絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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五一七話

Re:

 

 

「えっと……ホントに、この世界が、アニメの世界な訳?」

 

転生云々や、神様特典云々は直ぐに通じた。それは、一度経験した事だったから通じたのかも知れないけれど。

なのに、この世界の根本がアニメ関連である事実だけが……中々、上手く伝わらなかった。もしかすると、その昴とか言う転生者も彼女達に一度は説明したのかも知れない。彼女達が、その事実を受け入れなかったために諦めた?だから、自分は原作に関わりつつ彼女達を適当にあしらって追い掛けようのないミッドチルダに逃げたってこと?

 

「そうそう。早い話が、バトルと萌えを合体させた世界。美少女と美女が、魔法を使って犯罪者を捕まえたりバトルをする感じの世界だな。……マジで、何も聞いてないのか?」

 

「聞いてない!この世界で、十年くらい生きてるけど……そんな話、一言も聞いて無いわ!!」

 

「でも、デバイス出してセットアップしてたじゃん」

 

「アレは、昴くんに貰ったの。コレを使えば、私の願いが叶うって……でも、最近は全然音沙汰なくて……」

 

その後、土下座してきた勘違い女にこの世界の説明をして……それでも、理解してくれなかったので簡潔かつ適当な説明でなんとか理解を示し出した。その前提から、更に突っ込んだ説明をして漸く理解が及んだらしく……骨が折れたわ。

 

「じゃ、彼がどこからともなくお金を稼いで来るのはそのミッドチルダって所で働いているからなのね!?」

 

「ミッドチルダって言うか、時空管理局だけど……まあ、それで良いよ。多分、それで間違いないから……」

 

つか、この様子だとミッドチルダでも似た様な事をやらかして居る様な気がするのは俺だけだろうか?いや、俺だけじゃない。この場に居る全員が、俺と似た様な事を考えているだろう。全く、ハッチャケ過ぎた転生者はコレだから!!

 

「摩耶ちゃん!昴、見付けたの!?」

 

「え?あ、沙耶ちゃん……あ、違うの!この人は―」

 

「こんの浮気者があああぁぁぁぁ!!!」

 

またですか?かなり、年季の入った構えで突っ込んで来る般若顔の女性が振りかぶった拳を振り抜いて来る。

しかし、人違いで殴られては堪ったものじゃないので、サッと避けて追撃させないために足を引っ掛けてやった。

振り抜いた拳を避けられて、凄く驚いた顔の暴力女は呆然とした顔で転がって行く。振り向いた彼女は、『…嘘!?避けたぁ!?』といった感じの表情で愕然としたまま固まっていた。どうやら、驚きが怒りを通り越したのかアワアワと慌て始める。

 

「あの人は、昴じゃ無いの!!凄く似てるけど、別人なんだよ!というか、瓜二つだけど別人なんだよ……」

 

「嘘ぉ……だって、完全に昴そのものじゃん!これで、昴じゃないって詐欺でしょ!?」

 

「でも、この人……私達じゃ、手も足も出ないくらい強いんだよ?それって、昴じゃないって証拠じゃない?」

 

「嘘……アレってマグレじゃないの!?あ。そう言えば、足を引っ掛けられたっけ……え?マジで、昴と別人!?」

 

「その昴って奴は、どんだけ弱いんだよ!?」

 

「えっと……まあ、素人にボコられるくらいの人よ?」

 

勘違い女は、苦笑いと共にそんな風に昴と言う男を評価した。つか、ド素人な女性達にボコられるくらいの強さしか無くて犯罪者を相手に出来るのか!?とも思ったが、もしかしたらそういうデメリットなのかも知れないので結論はまだ出さない事にする。つか、彼女達にこの世界の説明を繰り返していると次から次へと彼女達の知り合い(?)……というか、ハッチャケ転生者の被害者らしき女性達が現れ、『捕まえたの!?でかした!!』と殴り掛かって来る。いや、もう、本当に俺は君達の彼氏じゃないんだ!

