絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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五二三話

Re:

 

 

「うるさい!うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさーい!!どいつもこいつも、俺を馬鹿にしやがってぇ!!」

 

「きゃっ!?」

 

どっかの馬鹿が、唐突に喚き出してズカズカと翼の元へと近付いて来た。何を!?と思っていると、俺が抱き締める翼の手を取り自分の方へと引き寄せ様と無理矢理引っ張る始末。そんなクズ行為に、小さな悲鳴を上げる翼。

俺は、悲鳴を上げた翼への心配とそんな無遠慮な奴に少し苛立ちを覚える。

つか、何勝手に触ってやがんだ!?

 

「お前は、黙って俺のモノになっていれば良いんだ!!」

 

「おい!人の女に手を出してんじゃねぇよ!?」

 

「ああ!?黙れよ!!コイツは、俺が見初めて俺の女にするって決めたんだ!部外者は、黙って指咥えて見てろ!!」

 

なんだコイツ?言ってる事が、支離滅裂で意味不明なんだけれど?つか、なんでこういう奴って自分中心でしか物事を語れないんでしょうね?まあ、人の事は言えないんだけど。

 

「黙るのは、お前だよ!何が、見初めた、だ!?自分が、何を言っているかわかってんのか!?」

 

「うるさい!下民の分際で、この僕に意見してんじゃねぇぞ!!大体、アニメや漫画のキャラクターに萌え萠え言ったり本気になったりキモヲタクがウザいんだよ!!」

 

「はああぁぁ!?女と結合する事しか考えて無い直結厨がなに俺達の事を貶してんだよ!?お前なんて、害悪でしかないじゃないか!?強姦魔!!」

 

ああ。馬鹿が、自ら火に油を注ぎやがって……それまで、黙っていた他の転生者達が一気に怒りで燃え上がった。

なんで、こういう自己中は周囲にガソリンをブチ撒けるのが好きなのか意味がわからない。しかも、未だに生前のパパァ〜に縋り生きていた時と同じ事を繰り返しているんだから救いも無いと来た。つか、ブラブラしてねぇで働けよ!?

 

「ふざけんな!!お前のせいで、一体どれだけの女性が泣いたと思っているんだよ!?自分の行動を顧みろ!!」

 

「生前なら兎も角、現在はお前も俺達と同じ下民だろう!?借金まみれで、首も回らない癖に金も稼げないゴミが!!」

 

「ああ!?この、雑種共がああぁぁ!!」

 

痛い所をガスガス突かれたからか、馬鹿は翼から手を離してキレる転生者達と対峙する。といっても、自分の隠していた一番痛い部分を叩かれているので喚く事しか出来ていないけど。そんな風に威嚇しても、今更誰もビビリませんよ?

 

「生前は、お前の親父が色々もみ消してくれたんだろうが……ここでは、親の威光も使えないもんなぁ?父親が居なけりゃ、何にもできないとか超ウケるwww!!」

 

「七光りのボンボンから、泥を啜って生きるホームレスに堕ちたゴミ虫さんはさっさとダンボール箱にお帰り下さいwwwギャハハハ!!」

 

そして、ヒートアップしていく元下民でキモヲタの皆さん。というか、コイツらの中にも働かずして遊んでいる奴は居るだろうに良くブーメランな事を喚くなぁ?

お陰で、師匠が巨大なブーメランを投げて遊んでいるじゃないか!?つか、あんなデカい物を片手で振り回し投げるとか……ヤバくない!?自分の数倍はあるぞ!?

あ。もしかして、軽い?なんて、ある訳がないわな?そんな風に軽く考えていたけど、障害物に当たって墜ちたブーメランから凄まじい重低音が響いて来てビビったわ!てか、ガララ〜ンワンワン〜とかメッチャ金属音でドン引きです。

 

「雑魚の分際で、うるさいんだよ!!死ねぇ!!」

 

言って、右手を上げた馬鹿は指パッチンで大量の武器を宝物庫から吐き出した。ああ、そういうのは使えるのね?

