絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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閑話 仕事中3

野分

 

 

 

あれ以来、私は……私達は平穏な日々を過ごしている。

なのはもフェイトも、夜鏡の事で頭を悩ませたりしないし、困った様な顔もしない。晴れやかな日々を送っている。

まさか、踏み台から解放される日が来るとは思わなかった。

それだけは、あの双夜って子に感謝している。

ただ、新たな問題が浮上してきている事を報告しておこう。

自称おぱっい星人なる輩が、成長期の私達を獰猛な肉食獣さながらの目付きで狙ってくるのである。ここに来て、まさか身内から変態が出現するとは思わなかった。

今までは、夜鏡の影に隠れて目立たなかったらしい。それが、夜鏡があんなことになったので表面化した結果の様だ。

だから、私達は翠屋で対策会議を開いていた。

何故か、如月双夜もいるがアリサのオマケ程度だろうから気にしない。

 

 

「はやてちゃん対策?」

 

 

「最近のはやて、調子にノリノリでしょ?」

 

 

「そうだね……昨日も揉まれたし……」

 

 

アリサと自分の胸を押さえるすずかが、顔を赤くして報告してくる。このままでは、一週間後に控えている海の別荘旅行がヤツの暴虐で台無しにされそうだ。

 

 

「後、一週間だもんね……海……」

 

 

「僕は、行かないよ?」

 

 

「プッ……」

 

「くす……」

 

 

如月双夜の発言に、なのはとアリシアが笑う。

 

 

「で?どうするのよ?」

 

 

「水着になるから、そう簡単には防御できないよね……」

 

 

「一応、プライベートビーチだけど……魔法は、控えた方が良いんじゃないかな?」

 

 

「絶対、行かないよ?」

 

 

「プッ……フフ……」 

 

「……くすくす……」

 

 

アリシアは二度目。今度は、すずかが笑う。

なのはは、肩が震えているけど吹き出したりはしなかった。

なんとか、耐えきったらしい。

 

 

「……あるには、あるのよ……有効な手段が……」

 

 

アリサの言葉に、全員の視線が集中する。

アリサに、ではない。その膝にいる如月双夜に、皆の視線が集中していた。

 

 

「い、行かないよ?行かないからね!?」

 

 

「《ロルホップ》……対象者の胸を、二十四時間……平にする魔法……持ってたよね?双夜?」

 

 

「か、掛けて行けば良いんじゃない?」

 

 

「旅行期間は、三日間なのよ……二十四時間じゃあ足りないわ……」

 

 

成る程、そういう理由でこの如月双夜がいた訳だ。

しかし、対象者の胸を二十四時間も平にする魔法が実在しているとは……世界は、広いということか。

つまり、この会議は対策会議ではなく実際は如月双夜を説得する会って事なのだろう。

 

 

「双夜も行こうよ。ね?」

 

 

フェイトの説得。

 

 

「嫌」

 

 

しかし、効果はない。

 

 

「私達以外は、誰もいないから。ね?」

 

 

すずかの説得。

 

 

「嫌」

 

 

効果無し。

 

 

「美味しいもの、いっぱい作ってあげるから……」

 

 

なのはの説得。

 

 

「嫌」

 

 

全く、効果無し。

 

 

「楽しいよ?」

 

 

アリシアの説得。

 

 

「それは、君達だけだ」

 

 

「そんなこと言わないで、行こ?」

 

 

なのは、再度挑戦。

 

 

「嫌」

 

 

「なら……しばらく、高町家に居候する?」

 

 

アリサの口撃。

 

 

「嫌!絶対、嫌っ!!」

 

 

「たった、三日間だけじゃない。ね?」

 

 

アリシアの説得。

 

 

「三日間だけでも、嫌!」

 

 

全く、首を縦に振らない如月双夜。

普段なら、模擬戦をして勝敗で行く行かないを決めるところなのだが……勝負を挑むと、蹴散らされるだけなので根気よく説得するしかない。

 

 

「なんで、そんなに嫌な訳?」

 

 

「女性の裸に近い姿を見たくないから!」

 

 

「ふふふ。双夜ね、女性の裸にトラウマがあってね……下手をすると幼児後退化しちゃうのよ。つまり、心が子供に戻っちゃうの……私は、その双夜の方が可愛くて好きだけどね?」

 

 

「嫌。今、仕事中。幼児後退化……拒否」

 

 

「そんなこと言わないで、一緒に行こうよ……ね?」

 

 

「嫌。ってか、揉まれりゃ良いじゃん……」

 

 

「揉まれたく無いから、双夜にお願いしているんじゃない」

 

