絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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五二七話

Re:

 

 

という訳で、治療を進めて行きたいと思います!

しかし、前回の話を見て貰ったらわかる様に治療だと言ってるのに高町なのはの抵抗が凄まじく続いていた。

遅々として、高町なのはの治療は進まず致し方ないので魔力では無い方法で治療を再開してみれば拘束されているにも関わらず大暴れする始末。

レイジングハートにしても、バリアジャケットを解除してくれなくてとてもじゃないけど俺一人じゃどうにもならないという事で使い魔に抑え付けて貰いながら治療を再開。

ぶっちゃけ、何されるかわからないから抵抗しているんだろうけどこちらの説明を信じてくれないので強行手段を実行。

そもそも、この抵抗感からしてこの人たぬき寝入りしてるよね?眠らせたはずなんだけど、いつの間に起きたのやら?もう、説明とか面倒臭いので問答無用で魔力では無い方法で治療中。誰なんだ!?この暴れ馬は!?

つー感じで、彼女の治療を進めているんだが……己の精神が、何かしらの影響を受けている事がわかるらしく抵抗が激しくなりつつあった。

 

「だから、治療だって言ってるだろう!?」

 

「んー!んんー!!んーんーんんん!!」

 

「やっぱり、起きていたか……てか、猿ぐつわで何言ってるかわからないよ。と言っても、外す気は無いんだけど……」

 

まあ、管理局をブッ潰して拐って来たから当人からすると自分を洗脳して犯罪者にしようとしている悪人に見えているのかも知れない。だが、文句は終わってから聞くので大人しくしてて欲しい。とりあえず、俺達が集めた高町なのはに関する盗撮映像を流しておく事にした。

これを見て、映っている行動が異常に感じられる様になれば治療成功って事で話を進めて行く予定。つか、これを見て異常だと感じない間は治療を続行するしか無いんだよなぁ?

 

「ほら、画面見て!これが、異常だと思わない時点で君の精神は書き換えられているんだよ?複数の男性とお付き合いする事が君の住んでいた世界でどれだけ異常であるかわかるかい?一夫一妻制の世界で育った君が、複数の男性とお付き合いしているんだよ?常識を逸脱して正常だと思うのかな?」

 

「んーん!んんーんーんん、んんーんぅんんー!!」

 

「はいはい。とりあえず、正常な精神を取り戻してから文句は言ってね?ああ、コレを異常だと思わない間は治療続行だよ?全く、ここまで組み換えられていると面倒臭いわぁ!」

 

そんなやり取りをしつつ、組み換えられた精神を元の状態へと近付けて行く。バックアップに存在する、転生者が来る前の精神を参考にしつつ……多少、歪んでしまった部分は別世界の高町なのはを参照にして変換。というか、こっちの別世界の高町なのは精神図を参考にした方が良くね?まあ、元の記憶を消せるならそれでも良いかも知れないけど。この世界での記憶を残しつつやらないと色々面倒なので致し方ない。

コレが、フェイトちゃんなら本筋がわからなくてもスルーしてくれるんだけれど。『高町なのは』は、その異常さを放っておけないだろうからこのままやるしか無い。

 

「はぁ……魔力を別エネルギーに変換しながらは、ちょっとキツいなぁ?」

 

それに加えて、フェイトちゃん達の治療も並行して行っているから実質数人分の魔法を使っているって訳だ。その制御をしながら、抵抗する者の精神までも治療しようっていうんだから俺の負担は鰻昇りだった。キャパは、超えてないけど。

 

「まあ、別術式使っても良いけど完治させる訳にはイカ無いんだよ。だって、コレをやった奴等を逃す事になるだろうからね?ああ、君の恋人達の話だよ。無断で、君の精神を書き換えて自分達を受け入れる様に仕向けたんだから裁かれて当然だよね?」

 

精神的な拘束と、人生の半分を奪った行為に対する法律があるならまだしも……そこら辺は、まだまだ未知の領域。

とりあえず、それらに該当するロストロギアの方は用意出来たので俺の使い魔がソレと彼等のデバイスを交換すれば任務完了だ。一応、こちらが干渉した部分の記録を消してデバイスの記録をフルコピーすれば多少の違和感はあれど問題は無い。

それにどのデバイスにも、【ブラックボックス】と呼ばれる閲覧不可みたいなモノが組み込まれているのはわかっているからソレを該当のロストロギアに変えるだけの簡単なお仕事ではある。後、それが普通の技術に見える様に偽造するのも忘れてはイケない。