だっていうのに、《黄金律》だけ使えないという罠。

もしくは、デメリット特典でお金だけ得られない様になっているのかも?まあ、あり得そうな辺りが奴を転生させた神様の意地の悪さなのだろう。もしくは、転生の際に何か癇に障る事でも言われたのかねぇ?機能不全なのか、デメリットなのかはわからないが馬鹿のやらかしなのは見て取れた。つか、奴のデメリットってなんですか?

そう言えば、聞いてねぇなぁ?

 

「あの方の陰特典は、【肉体関係を持った異性に頭が上がらない】と【身の程を知れ!】ですね。前者は、肉体関係を持った時点でその異性には勝てなくなります。後者は、言葉通りその程度の存在という事なのでしょう……」

 

「あ、コレ……神様にいちゃもんを付けた感じか……?」

 

「でしょうね?己のみで、勝負をしている様なモノです」

 

「じゃ、アレも使えなくなるんじゃ……」

 

宝物庫から、ガンガンと武器をバラ撒いているけど普通ならアレも使えなくなっててもおかしくはない。だっていうのに、ソレが使えている理由が不明だ。

 

「きっと、神の慈悲なのだろうの?」

 

「よっぽど、嫌われる様な事をしたな!?」

 

「そりゃ、そうだろう?アイツのせいで、余計な人間を数十人もこの世界に引き込む事になったんだろうからな?」

 

「そして、自分の都合ばかりグダグダ言われれば……」

 

「お察しだの?」

 

そうか、アレは奴を転生させた神の最後の慈悲なのか。

そして、それも失われる事が確定なんですね?

なんなら、リンカーコアも握り潰してくれて構いませんよ?あんな馬鹿が、魔法を使えるっていうだけでも胸糞なのに神様特典で周囲を巻き込むだけの害悪とか最悪です。

とりあえず、《ダーティ・ニーズ》を取り出した俺は翼にニッコリ笑い掛けて一時的に離れる事とする。

ぶっちゃけ、翼と離れたく無かったんだけれど……このままでは、無駄に転生者達を殺戮された挙げ句、《堕ち神》化するだけに思えたからだ。師範代をチラッと見て、俺は馬鹿に向かって駆け出した。

師範代が、翼を護ってくれているので俺は気兼ねなく馬鹿に向かって行ける。戦える!!それに、指パッチンで武器をバラ撒くだけしかしないならその能力もお察し程度しか無いのだろう。つか、慢心王のままなんですね?

自らを鍛えて居れば、少しは演れたんだろうけどそのままとか笑えて来るわ!!

 

「へい!慢心王www!!」

 

「ああ!?クソが、テメェも死ねぇ!!」

 

一声掛けて、こちらに注意を引いた。俺が走り出した時点で、こちらの動きに気が付いた奴らが気を利かせて馬鹿を煽っていたけど。こっちは、こういう時の為に鍛えているんだ。気遣いは、有り難く頂くが不要なのでお断りする。

それに、狙いも策略も無い攻撃なんて俺には効かないから無問題。これなら、師範代とヤってる方が実りがあるわ!!

馬鹿が撃ち放った、迫り来る凶刃を何本か弾いて一息に間合いを詰める。馬鹿は、その光景に怯み慌ててバックステップで距離を放そうとするが意味は無い。《瞬動術》で、開いた間合いを殺し剣の腹で馬鹿の頬を打った。面白い様に吹っ飛んで行く馬鹿。何の防御策もなく、地面を転がるので少し呆れる。受け身くらい取れよ?この時点で、アレが非戦闘員である事が見て取れた。本当に、女性と直結する事しか考えていなかったらしい。あの様子では、ギルガメッシュの容姿と能力以外は本気で自分に振り向かなかった女性とそんな彼女達を射止めた男達をこちらへ呼ぶ願いしか言わなかったのだろう。

あるぇ?それだと、魅了能力はどこから来た?

