絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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五四六話

Re:

 

 

翼のカウンセリングだが、無難にゲームをしながら交流する事で進める事にした。まあ、ずっとやって来た事なので外す事は無いからって理由だ。ホントなら、もっと突っ込んだ感じで話を進めたい所ではある。

けれど、彼女を今も捕えている枷は神々が己の欲望の捌け口にする為に組んだ術式が邪魔で……今の所は、師匠の《ルール・ブレイカー》で抑えられているのが現状だ。

一応、師匠の説明では師匠が死なない限りずっと効果は続くらしいけれど。いや、うん……それって、もう無意味な術式って事ですよね?というか、師匠の《ルール・ブレイカー》が有能過ぎて苦笑いしか浮かべられない。

神々が組んだ術式に関しては、そっち方面の専門家達が現在進行形で解除の為に日夜研究してくれているらしい。

翼が、転生する前にその術式は解除する話になっていると師匠からは聞いている。そのままにして置くと、転生後の翼に余り良くない結果しか齎さないだろうという見解だった。

何はともあれ、翼に組み込まれた枷は解除可能な術式とのこと。それが、齎した結末は彼女に取って酷い話となったけれど。今となっては、抑える事が出来る上に解除可能な術式っていうんだから笑えない。もう、二度と翼があんな事になる事は無いと断言できる。それが、俺にとっては朗報だった。

 

「人が、不幸になる呪いの様な術式か……」

 

実際には、呪いではなくて因果に関連して続く不幸の連鎖という事だった。俗に、【神の試練】と呼ばれているモノで人の成長を促す類の祝福らしいのだけれど。ソレを悪用して、特定の人物に連続して試練が課せられる様になっているとのこと。つまり、翼はその試練を何度も撃ち破らなければ人としてドン底に陥る事になっている訳だ。そんなん、ぶっちゃけ試練でもなんでもないんだけれど……できる事は、できると師匠は言っていた。それで、まあ翼に関しては性的な技能を習得させる為に組まれていたっていうんだから頭おかしい。なんで、神の試練で性的な技能を習得しなければならないんッスかねぇ?ふざけてんの?ねぇ、ふざけてんの!?

 

「神は、死ねば良いと思う……」

 

「ハイ、ドウドウ神z……ミツO。思考をどっかに飛ばしながら、唐突に殺意を溢れさせんな?落ち着け!!」

 

「おっと、スマンすまん。奏に枷られた術式の事を考えてたらムカムカしてよ。早く、解除できれば良いんだけどな?」

 

「んん?え、あれぇ?でも、それって……」

 

「ん、なんだ?何か、進展でもあったか?」

 

「いや、その、なんだ……まだ、解除されてねぇの?」

 

「んん?え、解除されてないって説明されているけど……」

 

亮の言葉をそのまま受け取るなら、既に術式を解除する方法が出来ていて……にも関わらず、翼に枷られた試練は続行中という事になるんだけれど?俺は、思わず亮の胸倉を掴み上げて相手の顔に己の顔を至近距離まで近付けた。

 

「その口振りだと、既に解除できる術式は出来てるってことなのかな?かな?ちょっと、そこら辺詳しく教えて貰えるかなぁ?……かなあぁぁ?」

 

「ひぃ!?おま、ちょ、必死過ぎだ!!つか、いきなり、ひぐ◯しのレ◯化してんじゃねぇよ!?」

 

「…………今なら、首を掻き毟り自害する事も辞さない」

 

「訳わからんわ!!つか、お前んトコの魔王様がソレを知らないはずがないだろう?つー事は、何かしらの考えがあって解除できないで居るって事じゃねぇのか?」

 

「うぐっ…………それは、そうなんだろうけど……」

 

「とりあえず、そこら辺を魔王様に聞いてからでも遅くは無いと思うぜ?今は、奏っちのカウンセリングの方が優先だろう?まあ、ある程度は前向きになっているみたいだけどさ」

 