効果は、以下の通り。魔法を使用すると、ロストロギアが起動され魔力が精神を狂わせるモノへと自動で変換される。変換された魔力、又は魔力光を己の傍に居る者に浴びせると精神が使用者の都合の良い様に歪んで行く……という、モノとした。それを、彼女達の傍で幼い頃から浴びせ続ければどうなるか……わからない彼らでは無いと思わせられればOK。

彼等が、どれだけ言い訳を並べ様とも彼女達の奇行は周知の事実で……今までの状況からも、ソレは目に見える程に事実だと思われるだろう。ただし、それを使用していたとされる当人達が『彼女達以外の人物も、自分達に好意を向けていなければおかしい』とか言い出したとしても、周囲への影響は魔力光を浴びる時間に比例するとして封じる事が可能だ。

まあ、そんな感でそっちは着々と進んでいるから無問題。

回収したデバイスは、こっちで処理するつもりだけれど。

【組織】の奴等にくれてやった方が健全かも知れない。

とりあえず、人の心を自分の思い通りにする遺失物が見つかる歴史的瞬間に立ち会って貰うのはクロノんにお願いするとして……どうようかな?まあ、そっちは既に別の使い魔達が動いているから問題は無いんだけど。

その他にも、色々と手を打っておかねばならない事がある。例えば、デバイスに魔力を通すと麻薬みたいに依存性の高いモノへと変換される――そういう、強い副作用が出るモノにして、禁断症状を訴える人物達を逮捕現場で彼らに駆け寄らせるのも良い。彼らには従順だけれど、引き放そうとすると牙(歯)を剥き出す様な……誰が見ても、異様に感じる状態の女性達を使わないとイケないから大変だ。

出来れば、正常な人(局員)が狂った彼女達を見て恐怖を抱く感じに仕上げられたら良いなぁ?

そんな訳で、何人かの使い魔には彼等をフルコピーして姿形から魔力波長までを複製して貰い、麻薬状になった魔力を複数の女性に当てて貰っている。そっちは、かなり順調に事が進んでいるらしいので結構上手く行くんじゃないかな?

現物……じゃなかった。実際の被害者が、目の前に居れば管理局もスルーする事はできないだろうからね?治療法は、そのデバイスのブラックボックスから得られる様にしてあるのでマリーさん達に頑張って貰う予定。

頑張れぇ、マリーさん!!

 

「抵抗するの止めて貰えませんかねぇ?といっても、半分ブッ壊れ気味の貴女には通じないんでしょうけど?」

 

「んーん!!んんんんー!!」

 

「つーか、そろそろあの映像が異様に思えて来たんじゃないかな?ぶっちゃけ、狂気に染まっていた者の精神を正常に戻すのは割りと簡単なんだわ。問題は、その後で歪められた精神で得た知識や経験はちょっとリハビリした程度で戻るモノでも無いから。特に、君の様に小学生四年生から今まで積み上げてきたモノがあると修正するのが難しくなるからねぇ?それこそ、残りの人生を突っ込んで治すしかないんだよ。……いっそうの事、記憶消しちゃう?」

 

「―――――――」

 

「ああ。記憶を消すと言っても、エピソード記憶では無く情報記憶の方ね?人間の記憶って、思い出を入れておくエピソード記憶と勉強や経験を積み重ねて蓄積する情報記憶の二種類があるんだ。僕が言ってるのは、情報記憶の方でエピソード記憶には一切手を付けないと約束しよう。だから、フェイトちゃん達やヴィヴィオの事は忘れない。忘れて貰うのは、君が歪められてしまった後の常識に関する記憶かな?一応、時間は掛かるけど細かく精査させて貰えるなら不要な部分以外の記憶にまでは消したりしないよ?」

 

高町なのはは、俺の提案に目を剥いて固まってしまった。

そりゃ、管理局を壊滅させてまで自分を拐って来た相手が己の状態をコンコンと説明して納得させて来た挙句、常識を学び直す為に記憶の一部を消そうか?なんて提案して来たら驚きもするか?