 

「神様特典って、増やせないよなぁ?」

 

インスタント・ソウルでは、最大五つまでしか特典の付与はできなかったはずだ。だっていうのに、あの馬鹿の願いを考えるとギルガメッシュの容姿と能力も怪しくなって来る。

 

「あ。もしかして……」

 

なんで、あの馬鹿に《黄金律》が無いのかわかった気がした。アイツを転生させた神様、《黄金律》と《魅了能力》を入れ替えたんですね?つまり、目に見える能力はそのままにして目に見えない能力を入れ替えたって事になる。

そんな事が可能なのか、ちょいと師匠に問い質したくなったが今は戦闘中で余所見をする暇もない。なら、さっさと馬鹿を沈めて師匠を問い質しに行けば済む……と考えた所で気が付いた。

馬鹿が、起き上がって来ない。まさか、さっきの一撃で気絶したんですか!?いや、流石に、そんな……そう言えば、非戦闘員でしたね?そりゃ、一撃で沈むわwww。

 

「恥ずっ!……くっ、〜〜、〜〜っ!師匠。能力の入れ替えって可能なんですか!?」

 

「お?直ぐに、切り替えて来たな?まあ、可能と言えば可能だが……普通はしない。だって、その方が楽だからな!でも、それをやったとなると好かれていたか嫌われていたって事になる。だが、今回は後者だろう。普通はやらないスキルの入れ替えをしたくなるほど頭に来たんだろうなぁ?」

 

「うへぇ……そんなに、嫌われる事をやらかしたんですか?コレ……神様に嫌われるって余程ッスよ?」

 

「まあ、そうなんだけど。でも、1%も無いって事は無いから。コイツは、その1%を引いたんだろうwww」

 

「マジか……」

 

まさか、転生の際に神様に嫌われる事をやらかす馬鹿が居ようとは考えもしなかった。つか、普通は嫌われる様な事はしない。これから、新たな門出をしようって時に最高の能力をくれるであろう存在に喧嘩を売る馬鹿は基本しないだろう。

しかし、目の前にその前例が居るって事は限りなく可能性の低い事をやらかしたんだろうと予測した。予測したはしたけど、どんな事をやらかしたら神様に嫌われるなんて事ができるんだ?訳がわからないんですけど!?

 

「お疲れ〜!つか、アンタメチャクチャ強いじゃん!?」

 

「乙ー!見た目、ギルガメッシュだから弱いかと思ってたけど……迫り来る剣を弾いて進む所、セイバーみたいだったぜ?いや、マジで!!ゾワッとした!!」

 

「乙乙!一瞬、どこか別の異次元に迷い込んだかと思た!」

 

「俺も!俺も!あ、お疲れ様でーすw」

 

「スゲー、スッキリした!あ、乙でーす!DSAAに出られるんですか?まあ、その為に転生されたんでしょうけど……」

 

「いや、俺は翼の為に強くなっただけだ」

 

「「「「「ぐはっ!!」」」」」

 

理由を告げると、近付いて来ていた全員が胸を押さえて蹲る。それを見た瞬間、ヤバい!?と思った時には全員が砂糖の袋を地面に叩き付けていた。

そして、口々に告げられる祝福の言葉と罵声が一斉に飛び交う。そう言えば、コイツらは掲示板の住人でしたね?

そのままのノリで、想うままに行動する様は見ていて飽きはしないがとてもウザい。直結厨の馬鹿とは、別の面倒さがある集団だった。

 

「クソォー!俺も、言ってみてぇ!!彼女居ないけど……」

 

「そう言えば、馴れ初めまだ聞いてませんでしたよね?」

 

「そうだった!そこら辺を詳しく教えて貰えますか!?」

 

「後、俺らのデメリットを消してくれるって約束!忘れてませんよぉ!?出来るんですよね!?」

 

「ああ!俺、メッチャ忘れてた!俺のデメリットも消して下さい!この際、面倒なんで《黄金律》以外は消して!」

 

「ファ!?お前、《黄金律》持ちだったのか!?」

 

「おうよ!なんなら、養ってやっても良いぜ?」

 

