絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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五五五話

???:

 

 

「それで?被害者は、ちゃんと保護したのか?」

 

『もちろん!ちゃんと、回収したよ。でも、まさか転生者をこんな風に使うだなんて思わなかったけどね?』

 

「ぼ…俺は、ちゃんと言ったはずだよ?精神的に元気な転生者は狙い目だって。そりゃ、世界を歪めて開くって目的にも使えるけど。一番は、彼らの欲を満たす為の存在でしょう?」

 

ここは、秘密基地にある某所。【組織】の通信設備を介し、数多の次元世界に繋げる為の場所。ただし、ここには一切の科学技術は混在していない。あるのは、魔工技術によって作られた魔法と科学の融合物のみである。そこで、我らが主様と【鮮血の小悪魔】が通信をしていた。

 

「一応、被害状況は?」

 

『惑星が一つ……それと、一個小隊が呑まれたかな?』

 

「大惨事じゃないか……特典持ちは居なかったんだよね?」

 

『もちろん、居なかったよ?居なかったけど、呪いがヤバかった!』

 

「そりゃぁ、転生なんて特典ありきなのに無い無い尽くしじゃ負の感情による呪いの増大も致し方ないんじゃない?」

 

『まあ……先に堕とす手法も、リソースを食うから廃止されたみたいだしなぁ……』

 

「あんなん、罠で使うならまだしも常用するとかバカのやる事だよ。廃止されて、当然だろう?」

 

『そう、なんだよなぁ……なんで、あんな手法をとったのか未だに謎だし。罠って感じでも無かったから、何かの実験だったんじゃないの?』

 

何れにしても、あんな効率の悪い手法……早々、長続きするものではありません。

余程、リソースが余ってるのなら兎も角……今の状況だとカツカツの手法だと思われます。

やはり、何かの実験だったのでは?と頭脳担当の使い魔達も揃って言っていたので次があるかは不明。そもそも、一度堕ちた者をインスタント・ソウルで覆うなんて……どれだけのリソースが必要になるかわかったものじゃありません。だって言うのに、膨大なリソースを消費して隠していたんだからアレを考えた《旧・神族》は頭がおかしいとしか言い様がありません。しかも、それを何百人も造って転生させたって言うのだから狂気の沙汰としか考えられませんでした。

アチラのリソース残量は、どうなっているのかとても気になる案件です。もし、アレによって死活問題となっているなら惑星一つ程度じゃ割に合わないでしょう。

きっと、どこかで巻き返しを図るはずなんですけど……そんな様子も、見受けられないらしいので今も奴らの玩具になっている人達が心配で気が気ではありませんでした。

 

「本当に、どこの世界も()()()ないのか?」

 

『無いね。今の所……というより、情報網に引っ掛からない時点で成果がある様にも思えない。次元震動も起きて無いし、僕たちの知覚している範囲内で無いにしても空間的な計測にも反応しないとかありえないだろう?』

 

「じゃ、奴らはどうやってリソースの確保を?」

 

『さぁ?……何にしても、おかしな事をしているのは間違いないから何処かで絞ったんじゃない?』

 

「推測されるリソースの容量からは?」

 

『ぶっちゃけ、マイナス計上されているよ?』

 

「…………休眠してる、とか?」

 

『あり得ないよ。彼らは、人が飲食するのと同じ様に娯楽を摂取してないと生きていけない様な存在だよ?それが、リソース確保の為に休眠!?ハハハ、双夜はおかしな事を言うね?そんな事をするくらいなら、ウチの組織と全面戦争しているさ!ホント、目障りな存在だよね。こんな事になるなら、サッサと滅ぼしてしまえば良かったんだ。何を考えて、あんな利益にもならない存在を残したんだろうね?ウチの裏大将は……後の事を考えるなら、抹消が妥当だよ?』

 

「それだけ、人手が足りなかったんだろ?最初の頃は、まともに働いてたって話だし……まあ、裏でコソコソしてたかも知れないけれど……」

 

