絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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五六九話

Re:

 

 

中々、爽快でしたね(現実逃避)?

五百メートル級の《DB》と、超級規模の《SLB》はありとあらゆるモノを薙ぎ払い全てを更地に変えたのだった、まる。下手をしたら、地球そのものが軽く消し飛ばされる状況だったけど。まあ、その後に懐かしいモノがポロッと出て来てギョッとしたけど。でもまあ、概ねそれぞれの都市を開放する事はできたので良しとする。『良し』とすんだよ!!

 

それによって、隔離都市で奴隷の様に働かされていた人々も開放され、今は治療が必要な人は治療を受け必要のない人々は師匠が用意した集合住宅に移り住んで貰っている。その際に、ウチの師匠が大々的に今回のあらましを語って聞かせてくれたので大きな混乱はない。まあ、普通は文句を言い出す奴が一人か二人は出て来るんだけどね?とりあえず、そういう輩の出現は無いけれど。人々に刻まれた、神魔に対する不信感が直ぐになくなる訳じゃないしトラウマを持つ人々は多いので共存共栄の話は見送りになるかも知れない。

 

そして、操られていた『神王』や『魔王』達も開放されて今は親しい友人達との再会と、これまでの敵対の謝罪を経て原因究明の為に日夜働いている。とは言え、原因についてはウチの師匠がフルボッコにした実権持ちの【神】を晒し日本中に創造主の暴挙と《神殺し》の存在を公表した事によって事なきを得た。もしかしたら、反論するだけの元気が無いだけかも知れないけれど。気にしたら、負けなんだと思われる。

 

『神王』達が、創造主に操られていた事を証明したけれど、今回の事で人間と神魔の間に大きな亀裂ができた事は否めない。よって、今後の話を進める為にも一度神魔達には元の世界に戻って貰う事になった。

 

「とりあえずは、復旧から始める事になったんですね?」

 

とは言っても、地球に存在する大体の国家が機能停止状態でまともに活動している所を見ても自分達で精一杯といった感じだ。それらに、救援を求めても断られる事がわかり切っているので、先ずは日本を復興させてから周辺国家へと手を伸ばし輪を広げて行こうという事になった。食料品等は、師匠が【船】から提供するので問題はないらしい。というか、加工品でなければ幾らでも提供する事はできるとのこと。

 

「ま、何もかも吹き飛ばしたからな。建てるのは早いだろう。しかし、問題は……」

 

言って、師匠が視線をソレに向ける。師匠に釣られて、俺の視線も自然とソレへと向けられた。そこには、五百メートル級DBによって無力化された二十一個のジュエルシードが浮かんでいる。もちろん、直ぐ様封印処理したのは言うまでもない。つか、人々が住まう隔離都市の正体がジュエルシードとか誰が思う!?てか、今日までジュエルシード事件が続いているとか考えもしなかった。それによって、フェイト・テスタロッサがどうなったのか…とか、原作がどうなっているのか…とか、現状では何もわからない。当然、ソレに付随してプレシア・テスタロッサや八神はやて達がどうなったのか形跡を辿る方法も考えねばならない。

 

ぶっちゃけ、五百メートル級DBでヒャッハー!!している描写とか報告している場合じゃなかったよ。最初の都市開放時に、ポロッとジュエルシードが出て来て『は?』ってなったからね?その後、『え、どういう事?!』と師匠に言えば最初の事件が今尚続いているのでは?って話になって、慌てて開放を優先したのは言うまでもない。

 

いや、マジで普通に考えて最初の物語が上手く行ってなかった事に驚くだろう?原作、何ヤッてんの!?とか転生者達の動向によって過去に何があったのかとかわからない事だらけじゃないか。つか、フェイトやプレシアがジュエルシードを封印も回収もせずに放置していたなんて事はあり得ない。

 

