絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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五一二話

Re:

 

 

結局、翼のやる気に押し切られる形で囮作戦は実行された。

とある日の昼下がり、ちょっと大きなショッピングモールで翼と師範代達がキャイキャイはしゃいでウィンドウショッピングに興じている。見た目相応の態度なので、翼が女子高校生風に見えているけど……成人した上に、紫天の書に取り込まれた不老の女性なんだよなぁ。

まあ、そんな細かい事は横に置いといてあっちへウロウロこっちへウロウロと楽しんでいる様子だった。その様子を見る限り、どこにでも居る普通の女性の様にも感じて俺は少しホッコリしている。フッ、俺も年を取ったなぁ?まさか、ここまで涙腺が緩くなってるなんてハンカチ片手にその様子を眺めていた。その隣で、号泣する俺にドン引きしているトーマが居るけどお前には俺の気持ちがわかるまい!あの翼が……救出してから、ずっと誰かの影に隠れ潜んでいたあの翼が普通の女子高校生みたいにウィンドウショッピングなんてしているんだぞ!?

これが、泣かずに済む話か!?うぅっ……。

 

「いやー、それ以上に神崎さんの顔がヤバいんですが?」

 

「ああ!?俺の顔が、どう不細工で見難い光景だってぇ?」

 

「いえ、そんな事は言ってませんけど……つか、そのドスの入り方とか素人のソレじゃありません」

 

そりゃ、そうだろうさ。嘗ての俺が、普面過ぎて他のメンバーと出掛けると逆ナンして来た女共に良く言われていた言葉があった。それが、『この人は、なんか普通〜?てか、寧ろ不細工?』である。確かに、他のメンバーに比べれば見劣りしたかも知れないけど。それは、何の衣に包まれて居ない剥き身の刃で容赦なく俺を斬り付けた。

ぶっちゃけ、それが一番堪えた記憶がある。中々、時間の合わない友人達と調整に調整を重ねていざ遊びに行けば知らない女に『お前イケメンじゃねぇからどっか行け』とか……何様やねん!?と、雪がキレてた記憶がある。

アイツは、女好きで問題ばかり起こす奴ではあったけど。

男同士で遊ぶ時は、女に容赦の無い鬼畜になってたからなぁ?どっちかっていうと、その後に泣きつかれ渋々アイツの問題に巻き込まれていた様な?ああ!予定が狂うから、他所もんを排除してただけか……まあ、良くある話。良くある話(菩薩的気分)w。そんな訳で、ドスを効かせた話し方にはそれなりの経験(茶番)がある訳だ。

フレールくんを通して、暫く翼達の様子を眺めていた俺達だったが、新たにウィンドが開いて映し出された人物に『漸く釣れたか……』と安堵する。というか、これ……師範代達だけで、出掛けさせればそれで十分だったんじゃないだろうか?何となく、俺が居たから話し掛けて来なかっただけの様にも感じた。まあ、今更な話なので口にはしないけど。もしかしたら、もっと効率の良い作戦があったかも知れない。

 

「…………つか、殺気を感じるんですが……」

 

見れば、顔色を悪くしたトーマが腕を摩りつつガタガタと震えている。その姿を横目に、俺もウィンド越しの護衛役に視線を移した。というか、コイツら何故こんなに殺気立ってんの?もしかして、ストーキング行為をしている転生者の中に歪みの原因でも居たのだろうか?すると、何度か護衛をしているにゃんこさんが翼達と転生者の間を行ったり来たりし始めた。それが始まったと同時に、転生者の表情が余裕綽々から険しいモノへと変化していく。

 

――これ……もしかして、何かされてる?

 

「なんですかねぇ?郷愁波みたいなモノでも出てるんでしょうか?それを、使い魔さん達がキャンセルしてるとか……」

 

「遠隔系の魅了能力者か!?翼は兎も角、師範代達には効かないだろう?そっちで、カット出来なかったのか?」

 

とりあえず、使い魔さん達が調べて来た報告書の中から郷愁波?を出しているらしい転生者の資料を探してみる。すると、出て来た資料には催眠や洗脳の言葉が羅列されていた。

 

「よし。ちょっと、殺しに行って来るわ!」

 

「ちょ、いきなりサイコパスな事を言い出さないで下さい!って、本気で行くつもりですか!?あちらから、手を出されない限りって……これ、出されているのか!?」

 

「フレールくん!!」

 