「マジで……って、男の紐になる気は無い!」

 

「紐……うおおぉ!無理だ……女に縋るのも無理だ……」

 

「乙。まあ、夢は見れても行動には移せないよな?」

 

「普通に嫌なんですけど!?男の紐とか……」

 

「じゃ、雇って下さい!!」

 

「ああ!なる程。それなら、やれます!!」

 

「雇われるって、何するのさ……」

 

「…………自宅警備?」

 

「「「自 宅 警 備 www」」」

 

「生前から、ずっとやってた定期www!!」

 

凄い。何が凄いかって?ここまでの会話が、僅か十秒足らずで行われている事が凄い。なに、このマシンガントーク。コイツら、ホントに掲示板の住人かよ!?

どう見ても、独り寂しい時間を過した鬱憤を今ここで晴らそうとしているだけの奴らですよね!?でも、その気持ちはわからないでもなかった。実際、俺もその『独り寂しい時間』を過した者の一人だからな。誰かと、時間を共有したいと思わなかった…と言えば嘘になる。今はもう、誰かに創られた記憶は無いけれど。それでも、独りの時間の方が幼馴染み達と過した時間よりも長かった。

 

「何をするかは、その内に決めれば良いんじゃね?《黄金律》を持っているなら、得たお金を増やす努力はする予定なんだろう?」

 

「それは……まあ、そうなんですけど……」

 

「最悪、特典で肩入れした株式会社が大当たりを出す可能性もあるからなぁ?まあ、どこまでやれるかは自分で見定めると良いさ。あ。見定めないまま、やらかすなよ?」

 

「…………見定めないまま、やらかしたらどうなるんだ?」

 

「経済崩壊が、始まる。俺の場合は、数百兆ドル稼いで更に倍化しそうになっていたけど……怖かった」

 

「ナニソレ、怖い……」

 

「まあ、お前には寿命があるんだ。俺みたいな事には、ならんとは思うけど……用心は、しておいた方が良い」

 

「それ、フラグ!メッチャ、フラグ!!」

 

「ハッハッハッ。知らんなぁwww!! さて、師匠。馬鹿の処置は終わりましたか?」

 

とりあえず、このまま転生者達と喋っていると会話が終わらない気がしたので強制終了させる。それで、気絶している馬鹿の前に居る師匠に声を掛けた。多分、魅了能力を削除したんだと思われるんだが……アレの場合、削除だけで良いのか判断に困る。だって、アレだけの人数をこちらに引き込んだんだからな。それ以外にも、処置は必要だと思われる。

 

「ああ。魅了能力は、削除した。他の特典は、一度叶えられてしまえばもう意味の無い代物だ。なので、消去しない事にした。このまま、デメリットを抱えて生きて貰う」

 

「…………大丈夫なんですか?」

 

「ああ。多少、デメリット側の特典に手を加えたからな。コイツは、二度と我儘を通す事はできんよ」

 

「え?あ、ちょ、まさか、あのチビッ子が特典を削除できる能力者なんですか!?え、マジで!?」

 

「…………あんな姿でも、一万二千年は生きてる化け物だぞ?後、機嫌損ねると消して貰えないかも?」

 

「あ、ちょ、ヤベッ……えっと、あー……御名前をお聞きしても良いッスか?」

 

転生者の態度が、ちょっと目に余ったので脅しを掛けてみたら手の平をグルンと返して胡麻を擂りながら下手に出る。

余計、見た目が胡散臭くなってしまってちょっと焦った。

 

「神崎……お前は、話をややこしくするな!はぁ。先程までの話し方で構わないよ。敬語も要らん。……双夜だ」

 

「ソーヤさんッスね?了解ッス!それで、特典を消して貰えるんでしょうか?」

 

「消すよ?ただ、内容を変更する事はできないから今ある特典の内、残したいモノ以外は消すけど……構わない?」

 

「いえいえ!デメリットが、消して頂けるならそれだけで良いッスよ!なぁ、お前ら?」

 

「「「「アザーッス!!」」」」

 

そう言って、早々に消して欲しい奴等が師匠の前に並び始めた。その後ろで、頭を抱えている奴が数人居るけど……メインを二つにしちゃった奴等かな?その内、並んでいた奴等の中にデメリットから開放された者が現れ始める。

ソイツらが、両腕を突き上げて喜ぶものだから頭を抱えている組が焦り始めた。そんなの気にせずに、ジックリ選べば良いものを……そんなに、他人が気になるのだろうか?