そうなると、下手をしたらもっと広く歪みが広がっている可能性だってある。というか、闇の書はどうなったんだろう?八神はやてと守護騎士達が、どうなったのかとか気にならないか?原作が、まともに機能していなかったのなら現状がどういう形に収まっているのか物凄く気になる所。

 

とりあえず、フレールくんに原作人物達を探して貰っては居るものの……何が、どうして何処に落ち着いたのかを確認する必要がある。

てか、無事で居てくれると有り難い。

 

 

閑話休題。

 

 

 

「結論を言うと、神魔のせいでアリシア・テスタロッサが生き返っているらしい。それに付随して、ジュエルシードを必要としなくなったプレシアが改心。フェイトとの仲もアリシアが修復したので今は親子仲良く生きている模様」

 

病気も、神魔の魔法で治されたらしいという事しかわかっていない。あの状態から、普通に生活できる様になるまで右京右折があったはずなんだけれど。遠目で見る限りは、優しげな天使?に見守られて無邪気に走り回るアリシアとフェイトを幸せそうに見詰めるプレシアが居た。これは、これでめでたしめでたしなんだろうけど……さて、どうしたものか?

 

「高町なのはの生存も確認。こっちは、魔法少女になる事も無く神魔とは別の存在の虜囚となり日々を過ごしていた模様。現在は、家族と友人達と共に同様の団地で治療に伏している。経過は、順調だそうで恭也さん達に至っては鍛錬を再開していて看護に当たっている使い魔に叱られる日々を過ごしいます」

 

こっちもこっちで、無事な姿を確認したので一安心だけど。ユーノ・スクライアが見つかっていない。なので、まだ一部緊迫した状況にある部隊もいる。きっと、海鳴市の近くに居ると思うんだけど。下手をしたら、死亡している可能性がある。初期のTVアニメで、弱っていたのって魔力切れだったからだよね?敵対する者に、攻撃されたとかじゃなければ生き残っていると思われるんだけど。その当時には、転生者もまだ生き残っていたはずなので何とも言えない。

 

「八神はやてですが、こちらも神魔によってその命を延命している模様だ。ただし、闇の書の影響が無くなった訳では無く複数の封印を繰り返しかける事で日々を繋いでいると思われる。こちらは、早急な対応が求められると思うんだが…」

 

「わかった。八神はやてと、闇の書の対処に向かおうとしよう。その他の動きについては?」

 

「転生者、確認できず。八神はやての叔父であるグレアム氏は既に死去。ミッドチルダ及び、時空管理局の存在は確認できませんでした!!多分、消されたんだと思われます」

 

「マジか……神魔に喧嘩を売ったのか!?」

 

時空管理局が、消失しているのは痛いけど八神はやてが存命なのは不幸中の幸いだろう。どんな風に、封印を重ね掛けして闇の書を抑えていたのかはわからないけど。死んでいないだけ、救いが有ったんだと思えるので良しとする。

 

これで、死んでたらガチギレ案件になってただろうから生きていてくれただけでマシ。というか、『良くぞ生きて居てくれた!』とお礼を言いたいくらいだった。

まあ、廃人みたいだったけどね?

 

ベットの上で、白と黒の鎖に雁字搦めにされて天使と堕天使に見守られているのを見て、一瞬マジでキレかけたから!!

 

ま、師匠に止められたしその雁字搦めのお陰で生きている事が判明した際には土下座する勢いで誤っておいた。

 

そして、ポッと現れた俺達を温かく迎え入れてくれたのも天使と堕天使だ。どちらかはわからないけど、未来が視える人が居たらしい。だけど、俺達はそういった『運命』に組み込まれる存在では無いので観えるはずが無いんだけど?と思いつつ師匠を見れば、イレギュラー的な存在を知っていて幾つかの条件を揃えれば視えなくも無いと教えてくれた。まあ、その条件ってのがこれまたド糞鬼畜難易度の条件だったけれど。しかも、それを掴み取った奴は死んだそうだ。よくよく聞けば、ソレを掴み取った奴は転生者で《最強第六感》という名前のチート能力を持っていたらしい。