それは、確かに男性恐怖症と時折フラッシュバックがある以外は大分明るくなって来ているとは思う。でも、それが空元気である事は男の俺でも見て取れる事があるんだよな。

 

「それは……周囲を、心配させたくないからだろう?」

 

「そう、なんだけど。心配くらい、幾らでもさせて欲しいかな?血の繋がりは無くても、俺達は幼馴染みなんだから…」

 

「…………その定義は、ちょっとおかしいと思うけど……うーん。くっ……俺も、人の事、言えない……」

 

赤の他人の為に、色々な事に首を突っ込み捲くっている亮に文句を言われる謂れは無いんだよ。つか、俺達の場合は身内みたいなモノだから。それに、極論を言えば家族だとしても赤の他人な訳だし?ただ、俺達の場合は赤の他人だけど当人達が身内認識なだけなんだ。

俗な言い方をするなら、義兄弟の盃を交わした仲?とても言うべきか……そんな感じ。

 

「もっと、甘えてくれても良いのに……」

 

「コイツ……ホントに、神崎大悟か?ちょっと前まで、ハーレム!ハーレム!!って言ってたのにこの変わり様……」

 

「よせやい!今は、翼一筋だ。あの頃は、色々操られていたんだよ。今の俺は、生まれ変わったつもりで生きてるんだ」

 

「まあ、実際に生まれ変わっているけど……」

 

俺が、翼を甘やかしたいと思うのは然程おかしな事ではない。なんせ俺は、いずれ翼の旦那になる男なんだからな!

今からでも、甘えてくれて全然構わないんだぜ?

 

「うおっ!?何故、急にモジモジし始めるんだ気持ち悪い」

 

「おっと、思考が動きに出てしまっていたか……スマンすまん。って、誰が気持ち悪いって!?」

 

「いや、お前の動きが気持ち悪いって言っただけだよ?」

 

「なーんだ。俺の動きが……って、全部俺じゃん!?」

 

思わす、茶番的な動きが出ていたらしい。

まあ、コイツらと居るんだから物事を口に出さなくても思考に近い行動をとってしまう模様。今回は、誰のツッコミも不要事だったので言葉にはしなかったのだけれど。

まさか、自分の気持ちが思考だけでなく行動にも出てしまうとか……なんたる失態!!恥を掻いてしまった様だ。

茶番にすれば、良かったかも?

 

「腐女子ホイホイ……」

 

「「誰が、腐女子ホイホイか!?」」

 

「いや、普通に女子放っといて男同士でイチャコラしてたら腐女子が寄って来るわよって忠告しただけよ?」

 

「イチャコラなんてしてねぇし!?」

 

「他人の不幸で飯が美味い!ごっつあんです!!」

 

「唐突に元気になるよな?コイツら……」

 

「むしろ、メシウマ案件で末永く爆発してろって感じ?」

 

「つか、どっちやねん!?」

 

女共は、男×男でウマウマして……男共は、他人の不幸で飯が美味いとかほざいている。

てか、コイツら腐女子か!?

因みに、白亜は不幸で飯美味な方だ。

コイツまで、男×男ウマウマしてたら逆にこっちにダメージが来る。元男だった奴が、腐ってしまったら女体化じゃなくて腐(婦)体化になるだろう!?つか、美愛と穂波が腐女子化してて翼は除外でメシウマ野郎が俺と亮の不幸でワクテカしてるだけだ。とりあえず、美愛と穂波から距離を取りつつ以前の秘密基地で見付けた汚禁製の薄い本を渡しておいた。

この汚禁製の薄い本は、見付けた後に俺が四次元ポケットに突っ込んでしまった代物(データ)で……師匠に見つかったら、問答無用で爆散させられる物だったりする。

つか、()()のせいで組織の施設が半壊した曰く付きの代物だ。是非とも、美愛達にはコレ(データ)を持っていて欲しい。というか、便利なモノでVRゲー内で取り出したらちゃんと薄い本になるのが不思議だった。

 

「コレって…………おま、どこで手に入れた!?」

 