つか、地球の日本でハーレムを形成している輩が居るんだけど!?法律的には、大丈夫なのだろうか?てか、妊娠させてドロンと蒸発しているんじゃねぇだろうな!?というかですね?彼女達とネンゴロになったのに、放置しているのはどこの誰だ!?ちゃんと、自分が抱いた女くらい管理しておけよ!?管理してなくても良いけど、全員が全員暴力で物事を解決する様な暴力女なのはどうなっているんだ!?

 

「というか、もうこれで全員だよな?全員じゃ無いなら、全員呼んで欲しいんだけど!?一々、説明するのも面倒クセェからな?殴り掛かられるのも、面倒だ」

 

「えっと……ご、ごめんなさい……」

 

「あ!神崎さん、後ろっ!!」

 

「死ねぇ!!ハーレム野郎があああぁぁぁぁ!!」

 

「はぁ?ガァ!?」

 

唐突に背後から、鉄パイプみたいなモノで殴られた。

一瞬だけ、後頭部から全身に走る激痛に硬直したけれど。頭を押さえつつ、振り向きざまに襲撃者の首根っこをワシ掴んで持ち上げた。そして、鉄パイプを掴み引き剥がし捨てる。見れば、狂気に狂った目をした馬鹿が俺を睨み付けて来た。あーはいはい。OKOK、どいつもこいつも見た目がクズ野郎に似てるからって色々やらかし過ぎだ。そんなに、やらかしたいのなら俺も最終手段を使うまで!

つか、『絶望を抱いて溺死しろ!!』PC起動、思考操作でメールアプリを展開。

 

―To、師匠。『依頼:この辺り周辺を結界で覆って、スターライトブレイカーで消し飛ばして下さい!今なら、次元航行艦級Blaster Bitを使用しても文句は言いませんから。ちゃんと、特典持ちを取り込んで非殺傷設定を組んどけばOKなんで!!』

 

と送ってみる。

瞬間、世界の色が暗い虹色?に変化した。

そして、始まるのはディバインバスターの雨霰。

 

「なっ!?な、なんだ、アレは……!?」

 

あっちやこっちに、青銀の魔力光線が飛来する中で空を横断していく巨大な次元航行艦が百メートル級のデイバインバスターを放ちながらスライドして行く光景を見た。

まあ、アレが魔力を散布させるには一番簡単な方法ではあるよな?

暫くして、撒き散らされた魔力が一点に収束していく光景がその場に居る全員から見えた。しかも、ソレは一つや二つではなく……無数に存在している辺り、師匠に溜まったストレスが見て取れる様だ。そうか、師匠も色々溜まってたんだな?とりあえず、みんな一緒に消し飛ぼうか?

 

「とりあえず、お前ら……ウチの最強に、全部消し飛ばして貰える様に依頼したからw。一緒に心中しようか?」

 

「「「「「え!?ちょっ!?」」」」」

 

「ふぅ。ネタの咆哮www!!……奇跡(奇跡を纏う者)は殺す!皆殺す!俺は、奇跡の殺戮者に―――」

 

とりあえず、迫り来るスターライトブレイカーの光を見ながら適当に遺言めいた事を叫んでおいた。つか、奇跡の殺戮者と言えば悪役のセリフだけれど。これで、俺がハーレム野郎とは違う事がわかるだろうと思われる。それでも、わからないと言うのなら実際に殴るだけの話だ。てか、奇跡の殺戮者wって……それは、むしろ師匠の方では?

 

『『『ぎゃああああぁぁぁぁぁ!!!!!!』』』

 

『『『きゃああああぁぁぁぁぁ!!!!!!』』』

 

こうして、愚かな転生者達は仲良くスターライトブレイカーで消し飛ばされるのだった。つか、海鳴市も消し飛んだなw

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

師匠のSLBによって、消し飛んだ魔力持ちをフレールくんに集めて来て貰った。彼ら&彼女らは、全員が魔力ダメージのノックアウトで気絶していたから運び易くてなぁ?あっという間に、かなりの集団が出来上がっていた。