『(肩を竦める動作)……何にしても、奴らの動きには目を光らせておくよ。じゃ、定期連絡は終わり。神崎くんは、どうしてるの?今、休暇中なんだろう?SAOモドキ世界には来ないのかい?』

 

「組織主催のフルダイブゲームで遊んでるよ。本人達は、翼のカウンセリングだとか言ってたけど。やってる事は、イチャイチャしているだけみたいだね?」

 

『それが、カウンセリングになるの?』

 

「本人達は、なってると思っているみたいだけど……余り、効率の良いカウンセリングではないかな?」

 

『男性恐怖症だっけ?神崎くんに、靡いているならそれで良いと思うんだけど?幼馴染み達には、拒絶反応とか出てないんだろう?それなら、別に問題無いんじゃない?』

 

「……そう、だね。彼らが、何を目指しているのか……俺には、サッパリだよ。『あー、サッパリサッパリwww』サッパ◯妖精か!?また、古いネタを……とりあえず、どうなりたいかは当人の意志次第かな?」

 

『翼ちゃんは、なんて?』

 

「神崎と一緒に居られるからいいってさ。本人は、他の男とどうにかなるつもりは無いみたいだから神崎に触れられるだけで良いみたいな感じかな?」

 

『なら、もう大丈夫じゃん!カウンセリングなんて、必要ないだろう?何が不満なのさ!?』

 

「知らん。本人達が、やりたいって言ってんだからやらせて置けば良いんだよ。ほら、骨折り損のくたびれ儲けだ」

 

『ふーん。そう言えば、その神崎くん御一行にチョッカイを掛けてる馬鹿が居るらしいよ?ウチの隊員に、プレイ中だった奴が居てさぁ……どうも、直結厨が狙ってるってさ』

 

「何処の馬鹿だ?その時の翼のアバターは?」

 

最近、フルダイブゲーム内の風紀が乱れているとは聞いて居ましたが……まさか、我々が保護している被害者を己の欲望の為に危害を加え様とする愚か者が居ようとは思いませんでした。まあ、居るところには居るのですけどね?

 

『【外】在住。有力者の御子息。最近は、回線解約と再契約で散財中。翼ちゃんのアバターは、愛玩の外面をそのまま使ったみたいだねぇ?余程、その体の具合を確かめたいとみえる。確認できる範囲で、ちょっと悪い仲間が居るって事だけは掴んだよ。最悪、やらかすかも?』

 

「へぇ。調子に乗ってるタイプかぁ……」

 

緊急指令!我らが主様より、神崎さん達にチョッカイをかける馬鹿の詳細を求める意思を確認。暇を持て余していた、最寄りの使い魔達が大慌てで詳細な情報を掻き集めだしました。

こうなると、あっという間に詳細なデータが纏められるでしょう。もちろん、ターゲットの写真付で住所などの特定もお手の物です。

これは、『好奇心猫をも殺す』ってヤツですね!確かに、神々が創りし愛玩ドールの色々が気になるのは構いませんが対象が目の前に居たからといって即行動に出るのはいただけません。特に、【組織】の者が保護しているのだから事件に巻き込まれた被害者だというのは直ぐに思い当たる事でしょう。にも関わらず、己の欲望の為に手を出そうとすればソレ相応のしっぺ返しがあるのは言うまでもありません。

余程、自身の運に絶大な自信があったのでしょうけど……今回ばかりは、その運も地に落ちる事でしょう。というか、既に【組織】隊員ランダムガチャで爆死されているんですけどね?

これまでは、こういう事柄に大らかな方が対応して来たのでしょうけど。もしくは、揉み消しですか?

しかし、我らが主様はウォーティア様に並んで『厳しい』と評価されているお人です。ですので、今までの様には行きません。覚悟してて下さいね?まあ、命までは取られないとは思いますが……男の象徴くらいは、諦めて下さい。

直結厨さんには、死よりも重い罰になるかも知れませんけど。

その後、【鮮血の】様と通信を終えた主様は上がって来た報告書を見て『慈悲は無し』と呟き去って行かれました。一応、私も報告書に目を通しました。ですが、これは慈悲をかける必要性もありませんね。常習犯じゃありませんか!

