大人のための艦隊これくしょん、第一期が無事完結しました。
深海棲艦を率いて世界と戦う白峰は、いわば人類普遍のテーマである「平和」の体現者です。
本土にうつり政治・軍事の両面から帝国の中枢に深く関わっていくようになる幾田は、「国家」意志の体現者です。
そして前線にて艦娘ひとりひとりと絆を深め、戦っていく渋谷は艦娘「個人」の意志を体現します。
三者それぞれの次元における戦争と正義、その決着を後半で描いていきたいと思います。
※この春から極めて多忙となり、筆をとる時間を作れそうにありません。シナリオは最終話まで完成していますので、余裕が出来次第、執筆を再開していこうと思います。読者の皆様には申し訳ないですが、しばしお待ちください。
アニメ艦これの二期があるなら、放送が始まる頃には、こちらも制作をスタートさせていきたいです。
感想のお返事も難しくなると思います。どうかご理解ください。
この物語をつくるにあたり、一番気を配ったのは、きちんと戦争を完結させることでした。戦争は、それ自体が目的ではなく、ただ自らの意志を相手に強制させるための手段にすぎません。目的があるからこそ戦いが生まれます。前半では、深海棲艦が人類を襲う「動機」が明かされました。それに対し艦娘たちは、「人間を守る」という存在意義は別にして、自分自身が果たしたい目的を知りません。今はまだ人間の道具に甘んじ、命じられるがまま戦っているだけです。しかし彼女たちが、何をもって戦いを終わらせたいのか、はっきり自覚することがあれば、この戦争は大きく変わるでしょう。彼我のどちらかが目的を達成することで戦争は終局に導かれます。後半は、そのあたりも掘りさげていきたいです。
前半では、あまり出番のなかった熊勇次郎少佐、福井靖少佐は、後半で大活躍します。前半少しだけ登場した、深海棲艦と艦娘の始まりとも言うべき場所についても、ある国のある人物との会話で、きちんと説明していきます。
渋谷と摩耶と涼子の三角関係も、しだいに激しさを増していきます。戦いから離れた「感情」によりぶつかり合う人間と艦娘にご期待ください。
予告
深海棲艦に海上輸送網を破壊され、孤立してしまった本土・中部太平洋・南方戦線。補給を断たれた前線は、つぎつぎと泊地が機能停止に追い込まれていく。あっという間に飢えと渇きが蔓延し、兵たちは命の灯火に一日の余裕もなかった。ニューギニアのポートモレスビー泊地にて、山口多聞は決断する。オーストラリアに渡るしかないと。それが如何なる犠牲を伴う選択であろうとも。
次回
第十三話 大洋を分かつ