緋弾のアリアに転生したら危険な姉から逃げないといけなくなりました。 作:レイアメ
とりあえず、ボコって情報吐かせるか
まず、此方が牽制としてデザートイーグルではなく、ナイフを投げつける。それに対して男は動く素振りを見せない。
(なんだこいつ?まあいいか、その力とやらを見せてもらおうか)
投げたナイフは弾くでも、掴むでも、打ち返すこともせず
それは確かに命中するはずであった。しかし当たらない。まるで最初から違う場所に投げているように外れる。次に銃であろうが外れる。命中するはずが命中しない。避けるのならば外れてもしょうがない。しかし男は動くことすらしない。燐は狐に包まれたような感覚になる。
「おいおい、当たってねえじゃねえか。動いても居ないんだぜ?一発くらい当てろよ」
バカにするような声で嘲笑う男に何やら
(そんな力はアリスに無い筈だろ、あれはもっと違う感覚の筈だが、くそっ!拉致があかねえ)
思考にはまだ余裕があるが僅かに焦りがで始める。だがそれを空いては待ってはくれない。
「そろそろ、俺からも行くぜぇ!オラッ!」
今まで動く素振りの無かった男が攻撃に転じるため燐に近づく。接近戦なら外れることは無いだろうとカウンターの要領で拳を打ち込む。
「オラッ!」
「っ!?ガッ!」
しかし、それすらも外れ逆にボディに入れられる。だが、燐は今ので力の本質は理解した。
(そりゃ俺に近いと感じるわけだ)
「おいおいもうバテたのかよ。もっと楽しめるかと思ったけど拍子抜けだな」
「分かったぜ、お前の言う力の正体を。今までの現象を推察するからに、お前の力は意識を逸らす。そうだろ」
「だったらなんなんだよ!この力がある限り俺には攻撃が当たんねえぜ。お前が勝つのは絶対無理だ!」
男はナイフ、銃、拳を当てるようとする意識を自分から逸らしていたのだ。最初、姿が見えなかったのも自分の意識を逸らしていたのだ。これは無意識を操れる燐だからこそ、分かったのだ。
確かに意識を逸らせるのなら攻撃は当たらない。しかし
この男にとって不幸だったのは相手が燐であったことだ。そして...
男は困惑していた。先程まで自分が有利であったはずなのに、今では自分が押されているのだから。初めてこの力を得て、酔っていた、力に。この力があれば自分は最強だと錯覚すらした。なのに何故、自分が押されている?何故、攻撃が当たる?
ギリギリ急所は避けているが体は既にぼろぼろ。しかし、それは相手も同じ。相手の弾丸が切れるか、自分の体が壊れるのが先か。そして、その時がやって来た。
先に動きが止まったのは燐だ。銃の弾が切れ、動きを僅かに止めてしまう。男は思った。チャンスだと、勝てると。しかし、彼は知らなかった。煙幕で見えなかったこと、今まで動きを見せなかったことでその存在を知らなかった。
「貰ったぜえ!ガk・・・・うぁっ!」
男の額に打たれた一発の弾丸は綺麗に吸い込まれていった。そして直撃を受けた男はその場に崩れ落ちた。
『ナイスショット。
『ありがとうございます』
撃ったのは勿論、レキ。燐は男が出て来た時に、レキにこう伝えたのだ。
『俺が動きを止め、相手が止めを指すときに一番いいやつを頼む』と。
そして燐の予想通り男は自分を止めに来た。その時、男はレキの存在を知らなかったため能力が効かなかったのだ。
こうしてレキとの初パートナーでのミッションが終わったのだった。...燐に新たな謎を残して。