Black Bullet 〜Lotus of mud〜   作:やすけん

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第7話

 

 

「恐るべき者がだれであるか、教えてあげよう。殺したあとで更に地獄に投げ込む権威のある方を恐れなさい。そうだ、あなたがたに言っておくが、その方を恐れなさい」

 

骨組みが剥き出しの廃屋の中で、聖書のある一節が引用される。

 

唱えたのは部屋の中央、全身を返り血で真っ赤にしたドレッドヘアーの男だ。彫りが深く、褐色の肌をした男は足元で虫の息となっている兵士に指を指し言う。手には今なお血を滴らしている刃渡り25cmのボウイナイフが握られている。

 

「き、貴様らは………一体?」

 

足元で今にも事切れそうになっている兵士は最後の力を振り絞り問う。彼の襟には1本の弧線が描かれた階級章が縫い付けられている。兵士は少しでも情報を引き出そうと、少ない命の灯火を国家の明るい未来を信じて、使う。

 

「よくぞ聞いてくれました。国を守る尖兵としての使命の自覚。ご苦労」

 

返り血に赤くなった祭服を着た男は鷹揚に両手を広げて兵士を讃える。

 

「絶望の淵においても、職務を全うする貴官の武勇は賞賛に値する。ならばこそ答えようッ。我々はこの世に救済をもたらす崇高なる組織。『五翔会』は『Marigold on the gehenna』」

 

「マリーゴールド、オンザ……ゲヘナ?」

 

「ええ、ええ。そうとも。『死の谷に咲いた希望の花』です」

 

「も、目的は……何、だ?」

 

「救済ですよ。迷える哀れな家畜(こひつじ)をもといた家畜小屋に返してやろうと言うのです」

 

「は……狂って、やがる…………な」

 

「どうとでも言いなさい。歴史に名を残すのは勝者のみ。私が狂っているかどうかは後々の子らが決めるのです」

 

「はは………」

 

「歴史を紐解いてみなさい。思想より先に、争いがある」

 

そう言いながら赤い司祭服を着た男(・・・・・・・・・)は兵士の口の中にゆっくりと、ゆっくりとボウイナイフを挿入していく。

 

「さぁ、たっぷり味わって下さい。甘〜い死の誘惑は1度しか味わえませんよ。そして自分の魂に言おう。たましいよ、おまえには長年分の食糧がたくさんたくわえてある。さあ安心せよ、食え、飲め、楽しめ」

 

兵士は今際(いまわ)(きわ)に何を感じたのか? 静かに、だが確実に頭蓋に侵入する澆薄(ぎょうはく)の刃の感覚を、自らに忍び寄る終焉を……。

 

死の形相。兵士の目には、暗愁(あんしゅう)の念が歴然と刻まれている。

 

だが、赤い司祭服を着た男に、それを気にする素振りなど微塵も感じられない。無遠慮にナイフを引き抜く。腕を振った軌道上に、刃に付着していた血が飛散し壁を赤く彩る。

 

「おやおや、全然タフじゃありませんね。悲しい悲しい……」

 

祭服を着た男は、物欲しげに周囲を見回す。だが男の周囲には無残に切り刻まれた10体の屍体(したい)があるのみ。男が欲するものは、もうこの場にはない。

 

「ん〜なんでしょうねぇ。この(わだかま)りは」

 

その時、突如として突風が巻き起こる。一陣の風が吹き抜ければ、1人の男が新たに出現した。

 

赤と黄色のツートンカラーの衣装に身を包み、顔を白く塗り金髪のロングヘアーを後ろで一つに束ねた男。

 

1人のピエロが赤い司祭服を着た男の眼前で跪いている。ピエロの首筋には五芒星(ペンタグラム)の刻印があり、中央には『7』の数字。

 

「マイロード。敵の本隊が来ます。まずは斥候として5人が現在この廃屋へ向け接近中」

 

「そうですか。そうですか。それは結構」

 

