絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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五〇九話

Re:

 

 

「恋人じゃない……なんて事は無いッスよね?」

 

話を聞けば、【始まりの魔法使い】とその神様が只ならぬ関係に聞こえてしまう。まるで、恋人同士の様な関係に思えてしまうんだが……最終的な結末が、彼等の関係性をその異常性が掻き消してしまっている。なので、多分?恋人と組織の連中は認識している様だ。だから、時折そのネタで遊ぼうとする馬鹿も出て来る始末。まあ、得も言われぬ微妙な空気になるらしいけど。

 

「順当に思えば、間違い無く恋人ですよね?」

 

「普通に、恋人やも知れぬが……喰っておるの?」

 

「それって、一つになりたかった?って事……?」

 

師範代達の会話にトーマが参戦。てか、コイツそういう話を聞いて無いのかねぇ?何となく、聞いたけれど話題に出来る仲間が居なかったから忘れたとかだと思われる。というか、好きな人と一つになりたいってのは割とポピュラーな話ではあるけれど……余り、オススメ出来る話では無さそうだ。

基本的にそういう系の話は、ホラー系の話が多い。

他には、恋愛成就を語って起きながら最終的に死に至りミンチ(物理的に一つ)になるとか?

とりあえず、ヤバい系の話が多いんだ。

多分、この話もその手の話だと思われる。

 

「……好意的に取れば、そういう事なんだろうけど……普通は、恋人を喰おうとは思わないよな?」

 

「……まあ、それが普通ですよね?てか、一つになりたいとかホラー系の話ですよねーw」

 

「え?ホラー?」

 

おや?トーマは、2ちゃんねるを御存知では無い?だったら、わからないかも知れないが……ここは、怖がらせるべきなのかな?少し、判断に迷ったが言って見る事にした。

 

「知らねぇ?恋愛成就のお呪いのハズが、物理的に一つになる方法だったとかいう話。簡潔に言うと、恋愛成就のお呪いをすると大好きなあの人と一つになれるっていう噂が出回ってた場所でそのお呪いをした少女が恋愛成就を願った相手とグッチャグチャに混ざり合って一つになった話なんだが…」

 

「んん!?えっと、なんかニュアンスがおかしいけど……普通に、恋愛成就してないか?」

 

「まあ、ただ聞くだけならお幸せになったとも言えるが……この話を理解すると、そうも言えなくなるんだよねぇ?」

 

「…………理解?え、何か違うの!?」

 

「ぶっちゃけると、電車に轢かれてミンチとなり誰の血肉かわからなくなるくらいにグッチャグチャに混ざるんだ。物理的に“一つ”になった彼らが幸せなのかは……俺には、わからないなぁ……」

 

「ひぇっ!?そっちの“一つ”かよ!?」

 

「何故、電車に轢かれる事になるのでしょう?」

 

「何処から、電車が恋愛と絡むのやら……」

 

んー?つっても、俺も又聞きだから詳しい事は知らないんだよなぁ?多分、雪辺りから聞いた気がするんだけれど……転生してから、鈴木満男だった頃の記憶が曖昧になりつつある。だからという訳じゃ無いが、アニメ関連から外れた小話程度のモノとかはかなり薄れかかっていた。

唯一、アニメとは関連の無い事で覚えている事があるとすれば……それは、幼馴染み達が関係する事柄だろう。

それならば、昨日の事の様に思い出せる。余分なモノを含めて、だが。多分、その手の小話も幼馴染み達に関連していたから覚えていた様なモノだ。そうでなければ、嘗ての記憶なんて思い出そうともしなかった。まあ、ホラー系の小話なんかは都市伝説を含め幼馴染み達がそこそこ探し出して来ては夏の風物詩として語っているから知っている程度。俺は、バイオハザード系なら詳しく話せたけどそっち方面は手付かずだった。別に、興味が無かった訳じゃないんだぜ?ただ、ノーセーブのタイムトライアルでどうしても三時間を切れなくてさぁ……俺のロケットランチャー(泣)。手に入れられるなら、手に入れたいじゃん?

なのに、どうしても三時間を切れなくて手に入れられなかったんだよ。幼馴染み達が、ロケットランチャーでヒャッハーしているのを横から見ているだけだなんて……なんて、地獄。

俺も、ヒャッハーしたかった。

 

「兄様も、苦労なさったのですね……」

 

「何なら、ここにアイテムBOXから自動装填されるロケットランチャーが一つあるが欲しいかの?」

 

「っ!現実で、ロケットランチャーなんざ、要らんわ!!」

 

何が悲しくて、現実世界でロケットランチャーを乱射せにゃならんのか!?普通に、危険人物として警察にしょっ引かれるわ!!つか、こんなもん何処から持ち出して来た!?というか、アイテムBOXから自動装填されるロケットランチャーだと!?誰だよ、こんなヤバいもん作ったのは!?洒落にもならない代物じゃありませんか!?