そいつ等が、目を覚ますのを待って俺は楽しげに問う。

 

「気分はどうだ?楽しかったか?次元航行艦級バスタービットからの百メートル級ディバインバスターと、スターライトブレイカーの連続掃射はさぞ怖かっただろう?」

 

いやー、自分も体験したけど……アレを『楽しい』なんて口が裂けても言いたくは無かった。だが、この場ではそう言う事が一番彼らを刺激する言葉だとも思ったので言ってみた。

 

「ふざけんな!何が、楽しかった?だ!?死ぬかと思っただろう!?このハーレム野郎!!」

 

そして、見事に釣り上げられる馬鹿が一人。

 

「ハーレム野郎じゃねぇよ!!俺は、神崎大悟。平行世界よりこの世界に来た次元漂流者だ!!断じて、昴とか言うハーレム野郎では無い!その証拠に……」

 

そう言ってから、背後に居る翼や師範代達を見て『ああ。コイツ等見たらハーレムに見えるかも?』と思い直したので適当に師範代に殴り掛かってみせた。その行動に、誰もが驚いただろうけど……俺が、簡単に打ち上げられてボッコボコに打ちのめされると辺りは静かになる。

 

「ぼ、ぼうあ?おばいらは、べっばいびこのがだがだべゲンガをうるばよ?(ど、どうだ?お前等は、絶対にこの方々へ喧嘩を売るなよ?)」

 

一度、それだけ言って腫れ上がった顔を治し気を取り直す。つか、あの流れでは襲いかかる事でしか俺のハーレムでは無いと証明できなかったからな?

その後に、問答無用で翼が俺を殴り散らした(爆散した)事によって俺の無実は証明された。だから、彼女達を転生者達にオススメして見たが全力でお断りされる。

とりあえず、超必死にオススメして見たが誰もが俺に押し返して来たとだけ報告しておこう。

 

「ま、まあ、その話はまた後でしようか?とりあえず、この二人は俺を貶める為に女に変身してる元男だ!?俗に言うと、女体化とかTSってヤツをやっている。襲い掛かろうモノなら、モーホーとか言われて心へし折られるわ!!」

 

「OK。把握した。つまり、お前はモーホーなんだな?」

 

「テメェ!殴るぞ!?」

 

「てか、爆散してたのに生き返った事にはツッコミ無し?」

 

「ただの【不老不死】だし!《超速再生》で、元に戻っただけだからそんなに気にしなくても良いぞ?」

 

「「「「「気にするわ!!!!!」」」」」

 

「そんな訳で、俺がハーレム野郎じゃ無い事はわかって貰えたと思う。ぶっちゃけ、見た感じだけはそう見えるから立場が無いんだが……手も足も出せんからな?」

 

「OKOK。把握した!つか、お前がヘタレなのは良くわかった。俺達なら、爆散しても死物狂いでセクハラしに行くのに……お前には、失望したよ……」

 

「あ?なら、お前も暴力的な女と付き合えば良いだろう?ほら、ここにはそういう女性がわんさかと居るぞぉ?出会い頭に殴り掛かって来る様な女達が……」

 

「「「「「……………………」」」」」

 

沈黙する土下座女と、殴り掛かって来た女達(二人)。

それと、心当たりがあるらしい見知らぬ誰か……何で、そんなに居るんだよ!?そりゃ、紐でも心離れるわ!俺も暴力的な女は嫌です。なのに、翼だと許せる俺は心底翼に惚れている。え、惚気?もちろん、ただの惚気だよ?

 

「根に持ってますよ?オルタ」

 

「ウム。何とも、潔く無いのぉ?リリィ」

 

「なら、出会い頭に殴り掛かって来る奴と付き合ってみろよ!?誰が見たって、羨ましがられないわ!!」

 

殴られて、始まる恋愛なんぞありゃせんわ!!

そう、思っていたけど……強者は、普通に居るらしく挙手した奴が数人。

 

「あ。俺は、羨ましく思ってます」

 

「俺も……つか、この地球に残っている奴は大体そういう奴等なんだよなぁ……忘れりゃ良いのに、初恋に縛られている馬鹿だったりする」

 

そう言えば、聞いた事があるなぁ?