赤い司祭服の男、ピエロ。両者共に動かない。2人は更に来る部隊も殺戮しようとその場を動かない。まだ食い足りない、もっと食わせろ。ナイフを握る祭服の男の顔は誰が見てもそう思っているだろうと解る程にヨダレを垂らしていた。

 

やがて、自動小銃を構えた男が5名。彼らがいる部屋へと入ってきた。

 

内臓独特の不快な臭い。酷たらしい斬殺屍体。常識では考えられない状態の室内を見て、兵士たちは一瞬動きを止める。がしかし、彼らの仲間を踏みにじり嘲る男の存在が、彼ら自身の任務を思い出させた。

 

「動くんじゃないッ。武器を捨てろッ‼︎」

 

部隊長と思われる男が腹の底から声を発し赤い司祭服の男を威嚇する。部屋全体を揺らす声量。針の穴ほどのほつれもない威厳ある態度。全てで相手を圧倒するお手本のような勧告だ。

 

祭服の男は大人しくボウイナイフを捨て、両手を挙げる。隣のピエロもならうように手を挙げている。

 

「そのまま膝を付けッ」

 

不承不承と2人は従う。

 

「いいか、少しでも変な動きをしてみろ。容赦無く撃つ」

 

部隊長と思われる男は他の2人の兵士に目配せをする。

すると、目配せを受けた2人の兵士は銃を背中に回してそれぞれ赤い司祭服の男とピエロの衣服を叩き持ち物をチェックする。

 

「何もありません」

 

「こちらも同様です」

 

部下からの報告を受けた部隊長は、2人に向き直る。

 

「おいッ‼︎ 『封印指定物』はどこだッ?」

 

「はい? 『封印指定物』……何のことです?」

 

「惚けるな。お前たちが所持していることは分かっている」

 

「はてね〜? 協力したくても知らないんだからどうしようもありません」

 

「お前たちの目的は何だ? あれをどう使う気だッ?」

 

「ん〜。アレと抽象的に言われましてもねぇ、困ります」

 

「貴ッ、様!」

 

「Don't ask me so many questions.Use your head.Asshole」

 

一瞬ポカンとした部隊長だが、意味を悟ると即座に祭服を着た男の元まで歩み寄り、銃床(ストック)による打撃をしようと小銃を振り上げる。

 

刹那、紅い飛沫(ひまつ)が虚空を舞う。

 

兵士の誰もが目を見張った。特に渦中の部隊長の男の顔には驚愕の表情が張り付いている。部隊長の喉には水平に刃が突き入れられ、貫通。突き入れた反対側から切っ先が皮下を突き破りその顔を覗かせていた。

 

赤い司祭服を着た男は、電光石火のごとく部隊長の腰に吊るされていた銃剣(バヨネット)を奪うと、それを突き立ていた。

 

あまりの唐突の出来事に、周りの人間は何が起きたの理解出来ていないようだ。

 

部屋の時間が止まっている中、祭服の男は表情一つ変えることなく部隊長の顎をかちあげるように掌打を繰り出す。と同時に銃剣(バヨネット)を手前に引き抜き喉を掻っ切る。

 

パックリと開いた傷口からは噴水のように鮮血が吹き出す。それは赤黒く変色していた祭服に降りかかりシミを作る。

 

残る4人の兵士がトリガーを絞ろうとした時、赤い司祭服の男は部隊長の骸を蹴り飛ばし、中央の2人へぶつけ牽制。

 

同時に銃剣(バヨネット)を直立している2人の内、左の兵士へ投擲。

 

放たれたバヨネットは狙い誤る事なく眼窩へと突き刺さり、兵士の首が反り返る。が、突き刺さっているバヨネットの柄を赤い司祭服の男は既に保持している。

 

バヨネットを抜き取とると体を捻り背後の兵士へ向け投擲。それは首へとめり込む。

 

銃を取りこぼし喉を抑える兵士に間を開けずに詰め寄ると、祭服の男は首目掛け刈り取るような鋭いハイキックを放つ。

 

