絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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五六五話

Re:

 

 

とりあえず、気絶していた腐女子を起こしてからの話。

 

「――という訳で、君には彼らを正気に戻して貰いたい」

 

「ぶっちゃけ、自分達の行いが常識から逸脱しているってのを気が付かせれば良いから。その後は、好きにして良いよ」

 

「ウヘヘ、ホントに好きにして良いの?」

 

「ああ。玩具にするも良し、気に入ったカップルが居ればそのまま狂った状態を維持しても良い……まあ、誰が選ばれるかは大体予想が付くけど……」

 

「私としては、あのままでも十分だと思うけど……」

 

「「それじゃ、意味が無い(だろう)!?」」

 

「腐腐腐。つまり、一部はそのままでも良いのね?」

 

「構わん。奴らが、どういう人生を送ろうと世界の根幹を揺らがさないなら問題は無いからな……」

 

「狂った感覚を戻せば、奴らも自分達が誰かの操り人形だと気が付くだろう。…………気が付くよな?」

 

いや、気が付かないかも?

そう言えば、どいつもこいつも嫌われていても気が付かない鈍感ばっかりだったな?二次創作系でも、大抵の奴は原作人物達の感情の機微がわからず暴走してたっけ?現実でも、『そうか?』と問われたら『違う可能性も』と答えるけど。ソレを、娯楽と称する神々が許す訳ないから鈍感にされていそうだ。御都合主義も無い。

 

「気付けるだけの〈直感〉持ちが居れば話は別なんだろうけど……馬鹿が、何故馬鹿と称されるかわかるか?」

 

「馬鹿、だからでしょう?」

 

「じゃ、BLワールドを形成していた転生者が正気に戻ったら?自分が、操られていたと知って……犯人を特定できると思うか?俺は、この腐女子が犯人にされると思う」

 

「え、私!?……ああ。しかも、そういう能力を持ってるわ……成る程、どうあっても神々の娯楽とバレない様にしてあるって訳ね?後詰めまで、バッチリじゃない……」

 

「しかも、お腐れ様だしなぁ?そういう世界を形成しても不思議には思われんだろう……」

 

「匿名で、BL本でも送り付けてみるか?」

 

「でも、鈍感なんでしょう?」

 

ソレで、気が付ける程『勘』が良ければあの状況にはならないってか?……知ってた。

いずれにしても、誰かがあの状況に気が付かせてやらないと、いつまで経ってもどこぞの神が造り上げた趣味ワールドから抜け出せない。

だからと言って、先にその趣味ワールドを形成している神を殺したら正気に戻った転生者が黒歴史を苦に自殺しかねない。

ぶっちゃけ、それによって発生するデメリットを考えなければそれでも構わないんだけど。

でも、それをすると生まれて来た赤ちゃんが一人残されると師匠が言っていた。

そう、なんで俺達がBLワールドで頭を悩ませているかと言うと生まれて来た赤ちゃんの身寄りが無くなる事が懸念として上がって来たからだ。突然発生した転生者と違い、あの赤ん坊はちゃんと受肉して生まれて来ているらしい。

その辺りの詳しい話は、難解過ぎてわからなかったけれど。

転生者が、消滅して歴史が修正されたとしても赤ん坊は存在し続けるんだそうだ。だから、俺達はあの赤ん坊の為に色々頭を悩ませているって訳。生まれて、まだ立ち上がる事もできないあの子達から親を取り上げ孤児にする訳には行かないからな?全く、面倒な案件を作ってくれたもんだぜ。

 

「師匠達が、やらかした事とは言え……まさか、こんな事になろうとは思わなかったよなぁ……」

 

「教育方針としては、何ら間違いでも無いんだけどな?」

 

「襲われた女性の気持ちをわからせてやる!ってか?」

 

「……ざーこ♡雑魚雑魚ざーこ♡……」

 

「…………で?俺にどんな反応をしろと?」

 

「ちょっとは、ノッてくれても良いじゃない……」

 

「メスガキかよ……そう言えば、コイツの生前って何歳ですか?知ってるんですよね?で、今世の年齢は?」

 

「ごめんなさい。私が、悪ぅございました……」

 

「精神年齢と、実年齢が違うんだから知られたくないなら黙ってろ。あ、資料アザーッス!!」

 

「ちょ、マジで許して!!謝るから!土下座でもするから!それだけは、暴かないで!!」

 