ボクシングで、強打された瞬間に見た女性に惚れ込むっていう話。お前等、その現象と同じ目に遭ってやしませんか?殴られて、気絶直前に彼女達を見て惚れ込んだ的な……ドM製造機ですかねぇ?

 

「あの中に居るのか?」

 

よし、誰もその事に気が付いて居ない様なので黙っておく事にする。だって、面白そうじゃん?殴られ、刷り込みみたいにその女性をインプット。惚れちまったと勘違いで、原作人物を諦めて地球に残るとか普通はありえない。

でも、それが実際に起きているんだからコレは黙って観察するべきだ!

 

「え?あー、まあ、その、うん?」

 

「告白すりゃ良いじゃんって、それが出来てりゃ心残りで()()には居ないか。すまん、無神経な事言った」

 

つまりは、アニメ関連を知らず地球で生きている好きな女の為に地球に残る決心をした奴等が少なからず居るって事だ。

 

「てか、お前等は原作人物にアタックしないのか?」

 

「ここに居る時点で、察しろ……」

 

まあ、察してますけどw?それとも……もしかすると、原作人物は転生者の誰かと付き合っていたりするんだろうか?だとすると、ヴィヴィオにパパが居るって事か?

なんて思ってると、目の前にウチの最強が現れた。

そして、情報をくれた馬鹿を掴み上げると詳しい話を問い質す。

 

「高町なのはは、転生者の誰かと付き合っているのか?」

 

「え!?ちょ、誰!?つか、苦しい……」

 

「ハッ!!ちょ、師匠!話を聞くだけなら、そんな事をしちゃ駄目ッスよ!?尋問になってますから!!」

 

何とか、師匠と件の転生者を引き離し落ち着かせてから質問をするとおかしな話が出て来た。なんでも、高町なのはが複数の男と付き合っていてヴィヴィオは聖王教会に引き取られたというのだ。因みに、はやてやフェイトも複数の男達と付き合っているらしい。なにそれって話なんだけれど、それぞれにそれぞれの対応をするのだとか……憑依転生者?でも、ちゃんと原作ストーリーをススメている辺り主人公の苦行を実行できる根性の据わった奴がいるのだろうか?

 

「一応聞くけど、その主人公はちゃんと主人公と同じ性格しているのか?ああ、いや……他の転生者に憑依されているなんて事は無いよな?」

 

「憑依転生って事か!?でも、普通……いや、アレを普通と言って良いのか?ま、まあ、原作と変わらないはずだぜ?」

 

「??? 何か、違うところでもあるのか?」

 

原作人物に対する、率直な意見を聞きたかっただけなんだが……何やら、歯切れが悪い。どこか、躊躇する様な感じでおっかなびっくりした反応なのである。もしかして、憑依転生という予測が彼の何かを刺激しているのだろうか?

 

「あー、何て言うか……まるで、ゲームのキャラクターみたいな感じなんだ。どう、説明したら良いのかな?そもそも、複数人と付き合っているって感じじゃないんだよ!」

 

「それは、つまり……一人一人、本気だと?」

 

「それは、そう、なんだけど……ギャルゲーとかでさ、一人一人攻略していくヤツあるじゃん?それを現実で、実行しているみたいな?そんな、感じなんだ……」

 

「一人一人、攻略……?それって、普通の事では?」

 

「じゃ無くて、高町なのはが主人公で……でも、NPCみたいな?ああ、いや、これじゃ伝わらない。えっと、高町なのはが複数居て、それが一つに纏まっているみたいな?」

 

「意味がわからないんだが……」

 

高町なのはが、逆ハーを実行。

複数のイケメンと付き合っている。

それは、ギャルゲーをリアルで実行しているみたいで?

一人一人を攻略。複数のなのはが、一纏めになっている?