良く今まで、ジャバにのさばっていられましたね?そう言えば、親が有力者という話でしたか……でも、今回ばかりは逃げられませんよ?何せ、我らが主様は【魔王】ですからね?

フフ、『魔王からは逃げられない』ですから……フフフ。

 

 

 

 

 

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Side ???

 

 

場所は変わり、とある施設内で……組み敷かれ、半泣きの青年が白っぽい顔色でガクガクブルブルと震えています。それを何の感情も感じさせない顔で、静かに見下ろす我らが主様……は、本気で【魔王様】をしていました。

先程まで、ピーチクパーチク囀っていた青年は我らが主様の名乗り後は借りて来た猫の様に大人しくなっている。というか、『俺にこんな事をして父さんが許さないぞ!』なんてセリフ……ププッ、現実に吐く方がいたんですね。とても、驚いてしまって思わず口を開けたままの間抜け面を晒してしまいました。

まあ、直後に主様の放った蹴りが青年の顔面に叩き込まれて陥没してしまったけど。見た目の麗しい方が、目も当てられない様な姿になるのはスカッとしますね?

特に、容姿に自信のある方はグチャグチャになるのでとても楽しいです。だって、歯抜けとかになったらかなり間抜けな顔ですよ?

そりゃ、口を閉じていれば麗しいかも知れませんが……口を開ければ、どれだけ美しい人でも間抜けになるんです。そんなの見せられて、噴出さずにいられる訳がありません。普通に爆笑です。思わず、鏡を見せたくなります。

元々、容姿が優れていた人にひしゃげた己の顔を見せた時…どんな顔をするんでしょうね?

フフフ……。

 

「とりあえず、仰向けにしてくれる?コイツの股間をスマッシュしちゃうから……」

 

「了解です!さあ、年貢の納め時だ。覚悟しろ!!」

 

「ず、ズマっずわっへぇ!?ひ、ひやあ!ひゃすけへ!!」

 

「諦めろ。お前は、そうされる様な相手に手を出そうとしたんだ。そう、僕が保護している子に……ね?」

 

「ひっ!?」

 

「見た目が、愛玩ドールだからって人権を無視するのは頂けない。よって、スマッシュの刑に処する」

 

「じ、いあらがったんら!ゆるじへぇ……」

 

「ソレ以外にも……これまで、散々揉み消して来たんだろう。調べは付いているんだ。多くの被害者が、君と君の父親の為に苦しんだんだ。君は、知っているかい?」

 

見下ろす視線は、全てを凍て付かせる様な殺気を含んでいる。きっと、彼は今背骨に液体窒素を流し込まれた気分に陥っている事だろう。

 

クックックッ、ザマァめ!!

 

我々が現在居る世界は、金と権力を持っている者が覇者とされる世界。要は、金と権力を持つ者が“正義”とされる世界。

ソレらを持たない者は、弱者で“悪”とされる世界で……神ですら、膝ま付く最高の権力者が頭の悪い馬鹿を裁いている。

そう、ここは【組織】が生まれる事になった世界。多くの弱者が、金持ちの我儘に泣かされる世界だ。ぶっちゃけ、この世界の理のまま他の世界の人々に迷惑をかけるのはただのアホがする行為。そういう常識があるにも関わらず、偶にこういうアホが湧くので【組織】も目を光らせているんだけれど。

今回は、相手が相手だったのでスルーされた模様。何故、スルーされたのかって?そりゃぁ、見せしめとして生贄にされたからだろうね。

つまり、【魔王様】への貢ぎ物だ。

そして、今現在。組み敷かれ、ピーピー泣いているのがどこぞの覇者の息子。今回、我々が保護する子にチョッカイをかけて来たお馬鹿さんです。そのお馬鹿さんは、仰向けにされて両足を使い魔二体におっ広げられM字開脚を余儀なくされている。そこへ、死刑執行人……もとい、我らが主様がゆっくりと近付いて馬鹿の股間に指先を向けた。