「以前の秘密基地で、見付けた……組織壊滅の原因……」

 

「廃版になった、プレミア物じゃないの!?」

 

「コレの元本があったら、物凄い金額になるわよ!?」

 

「あるには、ある。だがしかし、表に出すのは不可能だ」

 

「ま、ですよねー?魔王に見つかったら、ただじゃ済まないヤツ。良くぞ、無事に過ごせたよな?」

 

「一応、取引はされているらしいけど……」

 

「シークレット情報よね?鍵付きのスレでも、話題に上がらないヤツよ?コレ……」

 

「一応、言っておくけど……元本なら、最低でも百万クレジットで取り引きされているらしいわ!!」

 

「師匠の薄い本がそんな金額で取り引きされて居るのか……データでも、そこそこの値段で売れるんだよな?」

 

これは、通報案件ですね?わかります。是非とも組織には、もう一度壊滅して頂きましょう!!そう、心に誓って俺はにっこり笑顔で話を進める。亮が、そんな俺を見てスケジュール表を確認していたけど……何処へ行く予定があるのかな?だが、敢えて言おう!師匠の行動に、制限を俺が付けられるはずが無いだろう!?残念だったな?

それに、《神殺し》見習いであるお前達に組織の施設内から出る許可が降りるとも思えない。そりゃ、一時的になら可能だとは思うけど。それでも、頻繁には外出できない事になっていた。

特例制度はあるけれど、そっちはかなり特殊な事例なので気にしない。つまり、幾らスケジュールを確認しても亮達が組織から出られる可能性は低いって事だ。

まあ、ゼロとは言わないけど。

だが、亮達が見習いである以上組織の外に出られる訳が無いのは間違いない。俺は……所属が、組織じゃないので問題なし。魔王軍で、良かったぁ〜……ネーミングは、最悪だけれど。センスではなく、名前自体がアカン。

そりゃ、わかり易いけれど!きっと、『面倒臭い』の一言で即決したのだろう。

ウチの師匠ってば、そういう適当な所があるからなぁ?

 

「とりあえず、あっちで抽出するなら護衛に見付からない様に……フレールくんに見付かったら、全ての使い魔が敵になると思え。つっても、組織に居残っている使い魔の顔を知らないから何とも言えないんだけどな……」

 

「下手したら、伝承の再来を招くんですね?わかります」

 

「一応、モニターリングはされてないと……信じているけど……ログアウトして、目の前に人が居たら全て渡す様に!」

 

「うわぁ……(汗)。こわぁい……(泣)」

 

「マジで、どこに紛れているかわからないからな?そりゃ、師匠と仲の良い人達は知っているんだろうけど……」

 

誰も全部を全部、把握している訳じゃないから『え!?』と驚く事があると最強の女剣士が言ってた。銀河さんも、全部を把握できないし使い魔の中には外見を偽れる奴もいるので断言できないとのこと。

まあ、ウチの師範代達も見た目を白黒アルトリアにしているからわからない訳じゃない。

でも、そうか。使い魔達って、姿形を偽れるから人に紛れると判別が付かなくなるんだな?

それって、メッチャ怖ぇえ!

一応、にゃんこ化している方々は色んな種類のヌコになってくれているので見た目でも楽しませてくれていたが……アレも、擬態だったのかも知れない。そう考えると、何処にでも紛れ込める使い魔が一番恐ろしい存在だと認識できる。師匠が、彼らを造った理由が良くわかるわ。

疑心暗鬼に陥ったら、周囲全てが敵に見えるんですね?恐ろしや。

余程、強い存在か……組織に居る、上位的な存在くらいじゃないとウチの師匠を相手取るなんて不可能なんだと思う。

だからこそ、組織の連中が師匠を特別視していたのかと俺は納得した。反旗を翻されたら、背後に立つ仲間すらも敵に思えて訳がわからなくなるんですね?怖過ぎる。

同じ釜で飯を食ってた仲間が、ある日を堺に背後を護ってくれなくなる状況は能力の高い《神殺し》達にとっても恐怖でしかない。

そう考えてたら、組織の奴らが師匠に低姿勢だった理由も大体想像が付いた。本人曰く、能力的には下から数えた方が早いとか言ってたけれど。そういう意味からすると、能力が低くてもあれだけ大量の使い魔を抱えていたら不安を煽って来る恐ろしい存在でしかない。