 

「なら、お仕置きとして……八神はやてをGOGOパニックに落とす?」

 

 

「GOGOパニック?」

 

 

「ゴ……台所の【黒い悪魔】を集めて、育成している隔離空間に八神はやてを落とす……とか?」

 

 

お店の中だったからか、如月双夜がストレートを避けて……でも、フォローにならないオブラートに包んで告げる。

 

 

「「「……………………」」」

 

 

ゴ……台所の【黒い悪魔】を集めて育成!?って、何やってんのよ……この如月双夜は!?そ、それに……それ、必要以上の過剰なお仕置きだ。っというより、それをした場合……はやてが、精神を病む未来しか思い浮かばない。

 

 

「一度、痛い目に合わせてやれば良いじゃん。そうすりゃあ、八神も反省して揉まなくなるんじゃないか?」

 

 

「痛い目に……って……」

 

 

「どーん!と、ぶつかりゃ良いじゃん。なのはママ、得意だろ?全力全開手加減なしで、SLBを叩き込めば良いんだよ」

 

 

「…………なんで、私なのかな?」

 

 

「「……………………」」

 

 

「……管理局の白い悪魔なんだろう?」

 

 

「ちょ、そ、双夜っ!!」

 

 

フェイトが慌てて、如月双夜の口を両手で塞ぐが……なのはは、額に青筋を浮かべてニッコリ笑顔で頬っぺたをツネッている。

 

 

「いひゃい……」

 

 

「何処で、そんな話を聞いたのかなぁ?」

 

 

「ぜんじひぇんへぇひゃひえ、じょうひょうふうふうをさしぇてひゅかひゃ……」(全次元世界で、情報収集をさせているから……)

 

 

なに言っているのか、全くわからなかった。

とりあえず、なのはにツネるのを止めさせ、もう一度今の発言を繰り返して貰えるように御願いしてみた。

 

 

「……………………」

 

 

「もう一回、もう一回!」

 

 

「……全次元世界で、次元犯罪(未)をやってる使い魔達が人間を殺しまくって(嘘)無理矢理凌辱を(捏造)」

 

 

一瞬、耳を疑うような話が如月双夜から出てくる。

その話を聞いて、なのはが仕事モードに切り替わった。

 

 

「双夜くん……それ、本当なの?」

 

 

「本当だったら、私達双夜くんを逮捕しないとイケなくなるんだけど……」

 

 

「…………全次元世界で、情報収集をさせているのね?だから、なのはが《管理局の白い悪魔》って呼ばれていることを知ってた訳か……ってか、なのは。あんた、何やらかしたのよ!?」

 

 

「にゃ!?し、知らないよ!?」

 

 

アリサがアッサリ、如月双夜の嘘を見抜く。

流石、母親。子供の嘘を見抜くなんて、高レベルなスキルを保有していようとは……恐れ入る。そのせいで、矛先がなのはに向けられているけど気にしない事にした。

 

 

「犯罪者が立て籠るビルを、デバィンバスターの一撃で爆砕!敵味方、双方にとって迷惑甚だしい……瓦礫の中から、犯罪者を救出しながらの逮捕劇となる。その一週間後、またもやデバィンバスターでムグッ」

 

 

「ダメだよ。双夜くん!それ以上は……」

 

 

なのはが、如月双夜の口を塞いで誤魔化そうとするがもう遅い。怒り顔のアリサが、ポンとなのはの肩を叩いた。

 

 

「なのは……あんた、何やってんのよ!?敵味方に迷惑かけまくって、仕事になるの!?しかも、一週間後同じ過ちをーーー」

 

 

「ご、ごめんなさーい!!」

 

 

「私に謝ってもしょうがないでしょう!?」

 

 

如月双夜が、ニヤニヤと笑っている。

ヤられた!これは、如月双夜の意地の悪い報復だ。

私達管理局に所属する者が、反応しやすいような話をしてそれを逆手に誰かを貶める算段だったみたいだ。

今回は、なのはだったみたいだけど……今後は、私も気を付けないと。

 

 

「まあ、野分はもっとすごいけどな!うっかりミスで、民間人巻き込んだ訳だし……」

 

 

「あ、あれは……同じ犯罪者だと思って……ハッ!?」

 

 

「のぉわぁけぇ~!?」

 

 

「だ、だって、どうみても犯罪者だったんだもん!」

 

 

「だもん!じゃないわよ!!姉妹揃って、人様に迷惑掛けて……大丈夫なのかしら、時空管理局は……」

 

 