 

「言いたい事は、山程あるが……まあ、いいや……」

 

その為に、そいつはこの世界が神々の娯楽で自分が玩具程度の存在である事も……決して、この世界に良い影響を齎すモノでも無い事をその能力で知っていたそうだ。まさか、その真実に行き当たる転生者が居るとは思ってなくて思いっ切り驚いちゃったんだけど。師匠は、普通にその話を聞いていたからそういう事もあるんだな……と思い直す。しかし、そういう『お察し系チート能力』を転生者に授ける存在(神)は居ないと思っていたんだけど。そんな、酔狂な者も居た模様。

 

それ故、『お察し能力』持ちの転生者は基本短命なんだそうだ。だから、原作人物の為に己の命を持って助け様と動いていたらしい。結果的に、その転生者はこの世界と原作人物を救った訳だけど……なんとも、やるせない気持ちになってしまう。そりゃ、生き残っていたら『世界と原作は俺が救ったんだぞ』と傲慢なお調子者になっていたかも知れないけど。

 

「あ、いや、それは、己の『お察し能力』が許さないな。最強の第六感だもんな?嫌われ者は、避けるか……」

 

『お察し系能力』の最悪さは、自分の意図を無視して問答無用に理解させる部分にあると思う。あれは、どうやっても避けようが無い事だし……例え、抑えられたとしてもわかるモノはわかってしまうデメリットがあるから。

つか、『あ!発動しようとしている!!』とわかった時点で色々察しちゃうからなぁ……だから、六感系能力って余り推奨はしない。

 

俺にも、生えて来ちゃったからどうにもできない事はわかっているつもりだ。でも、俺のは生死の判別であって汎用性のある『お察し系』ではない。まあ、これはコレで嫌なスキルだけど。方向性が違えば、オススメするかも知れない。

 

でも、この手のスキルは少しでも似通ったモノを得てしまうと芋づる式に連鎖するので俺は好きじゃない。だって、色々察しちゃう能力を得ると最終的に苦労人になるだけだぜ?俺も、その片鱗が見え隠れし始めているからな?ぶっちゃけ、苦労人のスキルなんて絶対得たくも無いだろう?ワーストランキングでも、割りと上位に食い込んでる能力だから。

 

『察する』って事は、空気が読めるって事だ。空気が読めるって事は、周囲への気遣いができるって意味でもある。

つまり、『お察し系能力』ってのは周囲へ気遣いができる人になるって事なんだぜ?例え、DQNだったとしても自分が嫌われ者になるとわかっていてソレを貫けるかと言えば……難しいんだよ。誰だって、自分が嫌われ者になるとわかっていて行動する奴なんて居ないからな?だから、名目上は『気遣いのできるDQN(?)』になるんだけれど……それって、言うなれば『良い人だけど、時々はっちゃける事がある普通の人』っていう評価だよな?DQNじゃなくねぇ?

 

まぁ、己を貫く奴は貫くんだろうけど。

 

その手の輩は、人の話を聞かない上に自己解釈&自己完結型のヤバい奴でしか無いから基本的に周囲から距離を置かれている可能性が高い。誰だって、関わりたくない人種ナンバーワンになりたい奴なんて居ないだろうし……ワザワザ、嫌われ者になろうとする馬鹿も居ないだろう。もし、そう思える輩がいるのなら是非会ってみたいモノだ。余程、人格に問題があると見た。そういう輩は、師匠に言って人格をどうにかして貰わねばならない。白亜みたいな無垢な存在に…(怖)。

 