戦いになれば、戦場が大混乱に陥る可能性があるから師匠を敵に回したくない人が多いのではないだろうか?そう言えば、銀河さんが彼らをちゃんと認識できなくなるとか言ってなかったか?後で、師範代に確認しなければわからないけど。フルスキャンをした相手なら、能力どころか姿形だけでなく魔力の波長まで完全に複製できるとか何とか言ってた様な覚えが……まさかね?

この時は、眉唾物だったのだけれど。

後で、確認したら……魔力どころか、人格や記憶までもフルコピーできるとか言われてゾッとしたよ。

つまり、本人確認がより困難になるんですね?

使い魔が、メッチャヤバい存在な件。

ああ、いや……説明は、されていたかも知れないけれど。

実感なんてありもしないし、そこまで頭が回っていなかったってのもある。もしかしたら、覚えていないだけで似た様な事を思ったかも知れないけど。

でも、フルコピーについてはこの時初めて知ったからな!?つか、初めてだよな?説明されてないよな!?(疑心暗鬼に陥る馬鹿)。

今日この時ほど、己の記憶力の無さを呪った事は無かった。

 

「クソォ……誰か、記憶力がアップした奴は居ないのか?」

 

「何故、記憶力アップ?先ず、その前の情報を出せ!!」

 

「絶対記憶能力とか、一度見たり読んだりした情報を完璧に覚えて検索できる能力とか!!」

 

「……不覚にも、ちょっと欲しいと思ってしまった……」

 

「検索能力は、確かに欲しいかも……資格試験に……」

 

「脳内能力なら、不正にならないだと!?」

 

「記憶能力と、検索能力は欲しい!!」

 

「ハイハイ。それは、わかったから……その前後の話しがわからんと言っているんだ!!おい、ミツO。何を考えて、そんな事を言い出したんだ!?」

 

「……説明を聞いた様な?聞いてない様な?覚えて無いだけで、もしかしたら聞いたのかも知れない。ああ!絶対記憶能力と記憶の検索能力があればなぁ……?」

 

「……何の説明かは知らんが、わかったからそう嘆くな。つーか、そんなモノが無くても他で優秀なら問題ないと思うんだけど?それでも、ソレラは欲しいのか?」

 

「覚える事が膨大で……メッチャ、欲しいです……」

 

「……まあ、俺も欲しいけどなぁ?」

 

「覚える事、ホント多い……煽って来る奴も居るし……」

 

【煽って】って……そんな事する奴らなんて、一部のアホ共の事じゃん。自分と同じ穴に、引きずり込もうとしている落ちこぼれの奴らですよね?何度も試験に落ちてる、万年浪人の試験弱々兄貴共。

そんな事しているくらいなら、先に実技方面をパスして俺らみたいに見習い《神殺し》か……正規《神殺し》になってから、当たって砕ければ良い。

ぶっちゃけ、組織から外に出て働くだけなら上官付きだけれど、やりたい放題できるからな?間違えれば、注意が飛んで来るだろうし?楽しく実技を習得しながら、上官付きを監視だと思わずに頑張ればある程度の評価も得られる。つか、試験をクリアして独り立ちするよりも早く信頼や実績を得られて法律関係も学べるし一石二鳥な制度だと思う。でも、一匹狼な先輩方はそんな制度を己を監視する為の制度だと勘違いして更には己の評価すらも自ら貶めているって事に気が付いていないから頭が痛い。

何度か、掲示板を通してオススメしては居るんだけれど。誰も、その制度を利用したがらないし使わない。やはり、上官同伴となるとアウトローな方々は色々思う事がある模様。だから、アレはそういう制度では無いんだけどなぁ?