誰の目にも止まらぬ早業で、背後に《妖精転移》で移動後……即拉致って、南極で殺害。全く、ゴミな転生者ってどこにでも湧いて来るんだな?さあ、次だ。

秘密基地に戻り、例の制約が無くなった事を使い魔さん達にも共有する。すると、全員からサムズアップが貰えた。

ただし、ストブラ関連にはまだ手が出せないらしい。

そう言えば、転生者からのチョッカイは受けたけれど吸血鬼からの干渉は受けて無かったな?成程、次は吸血鬼からなんらかのチョッカイを受けないと何もできないままなのか。流石に、ストライク・ザ・ブラッドに関係する転生者からチョッカイを受けたとしても、そっちの物語そのものに干渉できる権限が得られる訳じゃ無いらしい。

もし、ストライク・ザ・ブラッドに関わりたかったら……その物語に関係するキャラクターから干渉を受けなければならないんだと。

 

――全く、面倒臭い事この上ない。

 

そう、思っていたんだけれど。その後、順調に転生者を屠っていたら何故か姫柊雪菜当人から雪霞狼で攻撃されたんだが!?まあ、これでストブラのフラグ回収完了したけど。

 

――あるぇ?これって、有りなんですかねぇ?

 

とりあえず、指先で迫って来る雪霞狼を摘み止めてから視線を周囲に向ける。そう言えば、ここに居た転生者は何処へ行ったんだろう?背後は、壁に直接当たって居るので振り向く必要が無い。そうなると、左右か前方に視線を向ければターゲットが視界に入るはずなんだが……誰も、居なかった。一応、背後にも視線を向ける。

もしかしたら、壁に穴が空いていてそこへ転生者が逃げた可能性があったからだ。

しかし、背後にある壁はビル群の側面であり右側にも左側にも目に見える穴なども無い為、ここに人が居れば必ず鉢合わせするはずだった。俺も、そうなるように背後へ転移したんだから、目の前に居る少女が姫柊雪菜のはずが無く不思議なできごとに首を傾げるばかり。

 

――転生者が、居ない?

 

もしかして、魔法少女側の転生者だった?俺が、ここに転移してくる前に別の場所へ転移した後だったとか?

でも、魔力反応は無かったはずなんだけどなぁ?資料にも、ストブラに転生した特殊能力持ちだったはずだ。

もしかして、あの纏め能力にテレポーテーションも含まれていたのだろうか?

 

「んん……くっ!……あ、あの!放して貰えませんか!?」

 

「は?放したら、また攻撃して来るんだろうがよ?それに、つい今し方まで暴れて置いて何言ってんの?暴れている間、君が俺を蹴ったりした件についてはどう説明してくれるのかな?もちろん、謝罪してくれるんだよね?」

 

「…………うぅ……」

 

「というか……何故、俺に攻撃を?ああ、別に答えなくても良い。知った所で、意味は無いだろうからな……」

 

そう言って、雪霞狼を離して《瞬動術》で姫柊雪菜から距離を取った。姫柊雪菜は、そんな俺を見て驚いている。だが、直ぐにキリッと真面目な顔をすると雪霞狼を構えジリジリと間合いを詰めて来た。まあ、彼女が俺の元までたどり着く前に俺はフレールくんに回収されてしまったけど。

 

「あ、お帰り〜。ターゲットは、残念だったね?」

 

「そのお陰で、姫柊雪菜に会ったがなw」

 

「…………な、なんだってぇ〜!?」

 

「ハイハイ。お約束をありがとうw」

 

「つか、ターゲットがテレポーターだったなんて気が付かなかったわ!!あの手のセット特典って、詳細がわからないから細かい能力まで把握できないよな?」

 

今回のターゲットは、何かのキャラクターセットを特典にしている転生者だった。だが、そいつが持っていたセット特典はどうやらアニメでは無い特典だったらしく、俺にはコレという答えが出せなかったんだ。ソレを看破したのは、トーマの方でアベンジャーズ?という外国のヒーローが持つ能力だと教えてくれた。トーマ曰く、ヒーロー系全員分の能力を特典にしているのでは?と……言われて、使い魔からの報告書を確認すれば『アベンジャーズ』と書かれている。

 

「……これ、有りな訳?」

 

「纏められる言葉があるのは反則だよね!」

 

「ヒーローズでもイケそう……」

 

「酷い、能力ッスね!?そうなるともう、どんな能力かは特定できないスよ?しかし、テレポーターかぁ……」

 

「ジャンパーっていう映画があったのは知ってる……」

 

「あー。そんなモノもありましたねぇ……」

 