 

「ヒィィィ!?アベテ、アベテ、ズマっずいないで!!」

 

「…………こうでもしないと、反省しないだろう?幸い、この世界では失われた肉体の一部を再生する医療があるから俺がスマッシュしたところで元に戻るじゃないか……」

 

ええ、元に戻りますけど。その為には、莫大な医療費を払い続ける事になるので余りオススメはできません。それに、例え生えたとしてもソレを維持する為にはソレ相応の時間とお金が掛かります。それはもう、とんでもない大金が!!なーんて事はありません。

そりゃ、それなりに大変ですけどそこそこ簡単に生やす事はできたりします。

まあ、生えた所で直ぐには使えない上に維持費だけで一財産が消える程とか言われていますけど。とは言え、言われているだけで今はそれ程でもなかったりします。

しかし、その施術を受けてる人はその事を大っぴらに公言したりはしないので都市伝説の様な話が流布されています。

それが、『一財産が消える』という一文ですね!誰が、言い出したのかは知りませんけど。生やして維持するだけで、『借金地獄に落ちた』なんて言う人もいます。アレはもう、質の悪い伝言ゲームみたいなモノです。でも、皆が面白おかしく伝えるので意味の無い恐怖感だけが一人歩きしている感じだったりします。

そして、その都市伝説を真に受けた人物がここにも一人……顔を真っ青にして、鼻水を流しながら滂沱の涙を流すお馬鹿さんが居たりします。最早、イケメンだった顔は見る影もありませんね?そう言えば、アレの料金案内は端末では調べられない様になっていた、様な?

はっはーん、あの都市伝説を広めたのは【組織】に関わっている人ですかねぇ?

何れにしろ、面白いので答えを教えたりはしませんけど。

 

「被害者の苦しみを考えぬ者に制裁を……」

 

ザシュッと、お馬鹿さんの男の象徴が斬り飛ばされました。

いやー、容赦のない!流石、我らが主様!一切の躊躇なく、一気に斬り飛ばしましたね!鬼〜。悪魔〜。人でなしぃ〜。でも、ソコに痺れて憧れない。ヤる時は、我々でも躊躇しませんからねぇ。斬るなら、一思いにやるのが我らの心情。ソレだけが、我らの慈悲みたいなモノですから……躊躇して、長引かせたりはしません。

それ、斬首ぅ〜www!!

 

「そっちは、細切れにしておけ!」

 

「ご、ごんなごどじで、びゅ、ゆるざれるとおもっでいぶのか!?がならず、ごうがいざぜでやぶ!!」

 

「…………後悔?喧嘩なら、ダース単位で買ってやるが?それで、弱者に堕ちても文句は言うなよ?」

 

「ひっ!?ぐ、くぞっ!【ーー】のぶんざいで……」

 

は?今、コイツ、何て言いました?

チラッと、主様を見ますが無表情過ぎて何を考えているのか読み取れない。だが、このゴミは今言ってはイケない事を口走った。

それは、一種の侮蔑用語で……耳に届いたソレは、我々の怒りを買うのと破滅への第一歩でしかない。良いでしょう。その喧嘩、売られて無くてもダースで買いましょう!!

 

「…………君の治療は、しない様に根回ししておくね?次に会う時は、立場が変わってるだろうけど……忘れないでいてあげるよ?」

 

「…………ふ、ざえ゛んな!?」

 

言って立ち去る主様に、ゴミが負け犬の遠吠えの様に喚き立てる。それを睨み付けていると、こちらに近付いて来た主様がボソッと呟いた。

 

「…………無茶するな」

 

どうやら、我々が今後何をしようとしているのかが伝わっていたらしい。それに対して、ちょっとした注意をされたみたいだった。まあ、無茶をする気はありません。しかし、主様が我々を安じてお声掛けをして頂いたのですから留意しますとも!そんな訳で、我々は無茶だけはしない様におかしな侮蔑用語を口走った馬鹿を処理します。

 

――お前は、社会的に潰す!!