そして、誰がコレを使ってゾンビが群れる世界に突撃するっていうんだ!?フンガー!と、師範代の手から問題のロケットランチャーを叩き落とし、こんな銃火器を持ち出して来た事を注意する。

 

「ですが、兄様。撃ちたかったんですよね!?」

 

「なれば、これ程嬉しい事はあるまい!!」

 

「だあああぁぁぁ!!俺をヤバい奴認定しようとするんじゃねぇ!!何が、無限に撃てるロケットランチャーだ!?」

 

「ならば!チャージ時間激短な連射可能サテラ◯トキャノンですよ!何なら、イデオン◯ンも持って来ましょうか?」

 

つか、チャージ時間激短なサテライ◯キャノンにしてもイデ◯ンガンにしてもどっから持って来やがったそんなモン!!

てか、差し出してくんなよ!?怖すぎるわ!!

 

「つーか、誰だよ!?そんなモン作った野郎は!?」

 

「もちろん、【鮮血の】だの。アヤツは、アニメの兵器を現実に作る天才じゃ。まあ、問題行動も多いがの?」

 

「クソォ!安定の【鮮血の】さんかよ!?てか、イ◯オンガンは不味いだろ!?イデオ◯ガンは……」

 

「今更な話ですね?何なら、皇家の舟で対抗しましょう!」

 

え!?暴走するイデ◯ンガンを、光◯翼で受け止めるっていうのか!?それは、それで見てみたい気もするが……色んな意味で、恐ろしいわ!!なので、止めて下さい。

 

「とりあえず、そのロケットランチャーを師匠に向けたらどうなります?まあ、到達する前に何とかされるでしょうが」

 

「「御手玉にな(るの)ります」」

 

オテダマ?飛んで来た爆発物を、薙刀か何かで爆発させない様に手玉に取り打ち返してでも来るのかな?多分、ニュアンス的にはそんな感じなんだろう。てか、最高速に乗った弾頭を薙刀で打ち返すとか出来るのだろうか?

受け止めるなら兎も角、敵側に投げ返して来るんだろう?無理じゃね?

例え、運良く起爆しなかったとして敵側へ正確に打ち返すって何気に高レベルの技術だよな?それはそれで、超絶技巧なので見てみたい気もする。

 

「剣で、薙ぎ払ったら爆散しそう……」

 

「兄様なら、真っ二つにしてくれそうですね?」

 

「そして、起爆させるのだな?主様は、起爆させぬが……」

 

「うるせぇよ!!悪かったな!?下手っぴで!!」

 

師範代達の冷やかしがウゼェ。

 

「へー、へー、俺は下手っぴですよ!!」

 

「そうやって、直ぐ拗ねる……」

 

「兄様の悪い癖だの。ちょっとは、練習してやろうとは思わぬのか?拗ねる程度なら、幼稚園児にでも出来るわ!」

 

「ハハハ、駄目ですよぉ?直ぐ拗ねちゃぁ……」

 

「あーウゼェ……あ?つか、何でトーマがそんな事を言u……ほぉ?師範代、トーマも練習したいそうですよ?」

 

「え!?あ、や、別に、練習したいとか言って――」

 

馬鹿め。自爆しやがったw。こういう時は、黙して語らずが正しい選択肢だ。なのに、ワザワザ師範代の馬尻に乗って自滅するとか馬鹿か?だが、調度良い自滅だ。

精々、利用してやろうと思う。なんせ、コイツ直ぐ鍛錬をサボろうとしやがるからなぁ?嘗てのお目付け役でも居れば、こんな風にはならないのかねぇ?つか、そのお目付け役はとても有能に思えて来るんですが……妖精様、来てくれないかなぁ?

 

「いやぁ、えっとですね?…………マジ物は、使わんといて下さい!!爆発物は……爆発物は……」

 

「そりゃ、練習にマジモンは使わんでしょうが……最後は、ちゃんと出来るか確認の為にも使うでしょ?ねぇ?」

 

「そうですね!確認は、必須項目です!!」

 

「ちゃんと、習得しておるか確認せねばの?」

 

「ええっ!?失敗したら、どうするつもりなんですか!?」

 

「そりゃ、痛い思いをするだけだろう?ガンバ!!」

 

応援してみると、スゲー嫌そうな顔をするトーマ。

お前、普段直ぐサボろうとするから色々と仕込む為のカリキュラムが圧しているんだよ。そろそろ、本気で鍛錬に取り組まないと嘗てのお目付け役が呼ばれる事になるぞ?