ネタ的には、ジェダイのフォースとライトセーバーを手にサイコキネシスで遊んでいる様なモノだと思われる。

因みに、そういう遊びというか茶番は組織に戻った時にやった。幼馴染み達と、『組織ならライトセーバーくらいあるよね?』って探してみたら普通に売ってたw.ソレを手に入れ、中庭でジェダイごっこをしたんだ。ライトセーバーを振り回し、サイコキネシスでフォースを再現して物を浮かべたり座禅を組んで浮かんだりと愉しんだ。まさか、そんな能力を転生特典にした転生者が居るとは思わなかったけれど。こんな事になろうとは……思わなかったよ。

 

「ジェダイとかも居そう……」

 

「ソレ居ったら、別の物語になると思う……」

 

飛び交う〈シューター〉を弾いて、ライトセーバー?で接近戦をする物語。確かに、魔法少女ともストブラとも違う物語の世界だw.つか、何処のどいつだ!?そんな、ヒーロー系の能力を特典に願った馬鹿は!?困惑する事になるだろう!?

 

「つー事は、中々会え無いかも?」

 

「何故?フレールくんをフル稼働すれば、接触くらい出来るだろ?まさか、未来予知的な事ができる輩が?」

 

「いや、第六感みたいなモノを持ってる奴が居たはず……」

 

「第六感……ソレ、俺の〈超直感〉みたいなモノか……」

 

言われて見れば、俺が転移する前にその転生者は逃げてしまった後だった。つまり、俺達がその転生者と接触するには相手の〈第六感〉が反応する前に相手を捕まえないとならないって事だ。多分、予知能力者にしても接触するにはそれなりの苦労を強いられるのは容易に想像できる。もし、俺達と出会えば能力を減らされる上に現実を直視させられるんだから。転生者からすれば、俺達は不幸をもたらす使者みたいな存在だから……そりゃ、避けられても仕方がない。

 

「だがしかし、能力の弱体は必須だろう?捕まえるのは、できないのか?つか、ヒーローの能力なら大丈夫そう?」

 

「…………難しいんじゃないかなぁ?北欧神話系の神様が出て来た物語もあったからなぁ?トールハンマーとか?」

 

「あー……なんか、覚えてる様な気がするわ。アレだろう?雷属性のハンマーをグルングルン回して投げたら一緒に飛んで行くヤツ?本人も、雷を操る能力があるけど……それくらいなら、大丈夫じゃね?」

 

多分、神通力とか関係ないなら放置しても問題ない様な気もするぞ?そりゃ、遠隔操作が可能で何のデメリットも無しに何百メートルをも巻き込んだ範囲攻撃ができるとかなら弱体化は必須だけれど。映画や漫画程度の能力に収まるなら、そのままでも俺は構わないと思う。つか、パッと思い出せるヒーロー系の映画から主人公達の能力をちょっと使えたとしても世界の根底を歪ませる程の能力者は居ないと思われた。

つか、そもそもそういう系の能力者なんて居ないだろう?

 

「スーパーマンが、地球の周りをグルグル回って時間を巻き戻した的なエピソードもあった気がするんですが?」

 

「んん!?そんな、エピソードあったっけ?」

 

「一応、古い方の話しでそういうのがあったんですけどね……まあ、ソレを知っている世代かはわからないッスよ?」

 

「お前……昭和、生まれ、なのか!?」

 

ついっと、視線を逸らすトーマ。まさか、こんな身近に昭和生まれの転生者が居るとは思わなかった。因みに、俺はギリ平成生まれである。元年、だったけどなw。

 

「これはこれは、先輩じゃないッスか!ああ、目上の方にはそれなりの敬意を示さないとならないッスね!!」

 

「止めろ!止めてくれぇ!先に、《神殺し》になったのは神崎さんじゃないッスか!神崎さんの方が、先輩ッスよ!!」

 

「いやいや、凍真さんは時間軸からして未来の方じゃないですか!という事はッスよ?俺よりも、大先輩ッスよね!?」

 

なーんて、年齢的な先輩の押し付け合いをしていたら呆れた様子で師範代達が俺達を見ていた。まあ、ちょっとした茶番劇だったんだが……白けた様子で、見られていると段々恥ずかしくなって来る。あ、止めて。そんな目で見ないで……と顔を背けた所で茶番が終了した。

 

「と、とりあえず、冗談はさておき……アベンジャーズ?の能力者をどうしようか?」

 

「あー……同時に、複数の能力を行使できない様なら放置で良いんじゃないッスか?流石に、同時行使が可能なら弱体化をオススメします……」

 

「あ、ああ。そうだな……将来的に、複数行使が可能ならその片鱗も見えるだろうから一度見て判断しよう!」

 

そんな訳で、フレールくんにお願いして姫柊雪菜に会う前に居た転生者を追って貰った。その後は、翼に群がって来る転生者共を千切っては投げ!千切っては投げ!!と、淡々とこなし彼女達を回収する。ぶっちゃけ、俺が居ないだけで百人は釣れたんじゃ無いか?まあ、百人は大袈裟でもそこそこの数を屠った気がするのは勘違いじゃ無い。

だって、姫柊雪菜が美少女に見えなくなるくらいには極上の女だからなぁ?