とりあえず、DQNの人格分析は置いておくとして今は八神はやての状況に目をやる。多分、十年前からそうしていたんだと思う。彼女は、闇の書を胸に抱いたまま安らかな眠りに着いていた。それも、余りに長い眠りによって頬はこけガリガリに痩せ細り完全に末期患者の風体だ。それでも生きているのは、彼女に繋がっている点滴や生命活動を維持する魔法によって生かされているからだと思われる。つまり、八神はやては闇の書が暴走を始めて直ぐ封印状態にされたんだと思われる。それ以来、目覚める事無くこの天使と堕天使によって生きたまま封印され続けていたのだろう。

 

結果、我々が間に合t……間に合ってないな、うん。どっちかって言うと、全然間に合ってない。だって、ここに来たのは事後処理をする為であって事が起こる前の対処では無いからだ。ぶっちゃけ、負け組ですね?ま、何時だって間に合わない負け組だけど。

 

ただし、上手く動ければ最悪を回避できる程度には間に合っているらしい。今ある現実(コレ)が、最悪を回避した結果だと言われると疑問が残るけど。なにはともあれ、暴走した闇の書は師匠の手によって夜天の書へと戻って行った。

それにより、守護騎士とリインフォースにラミア化したナハトヴァールが付いて大家族となった八神はやてが起き抜けに目を白黒させているけど……気にしない。

 

「今日も、良い天気だなぁ(棒)……」

 

「ちょぉ!何、現実逃避しとんねん!?」

 

「ハハハ、清々シクモ爽ヤカナ昼ダ……」

 

「片言ぉ!?って、貴方達はいったい……」

 

「成すべきは成った。じゃ、頑張れよ?」

 

「師匠……言い逃げですか!?」

 

シュタッと片手を上げた師匠は、クルッと反転するとスタスタ歩き始めた。まあ、闇の書を夜天の書に書き換える作業は終わったし、この場での仕事は何も無いと言えるけど……多少の説明時間すら、取れない訳でも無いでしょう?しかし、残る気の無い師匠は問答無用で部屋から出て行くので天使と堕天使の方に視線を向けてから会釈をしてから追い掛ける。

 

「師匠?師匠!何で、逃げるみたいに外へ出たんですか?」

 

「逃げるみたいではない。逃げるんだよ……あの天使と堕天使共から逃げるんだよ。面倒くさい……」

 

「は?何故、逃げる必要があるんですか!?」

 

「アレは、この世界の存在でも転生特典でも無い。アレは、サイコパスの使い魔だ!!つまり、この世界軸には僕達の他にも《神殺し》が居て世界の歪みが行き過ぎない様に調整しているクズ野郎がいるって話!!」

 

「え!?アレって、同業者なんですか!?我々の他に、《神殺し》がいる……?でも、なら何で我々が追加で呼ばれているんですか!?おかしいじゃ無いですか!?」

 

「おかしく無いよ!アレは、愉快犯だから……寧ろ、今まで遭遇して来なかった方がおかしいから!!」

 

愉快犯?もしかして、『ETERNAL END』とかいう集団か!?でも、彼らは落ちこぼれなんであって愉快犯とは言われていないはず……なら、誰が愉快犯でサイコパスだと言うのだろう?とりあえず、サッサと転移してしまった師匠を追って俺も転移するけど。転移した先で、初めて見るタイプの女性が師匠に抱き着いていた。

 

そして、抱き着かれていた師匠はというと背筋が凍る程の殺気を振り撒きつつガチギレしているのがわかる程に声を荒上げている。あの様子だと、犬猿の仲と称されていたウォーティアさんよりも仲が悪そうに見えるんだけど?えっと、なんであんなにもガチギレしているんだか……あ!空間ごと、切り捨てたぞ!?