蹴りは柄へヒット。バヨネットは喉を貫通し勢いそのまま壁に突き立った。

 

––3秒––

 

赤い司祭服を着た男が、3人の兵士を殺戮するのに要した時間。

 

「クラウン・ジェスター」

 

「へい」

 

クラウン・ジェスターと呼ばれたピエロはやっとの事で屍体を振りほどいた2人へと詰め寄る。

 

2人の兵士は素早く銃を構えた。下から銃口を上へと振っていき、照準器がピエロを捉え、照星長が人体の急所の1つ––心臓と交差した時、兵士は迷う事なくトリガーを絞る。

 

引き金と連動して稼働する撃針が薬莢底部を打撃。薬莢内の炸薬が爆発し弾頭を吐き出せば、銃身内部の施条(ライフリング)により螺旋の力を得て銃口炎(マズルフラッシュ)を伴い血肉を求め滑空する。

 

巨大な太鼓を叩いたような射撃音がリズミカルに轟き、死臭に硝煙の臭いが混ざる。カラカラと音を立てて空薬莢が跳ね回る。

 

2人の兵士は急いで弾倉(マガジン)の交換を行う。

 

「なッ、なぜ死なないッ⁈」

 

「にヒヒ、何でかなぁ〜? 説明してもわかんないでしょう?」

 

ピエロは30発入り弾倉を2つ–––計60発の5.56 x 45 mm NATO弾を受けても平然と立っていた。

 

全身の至る所に肉の花が咲き乱れ、足元に朱の湖畔を作りながらもピエロは笑みを絶やさない。

 

兵士は空の弾倉を抜き取り、新たな弾倉を弾帯(マガジンポーチ)から取り出し小銃へ叩き込むと槓桿(スライド)を引き初弾を装填する。

 

「ダメダメ。ダメダメさ。そんなんじゃボクちゃんは殺せない殺せない」

 

兵士は恐怖を払拭するためにマズルフラッシュを焚く。パパパ、と部屋の中を断続的に明滅させる。

 

槓桿(スライド)がオープンとなり、全弾を撃ち終えた2人の顔にはだがやはり、理解の枠を越えた事象を目の前に畏怖の念しかないようだ。

 

「うんうん。わかる、わかるよ〜。なんで死なないんだーでしょう? にっひひひ」

 

「なッ……⁈ そんな、バカな」

 

兵士はピエロの体に咲いた血肉の花が、徐々に萎れ、やがて蕾になり平坦な人肌になるまでの過程を見て驚嘆する。

 

「闘争こそ人類の可能性。我々はこの大きく歪んだ新世界における連鎖の頂点に冠する資格を持つ者。闇より這い出た希望の花」

 

赤い司祭服を着た男は2人の兵士に講釈を垂れる。

 

「ば、バケモンが」

 

「歴史を紐解け、戦争によりテクノロジーは著しく発展し、戦争により医療は飛躍的に進歩する。この世には、まだまだ闘争が必要だ。真に平和な世界–––新世界創造のために人柱となるのだ」

 

「へへへ、そういうことなのだ〜」

 

薄気味悪い笑みを浮かべ、ピエロは2人に詰め寄る。

 

半狂乱に陥り、デタラメに銃を乱射する兵士。ピエロの体に弾丸は着弾するが、やはり意味をなさない。

 

虚しく引き金を絞り続ける音が部屋に響く。

 

ピエロは熱くなった銃口を掴むと自らの眉間に突きつけさせる。

 

ジュウっという肉の焼ける音と臭い。

 

「当たりどころが悪かったね。うんうん。どう? 弾を込めて、引き金引いたら、ボクちゃんは死ぬかもよ」

 

「………」

 

兵士の顔は恐怖に引き攣り、今にも逃げ出しそうだ。

 

「くッ……クソがぁあああッ‼︎」

 

やけくそを起こし、再びリロードを行う兵士。

 

弾倉を突っ込み、荒々しくスライドを戻すと引き金を引く。

 

「……あれ…………?」

 

兵士に、引き金を引くことは出来なかった。

 