そんな事をやってるから、上位の存在から目を付けられたりするんだ。そして、それを嫌がったり上官から離れ様として評価を落とすという悪循環。エターナル・エンド(永遠の落ちこぼれ)の方々は、そうやって生まれたらしい。

つまり、彼らは組織から《神殺し》になると《旧・神族》の様に暴走を始めると思われているって事だ。

もしくは、己の憎しみのままに《旧・神族》へ突撃して捕まるり洗脳されてあちら側に付くんじゃないかという評価を得ている。

俺的に言わせて貰えば、どっちかというと自爆特攻して相討ちにはならないものの……その魂が、薄れ消滅するまで敵討ちに走るんじゃないか?という不安があった。

だって、彼らの誰もが《旧・神族》に対して酷く恨み辛みを抱いていて《神殺し》に大成できない事に頭を抱えている人達だからだ。彼らは、『自分が落ちこぼれである』という事を良くわかっている。

だからこそ、一度自由を得たら何が何でも己の欲望を解き放つ為に行動しようとする人達だという印象があった。

まあ、それが組織の不安を煽る結果となり彼らの評価を著しく貶めている理由だったりするんだけどな?あの人達は、《旧・神族》を恨む気持ちが強過ぎるんだよ。

それが、周囲に不穏な空気を生み出し組織に存在する上位の怪物から目を付けられる結果となっている。

なんで、ソレを【真実の瞳】が見抜けないかというと彼らの怨念がソレらを覆い隠して不穏感のみを醸し出しているからだ。要は、ウチの師匠みたいになまじ大きな力を持っていなくて暴走できないけれど。

【憤怒】の感情だけが強くて、その他を打ち消しているから……なんだと師匠は言っていた。

だからと言って、ウチの師匠が彼らへ無造作に手を貸したりする訳もなく。もう少し、冷静になってくれないと外に連れ出す事もできないとか言ってたから『何とかしたい』とは思ってくれている模様。ただ、組織の監視が強くて下手な事はできないらしいけど。そんな話を思い出しながら、亮達の勘違いを聞いている俺は何なんでしょうね?

本当なら、亮達を煽っている彼らの誤解を解いて真実を教えるへわきなんだろうけど。それをやると、師匠がエターナル・エンドと接触した事を組織に伝える事になるし……こちら側の行動にも、組織から指導という名の監視を付けられる可能性もある。

だから、俺が下手な事をする訳にも行かないので沈黙しているんだけれど。そうすると、エターナル・エンドの評価は変わらないし……だからと言って、こちらがフォローする訳にも行かないので亮達の愚痴を聞くだけに収まった。

つーか、組織の問題まで魔王軍に押し付けて来ないで欲しいんだけど?なんで、俺がそんな裏話を聞かされているかと言うと師範代達の教育に含まれているからだった。

要は、変な事は考えるなよ?という忠告である。

なので、今回の俺は聞き手に専念する事となった。

そんな俺には気が付かずに、亮は日々の鬱憤を晴らすかの様に愚痴り続ける。《神殺し》へと転生してからというもの、亮の鬱憤は鰻登りみたいに日に日に積もり積もっている様な気がしないでもないのだけれど。完全に自業自得なので、その鬱憤には手を付ける気にはならなかった。

てか、俺やトーマみたいな経歴でこちら側に足を踏み入れさせられたのならまだしも自らの意志で踏み込んだんだから鬱憤も糞も無い。

それなら、客人のまま過ごして死に至れば良かったんだ。

そしたら、また俺や師匠か使い魔の方々が見付けて組織に連れ込んで放置するだけの日々だったのにワザワザ《神殺し》に転生して要らぬ苦労を背負い込んだのは亮自身。

なので、その鬱憤も亮自身が背負い込んだモノでしかない。

それでも、俺はコイツの幼馴染みだから愚痴を聞くくらいはしてやる。でも、それ以上の事は越権行為に該当するので亮の悩みは亮の上官に言わなければ意味がない。よって、俺はその事を上官に報告する様にとオススメするだけに留めた。