 

「勿論、無理強いはしないよ?僕の目的は、君の治療であってこの世界をどうこうする事じゃないからねぇ?ああ。因みに、地上管理局をブッ壊したのは君達という異常を見て見ぬ振りをしていたのに利用するだけ利用しようとする彼らの態度が許せなかったからかな?だって、そうだろう?君を広告塔であるエースオブエースとしながら、君達の異常性を放置していたんだから。プライベートにまで、介入できないとか何とか言ってさ……精神を歪めるロストロギアを使う彼らを受け入れて、君達を切り捨てた彼らの選択は許されないからねぇ?」

 

「…………ん、ん……ふぉんふぁふぁへ……」

 

「まあ、信じなくても良いさ。僕は、僕のやらなければならない事をするだけだから。その為にも、君の治療はさせて貰うよ?ただ、今後……君の傍に寄って来る男達には気を付けた方が良い。あのロストロギアは、人の心を歪ませる。しかも、かなり強い依存性があるから下手をすると君は君ののかわいい娘である高町ヴィヴィオを薙ぎ払ってでも彼らの元に行こうとするかも知れないよ?勿論、君自身が娘を邪魔な物として排除し彼らを選ぶかもねぇ?」

 

それだけ告げて、俺は彼女の治療を再開させた。

先程までとは、打って変わってすんなり通り始めた精神治療が彼女の心を現している。

とりあえず、疑惑の芽は植えた。

後は、彼女がその疑惑をどこまで確認できるかによって俺の処遇は決まる。まあ、人が俺の処遇をどう決めた所でこの世界から【外】に出てしまえば忘れられてしまうだけの存在だ。だから、俺は自分のやりたい事とやらなければならない事をするだけだ。それで、世界の願いは叶う。

 

「…………ぬへ、あはひふぁほぉはるふぉ?」

 

「君を欲する者が、望む君になるんじゃないか?彼らが、君に何を望み何をさせたいのかは知らない。でも、そこに君の意思は存在しない。今までだって、君が君のままで居る事を許す者は居なかった。だから、ああいう事になっているんだろう?複数の男性とお付き合いをして、その男達が望む言葉を言わされて行動させられて……最後は、父親が誰かわからない子供を産むんだろうね?」

 

「――――――――――」

 

多分、高町なのはが避けていたであろう結論を口にした。その瞬間、高町なのはは絶句したかの様に目を開いて何かを反論したいのか口をパクパクと開閉する。

しかし、何も言い返せなかった様で口を噤み黙って目を伏せた。きっと、知識では知っていたのだろうけど……そこまで、想像が進まなかったように見える。結果、彼女は大人しく精神治療を受け入れてくれた。もしくは、ショックが大き過ぎて抵抗を忘れてしまったのかも知れない。

とりあえず、最後まで抵抗していたのはレイジングハートだけだったと記載しておこう。

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

という訳で、相手の弱みと脆い所を突いて治療完了です!

記憶の方は、時間的な歪みはなかったので一つに繋げてしまえば問題ありませんでした!!

いやー、ホント俺ってば酷い存在デスヨネー?相手の弱みであるヴィヴィオを引きずり出して、脆い所をガリゴリ削って脅したんだからカテゴリーを分類すると『クズ』に入るんじゃ無いかなぁ?しかし、やってる事はボランティアで世界の異常となってる部分の修正だ。プラスとマイナス、合わせてプラマイ零……には、ならないよね?

 

「さて、アレを見てどう思う?アレが、普通に見えるなら君の常識はかなり歪んでしまっていると思うんだが……」

 

呆然とした感じで、流れる映像を眺めている高町なのはに感想を聞いてみる。一応、彼女の精神を歪めていた神通力は既に排除したし、彼女の歪みを留めておく術式も存在しない。

その状態で、アレを見ても異常だと思えないのなら情報記憶を弄るしか無いんだが……さて、どうでしょう?

 

「…………私、複数の男性とお付き合いしてたんだよね?」

 

「そうだよ?複数の男性に愛を囁いて、その愛情を独り占めにした挙句周囲から異常な目で見られてヘラヘラしてたんだよ?って、悪意ある言い方になっちゃったwww。ゴメンね?僕も、彼らのやり方には腹が立っているから……」

 

「………………ああ……」

 

彼女は、頭を抱えてテーブルに突っ伏した。そのせいで、彼女の表情が見えないけど。何を思っているのかは直ぐにわかった。これ、メッチャ後悔してるんじゃね?