 

「お目付け役は、既に要請しておいた」

 

そこへ、師匠が割り込んで来てそんな事を言い出す。瞬間、トーマの顔色が変わったけれど『ザマァw』と思っただけで何も気が付かないフリをした。つか、元から時間の問題だったらしい。トーマのサボり癖が、発覚した辺りで組織の方に問い合わせをしてお目付け役の派遣を要請していたそうだ。

 

「べ、別に、サボっている訳じゃ……」

 

「まあ、トラウマなのはわかっているんだけどな……セイビアが企画したリアルRPGは、中々鬼畜な内容だし僕も参加した挙げ句に悪ノリして最悪なダンジョンを作り上げたから……でも、訓練と鍛錬には参加しないと駄目だと思う」

 

「師匠が、悪ノリ!?何したんですか!?」

 

「ちょ、ちょっと、入るのも憚れるダンジョンを一つ手掛けたかな?ただ、あの世界全体が難易度高目な箱庭だったから似た様な感じに纏っているけど……」

 

あの師匠が、言葉を濁す程度には鬼畜な世界らしい。

 

「どんな設定にしたんですか!?」

 

「ヘル、だな。もちろん、僕達でも感じる程度にはヘルモードな世界だよ?まあ、素人を鍛えるには調度良い世界ではあるんだけどね?」

 

師匠ですら、地獄だと答えてしまうレベルの世界かぁ……それはもう、ヘル以上の難易度って事なのではないか!?と思わずにはいられない。それでも、素人の心持ちを変化させる程度には役に立つとのこと。つか、『心持ちを』ですか?

 

「ただの感情論じゃないすか!!」

 

「されど、感情論、だ。覚悟の無い力なぞ、ただの暴力と変わらない。何の為に、幸せな人生を終えてから呼んでいると思っているのか……《神殺し》適正みたいなモノさ。ヴァサゴが良くて、ガブリエルが駄目な理由と一緒だ」

 

「んん!?ヴァサゴ……ああ、pohか。つか、ガブリエルは駄目だったのか!?」

 

なんで!?悪人なら、大体OKなんじゃないの!?

 

「アレは、得た力に酔うタイプだ。だが、ヴァサゴは目的が神殺しだからな。得た力は、ただの力として扱う奴だよ」

 

あー……言われてみれば、アイツはそういうタイプでしたね。成程、力に酔うタイプは《神殺し》に向かないのか……そして、ヴァサゴの目的が【神殺し】であるならば確かに力に酔いしれるなんて事にはならないだろう。

 

 

 

……閑話休題……。

 

 

 

「ところで、ヴァトラーって奴……居ないんだけど?」

 

「へ?…………何で師匠が、ヴァトラーの名前を……つか、居ない?地球上のどこにも、ですか?」

 

え!?あ、もしかして……第四真祖が、死んだ時点でこの世に絶望して異世界に希望を見出したとか?でもって、ここに居る理由が無くなったから早々に旅立っちゃったのかな?

だとしたら、他の吸血鬼共がヒャッハーしてるんじゃね?

まあ、ヴァトラーが居ても居なくてもヒャッハーしてそうだけれど。だからこそ、この世界の現状なのかも知れない。

 

「そっちは、関係ない。吸血鬼共が、居ようが居まいがこの世界の異常は発生しただろうからな。というか、怪物共については無視して構わない。問題は、もっと別のモノだからな。あ。でも、妨害してくるなら排除しても構わないぞ?」

 

あるぇ?ストブラの吸血鬼達は、無視ですか?

じゃぁ、他に何の問題が?つか、そもそもここは【魔法少女リリカルなのは】の世界ですよね?なら、吸血鬼は……ああ!!そう言えば、吸血鬼って普通に居たねぇ?しかも、太陽の下を歩ける吸血鬼が……『とらハー』が、混ざっているのか!!

なら、この世界の異常ってなんだ!?

 

「とりあえず、転生者共が持つ特典の排除はもちろんの事として聖女を名乗るあの女をどうにかしないと……」

 

「聖女?って、どこのファンタジーですか!?」

 

「問題を起こしているのは、聖女を名乗る女だ。アイツ、吸血鬼と化した人間を元の人間に戻してやがる」

 

それって、死者を蘇生しているってこと?というか、吸血鬼と化した人間は死を持って吸血鬼と化しているから元の人間に戻すとなると……それはもう、死者の蘇生に他ならない。

つまり、世界の調整とか関係なく乱雑に死者を生き返らせているって事!?それはまた、とんでもない特典だな?