 

何なら、我らが主様を好き過ぎる人に呼び掛けて……いや、彼らの助力を願うまでも無いですね。我々だけでも、十分潰せるでしょう。

しかし、『無茶はするな』と言うのが主様の意向なのでそれだけは守って行動します。

とりあえず、近場に居る仲間達に意思を飛ばし採決を取れば代理を立ててフォローに徹した方が安全という意見に傾きました。我々だけでも、できる事のはずなんですけど……これは、主様の意向を全面に推した行動計画の様です。

なれば、致し方ありません。あの放任主義だった主様が、我々を安じてくれたのですから……その意向を最大に汲み取らねば、我々は親不孝者と罵られるかもしれません。それでは、何人かに声を掛けて代理を立てる事にしましょう!我々、【外】残留部隊はあのゴミを処理するべく隠密モードで行動を開始致します。

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

Side ???

 

 

はい、【内側】担当の使い魔です。

何処かで、主様への狂気が炸裂した気がしますが気にしないでやって下さい。あの子達も、主様の役に立ちたくていつもチャンスを伺っている真面目で狂った子達なんです。

ホントは、いつもあんな感じでは無いんですけど。主様の労いの言葉で、普段のフラストレーションが爆発がしてフィーバーしちゃったみたいなんです。なので、暖かく見守って下さい。という訳で、次の世界軸です!神崎さん達は、秘密基地内に篭もっておられるので軸を移動した事には気が付かれていないみたいですね。まあ、あの秘密基地内は別の亜空間にありますので外からの影響は全くありませんけど。

何はともあれ、世界軸を渡り主様が落ちた先は戦闘の真っ只中でした。唐突に、ピンクの極太魔砲に撃ち抜かれて主様は海の方に落ちて行かれました。アレは、高町なのはのディバイン・バスターですか?油断しました。

まさか、安全圏ではなく戦場に落ちる事になろうとは思いもせず……ただ、呆然と撃たれる事になるとは。しかし、ダメージはほぼ無いので海に落ちた事以外に問題は無いと思われます。

なんせ、我らが主様は水に浮かばないんですよねぇ。ああ、カナヅチという訳ではなく……どんな水にも、浮かないんです。浮力が、100%であっても浮かばないんです。

ま、エネルギー体の悲しい性とでも言いますか……なんでもかんでも、透過してしまうみたいなんです。普段は、主様が周囲に普通の人間アピールをしているので問題ありません。ありませんけど、そうやって色々と見せ掛けなければ直ぐに化け物である事が露見するので何としてでも誤魔化して欲しいモノです。

一応、溺れたりはしません。

けど、海の水は色々混ざっているので肉体が電気のように拡散してなければ良いですね!

 

「してねぇよ……落ちる前に、いつものが間に合った」

 

「ひゃぁ!?驚かさないで下さい!!」

 

「……それにしても、魔砲使いは何と戦っているんだ?そして、今は何時でここはどこなんだ?」

 

「一応、地球で……ユーリ・エーベルヴァインが確認された様です!ここは、ゲームルートか『Reflection / Detonation』の世界だと思われます」

 

「他に目ぼしい人物とか居ないんだな?」

 

「大人モードのヴィヴィオは、確認されていません……」

 

「そうか。とりあえず、その戦闘に参加するべきかしないべきか……迷うな?劇場版だと、前半後半もあるから……」

 

流石の主様でも、状況を完全に把握できない現状ではどう行動したら良いのか判断が付かないらしい。だからこそ、其々の世界軸に落ちた時に主様はフレールくんを呼び出して周辺の状況把握に務める訳ですけど。今は、そんな事をしている暇も無いくらいに切迫しているみたいです。

 

「八神はやての傍に、アインスの姿はあるか?」

 

「……少々、お待ち下さい」

 

言われて、高町なのはの周辺を探してみるけど……居ない。

足を延ばして、周辺をくまなく探していると八神はやては見付けられませんでした。守護騎士は、確認できました。ですが、やはり八神はやては結界内には居ない様です。という事は、物語は前半の中盤辺りでしょうか?