うっかり、ボロが出てしまった。

オノレェ…如月双夜ぁ……と睨んでいると、アリサに見付かって咎められてしまう。その後、しっかりとお叱りを受けて何の為に集まったのかを忘れかけていた訳だが……すずかが、指摘してくれなかったらそのままお茶して危うく解散するところだった。ここでも私は、如月双夜を睨んでアリサに叱られるというサイクルを繰り返す。

 

 

「もう少しだったのに……すじゅかの意地悪……」

 

 

「ごめんね?でも、嫌なものは嫌だから……」

 

 

「じゃあ、角度を変えて見るか……八神はやてが、そんな行為に走っているのは……未来のはやてが言うには、君達の為を思って……なんだそうだ」

 

 

唐突に如月双夜が、そんな未来知識を披露しつつ言い出した。私達の為とは、どう言う事だろう……と考えて、それが建前なんだと言うことに気が付く。

 

 

「まあ、そんなことは建前なんだが……」

 

 

「ああ。やっぱり……」

 

 

「胸を揉めば、大きくなるってのは……迷信だな」

 

 

「迷信……」

 

 

「無教養からくる的外れな行動なんだよ……」

 

 

「そこまで言う!?」

 

 

「事実だからな。揉めば大きくなるって言うけど……胸の九十%は脂肪だ。下手をすれば、縮む……」

 

 

「縮むの!?」

 

 

「脂肪だからね。揉めば、燃焼されて縮む可能性が……」

 

 

「ダメじゃない!!」

 

 

都市伝説は、結局都市伝説らしい。

科学的根拠も無ければ、検証すらされていない世迷い言。

 

 

「だから、胸を大きくする目的なら逆効果だ。科学的にみて、胸を大きくするのであるなら……」

 

 

「……大きくするなら?」

 

 

「人間の体内時間は、約二十五時間。太陽の光、もしくは強い光を浴びるとリセットされて二十四時間に修正される。で、女性の胸等を成長させる成分は、女性ホルモンだから……ああ。女性ホルモンは、午後11時くらいの寝ている間に作られるモノだ。午後9時には寝ておくとベストかな?朝起きて、昼間は外で活動し、夜更かしせずに寝る。16歳まで、規則正しい生活をしていれば胸なんて、自然に大きくなるよ……以上。人間の生態でした」

 

 

太陽光で体内時間をリセットして、午後11時に女性ホルモンが作られやすい体内環境を整えろと言うことらしい。ついでに、眠っていないと女性ホルモンは作られないという。

 

 

「「ヤバイ。私、夜更かししまくってるわ……」」

 

 

スレンダーな体型のアリサとアリシアが、声を揃えて頭を抱えた。

 

 

「私は、ちゃんと出来てるよ?」

 

 

「うん。私も、規則正しい生活してるかな?」

 

 

「局の仕事、ハードだから……帰って、ご飯食べたらお風呂入って午後10時前には寝るわね……」

 

 

フェイト、なのは、私はミッドチルダを含む生活が続いているから……きっと、良く育つだろう。

早寝早起きは三文の徳とは、良く言ったモノだ。

これからは、もう少し早く寝ておこうと心に誓う。

 

 

「ふふふ。早寝早起きは、得意だよ?」

 

 

とても、嬉しそうに言うのはすずかである。

そっかー……とか言って、ニコニコしているところを見ると凍真先輩にどうアピールするかを考えているのだろう。

全く、暑いなぁ……。

 

 

「ってなことを、言い聞かせれば良いんじゃない?無教養であったことを認めさせて、揉んだら縮むを科学的に教えてやれば?」

 

 

「なら、詳しい人が良いわよね?」

 

 

「私達みたいに、ちょこっと聞きかじった程度じゃあ言い負かされる可能性があるものね……」

 

 

結局のところ、その話に戻って来た訳だ。

如月双夜が、とても嫌そうな顔で抵抗している。

 

 

「嫌」

 

 

「……………………そうだ!しばらく、なのはの所で双夜預かってくれない?」

 

 

「僕に幼児後退しろと?……その方が、良いかもね。幼児後退すれば、気紛れに魔法を使い。どれだけ御願いされても、御希望の魔法を使うか不明だし……」

 

 

「「……………………」」

 

 

まさかの反撃に、全員が無言となる。

如月双夜は、つまらなさそうに肘をついてその手に顎を乗せていた。何を考えているかはわからないが、海に行く気は無さそうなので回避方法を探しているのだと予想する。

 

 

「ねぇ、双夜。私、双夜と海に行きたいなぁ……」

 

 

「アリちゃママのお願いでも、絶対に嫌!それに、行ったところで僕には早急にやらなきゃいけない仕事があるし……遊んでる暇は無い!」

 