「お探しの物は、これかなぁ〜? にっししし」

 

ピエロは誰かの両腕を持っていた。

 

兵士の肘から先は、無くなっていた。

 

「こうやってさ、ここを撃つんだよ」

 

ピエロは銃口による刺突、銃刺突を兵士の口腔内へ繰り出す。

 

前歯をへし折り、喉奥へと穿たれる銃口。ピエロは保持している腕の人差し指–––兵士自らの指を使って引き金を引いた。

 

銃声とともに、兵士の後頭部に烈火の飛沫を散らし花が咲く。

 

「あっはは、きゃっはっはっはーはッ。これって自殺⁈ 自殺⁈」

 

ピエロは親からプレゼントを貰った子供のように跳ね回る。

 

「あぁ、あぁぁあああっ‼︎」

 

とうとう残りの1人は銃も装具も捨て置くと、全速力で走り出す。

 

が、すぐに脚に何かがからまり兵士は盛大に転倒。頭を床に強打してしまう。

 

だが焦燥にかられている兵士は、頭から血が滴ってきていてもそれを拭う事もせず駆け出そうとする。

 

匍匐前進(ほふくぜんしん)で出口である扉を目指し這い、何度となく訓練で実施をした匍匐からの早駆けの姿勢で一目散に走り出す。

 

が、その道を塞ぐように仲間の屍体が次々と上から降ってきて小山を瞬く間に築き上げる。

 

死んだ人間の顔。兵士は仲間の死に顔の目を見てしまった。恐怖に全身を支配された。

 

「た、たた……助けて、くれ……」

 

兵士は恐る恐る振り返り、赤い司祭服を着た男とピエロに懇願する。

 

「失望ですね。あ〜あ〜失望ですね。それでも国を守ると宣誓をした男のとる態度ですか? 身を以てこの国の独立と平和を守ると声高らかに宣言した兵士のとる行動ですか?」

 

際服を着た男は明らかな落胆の色を見せる。

 

「……確かに、した。でも、こんな事聞いてないッ」

 

「はッ、聞いてなかったから出来ませんでした。そんな言い訳が通じるほど、国防は甘い物じゃないはず。あなたには、覚悟という物がたりない。何者にも変えられない確固たる意志という物がないッ」

 

「……」

 

「結構、興が覚めました。どうぞ、お行きなさい」

 

「い……いいのか?」

 

だが際服を着た男は1本指を突き出す。

 

「1つ、条件がありますがね」

 

「わ、わかった。なんでも言ってくれ」

 

男は指を引っ込め両手を後ろに組んで仰け反った。

 

「クイズです。非常に簡単なクイズです。私の名前を当てて欲しい。これを当てる事が出来たのなら、まぁ、見逃しましょう」

 

「わ、わかったが、悪いがあんたの名前を……俺はまったく知らない」

 

際服の男は片眉を吊り上げた。

 

「もちろん、ヒントはありますよ」

 

「ああ、わかったから、それを早く言ってくれ」

 

ふ~ん、と際服の男は一呼吸おくと言った。

 

「私は1人だけ、頭に光冠が描かれない」

 

「……」

 

「私は1人だけ、皆とは反対側に座っている」

 

「……」

 

「ここまで言って分からないか?絶望的だな」

 

「そ、そんなことは無い。もっとあるだろ?ヒント」

 

「私は”Yellow”と呼ばれる事が多い」

 

「……」

 

「私は極寒地獄において、最重罪人として、中央の円に繋がれる者だ」

 

「……」

 

「もうダメだな」

 

際服の男はボウイナイフを拾い上げると兵士の眉間へ切っ先を突きつける。

 

「そ、そんな。ま……待ってくれよ」

 

尚も生にすがろうとする兵士に際服の男は最後のチャンスを与える。

 

「いいでしょう。神は慈悲深い。あなた、宗教は?」

 

「い、いや。無宗教者だが。いやッ、大学の時に宗教学を専攻した。何でも聞いてくれ」

 