 

――訳がわからない。

 

「つまり、高町なのはに関わらずそれ以外の原作人物達も複数人の男と付き合っていて人格がバラバラなのに一纏めになっているんだな?」

 

「そう!そう、なんです!!纏めてくれて、ありがとう!」

 

俺より先に、師匠がサックリ理解?し纏めてくれました。

良く、あんな訳のわからない説明でそんな仮説というかストーリーみたいなモノが出来上がるモノだ。

つか、ギャルゲー関係ねぇじゃん!そりゃ、わかり易そうな話ではあるけれど全然伝わらなかったぞ!?それに、逆ハーでも無い。本人が、自覚してない逆ハーなんぞ逆ハーじゃねぇから!

 

「該当する特典が、無い訳じゃ無い。成る程、人格を複数にしてそれぞれにそれぞれの対応をするから恋愛ゲーみたいになっている様に見えるんだ。でも、それだと本来の人格が歪んで崩壊する可能性があるはずだ。一度、回収して超期間治療に当てないと不味いかも知れない……」

 

「回収して、治療をしないと駄目なレベル!?」

 

「マジかよ!?そんな話なのかよ!?ヤベーな!?」

 

ちょっと、師匠のぶっちゃけ話がとてもヤバそうなんですが!?つか、高町なのはを回収?原作ヒロインとプラスαが大挙して攻めて来やせんか?いずれにしても、まったり穏やかにとは行かないですよね!?うわぁ……超面倒臭い世界に落ちてしまった様だ。というか、中途半端にエスカレートするのでついつい前回の様なまったり系だと思っていた。

 

「前回は、マッタリだったので今回もマッタリ出来るかと思ってたのに……今回は、急を要する話なのですね?」

 

前回は、俺達が地球の歪みを任されたからミッドチルダの方には行かなかったけれど。もしかしたら、ミッドチルダの方は地球以上に急を要する話だったのかも知れない。

だが、ソレを知っているのは師匠や白亜だけなので、俺達がソレを知る為には報告書を読むしかない。それも、誰か(第三者)の主観が入っているからどこまで正確に書かれているのかもわからないってオチだ。ホント、ままならないね。

 

「そうだな。急を要すると言えば、急を要するけど……その状態が、一体、何年続いているのかにもよる」

 

「……………………」

 

結局は、情報が足りないって事で転生者達の話を聞く事になった。中には、未だに『俺が主人公だ!』とか言い出す奴もいたけど……目が泳いでいたし、俺が題名の話をしたら頭を抱えて膝から崩れ落ちてしまう。というか、『orz』の状態でブツブツと文句を呟き出すから女性達が引いていた。

 

「そんな話、聞いてねぇよ!!」

 

「そりゃ、言わなくても大々的に打ち出されている話だからなぁ?つか、誰が見ても明らかに主人公が誰なのかわかるよね?え、わからなかったの!?あんなに、バカデッかく【魔法少女リリカルなのは】って題名が出てたのに?」

 

「ぐおおおぉぉぉぉ!!……騙された……」

 

「騙されたって言うか、二次創作小説のイメージが強くて勘違いしてただけなんだよ。だから、まあ……黒歴史が、増えた程度に思えば良いさ……」

 

「ぬうぅぅぅ……また、黒歴史があああぁぁぁぁ……」

 

そうして、頭を抱えて唸る転生者を見ながら俺は新たな仲間に祝福を贈るのだった。さあ、俺と一緒に黒歴史を立ち上げようぜ?それこそ、人に知られたら生きていられない……そんな黒歴史を作って行こうぜ(サムズアップ)!!

 

「とりあえず、納得はしたな?じゃ、現状の情報を吐いて貰おうか?ああ、安心して良いぞ?お前等にとっては、耳寄りな情報をこちらも提供できるから……」

 

という訳で、それぞれの情報を交換する場が設けられ俺と転生者達は共に頭を抱える仲間になったのだった。

つか、デメリット特典の話をしたらメッチャ食い付いて来たんだけど?