 

バニングス家にいても、別荘にいてもヤることは一緒なんだそうだ。それなら、移動時間を省ける選択肢である『行かない』を選択した方が効率が良いということだった。

 

 

「で、でも、息抜きは必要だよ?」

 

 

「一日、二日で終るなら、幾らでも遊んでいれば良いけど……一日、二日どころか、下手をすれば数十年は手をとられるアレを中断する訳にはいかないよ……」

 

 

入力項目が、兆単位あるそうだ。

そして、一日で打ち込める数は決まっていて……それも、【真実の瞳】をフル活用しても間に合わないんだそうだ。

そして、それらは常に変動しているらしい。

如月双夜は、その変動を予測して値を大きくしたり小さくしたりして調整するのだと言う。なんて、面倒臭い。

更には、私達【転生者】の活動しだいでは頭を抱えるはめになるそうだ。ユーリの様な【イレギュラー】も、行動しだいでは運命線が切れたりするらしい。……運命線?

兎に角、なにもしないでね?と疲れた様な笑顔で言われる。

 

 

「とりあえず、八神はやてはこちらで何とかしておくから気にしないで。最悪、GOGOパニックを使う事になるかもだけど……何とかするよ……」

 

 

じゃ、と片手を上げた如月双夜が、瞬きした瞬間に消えてしまった。

一拍の間を空けて、アリサが『逃げられた!』と騒ぎ出すが……私的には、どうでも良いのでボォーとしておく。

その後、私達は残念がるアリサを慰めながら、いつもの様にお茶をする。

 

 

「あーあ、双夜のいる夏休み……一緒に温泉とか、したかったなぁ……」

 

 

「アリサちゃんは、双夜くんが大好きなんだね……」

 

 

「そりゃ、双夜は私の可愛い息子だもの!」

 

 

「あれの何処が、可愛いのか……わからないわ……」

 

 

アリサには、悪いけど正直な感想を言う。

あんなひねくれ者の、どこが可愛いのか全力で教えて欲しいモノだ。まあ、私には全く理解できないモノだろうけど……アリサが、そんなに執着しているのだから一目くらいは見ておきたい。

 

 

「良いわ……そこまで言われて、大人しく黙っている訳にはいかないわよね……私も覚悟を決めて、双夜を海に連れ出してみせるわ!!」

 

 

うっかり、アリサのヤル気に火を付けてしまったらしい。

後で、お仕置きと称したGOGOパニックだけは避けたいので、ある程度の予防線を張っておく必要がありそうだ。

 

 

「そんなに、必死にならなくても良いんじゃないかしら?ねぇ、なのは?」

 

 

「え?双夜くん……可愛いよ?」

 

 

「……な、なのは!?」

 

 

「そうだね……エリオの事もあるし……双夜とは、仲良くなりたいかな? 」

 

 

「フェ、フェイトまで!?」

 

 

「野分ちゃんは、双夜くんが可愛くないの?」

 

 

「あんな、ヒネクレ者のどこが!?」

 

 

つい、本音が口から出てしまった。

場が、しーんと沈黙してしまう。

言ってから、ヤらかした事に気が付いた。

取り繕うにも、どう取り繕れば良いか頭が回らない。

 

 

「ああ、そっか……野分ちゃんには、そう見えるんだね……」

 

 

「野分は、双夜を素直に見過ぎかな?」

 

 

「ヒネクレているなら、その言動を素直に見ちゃダメだよ」

 

 

そう、すずかに言われて「うっ……」と言葉に詰まる。

 

 

「そうね。双夜自身、周りを突き放している様だから……野分には、そう見えるのかも知れないわ……」

 

 

「…………なんで、突き放す必要があるのよ……」

 

 

「双夜くんが、裏方の存在だから……かな?」

 

 

「双夜は、本来ならいないはずの子なのよ。だから、人との接触を極力避けようとするんだわ……」

 

 

すずかとアリサが、良く知っている様に答える。

それだけ、あの如月双夜の事を良く見ているのだろう。

そんなこと、気が付きもしなかった。

ちょっとだけ、反省しているとなのはの前に通信を知らせるウィンドが開く。

 

 

「あれ?はやてちゃんからだ……」

 

 

「ルシフェリオン……」

 

 

封鎖結界の様な複雑な結界では無いけれど、人目に付かなくなる程度の簡易結界を展開する。私が、簡易結界を展開するのを待ってなのはが通信をONにした。

 

 

『……………………』

 

 