腐女子が、ここまで焦るって事は生前も女性だったって事だな?そして、アラサーくらいかと思っていたがアラフォーもありえそうだ。下手をしたら、それ以上かも知れない。それに加え、現在の年齢となれば……五十以上は硬い。コイツ、完全な熟練者じゃないですか!しかも、これで生前も結婚してないとなれば塩漬け具合もかなりのモノと言えよう。

 

「お前、貴腐人なのか……」

 

「うぐっ……いやいや、私なんてまだまだBL初心者だよ?ほらほら、こんなに若いんだし……」

 

「視線逸らさずに、もう一度言ってみな?それと、結婚はしていたんだよな?いや、もしかしてヲタク?」

 

「……………………」

 

身体全体で、俺の視線を逸らし始めたのでこれ以上のツッコミは不要っぽい。とりあえず、余所見をしている内に資料の中を確認したら予想以上で笑えなかった。80代で死去?

 

「え?お前、腐れ歴どんだけ長いねん!?しかも、それが原因で未婚のままって……せめて、まともな人生送ってろよ」

 

「うぅぅ……だって、視てるだけでお腹いっぱいだったんだもん……だから、特典もソレ仕様だよ♡」

 

「お前……転生って、言葉の意味わかってっか!?人生のやり直しじゃねぇからな?零からの再スタートって意味だからな!?強くて、ニューゲームじゃねぇんだよ!!」

 

「…………わ、わかってるわよ……」

 

「いや、わかってねぇだろう!?しかも、《神殺し》に転生した訳でも無く【インスタント・ソウル】によるデータの使い回しでこの世界軸に来たって事は前の世界軸の記憶もあるんだよな?同じ人生が続いている様な感覚かも知れねぇけど……どっかで、その【腐れ思考】を断ち切ってカタギになるべきなんじゃねぇの?」

 

「カタギって……私、ヤ◯ザじゃないよぉ~」

 

「わかってるよ。別に、ソレを趣味にし続ける事は構わないけど……そっちはそっち。現実は現実って、使い分けられる様になれば良いんだ」

 

「…………デレた?」

 

「デレてない!つか、茶化すな(怒)!たくっ……一応、この世界に不細工な人間は居ないんだから、今の内に恋人作って真っ当な人生を送った方が良いぞ?」

 

多分、後で後悔する事になる可能性が大だから。今の所、そんな()()は無いんだけど……伏線?的なモノは、チョイチョイ見え隠れし始めている。俺も、ソレに気が付いたのは割りと最近ではあるんだけれど。このままの流れで進むと、近い将来……つっても、大分先の様な気もするんだが並行世界が一つに纏められる可能性が見え隠れしている。今は、そこそこバラバラでそれぞれの歴史を刻んではいるけれど。それでも、完全な差別化はされていないから纏まる可能性は否定できない。

そもそも、転生者共が正規の歴史から外れてオリジナル歴史を組み上げるのを嫌ってソレに沿った世界軸を乱立している。なので、いつかその似た様な歴史を持つ世界軸が一纏めにされる未来がある様な気がしてならなかった。

そうなった時、世界がどの様に変化するのか完全に未知数だ。下手をしたら、今みたいな未来が保証されている世界では無いかも知れない。

ぶっちゃけ、転生者達に取って最悪の世界が構築された場合……神様特典が、どの様な形に納まるのかも予測もできない――なんて事もないんだけどな?つか、一つの可能性を俺の【直感】が指摘している。指摘しているっていうか、そうなる様な気がメッチャしているっていうだけの話なんだけど。

【神様特典】、消失するんじゃね?

なんで、そんな結論に至ったかというと……師匠が、その能力を使って特典を一つだけに絞っているからである。アレって、余分な特典と【呪い】を消して世界が纏った時の不確定要素を少しでも削っているんじゃなかろうか?

 

「とりあえず、人生相談は置いといて……BL漫画の原稿を馬鹿共の目の前でブチ撒けてくれるかな?」

 

ツラツラと、色々考えていたら師匠がとんでもない事を提案してきた。つか、ソレ、どんな状況!?てか、BL漫画の原稿を転生者達の目の前にブチ撒けて正気に戻す気なのか!?