 

「とりあえず、治療の内容を説明して行っても良い?」

 

なので、こっちは気にせずに話を続ける事にした。彼女は無言であったけど、俺の言葉に頷いてくれたので続ける。

 

「じゃ、先ず治療として行ったのは他人の意志ある魔力が精神にまで喰い込んでいたのでソレを抜く作業から。手っ取り早い方法として、君の精神を汚染していた魔力を僕の魔力で包んで排除したよ。実際には、魔力を別のエネルギーに変換して君の中に侵食。行き場を失った魔力は、君の中から出て散ってた。その後、僕の魔力を循環させつつ僕に戻して終了。君の中に残せば、今度は僕の事が気になる様になるかも知れないからねぇ?まあ、僕が君に好意を抱いていたらの話になるけど……管理局の白い悪魔は、ちょっと……」

 

「ちょ!?私、悪魔じゃないもん!!」

 

「あー、はいはい。まあ、君に気が無い事はわかって貰えたかな?じゃ、次ね?次に、歪められた精神を元の精神図と比較しつつ戻した件について……と言っても、何の事かサッパリだと思うから。過去の記録から、君がどういう人物であったかを調べて……つっても、納得いかないと思うからどストレートにw。レアスキル持ちを駆使して、君の精神図を作らせて貰ったよ。君、自分が嫌いだったんだね。今は、好きになれた?いや、幸せかな?って聞いた方が良い?」

 

「うぐっ………………」

 

突っ伏したまま、頭を引っ込めるという器用な事をする高町なのは。流石に、幼い頃の己を言い表されると恥ずかしさが天元突破するらしい。そのまま、何も言い返されなかったのでこの話題は終了とする。今は、別の事が気になるからね。

 

「OK。この件には、触れないでおこう。とりあえず、僕が今一番聞きたいのはアレを見て君が何を思うか、だ。率直に言って、アレをどう思う?君の中の常識から見て、アレは普通だと思うのかな?」

 

「……………………せん……」

 

「ハッキリと!」

 

「思いません!!」

 

ガバッ!!と、顔を上げて叫ぶ高町なのは。その顔はほんのりどころか、真っ赤に染まっていた。うんうん、恥ずかしさが前面に出てるね?余程、堪えている模様。にゃはははw!

 

「OK。情報記憶の削除は不要、と……やはり、精神を他人の魔力で汚染されてた結果、異常を異常と認識できなくなっていたかぁ……ま、今は除去されたからアレを異常だと認識出来る、と。ある意味、暗示みたいなモノだからソレを押し留める術式を排除してしまえば問題なかったね」

 

「…………留める術式?」

 

「君の精神の中にその暗示を強化する魔法術式があったんだよ。多分、彼らの誰か…もしくは、全員がソレを維持していたみたいだね?んー……状況的には、大きな戦いの後彼らの魔力光を見なかった?もしくは、回復と称して魔力の譲渡をされていたとか……」

 

「……………………」

 

「心当たりは、ある様だね?いやー、愛されてるねぇ?」

 

「………………気持ち悪い……」

 

「ま、それも【愛】の形だよ。心に言い表せれる形なんて無いからねぇ。どんなモノでも、これが愛情だ!と言われたらそれもまた【愛】になるんだよ。例え、それが歪み切っていても愛は愛だ。ああいうモノって、内情を見るとドロドロだよぉ?腐ってる事もあるからなぁ……」

 

あの手の感情に、綺麗も糞も有りはしない。

あるのは、ドロドロとした独占欲と性欲が絡んでグチャグチャになってるナニカだ。一面だけを見て、全てをわかっている様に思える奴は頭が湧いているのだろう。

アレは、一言で言い表せる様なモノじゃない。

それにアレは、世界を歪めるモノの一つだ。

 

「まあ、そういう考察は哲学学者に任せるとして……これから、ちょっとした質疑応答に答えて貰えるかな?いやいや、そんな難しいモノじゃないから気楽に答えてくれると良い。君の中の常識が、どこまで正常でどこまで歪んでいるのかを確認する質問だ。それによって、君のリハビリシフトを確立させるので是非頭を空っぽにして答えてくれると良いなぁ?あ、僕はまだ治療中な彼女達を診て来るので質疑応答は他の者がやるから安心すると良いよ」

 

「はっ!フェイトちゃん達は!?大丈夫なの!?」

 

「はいはい。今は、自分を優先して貰って良いかな?彼女達は、僕がちゃんと治療して見せるから安心して良いよ。君の治療もやったんだから、信用できる腕前だったろう?」

 