そこに映ったのは……一度グシャグシャに握り潰した様な、紙を広げて佇むはやての姿。皆が皆、その通信画面に視線を向けた頃、如月双夜が画面中央に出てきた。

 

 

『よぉ。とりあえず、説得はした。が、本人がどうしても君達の胸を揉みたいというので……ある宣言をして貰うことにした。良く聞いてやってくれ……』

 

 

『…………私、八神はやてはーーー』

 

 

一瞬、喜びかけた私達は如月双夜とはやての言葉を聞いて『うわぁ……』と絶句した。はやての言葉にもだが、それを思い付いた如月双夜の性格にもドン引きしてしまう。

 

 

『ただ、友人の胸を揉みたい変態であることを認めーーー』

 

 

通信を見てて思うのは、守護騎士達の事。

良く、彼女達がこれを認めたモノだ。どんな説得をしたのか、とても気になったのは言うまでも無いだろう。

 

 

『今後、私の事は……第二の夜鏡皇也だと考え、徹底的に嫌って、避け、て、くれ……くれでも、良いと……ぐず……』

 

 

あーあー。はやてが、泣き出してしまった。

夜鏡の名前が出て、明確に状況をイメージできてしまったのだろう。止めてしまえば、そんな宣言しなくても良いのに……私達の胸を、揉まずにはいられないらしい。

 

 

『こ、こんなん、あんまりや!!なんで、こないな宣言、せなアカンねん!!』

 

 

『ああ!?お前が、友人の胸を揉みたいっていうからだろう!?その交換条件で、ソレを提示しただけだろうが!?嫌なら、胸を揉まなければ良いんだよ!!』

 

 

『胸モミモミは、私のアイデンティティや!胸を揉まへん私は私や無い!!それに、女同士なんやで!?こんな宣言、必要あらへんやろ!?』

 

 

『悪いが、セクハラに性別は関係ない!!相手が嫌がっている以上、犯罪は犯罪だ!!』

 

 

『おぉ……』

 

 

如月双夜の断言に、画面の向こう側から守護騎士達の声が聞こえた。それで、彼女達が近くにいるのだとわかる。

しかし、どうやって留めているのか疑問は尽きない。

 

 

『そ、そんなん……私は、言われた記憶無いで!?』

 

 

『友人だからってことで、見逃されて来ただけだ。実際、八神はやてを除いたメンバーで海に行こう的な会話があったことを知っているか!?』(捏造)

 

 

如月双夜が、何故その事を知っているのかわからないが、そういう話があったことは確かだ。

 

 

「……双夜くんは、知らないはずだよね?」

 

 

「きっと、捏造したつもりね……事実な訳だけど……」

 

 

「あ、これ……双夜くんの捏造なんだ……(捏造じゃ無いけど)」

 

 

微妙な沈黙が、店内の賑わいの中で起きる。

 

 

『そ、そんな事、ある訳ないやろ!!』

 

 

はやての信頼が、胸に突き刺さった。

その場にいた、皆がみんな微妙な顔をしている。色々と罪悪感的な何かが、沸き起こっているのだろうと推測した。

 

 

『君は、「親しき仲にも礼儀あり」という言葉を知らないのかい?全く、そんなんだから無教養と言われるのだよ!小娘が!!』

 

 

『うぅっ……』

 

 

「双夜、ノリノリね……」

 

 

「悪役、上手いわね……」

 

 

ちょっと本音が漏れてしまったけど、誰も指摘してこなかった。きっと、私の一言を納得して受け止めたのだろう。

その後は、はやてが泣き寝入りして……如月双夜が、ほぼ無理やり宣誓を立てさせるというヒトコマがあったと報告しておく。ゴーレム操作を、こんな風に使う人は初めてらしい。

でも、結局は私達の胸が揉まれる結果になった訳だった。

その数日後、アリサから如月双夜の海行きを了承させたと連絡がある。はやて説得失敗を全面に、無理矢理納得させたとか何とか。まあ、自業自得である。

 

 

そして、私達は変態と《神殺し》のいる夏を過ごす事になった。

 

 

 

 

 

 




はやてが、変態化してしまった。
踏み台を更正……違うか。させたばっかりに、【原作組】から変態出現。ってか、どうしてこうなった!?
胸の話は、書き切った後で色々と裏取り(ネットで)して可能であることを確認修正してます。太陽光の話は、以前何かの実験番組で見たモノをうろ覚えで書き綴ったモノ。
確か、そんな内容だったはず。
それを、女性ホルモンと合わせて書いてみたw
女性ホルモンも、何かの実験番組の結果話。

そして、鬼門の海話へ…。

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m(_ _)m

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