「きょうは野にあって、あすは炉に投げ入れられる草でさえ、神はこのように装って下さるのなら、あなたがたに、それ以上よくしてくださらないはずがあろうか。ああ、信仰の薄い者たちよ」

 

「な、なんだそれは?」

 

それを聞いた際服の男の髪は逆立った。瞳孔が開き、顔は紅潮している。

 

「何故これくらいも分からないんだ!!」

 

口の端から大量の唾を撒き散らし男は怒鳴る。見開かれた目は血走り途方もない狂気を宿しているのが兵士にはありありと分かった。言葉が通じる相手では無いのが即座に分かったが、それでも兵士に残っていた手段は弁明以外なかった。

 

「ま、ままま、待ってくれよ。俺は神話とか、よくて仏教の事が少し分かるくらいだ……勘弁してくれよ」

 

兵士は地面に額を擦り付け懇願した。

 

それを聞いた男は天を仰ぎ「Oh Jesus」と言った。そして、胸にぶら下げてある大きな逆さの十字架を引きちぎると兵士の頭を引き起こし、それを問答無用で鼻の穴へ突き入れた。

 

苦悶の声を上げてのたうち回る兵士。その顔面には十字架が建っている。

 

「この、ウジ虫がッ!!」

 

赤い司祭服の男は告げた。

 

「私は『ユダ』。イスカリオテの『ユダ』だ。そのスカスカの頭に叩き込んでおくがいいッ!!」

 

首筋には五芒星(ペンタグラム)の刻印に、中央には『13』の数字。

 

ユダと名乗った男は兵士の顔面にそびえ立つ十字架に掌打を打ち込んだ。その手が兵士の顔を覆い指の隙間から大量の血が溢れ出す。十字架は、兵士の頭部に埋め込まれた。

 

「まったく、世も末だ」

 

ユダはやれやれと首を振った。

 

それにピエロが「まったくで」と相づちを打つ。

 

「おやおや、いい所でお電話が入りました」

 

ユダは懐に手を突っ込むと中から携帯電話を取り出した。

 

『おうユダか? エンジョイしてるか〜い?』

 

「ええハングドマン。私は楽しくて仕方がありません」

 

『ひっひ。そうかそうか。さすがは”ナンバーズ”。奇人変人の集いだな』

 

「あなた方には、言われたくありませんね。それよか、何か新たな障害でも?」

 

『ふむ。今回は大物だぞ。ロストナンバー”57”に繋がる情報をキャッチした。お前とクラウン・ジェスターにはその筋から”57”、あの忌々しい瀧華仁––タキ・ラージャが匿ったとされる小僧をしょっ引いてきて欲しい』

 

「ほう。”57”ですか」

 

『誰でもない。愛染明王の異名–––タキ・ラージャをコードネームとして与えられた瀧華仁を屠ったお前にこそ、この任務はふさわしい』

 

それを聞き、ユダはクツクツと笑う。

 

「いいですね。あの小僧。天穹式格闘術(てんきゅうしきかくとうじゅつ)、少しは使えるようになりましたかねぇ?」

 

『さぁね〜。それは分からんが……ま、抜かるなよ。俺から言える事はそれだけだ』

 

「ふふ、任せて下さい」

 

『詳しい情報は後ほど送る。ゆめ忘れるな、我らが大義を』

 

「五翔会に栄光あれ」

 

『五翔会に栄光あれ』

 

ユダは満面を笑みをたたえ、クラウン・ジェスターに向き直る。

 

「これから、それはそれは楽しくなりますよ」

 

「にっししし。マイロード、どこまどもお供いたします」

 

「ええ、頼みますよ」

 

ユダは携帯電話に送られた情報を閲覧し、一通り目を通すと口を裂けんばかりに吊り上げる。

 

「瀧華蓮……静かな夜も、今日で最後だ」





危ない大人が健全な少年に詰め寄ろうとしてますね。

デンジャーデンジャー。

蓮君、頑張ってね。

感想などあれば、嬉しいです(o^^o)

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