結果は、既に見せた。

後は、ソレを信じてくれるだけで良い。

それだけで、彼女達の未来は安泰だろう。まあ、精神的には安泰でもこれからの未来までは保証できないけどね。

とりあえず、クロノ・ハラオウンには彼女達の幼馴染み達が使っているデバイスに人の心を歪めるロストロギアが組み込まれている事を通報済み。それにより、彼女達が精神崩壊を起こしている事や精神状態がかなり危うい事を事細かに記したファイルを送り付けておいた。その治療の為に、地上管理局を襲って拉致った事も書いてある。

地上管理局を消し飛ばした事については、あんな身近にロストロギアを不正利用する者がいるのにそれを見抜けない節穴な管理局の無能っぷりを上げて『お前らは信用に値しない』と罵っておいた。

それで、どうにかなるものでも無いけれど……こちらの思惑は、伝わっていると――考えられないけどw。

それでも、彼らのデバイスを調べる切っ掛けにはなるだろうから良しとする。もし、これで何もしないのであれば本当に管理局が無能だという事の証明になるから構わない。

とりあえず、完全翻訳したそのロストロギアの説明書と共に高町なのは達の状態を記したファイルをクロノんに送り付けてやったので今頃てんやわんやの大騒ぎだろう。

今回の告発で、告発した情報が握り潰される様であれば本局の腐敗が進んでいる事がわかるし、腐敗していなくても広告塔であるエースオブエースがロストロギアで精神支配を受けていたとなればそれもまた大問題へと発展するだろう。

 

「これ、無限書庫のバックドアを開けるのと似た様な事柄だよなぁ?はてさて、管理局はちゃんと対応してくれるかな?しなかったら、乗り込んで当人達を断罪するだけなので問題でも無いけど……奮闘したまえ、クロノんwww」

 

もしかしたら、【奮起】かも知れないけどな?

そんな、不毛な事を考えながらフェイトちゃん達の元(隣の部屋)へ行くと八神はやてが起き上がっていた。

うわぁ…また、面倒な奴が先に目覚めてくれたなぁ?

とりあえず、話しかけてみた所……メッチャ警戒した様な顔で、こちらを睨み付けて来た。ああ。コレ、もう一回?

 

「お?精神崩壊から、漸く復帰ですか?どう、気分は?一応、君の精神崩壊を治療した者なんだけれど……話を聞く気はありますか?無いのなら、リインフォース・アインスの精神を回収するけど……どうする?敵対しないのなら、そのプログラムは君に渡そう。どうしたい?」

 

「…………あのアインスは、ホンマもんやったんか!?」

 

「何を持って、本物と言ってるのかは知らんが……空に消える前の精神にお願いして、君の治療の為に来て貰ったんだ。脅しに聞こえるかも知れないが、本来の彼女はこの時代に存在しないのはわかっているだろう?悪いんだけど、歴史的な修正を考えるなら彼女ともう一度お別れして貰う事になるんだが……でもまあ、別に残しても構わないんだよなぁ……」

 

「…………ホンマか!?後になって、やっぱりなんて言うんならこっちにも考えがあるでぇ?」

 

「とりあえず、そっちの交渉は後にするとして君の現状を告げても良いかな?多分、現状を知れば敵対云々なんてやる意味が無い事を理解して貰えると思う……」

 

「………せやな。今のままやと、私は何もわからんままや。それで、アインスを人質にされたまま敵対するんもアカン……っていうか、さっきからメッチャ止められとる。アインスが、アンタと敵対すなって……」

 

「それは、また……お疲れ様です。弁慶の泣き処が、意志を持つと大変ですね?とりあえず、説明させて貰っても?」

 

という訳で、何となくグダグダ感が否めないけど。八神はやてに、現状の説明を行う事を了承して貰った。

 

 

 

 

 

……閑話休題……。

 

 

 

 

 

段々、面倒臭くなりつつあるがとりあえずの説明を終えて八神はやての様子を見ると……こっちも、頭を抱えて絶望していた。なので、更にその絶望感を与える為に彼女のプライベートな映像を流して見る。すると、ビクッ!!と肩を震わせてチラッと映像を見つつ顔を青から白へと変えて行った。この反応を見るに、自分がどんな風に周りに見られていたかを様々と見せ付けられて愕然としているのかも?