 

「ミッドチルダに、夏コミはありませんよ?」

 

「即売会とか、そういうイベントは……作れば良いんだよ。何の為の使い魔さ?数が居るんだ。多少のイベントくらい捏造するのは容易いと思うけどね?」

 

「また、使い魔に優しくない提案を……」

 

「問題ありません。手探りの調べ物や、誰かの監視等の長期に渡る仕事などよりは面白く楽しいお仕事です」

 

「猫が、喋ったああああぁぁぁぁ!!!??」

 

秘密基地で、のんべダラリと過ごしている警護使い魔の一体が師匠のフォローをする。

ソレに、少しホロリと涙が出かけたけど。

次の瞬間、腐女子のネタ的発言で涙が引っ込んだ。それって、喋る事のない生物が話し出した時に使うヤツですよね?俺は、使う事が出来なかったけれど。腐女子は、難なくやり遂げよって少しイラッ☆と来た。

 

「あぃええぇええぇ!?にゃんこ、ナンデ?にゃんこが、喋ったああああぁぁぁぁ!!」

 

「誰か、イケメン化して腐女子を黙らせてくれないかなぁ?出来れば、甘く蕩ける様な言葉で攻めてくれねぇ?」

 

「それで、黙るのですか?ソレは……」

 

「黙らなくても、行動は制限できる。それに、腐女子ってイケメン耐性とか無いから超絶顔面偏差値で攻めてやれば動けなくなるんじゃね?もしくは、逆ハーレム状態にしてやれば良い。それだけで、こういう陰キャは黙るから」

 

「あ、あの、イケメンって……なんで?ナンデ、猫がイケメンに変身したぁ!?ちょ、あの、どうなってんの!?」

 

「お前が、俺にあけすけ無く喋れるのって俺の顔が【ギルガメッシュ】だからだよな?どんなイケメンでも、二次元で超有名なキャラクターだから何の緊張も無く話し掛けれるんだろうけど……リアル系のアニメキャラでも無い存在だとどうなるのかなぁ!???」

 

この腐女子は、俺がアニメのキャラクター顔だからって油断していたみたいだった。だから、次々と現れる見た事もないイケメンに言葉数が段々減っていく。ついには、完全に黙り込んでしまった。しかし、使い魔達も黙ってはいない。

 

「これが、ホントの……逆ハーレムの術、ですね?」

 

「「ゴフッ!!」」

 

唐突に、ブッ込まれたネタ発言に思わず噴き出してしまう。誰だ!?そんな、忍術を使った使い魔さんは!?

 

「唐突に何言い出してんだ!?思わず、吹いちゃっただろう!?腐女子の緊張は、解かなくても良いんだよ!!」

 

「ひいぃぃぃいっ!!!!」

 

まあ、当の本人は近付いて来るイケメン達にドン引きしているけど。緊張……メッチャ、緊張してる?疑問に思いつつ、周囲の使い魔達を見回すが普通にイケメンがゆっくり腐女子に近付いて行く様子しかわからなかった。もしかして、俺ってば毒されてる?パッと見て、腐女子が何に怯えているのかがわからないけど。

それが、わからなくなるくらいこの状況に慣れてしまっているのだろうか?イケメンから、イケメン……寧ろ、人形の様な顔立ちの整った使い魔達が腐女子をソファーに追い詰めて顎をクイッと上げてニッコリ笑顔で背筋が震える程の口説き文句を発している。

ぶっちゃけ、何を言っているかは断片的にしか聞こえなかった。何せ、イケメンが何かを告げる度に腐女子が悲鳴の様な奇声を上げるので聞き取れない。大音量で、奇声を上げられるから耳がキーンとして途中からは何も聞こえなくなっていた。居るんだよねー、囁かれる画面越しの口説き文句を大声で遮るヲタク女。嬉しのか恥ずかしいのか、身悶えしながらのたうち回る気持ち悪いヤツ。それが、正に隣に居て奇声と共に自らを抱きしめてのたうち回っていた。

メッチャ、勘弁して欲しいッス。

そりゃ、低音イケメンボイスで口説き文句を囁かれる嬉し恥ずかしさはあるのだろうけど。

それを、全身で表現するのは如何なモノかと……つか、段々激しくなっているんですが?

ドッタンバッタンと、身悶える腐女子に引きながらギャルゲーでこういう行動する奴って居るのかなぁ?というどうでもいい事を考えていた。いや、ニタニタとキモい事を呟く奴は居ても暴れて嬉し恥ずかしを表現するヲタクは居ない。

コレは、腐女子特有の行動なんだろうと結論付けて視線を師匠の方へと動かして固まった。ヤバい!師匠の目が、ゴミを見る様なモノへと変化している!!ただ、そこに嫌悪感みたいな感情は含まれていないので背筋が凍る事はないけれど。

それでも、効果は絶大なモノでそれに気が付いたのか奇声が

少しずつ小さくなっていった。それによって、訪れるのは長い沈黙。とりあえず、視線だけで黙らせた師匠は怖い存在なんだとわかって貰えただろうか?