 

「その、足を引っ張って来る奴らに関しては組織でも問題視されているからなぁ。上官に報告すれば、即対応してくれるだろうから俺に愚痴る前に行動しろ……」

 

「なんで、そんな落ちこぼれが彼処に居るんだよ……」

 

「能力や人格は合格でも、頭の方までは規定レベルに至って無かった奴らだよ。それで、拗ねて拗れて落ちこぼれだと自他共に理解して管を巻いているのさ。まあ、師範代からの受け売りだけど……」

 

「あー……成る程なぁ?そりゃ、独りで外には出せないわな。その癖、独りで行きたがるのはやっぱり組織に思う所があるのかねぇ?」

 

「さぁ?ウチは、師匠に関わらせたく無いからってエターナル・エンドとの交流を禁止されてる側だからなぁ?彼らが、何を考えて何がしたいかとか気にもならんよ」

 

やはり、組織で情報を収集すると思惑関連は正規軍側の情報しか得られない模様。エターナル・エンドは、組織からすると真っ当に働きもせず拗ねている様な存在なので悪く言う奴らは多い。だが、俺達からしてみればもっと関わってその心内を知り腹を割って話せる様になれば見方は変わって来るだろう。そうすれば、彼らが何を考え何を感じているかを知る事ができれば、アチラ側も心を開いて歩み寄ってくれるだろう。だって言うのに、彼らの全てを勉学の成績や周囲の評価だけで知った様な気になってる組織がおかしい。そりゃ、成績や評価で判断するのは間違いではないんだろうけど……人っていう知的生命体は、それだけで判別できるほど単純な生き物では無いはずだ。

だがしかし、どこの世界でも教育現場ってのはそういう状況に陥りやすいのかもしれない。

とりあえず、組織のトップが()()なので彼らが組織の人材共に心を開いてくれる可能性はほぼないと師範代達は言っていた。だからと言って、こちら側が彼らに何かできる訳でも無いのでこのまま放置が続くのが現状だ。

 

全く、世の中ってのはままならない物だよ。

 

 

 

 

 




あるぇ?休暇は?ゲームは?また、どっか行った???

はい。エターナル・エンドにまで、話しが広がってしまったけれど…前に話に出した時は、双夜ではなく別の方面から見た彼らを語ったので今度は双夜から見た現実を語ってみた。というか、どちらも双夜が語り部だった気もしないでもないけれど…作者は忘れっぽいので、どっちかわからない。だからと言って、読み直すのも億劫なので今回ので上書きしてみた。とりあえず、エターナル・エンドは落ちこぼれの集団ではあるものの評価の基準が勉学や周囲の評価なのでそう言われてるってだけの話。まあ、勉学や周囲の目だけで人の全てがわかるなら人はもっと容易な存在になれていると思う。だけど、そうじゃないからややっこしいんだよ!それだけで、測れる存在ならここまで拗れてはいない!作者的には、正規神殺しが良い子ちゃんなら道を外れたアウトローが居てもおかしくないよな?って事でエターナル・エンドを作ったんだけど…そんな単純で良い話しなんてなかったわ。って話し。後になって、適当に作った存在が頭の痛い存在になるなんて当たり前の事を考えもしなかった昔の単細胞が怨めしいって話ですwww。
ホント、面倒な存在を作りやがってええぇぇぇ!!と思う今日この頃です。

とりあえず、魔王軍行きなのは確かなんだけど。この頃は、まだ着手もしてない。まだ、双夜がワーカーホリックしてる頃だからなぁ。魔王軍も、まだ本格始動してないので接触すらしてない。

エターナル・エンド…未来の魔王軍達www。永遠の終末…となりますwww。永遠のどん詰まり者とか、落ちこぼれとか評価されていたのに…頭を双夜が取ったら、ガチ的にヤバい脳筋戦士団の出来上がりwww。仲間意識だけは、天元突破してる連携と乱撃の集団が…。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

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いつも、読んでくれてありがとうございます。

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