 

「あ。ごめん、君のメインは削除になるかな?」

 

「え!?ちょ、なんで!?」

 

すると、師匠の方から特典削除のストップと疑問の声が上がる。あー、世界に影響を及ぼす系の能力者が居たらしい。それに気が付いた師匠が、その転生者に断りを入れてサクッと斬り捨ててしまった。あーあ、やっちまったよ。

 

「ちょぉーーーー!?」

 

「師匠!それは、説明してからじゃないと不味いッスよ!?ちゃんと、納得させてからじゃないと問題になります!!」

 

「じゃ、補填として《黄金律C+》でどうだろう?」

 

「あ、良いッスよ」

 

「え!?良いのかよ!?」

 

「今、一番欲しい特典ッスね!!」

 

「は!?おい!それなら、俺も《黄金律》にしてくれよ!!そしたら、説明とか要らねぇからよぉ!!」

 

「それは、できない。彼の場合は、それが出来る特典だったから変更したけど君の特典では良くて《黄金律E》くらいにしかならない。三ランク位下がるよ?」

 

「はぁ!?そんなん、おかしいだろう!?なんで、ソイツはC+で俺はEなんだよ!?」

 

「それは、彼の特典がAAランクの特典だったからだ」

 

「それだと、四ランク落ちてますよ!?」

 

「大体、三ランクなんだ。時々、四、五ランク落ちる」

 

そう言って、師匠が呼び出したのは半透明のガチャガチャ。ガチャガチャってのは、子供でも知っている百貨店等の店先に置いてある電気を使わない玩具の自動販売機である。まあ、師匠が呼び出した奴は多分別のものなんだろうけど。それを見た転生者達が、歓声を上げて喜び勇んだ

。だが、俺から言わせると『また、ランダム性の高い』変更方法ですね?まさか、人生ガチャの再チャレンジがこれ程までにキツイとは。師匠の話では、人生ガチャの再チャレンジでは三ランク〜五ランク降下が良く見られる傾向なんだそうな。

 

「元の特典が、高ランクであれば低下するランクも少なくて済むんだがなぁ?そこは、その人の運次第だな?」

 

因みに、『一ランク降下』や『ニランク降下』はレアに該当するんだと師匠は言った。つまり、ガチャガチャと一緒だ。最高ランクを引けば、最小の引き下げで済み最低ランクを引き当てれば最悪五ランク降下もあるらしい。

 

「人生ガチャとは、良く言ったもんだ……」

 

「誰が、上手い事いえと!?」

 

「ソレを引き直せるんだ。ぶっちゃけ、再度の引き直しができるだけでも幸運なのに結果に文句言うとか頭おかしいのでは?それなら、まあ、スキルランクの降下は致し方ないと思うぞ?」

 

「だからって、お前だけが高待遇なんてずるいぞ!?」

 

「高待遇じゃないよ?だって、世界の根幹を歪める特典持ちなんて容赦無く斬り捨てても構わない存在だし……」

 

「せめてもの慈悲で、こちらの要求に従えられるなら高ランクスキル抜きの人生ガチャを最度引けるってだけだからなぁ?まあ、それでも《黄金律C+》は破格かな?」

 

「……と、言えど。高ランク抜きガチャで、最高ランク叩き出しているんだからソイツの運は高いと思うがねぇ?」

 

本当に、《黄金律C+》を引き当てた転生者は豪運の持ち主だと言えるだろう。本当であれば、コモンやアンコモンが出るだけの話だった。なのに、そのガチャ内では最高レアを叩き出して居たんだからその強運は確定だろう。