でも、周囲も特典の影響で違和感は感じてもコレを不思議に思わなかったからこそ機動六課がスタートしたんだよね。だから、八神はやて達だけがこんな風に心を痛める必要は無いんだけど。

でも、それはそれ。これはこれ。

なので、このまま追い詰める方向で映像を流し続けた。

ついでに、もう一つの事実も言う。

 

「そう言えば、高町なのはにも言ったけど……最終的な話。君達が行き着く先は想像できてる?…………どんな結末になるかはわからないけど、『父親が、誰かわからない子供を産んだ母親……』になるかも知れないんだぜ?そうなる事は理解しているかなぁ?ねぇ、君はそこら辺どう思う?」

 

言われてから、気が付いたのか白い顔が土気色に変わる。

そう、女性と男性が付き合っていれば……いずれ、プロポーズされて結婚。そして、子供ができるのが自然の摂理?

まあ、できなかったとしても彼らは気にしない。

だって、彼女達を抱く事自体が目的の可能性があるからなぁ?それに、抱いた後も彼女達に執着してくれるかどうかはわからない。

それでも、周囲の反応は特典によって好意的なのかも知れないけれど。だがしかし、ソレが永続では無い事を俺は知っている。何故なら、神々が転生者に渡した特典の効果がいつまで続くかは……神の気紛れだからだ。

飽きられて、転生者達に見向きもしなくなれば彼女達を待つのは『複数の男性と関係を持った阿婆擦れ』という評価だけだ。そうなれば、時空管理局には居られないだろうし……何歳で、放り出されるかはわからないけど。

そういう女性が、行き着く先は大体決まっている。

例え、日本に戻って就職先を探すにしても彼らとの関係は延々と付いて廻るだろう。だから、当然の話だけれど真っ当な所に就職できるかはわからないままだ。

転生者が、どんな思いで彼女達と共に居るかはわからないけれど。きっと、身体を重ねたらあっという間に彼女達を捨てるだろう。なんせ、他の転生者と同じ女性を共有する事になるだけだからな。ソレを、嫌がる者も居るだろう。

そうなったら、どうなるかなんて考えるまでもない。

彼らは、容赦なく彼女達を切り捨てて別の若くて美しい女のコに乗り換えるだろう。他人のモノで無いからこそ、彼らは彼女達に御執心なのである。それが、誰かのモノになったら直ぐに別の女のコに乗り換えるのは俺の【真実の瞳】が教えてくれていた。

ぶっちゃけ、彼女達には後が無いのである。

だからこそ、彼女達が誰かを選ぶ前に回収できた事は喜ばしく思う。俺は、自分を褒めてやりたい気分だ。

だって、そうなる前に彼女達を保護できた上に治療までできたんだからなぁ?きっと、これで未来が変わったのは言うまでもない。

 

「とりあえず、奴らが使っているロストロギアについてコレを見て欲しい。信じたくなければ、信じなくても良いけど……これらの資料は、既にクロノ・ハラオウンに渡してある」

 

だから、事実であった場合……いや、事実にしたんだけれど。彼らは、拘束される。そうなった時、君達がどうするのか……ホント、興味が尽きないよ。

 

 

 

 

 




とりあえず、高町なのはの治療はリハビリ?をのこして終了。時間的な歪みが無いからって、記憶を一つに繋げるとか鬼畜の所業デスヨネー?書いてて、これはやらかしだなぁって思ってましたwww。でも、抵抗し捲くって弱みや脆い所をガリゴリさせられた双夜の気持ちも考えてやってね?
作者は、問答無用な所があるから鬼畜な事でもやりますwww
後は、常識を擦り合わせて高町なのはが抱える歪みをある程度緩和したらおしまい。簡単そうに見えるかもしれませんが、それぞれの人格を消して記憶を一つに繋げるってかなり至難の技ですよ?しかも、相手が普通に起きてるのにそれをやって退けた双夜は純粋にスゲーと思う。

次は、八神はやてですね?追い詰めますよぉ~?後、転生者がゴミ糞だとそういう未来もあるよって考察。作者は、ネガティブ方面を全力でひた走る事があるので最悪だけは避けて通ってます。ええ、風俗に沈むとか信用ないままシングルマザーでヴィヴィオも抱えて生きるとか……考えたくない話も山の様に考えてます。まあ、避けるけどwww

最後に、フェイトちゃんですね~。フェイトちゃんは、別の世界のフェイトちゃんをダウンロードして終了なので特に書く事は無いけど……心が喪われた事は二人に説明するんでしょうね。多分、双夜に取ってそれが一番面倒な事でしょう。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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