 

「話を続けるが、君は濃いのとアッサリどっちが好きなんだ?因みに、【濃い】はおっさん?で【アッサリ】がイケメンと華奢な美少年との話だ」

 

「見た目が美丈夫であるなら、どっちもイケます!!」

 

「また、業の深い奴が来たなぁ?」

 

「…………そうか。じゃ、これを見ても大丈夫そうだな?」

 

言って、師匠が渡して来たのはBL漫画の原稿だった。

ぶっちゃけると、濃厚な美丈夫達の絡みとイケメンと華奢な美少年との絡みだ。二話分ある。つか、誰に描かせた!?

 

「…………す、スゴい!なんて、ふつくしい絵……誰ですか!?コレを描いた神は!?」

 

「…………組織所属の貴腐人だが……」

 

「組織……というと、《神殺し》の【組織】ですよね?」

 

「……まあ、《神殺し》専門でもないがその【組織】だ」

 

「……専門じゃないんですか?」

 

「アレは、真っ当な正義を通す為の【悪の組織】だからな。その延長線上に、『神を殺す』という所業があるだけでアレの専門は神殺しじゃないんだ。だから、僕は所属してない」

 

ははぁ、成る程ねぇ……【組織】は、『悪を名乗る存在達の集まり』なんですね?何となぁーく、師匠にお似合いの『集まり』の様な気がするけれど。師匠は、それがお気に召さないという事らしい。つか、【魔王】イコール【悪】なんじゃねぇの?と聞きたかったけれど。

目の前に居座る師匠から、滲み出てくる殺気が段々強くなって来ているので無駄口は挟まない。多分、この思考も筒抜けなんだろうなぁ?

 

「とりあえず、この絵師さんの作品を中心的に集めて上げたらどうですか?ソレが、報酬ならコイツも嬉しいでしょうし。それに、この手の人種は金よりコッチの方が喜びますよ?まあ、金も必要そうですけど……」

 

「…………わかった。報酬の一部で、この絵師が手掛ける作品を買っておこう。それで、良いか?」

 

「はい!それはもう、最高ですね!!」

 

先程から、俺の提案にコクコクと首を縦に動かしていた腐女子は、師匠の答えに声を凄ませつつ食い気味に身を乗り出していた。

余程、この絵師が気に入ったのか食い入る様にBL本を見ている。その姿を横目に、少し身を引く。いや、普通に怖いですよ?この腐女子。というか、腐女子が大いに喜ぶ姿ってヲタクがハアハアしている様子と被る所があるのでキモい。女性に、そんな言葉を告げる気は無いので黙っていたけれど……目を爛々と輝かせて、原稿に魅入る女性を俺は何と評して良いかわからない。てか、考えたくもない。

 

「とりあえず、頑張ってその原稿をブチ撒けてね?破れたり、汚れたりするかも知れないけれど……」

 

「…………え?今、なんて?」

 

「破れたり、汚れたりするかも知れないけれど!!」

 

「そ、そんな……こんな、素晴らしい作品をブチ撒けるなんて…………私には、できないっ!!」

 

「やらないと、報酬は無しだぞ?」

 

はい、師匠の鬼畜発言きました!しかも、今、一番言われたく無いヤツですね!案の定、腐女子が青ざめて絶望しているのが手に取るようにわかる。駄目ですよ?師匠……ここで、脅し的な発言はNGです。ヤルとしても、原稿を傷付けない方向の案を提案する方が健全だったでしょう。

 

「保護魔法を掛けるという手もあります」

 

「そうだの。要は、BL漫画の原稿を相手に見せるのが目的だから原稿が破れたり汚れたりするのは不味いの?」

 

ワナワナと震える腐女子に、どんなフォローをしようかと迷っていると、思わぬ人達からフォローの言葉が飛んだ。

後、少しで爆発……この手の腐女子は、作品を汚す行為を許容しないからちょっとした事で爆発してヒステリックに喚き出す奴がいる。

だから、師匠の発言は本当にヤバかったんだけれど。師範代達が、取り出してくれたお陰で爆発しそうになっていた彼女はその提案に満足したらしくコクコクと頷いていた。全く、師匠にはコレがどういう価値のあるモノなのかわからないんだろうな?元より、ヲタク趣味の無い人だから世界規模で興味や関心が薄いのかも知れない。