 

「つまり、ソレにはURやSRが入ってないなったってこと?…………詐欺じゃねぇか!!」

 

「何言ってんだ?コイツ……」

 

「だって、そういうランクのスキルがあるのにレアまでってどう考えてもおかしいだろう!?は。そうか!お前ら、独占しているんだな!?」

 

「してねぇよ!つか、俺らはソレ引けねぇからな?触ろうとすると、イデッ!?……まあ、こうなる……」

 

馬鹿の要望により、半透明で出現している人生ガチャに手を近付けると勢いよく弾かれた。まあ、これはわかっていた反応なので驚きは少なかった。

 

「は?マジか……え?じゃ、なんでお前はそんなに強くなったんだよ!?そのガチャで、たくさん特典を取ったからじゃ無いのか!?そうじゃなかったら、セイバーみたいに強くはならないだろう!?」

 

「そりゃ、死と隣り合わせな鍛錬を続けてたらそれなりに強くなれるさ。それに、俺はお前らと違って不老不死だから寿命で終わる事も無いから。百年も鍛錬してたら、セイバー並には強くなれる。百年だぞ?百年!!セイバーが、どれくらいの修練であのレベルに至ったかはわからないけど……普通の人でも、百年もガチンコ鍛錬漬けにされていればこれくらいには、ね?」

 

「…………百年、ガチンコ鍛錬?え、マジで!?良く、そんなもん続ける気になれるなぁ?てか、そこまでやらないとセイバーレベルには至れないのか……」

 

「いやいや、いやいやいや!!なんでそれで、納得しているんだよ!?コイツは、チート野郎なんだぞ!?つーか、なんだよ!?不老不死って!?完全にチートじゃん!!」

 

そんな感じで、次から次へと俺を『チート野郎』と罵って来る転生者が増え始めた。しかし、師匠の不穏な『被検体』とか『実験体』とか告げるワードにドン引きした様子で今度は師匠に視線が釘付けですw。

 

「どうだ、スゲーだろ!?僕も、人間だったモノがここまで成長するなんて思ってなかったけど。そこそこ、良い拾い物だった。後は、洗n…じゃなかった。催m…でもなかった。まあ、訓練や鍛錬はちょいとおだてて煽れば幾らでも鍛錬する奴は使いやすい。なんなら、お前らも使われてみるか?」

 

それが、師匠の俺に対するフォローなんだとはわかっているけど。しかし、本人の口からそういう言葉が出て来ると嘘だとわかっていてもちょっと悲しく思う。それが、顔色にも出ていたらしく、それを見た転生者達がドン引きしてた。

 

「「「「「……………………」」」」」

 

スゲー。師匠が、空気を読まずDQN並みに笑いながらマッドサイエンティストみたいな事を告げていると同情の視線がこっちに向けられた。いや、まあ、被検体で実験体なのは間違いないんだけれど……こっちは、納得してソレをやっているんだけどなぁ?だから、一人一人謝罪の言葉を言って来なくていいから。あーもう、面倒臭いなぁ!!

 

 

 

 

 




そして、馬鹿はそのまま放置される。とりあえず、掲示板の住人はこんな感じで引かせれば引くっていうのは大体わかってたwww。なので、双夜にマッドサイエンティストを演じて貰いました。中には、それでもツッコミを入れる輩がいるかもですが神崎の二の舞いになりたい奴は一人もいないだろうから完全に引いたと思ってください。

因みに、半透明なガチャポンは双夜の幻です。そんなガチャポンは、組織にも双夜の手元にもありません。あるとしたら、生まれ変わる時くに一度引かされるくらいかと。
組織には、全部は無いけど一部のスキルオーブが確保されてるってだけだから。なので、一部の者に与えたとしても回収はできる様になってたりする。つか、死亡した後に回収かな?

ちょっと早いですけど、次の投稿が来年なので今年の分はこれにて終了。よって、良いお年を〜〜〜wwwと終わりますwww

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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