないけど、無意識だからしょうがない。
まあ、こういったベットの上で窓を見ながら黄昏るのもいいかもしれない。......1人だったら。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
はい、お分かりの人もいるかもしれませんが、言っておきますが、この部屋には俺と、険悪なムードを漂わす(具体的にはアリアとキンジが涙目で逃げ出すレベル)レキと理子が居る。
最初にレキが来て、お約束のりんごを剥いていてくれたんだが、途中から理子が来て、
「私がリン君にりんごを食べさせてあげる~」
と言い、その際ちゃっかりレキに挑発したような視線を向けたことを俺は知っている。―――レキも
「いえ、私が燐さんに食べさせるので、貴方は何処かに行ってもらって構いません」
と挑発を返し、今に至る。
ああ、ちなみに前回の俺視点で気絶する直前、今の専攻が救護科だと気付いた件だが、その辺はアンノウンがちょちょいのちょいと何とかしてくれたらしい。何故か
「そうしないと、原作に関わってきますので、問題ない」
とか言っていたけど、原作って何だ?
まあそのことは良いとしてだ、そろそろ2人が限界に近いらしい。2人の放つ雰囲気が殺気に変わってきてる。ほんと笑えない(笑)
俺の場合、お約束である、あ~んという行為は甘い空気ではなく、殺伐としたものらしい。
◇◇◇
「......暇だ」
怪我も完治したが、怪しまれないように今だに怪我人として入院している。
今回の事件に関して俺は、誰が、何のために起こしたのか
まあ、それもアンノウンが手紙で書いてあったことなんだが。正直言って、今回俺の出番は無いと言ってもいいくらいだ。むしろ、関わるなとまで言っている。
舞台で踊るのは、3人。ホームズとそのパートナー、そしてリュパン。俺はあくまでサブキャラに過ぎないのだ。ということらしい
今も飛行機の中で戦っているのだろう。
それでも、何かしてやりたいと思うのは、間違いなのだろうか。
「いや、間違って無いな。俺は正しい」
まあ、別に少しくらいならいいだろう。誰かに言ったわけでもなく、かっこつける。
かっこつけながら、自分で悩み、自己完結をして俺は病院を抜け出した。
俺が現在進行形で居るのは、空き地島と呼ばれる、人口浮島だ。さっき通信科の無線を勝手に聞かせてもらった。予想してたより酷く、ジョットエンジンの内側を1基ずつ破壊されているらしい。
俺はそんな状態で、キンジなら此処に来ると思い、此処に来た。
勝手な推測だが、合ってるようだ。すぐ向かいからANA600便が飛んできた。
勢いが消えていない。このままだったら風力発電の柱に翼がぶつかろうとしている。
なら、俺が出来るのは、
―――原作では、うまく着陸したが、正史から離れた世界はそう簡単にはいかない。
この世界では今だ、勢いが消えていない。このままでは、風車もろとも大破するだろう。
しかし、それを防ぐため燐が居る。そう、まるで決められていたように
『それ』は、黒かった。光を放つことも無く、反射もしない。まるで光自体を受け付けないみたいに。
『それ』は燐の腕から、途切れることなく大きく、大きくなり続ける。飛行機並の大きさになった『それ』は、次は木のように枝分かれしていく。まるで蜘蛛の巣のように。
そして夜に、闇に紛れながら、飛行機に絡みつく。絡みついた『それ』は飛行機の勢いを衰えさせていく。
こうして、誰にも気付かれず、誰にも分からず、誰にも、知られること無く、燐はキンジとアリア、及びANA便の乗客を助けたのだった。しかしその代償は、
「あ、あ、あああああぁぁぁぁああああ!!!」
脳にフラッシュバックされる幼き頃の
時間は1分と経っていないが、燐の体感時間からして3時間、アリスの変貌を思い出している。
本来『それ』の代償は、特に無く、精神力がかなりすり減るのみなのだが、燐の『その力』はアリスがあの時使ったものと
しばらくの時間が経ち、完全とは言えないが動くのには十分なくらい回復した燐は、フラフラとした足取りで帰ろうとする。
精神的に参っていたからでもあるが、誰も見ていないと油断していた。そのため気付けなかった。
彼の姿を見ていた、存在のことを。
そしてその存在も燐に気づかれること無く、消えていった。
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