でもなきゃ、非情にはなり切れない。

だからこそ、この人選だったのかもな?確かに、俺がその選択を迫られたら非情になって切り捨てるなんて選択肢は選べない。だからこその、師匠だ。非情かつ、冷静な判断が下せる者って意味では最高の人材だろう?ま、切り捨てられる【世界軸】はモッタイナイけど。

そうは、言っていられないのが現実だから。

だから、師匠を地上に落とした者は師匠の非情さをどうにかしたかったんだと思われる。師匠が、原住民に愛着を持って切り捨てられない様にしたかったんじゃないかな?ま、無駄な足掻きになったけれど。ヲタク趣味が行き過ぎて、原作キャラクター達が切り捨てられない様にしたかったんだろうけど……師匠が、そんな【情】なんかで止まるはずが無い。

現に、情け容赦なく切り捨てて居るからな?

マジで!!

 

「…………フム。そんなに言うなら、保護魔法くらいは構わないぞ?僕には、ソレがそこまで良いとは思わないけど」

 

「あ、師匠。それ、男にはわからないヤツなんで気にしなくて良いですよ?熱く語られても、理解不能だから……」

 

「チッ……」

 

お前らの考えそうな事は、大体把握しているんだよ!!つか、腐女子が幾らBL本の素晴らしさを語ってくれたって異性が好きな真っ当な奴には理解不能だから。ソレを語って、理解する輩が現れるとしたら……そっち系の素養がある者で、同じ感性の持ち主くらいだと思われる。

因みに、俺には全く理解できない。

昔、幼馴染み達とは違うけど友人関係になった腐女子がガッツリ語って聞かせてくれたけど。一切合切、理解できるとは思えなかったからな。頑張って、華奢な男を貧◯の女性と思い込もうとしてみたけど……濡れ場で、断念した。

つか、無理!どうしても、台詞のふきだしで現実に引き戻され男✕男のヤオイ本としか思えなかった。なので、その手の話は避けて下さいと土下座して頼み込んだのを覚えている。まあ、そこまでする必要もなかったんだけど。話し掛けた手前、どうしても見捨てる事ができなくて大学卒業までと関わり合いになっていた。大学卒業後は、あの馬鹿が就職した会社で陰湿なイジメに遭い退社するまでは連絡を取ってたけど。退社後は、実家の方に帰ってしまったので以降連絡を取っていない。まあ、そいつとは俺の結婚式で再会する事になるんだけど。

一応……あの腐女子と、結婚した訳じゃねぇぞ!?嫁になるはずだった女性が、『親友だ』っつって連れて来たのがその腐女子の姉だっただけだからな?嫁になるはずだった女性と、その親友の後に隠れてて見付けた時は思わず二度見したからな!?メイクはしてたものの、面倒臭そうでどこ見ているのかわからない目で男達の言動を逐一ギラギラ追ってやがるから即わかったわ!コイツ、なんも変わってねぇ!ってw

なので、嫁の紹介前にそのお姉さんの名字を口にして驚かした上で後に隠れている腐女子を引き摺り出してやったんだ。

当人も、メッチャ驚いていて話に加われるかと思いきや口を開けばBL本の話が飛び出して来る始末。思わず、チョップで黙らせてやった。その後、訳がわからない嫁と親友に大学の友人だったという話をして、馬鹿が如何に腐っているかを語って聞かせれば大爆笑。大学での馴れ初めとか、色々あった思い出話で盛り上がって式が始まったので一度解散。

その後、披露宴で再度集まって話をしようとした。だけど、美愛のあの凶行だろう?アイツのトラウマになってなきゃ良いんだけど。無理だろうなぁ?絶対、俺の死に苦しんでいそう。師匠に、調べて貰えねぇかなぁ?無理かなぁ?

等と思いながら、師匠達が立てる作戦を聞いていた。

 

 

 

 

 




神崎は、元々面倒見が良い方です。まあ、幼馴染み達があんな奴らばかりなので、自分の事を一般人だと思ってても不思議ではない。
一応、当人は普通だと思ってますが逸般人ですwww。あの幼馴染み達と一緒に居るのに普通で一般人な訳がないじゃないですか!(酷)

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m(_ _)m

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いつも、読んでくれてありがとうございます。

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