 

「ちょ、師匠!?」

 

「仕事もしないで、何をしていやがった!?」

 

「えー?ちゃんと、仕事はしていたよぉ?ただぁ、解決をしていなかっただけでオ・シ・ゴ・トはしてたってぇ~w」

 

「はあぁ!?何処ら辺が、仕事してたってぇ!?(怒)」

 

「してるよぉ~w ちゃんと、世界が開かない様にしてたじゃんwww ほら、我々のお仕事で間違いないじゃんwww」

 

「……………………」

 

あー、こういうタイプと師匠って相性最悪なんだ?一応、応急処置はしているけど……直接的な原因の相性が悪すぎる。

 

てか、ウチの師匠を煽らないで下さい。

まあ、わかっているだろうけど。きっと、ギリギリの所を責めるのが好きな奴は師匠を何度もからかっているんだと理解した……理解はしたんだけれど。その直後に、乾いた破裂音が響き馬鹿は地面に転がった。見れば、師匠が黒塗りの重厚感溢れる鉄の塊を2手に馬鹿へ向けていた。師匠が、手に持っていたのは【銃】という飛び道具。一般的な武器で、鉛の弾を火薬で弾いて敵に叩き込む為の道具だ。

 

通常、師匠がそれを使う事はないんだけれど……何故か、同類共にツッコミを入れる際はアレを使う事がある。つまり、師匠にとって『銃』はイコール『ハリセン』と同義らしい。そして、目の前に居るのは師匠と同類の《神殺し》ってんだからソレが使われた模様。

 

「ハリセン、イコール『銃』かぁ……」

 

「何か、言いたそうですね?兄様」

 

「いやぁ……アレは、ハリセンになり得ないでしょ?」

 

「相手は、不老不死だぞ?兄様」

 

「ちょっと、叩いたり蹴ったりした程度では何も堪えない様な化け物ですよ?それに、あの程度は直ぐに再生します」

 

「ウム。ツッコミ役の中には、手榴弾を体内に潜り込ませて爆破する者すら居るからの?アレは、まだ優しい方じゃの」

 

不死人のボケツッコミは、聞く限りとても激しいモノらしい。てか、何処の戦場ですか!?ボケるだけで、鉛の弾や手榴弾が投げ付けられる世界線って……ヤバ過ぎるだろう!?

 

何がヤバいかって、そこまでされないと止まらないウザ絡みをする不死人がヤバい。『空気読め』とか、言っていられないレベルじゃん!まあ、読めないんじゃなくて『読まない』んだろうけど。それでも、そんなボケツッコミが日常化しているって事が何よりもヤバかった。

 

「殺し合いという名のツッコミは、止めてもろて?」

 

「無理ですね。そういう文化が、浸透仕切ってます」

 

「ウム。アレは、最早『文化』と言えるモノだ」

 

「そんな文化は、捨ててしまえ!!」

 

「不死人故に、許される文化だの?」

 

「不死人であるが故に……」

 

「笑えないんだが!?つか、鮮血飛び散るツッコミって需要は無い!!今直ぐに、放棄してしまえ!!」

 

ボケたら、殺し合いが始まる文化とか滅びてしまえ!!てか、何処の馬鹿がそんな文化を始めやがったんだ!?不死人だからといって、訳のわからない文化を広めるんじゃねぇよ!?

 

とりあえず、師匠にも同じ様な伝聞を言って『銃』は取り上げて置いた。その際、いずれ俺も同じ穴の狢になるとか言われたけど。絶対、そんな狢にはならねぇと反論して置く。すると、何を思ったのかウザ絡みをしていた不死人がこちらに絡んで来たので全力で殴ってやった。そのついでに、何時ぞやの再会パーティで出たゴミの中に幼馴染み達が作った大量のホイップをお皿に盛っただけのパイ?があったのでそれを顔面に叩き付けておく。まあ、実際には悪乗りした白亜達がデスソース等をブッ込んで作っていたので目等に入ったりしたらエゲツない事にしかならないモノだけど。

 

案の定、目に入ったらしいウザ絡みの奴は顔を押さえてのたうち回っている。それを師匠が、目を白黒させて見ていた。

まあ、普通に考えてただパイ?を顔面に叩き付けられただけでのたうち回る事なんてない。けれど、のたうち回っているのが現実なのでそれを不思議に思っているんだと思いたい。

俺自身、幼馴染み達がこんなヤバいモノを作っていた事にドン引きしているけど。実際に、その被害者が出ると口角が持ち上がってしまうのは何故なんだろうね?