それと、戦う少女に混じってチラホラといがみ合う男共の姿があります。そんな事をしている暇があるなら、攻撃魔法の一つでも撃って高町なのはを支援すれば好感が持てるでしょうけど……呆れて、言葉もでません。

 

「どうしますか?主様……」

 

「……お前に、秘密基地を託す。秘密基地を設置後、秘密基地内で待機。指示を待て……」

 

そう、命じられてハッとなりました。我々は、どうやら時空管理局の隊員に囲まれてしまっている様です。不味いと思った時には、クロノ・ハラオウンが目の前に降り立った所でした。幸い、我ら使い魔はニャンコの姿で今はステルスモードで姿が普通の人には見えません。主様は、【真実の瞳】があるので普通に見えるとおっしゃいますけど。それは、神崎さん曰く『チート』なので気にする事はありません。

 

「時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。少し、話を聞かせて貰えないだろうか?」

 

「次元漂流中の……迷子?だ。ここがどこで、今がいつなのか教えて貰えないだろうか?……つい、今しがたまでミッドチルダに居て、気が付いたらここで、いきなり吹き飛ばされたんだが……」

 

「次元漂流者……」

 

主様が経緯?を口にした途端、周囲の隊員がとても優しい目になりました。まあ、何らかの理由で地球に飛ばされた挙げ句、理由もわからず魔砲の餌食になったんですから致し方ない事と思います。ここで、噴き出していたら我々の心象が最低ランクに落ち込んだんですけど。

良く、訓練された隊員でしたね。流石、リンディ・ハラオウン率いる一部隊と言った所でしょうか?

 

「そうか……なら、君はこちらで保護する事になるが……」

 

「それで、構わない。それなりの自由は、約束されるんだろう?クロノ執務官?」

 

「ああ。法に則って、君の自由は保証しよう」

 

さて、我らが主様はどう出るのでしょうね?

悪戯、悪戯は?

 

「それで、何で僕は攻撃されたのかな?状況説明を求めても?」

 

「今、我々は敵対勢力との戦闘中だ。それで、君はその戦闘で発生した流れ弾に当たったんだ。その、すまない……」

 

「戦闘中かぁ……なら、仕方がないのかな?」

 

「今後は、君の安全を最優先にすると約束しよう!他に、こちらに出来る事はあるか?」

 

「じゃ、ミッドチルダのママと連絡を取りたい!」

 

キタキタキターーー(・∀・)ーーー!!

 

「ママは、時空管理局でエースオブエースってのをやってるの!高町なのはって言うんだけど……知ってる?」

 

「……………………」

 

クロノ・ハラオウン、沈黙!!

立ったまま、気絶してそう!!

 

流石です!!主様、サイコー!!

 

 

 

 

 




とりあえず、使い魔の歪みがチョイチョイ出てくる回でしたwww 100万以上いると、こういう十人十色な話が構成できるので楽しいです。
一応、基本の段階で根底に主である双夜を慕っていたり信仰していたりする使い魔が居ます。
そういう、慕ってるのと信仰してるのの違いを入れるのに苦労してます。思わず、病んデレ風になったりするので何度書き直したことか…。
兎も角、使い魔達の色々を書きたいのでこんなダイジェスト版?を書き連ねて行きたい所。

最後は、何時ものwww。悪戯発動ですwww。
さあ、どうする?クロノ・ハラオウン!!

しばらく、神崎くんはお休みかな?
次に神崎くんを書く時は翼の肩を抱き寄せれるくらいに…なってたら良いなぁ…www

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m(_ _)m

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いつも、読んでくれてありがとうございます。

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