特に、例の馬鹿に傾倒していた女性達の食い付きが半端なかった。やはり、あの男の素人の攻撃を避けられないソレがデメリット特典に関わるモノである事が興味を引いたらしい。そして、始まる阿鼻叫喚地獄。

まあ、いつもの事と言えばいつもの事なんだけれど。

どいつもこいつも、この程度の恐怖で叫び過ぎなんだよ。

俺が、いつもどんな恐怖に晒されたと思っているんだ!?

黒色無双歴史だぞ!?黒色無双歴史!!

細マッチョである俺が、女装(ソフト表現)して可愛い振り付けのダンスを軽快に踊って楽しそうに笑っている。そんな様子を、DVDにされて販売されている(本人未介入)って事実は告げた方が良いのだろうか?

とりあえず、その事は横に置いておこう。

 

「師匠、フレールくんからの情報はまだ?」

 

「あっちは、ミッドの方の情報のみとなる。だが、過去に何があったかは知って置くべきだろう」

 

何事も、無駄にはならないと転生者の事情聴取は続いた。

結果、原作ヒロインが複数人の男性と付き合っている尻軽女で見目麗しい男性であればちょっと声を掛けるだけでヤラせてくれる売春女であるという噂まで聞かされた。

ああ。因みに、売春婦云々の話は女性陣から聞いた話である。他にも、恋愛脳とか原作から考えると真逆の噂が山の様に出て来る辺り……余程、毛嫌いされているみたいだった。

 

「これ、アリサやすずかからも少なからず影響しているのでは?下手をしたら、家族関係も壊滅的かも知れません」

 

「そっちは、もう人型の使い魔を派遣した。これで、少しは正確な情報が入って来るだろう。全く、転生者ってのはどうしょうもないな?」

 

その後、直ぐにミッドチルダに出向していた使い魔から原作ヒロイン達が皆『乙女』であるという報告が届いていた。

どうやら、そちら方面までは荒れていなかったらしい。

だからと言って、『いやー、良かった!良かった!!』とは行かない。一度、根付いてしまったモノは早々消える事が無いからだ。多分、この噂は本人達の知らない所で生涯言われ続けるだろう。それが、何とも言えない爪痕に思えた。

 

「転生者って、害悪以外の何者でも無いですよね?」

 

「いや、本当に害悪だわー。現地の方々には、迷惑を掛けっぱなしで申し訳無くなって来たんですけど……」

 

「まさか、私達みたいな存在が他にも居るなんて……まあ、この現状を見ればわからないでも無いのかも……」

 

「いや、俺等もまさかここまで酷い事になってるとか思わないし……というか、こんなに居たのか!?転生者ェ……」

 

「ここに残ってる奴等だけでも、数十人いるのかよ……」

 

「これで、たった三人しか居ないヒロインを取り合えと?」

 

「ナニソレ、コワイ……」

 

「正気に戻って良かったと思える瞬間!」

 

「殴られた衝撃で、他の女性に惚れた結果だけどな?」

 

「「「それは、言っちゃイケない!!」」」

 

ドッと、爆笑を始める男性陣達。まあ、それが事実だから仕方ないと言えなくも無いけど。自虐で、笑いを取るんじゃねぇよ!?ああ、もう!ツッコミが、間に合わな過ぎる!!

 

 

 

 

 




とりあえず、現状確認をして緊急を要する状況だとは知って貰えたかと。でも、情報が足りないので留まり事情聴取。そして、見えて来た糞面倒そうな話に全員が頭を抱える事になる。ぶっちゃけ、ツッコミ所満載なので何とも言えないんだけど…女性陣は、昴っていう転生者から直ぐに縁を切らねばならないと思われる。他にも、色々見えている問題があるけど気にしない方向で。後は、ミッドチルダでの問題解決に向けて行動を起こすまで!

転生者(男)は、黒歴史を増やし…神崎は、ニコニコ慰める。そして、始まるのは阿鼻叫喚。デメリット特典を知って絶望にむせび泣くアホ共の姿が…。ざまぁwとは、決して口にはしないがウエルカムしてる神崎。

後は、雑談w

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m(_ _)m

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いつも、読んでくれてありがとうございます。

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