 

「…………翼症候群。美少女が、普通の少女に見える様になる件。俺は、もう駄目だと思う……」

 

「まあ、彼女を毎日見てたらそうなっても仕方がないかと思われる。だから、神崎さんの反応が鈍かったのかぁ……」

 

「だってなぁ?どこにでも居そうな、普通の少女に見えたんだから仕方がないだろう?」

 

「なら、自分も見て来ます!」

 

そう言って、意気揚々と秘密基地を出発したトーマは案の定ただの人間である姫柊雪菜にベシッ!と叩きのめされるのだった。それなりに、強いはずなんだけど。これは、補習コースですねw!顔を顰める師範代達を見て、ウィンドに映るトーマへ合掌して置く。ちゃんと、鍛錬しておけばただの人間に遅れを取る事は無かっただろうに……お疲れ様です。

そして、物見遊山で美少女を見に行くとか馬鹿ですか?

 

「つか、彼女を連れて来られても困るんで秘密基地を移動させます?あの馬鹿は、後で回収すれば良いかと……」

 

「そうですね。あの方は、我々が人で無い事がわかる様ですから面倒かも知れません。というか、巫女ですよね?」

 

「剣巫って妖怪退治の専門家ですよ。本来は、第四真祖となった主人公の嫁として生贄にされた少女ッス」

 

まあ、彼女は見習いなんだけどね。

 

「じゃが、その主人公は居らぬのであろう?」

 

「ええ。転生者に殺られたのか、元の第四真祖に殺られたのかはわかりませんが既に死んでますね…………?」

 

――あるぇ?

 

なら、なんで姫柊雪菜が絃神島に居るんだ!?主人公である青年は、転生者に憑依されて本来の歴史を刻めずに死亡してしまったし?ならもう、絃神島に派遣される意味は無いだろう?更に言えば、何故【雪霞狼】を持っているんだ!?

 

「獅子王機関は、何を考えているんだろうねぇ?」

 

等と言った所で、剣巫の見習いを絃神島に送り込んだ理由なんてわかる訳もなく、俺達は俺達のやるべき事をやるだけである。とりあえずは、聖女を名乗る女に会いに行かねばならない。一応、この絃神島に居るらしいのだが……はてさて、どこに隠れ潜んでいるのやら。

 

「余り、聞きたくは無いけど。現状の報告を……」

 

「フム。とりあえず、秘密基地の設置場所をフレールくん伝手に街中から郊外へ移したの」

 

フムフム、秘密基地の中に人が居ても外で活動する使い魔が居れば移動が可能と……何、そのチート。そんな事が可能なら、誰にも知られる事なく適当な場所へ隠れたい放題じゃありませんか!?しかも、フレールくんと言えば隠密能力極振りの完全ステルス機能搭載型使い魔じゃないッスか!!そんな存在に、秘密基地の設置場所を変えられたらもう誰にも見付けられないんじゃぁ!?有能過ぎて、言葉にもならない。

 

「マジッスか……」

 

「それと、兼ねてから秘密基地のシステムを使って各方面に存在する転生者の預金口座から活動資金であるお金の回収に成功しました!!これで、奴らは大部分の活動を自粛せねばなりません」

 

「ああ。うん…………そっかぁ。銀行まで、ハッキングしちゃったかぁ。ま、せめてもの救いは相手が気が付いていない事かな?流石は、量子コンピュータ。銀行のセキュリティも紙レベルですかぁ……」

 

等と言った所で、【鮮血の】さんが造った量子コンピュータが、まだ発展途上な世界のセキュリティを突破できないはずが無かった。寧ろ、気が付かれない所か超時間アクセスしててもスルーされる気がするのは俺だけだろうか?兎に角、あの人が関わる技術でどうにかならないはずが無いのである。

 

「とりあえず、回収したお金はこっちの口座に移しといてくれると有り難い。ええ、それはもうどっかの聖女を落とすには形振り構っていられないだろうからな……」

 

つか、俺だと転生者だと麺割れしそうなので使い魔(イケメンに限る)さんに手伝って頂きたい所。

しかも、骨の髄までしゃぶられる気がするからそうならない自信のある方を募集。

すると、師匠の側近と言われる使い魔さんが名乗りを上げた!!