 

「…………何を仕込んでいたんだ?」

 

「それは、幼馴染みぃズに聞いて下さい。きっと、嬉々として教えてくれますよ?ええ、『銃』なんぞよりも余程こっちの方が効きますからねぇ?ほら、相手を傷付けなくてもダメージを通す事は可能なんですよ!!」

 

触覚に訴えなくても、嗅覚や味覚に訴える方法もあるのだと伝えてみた。それにより、師匠へデスソースが渡される一幕もあったけど。概ね、想定内の結末に収まった。

 

「部分的に転移が使えるなら、対象物を直接目や鼻の粘膜に飛ばしても面白いかも知れませんね?」

 

「ほほぉ?粘膜に、直接、ね?」

 

「兄様が、不穏な事をMasterに教えておられます……」

 

「粘膜を攻撃とは……兄様も対応できぬ事を……」

 

「対処は可能だろう?だからと言って、常にできる事でも無いだろうから狙い目ではあるんだよなぁ……」

 

「傷口に塩を塗り込むみたいなモノですかねぇ?」

 

「傷口に塩……辛子や山葵では、ダメなのかのぉ?」

 

「鼻に水を流し込むみたいなモノかなぁ?濃縮アンモニア水で、暫く不快感に苛まれて居れば良いんじゃね?」

 

潔癖な日本人なら、永く続く不快感はストレスになるからそれなりの成果を出せるはずだ。とは言え、濃縮アンモニア水なんかは周囲にも大ダメージを与えるので使い所が難しい。

そりゃ、相手を密閉空間に閉じ込められたならそうでもないけど。そういう、特殊条件下でもなければ面倒事になりかねない。

 

なにはともあれ、ウザ絡みの《神殺し》?頭に鉄仮面を装着させられ……今は、ブンブン振り回し鉄仮面を壁に叩き付けていた。鉄仮面には、腐った鶏肉を詰めて置いたのでとても不快感でしょう?口で息をしようとも、ソレの臭いが如何にヤバいのかは経験者(俺)が良く知っていた。

 

「業務用の冷凍庫壊した馬鹿が居たからな?連帯責任で、後片付けに参加させられた時は何の連帯責任かと責任者に詰め寄ったモノだ」

 

実際は、冷凍庫を壊した奴は一人だけだったんだけど。一人で片付けたくなかったソイツは、『複数人でやった』と自供して何も知らない俺達を巻き添えにしたのだった。後にソレがバレて、メッチャ叱られてたけど……その頃には、身体に臭いが染み付いていてフとした瞬間に腐った鶏肉の腐臭が漂う状況を体験させられた。それは、一週間程続いたよ。

 

 

 

 

 




原作、真っ向勝負で神魔に喧嘩売る!?
神魔といえば、理不尽の権化だぞ?そんなモンに喧嘩を売って無事な訳がないんだよなぁ。その結果、時空管理局が喪失。それに付随して、ミッドチルダもどっか行ったので三期以降がロスト。二期も、起こって居ない模様。

隔離都市が、ジュエルシードで封印処置を急ぐ事になった一行だった。46都道府県が、21箇所の隔離都市になっているのを見て察している方は多かったかも知れないけれど。
まあ、大分古い設定を引っ張り出したんだけどねぇ?無印の頃の話なんて、大体の人が忘れちゃっているんじゃないかな?時代は、今やヴィヴィオの時代だからねぇ?ソレすらも、失われた世界ってどうでしょう?って話。

なにはともあれ、既に来ていた《神殺し》の目的とは!?そして、今の今まで何をしていたのか!?そこら辺の事情は、また次の投稿で!!
その背後で、神崎は悪戯用のネタをせっせと双夜に詰め込むのだった。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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