 

「我等がMasterの側近を務めます、インキュバスの因子を埋め込まれましたアルカリア・フォーゲストと申します」

 

「側近……で、インキュバス……」

 

【因子】持ちは、師匠に最も近しいガチの側近だ。

他にも、サキュバスの因子を持った遠距離型の使い魔さんが居るが……その人レベル。確かに、メッチャイケメンな上にどこか良い所のお坊ちゃんな雰囲気まであると来た。

更に、色気がヤバい!!というか、俺が全く相手にならないレベルのイケメンが来たんですけど!?ちょっと、師匠?

なんで、こんなレベルの使い魔を創ってるんですか!?というか、どんな土用でこんな使い魔を創る事になったのか想像すらできない。情報収集だけじゃねぇだろう!?

 

「うわぁ……マジかぁ。つか、本当にこの人をぶつけて良いんですか!?絶対、即落ちしそうなんですけど!?」

 

このレベルで、金も持ってるとなればそんな優良物件を逃すアホは居ないぞ!?もし、コレで靡かなかったらどうしたら良いんでしょうね?なんて、思ったりもしたが希有だった。

守銭奴聖女に、イケメン使い魔をあてがったら普通に堕ちて……甲斐性(金持ちレベル)を見せたら、簡単に身体を開いて寝ちゃうレベルのアホの子だったw

しかも、相手はインキュバス(モドキ)。そっち方面は、超が付く一流だからあっという間に腰砕けになる始末。最後は、気絶する様に眠ってくれたのでその間に聖女としての能力を削除してトンズラさせて貰った。何て言うか、あれだけ下準備に手を掛けたと言うのにこんなにも簡単に落とせるなら、アソコまでする必要は無かった気もしないでも無い。

 

「これで、聖女問題は解決したけど……」

 

残りの、勇者(笑)問題と賢者(笑)問題が面倒なのでまだまだ俺達の戦いは終わらない。というか、側近使い魔の【サキュバス】の方を使えば勇者(笑)も賢者(笑)も楽勝なんじゃね?

一応のつもりで、インキュバス因子持ちに聞いてみたら割りと簡単に教えてくれた。という訳で、勇者(笑)にはサキュバス因子を持った使い魔さんをあてがってみる事になる。

 

「因子持ち、強くね?」

 

「一瞬で、落ちましたねw」

 

「警戒すらしておらぬの?」

 

「アレで、魔王(吸血鬼王)を倒す勇者(笑)らしいぞ?」

 

「賢者(笑)も、即落ちでしたね?」

 

「俺、アイツ等の事をメッチャ警戒してたんだが……何の意味も無かったな!?アレが、人類救済の使徒か……」

 

「救済とは!?」

 

その疑問は、本当に謎な一言なった。

これなら、吸血鬼に支配されている方が楽かも知れない。

 

 

 

 

 




さて、聖女問題と勇者(笑)賢者(笑)が終われば漸くストブラに手が付けられるぞ!とは、問屋が卸さないんだよなぁ?世界の問題が、解決されたら《神殺し》は不要の長物。双夜が、問題の解決をススメてたらストブラは放置状態で次の世界軸へ飛ばされますw。そりゃ、そうだよね。ストブラは、魔法少女とは違う世界の物語。問題がなくなったら、隔離されて当たり前な話だったりする。
もし、ストブラにガッツリ関わるのであれば聖女達をガン無視で事を運べばよかったんだなぁw。

明言してるぞぉ?
ストブラは、違う世界観の物語だってw

それに、関わった所で別の問題が浮上するだけだからなぁ?メインが、【魔法少女リリカルなのは】に据えてあるけど……基本的には、オリジナルの物語の2極という扱い。
しかも、オリジナルの物語寄りだからぶっちゃけ【魔法少女リリカルなのは】の世界でオリジナルキャラクター達が無茶をします!!っていうのが、この話の本流なんだぜ?
そりゃ、別の物語を出したりしているけど…それはそれ。これはこれ、と設定は大切に使っているからなぁ?

そもそも、本気でウチの物語を参入させるとしたら時空管理局がアルカンシェルを乱射しても敵が倒せないなんて話になるぞ?なんたって、相手は神様モドキつーエゲツナイ存在だからちょっとやそっとじゃどうにもならないからこそ神殺しなんて人外を参入させている訳だし。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

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いつも、読んでくれてありがとうございます。

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