 

「超、儲かりそうですね?」

 

「死者を選別する為か、大金を巻き上げているし……コレは、問題だ。しかも、世界規模での歪みも発生してる……」

 

てか、お金大好き守銭奴聖女って……また、濃いキャラクターが出て来やがったなぁ?というか、この世界に来てまだ3時間強しか居ないのにもう世界中を観て回ったのか?

 

――いや、調べて回った……の方か?

 

いずれにしろ、今やこの世界の事で師匠以上に詳しい人も居ないだろう。その師匠が、ヴァトラーや他の真祖について放置でいいと言っているんだ。吸血鬼関係は、本当に放置で問題ないのだろう。ただし、聖女……お前は、駄目だ。お金の為に、死者蘇生を行い続けるのは許されない。ここは、【魔法少女】が活躍する物語の世界。

多分、その聖女も魔法少女扱いでサブ主人公(フェイトやはやての様な)補正が効いているんだろうけど死者を蘇生するのだけは許されない!!

だって、今俺達が居る時代背景を考えると無印じゃなくて『vivid』だからだ。ソレが、まかり通ってしまうと彼女達の過去が完全否定されてしまう。それだけは……それだけは、絶対に許されない!だって、ソレが許されてしまったら……フェイトや、彼女に関係する全ての人々が報われないじゃ無いか!!何故、もっと早く生まれて来なかったんだよ!?

君さえ、もっと早く生まれていたらあんな悲劇は起こっていなかった。いや、それはただのこじつけかも知れないけれど……それでも、俺は考えてしまう。もしかしたら、もっと幸せな人生があったかも知れない、と。

 

「…………師匠。それ以外にも、問題は起こってますか?」

 

「…………そうだなぁ。日本本島に、◯◯機関?っていう組織が出来てて月村家と折り合いが悪そうだ」

 

「獅子王機関か……そう言えば、そんな組織もストブラにはありましたね?そうか。月村家と折り合い……ハハハ。そりゃ、悪いだろうさ……」

 

月村家は、ヴァトラー達みたいに能力が高いという訳じゃ無いけど、それなりに色んな所への顔が効く財団?だからな。

対して、獅子王機関は異端者を監視したり殲滅したりする組織だ。ぶっちゃけ、月村家と折り合いが悪くても致し方無い。そして、月村家を護る戦闘民族高町家……とんでもない図式が出来上がりそうだw.だけど、それも世界の異常って訳じゃ無いから放置される事になる。メッチャ、関わりたいけど……それと同時に、凄く面倒臭そうだ。

 

「主人公の嫁。見たかったなぁ……」

 

中学生の嫁が、監視の為に派遣されて来るんだよなぁ?

もう、派遣される事は無いだろうけど。

それでも、彼女と古城とのやり取りは見てみたかった。

ま、ちょっとしたファン心理ってヤツなので気にしないで良い。

 

「それで、他に転生者とか居ますか?」

 

「異常行動している転生者は、他にも数名居るが……こっちは、特典の削除後放置しても問題ない。というか、ステータス向上の特典が多いなぁ?」

 

ステータス向上系?つまり、一度引き上げられてしまえば有っても無くても問題ないヤツね?どうやら、全員が全員メインストーリーである『DSAA』に出場する為の強化に余念が無いようだ。なのに、管理外世界である地球に居る意味よ……なんでコイツら、こっちに居るの?他の管理世界に生まれていろよ!?意味不明なんですけど!?

予測としては、クロノ・ハラオウンが住まうマンションの近くで魔法事件でも起こし管理局に保護される気満々ってところか?だって、その方が簡単に原作人物達に近付けそうだもんな?出会いを劇的に演出して、他の転生者よりも有利に事を進めたいんだろうけど……なんか、単純思考だなぁ?

 

「それで、ハラオウン家に保護して貰えそうですか?」

 

「ああ!そういう……成程。これ、邪魔したら一生怨まれそうだなぁ?なぁ、誰か。ちょっと、邪魔して来いよw」

 

「うわぁ……それはまた、面倒臭い話になりそうですね?」

 

「とりあえず、神様特典は一つに削るとして他の出会い?はナーフしても問題ないと思わないか?」

 

「それ、ネットスラング……いや、通じますけど……」

 

ナーフ……ネトゲーで、弱体化を意味するスラングだ。

 

「例え、どんな物語と融合していても僕達が対処するのは魔法少女の世界についてのみ。そこは、間違っちゃいけないよ?吸血鬼関係は、放置で問題ないから気にしない」

 

どんな状況にも、流されずに貫く師匠の志しが眩しい。

俺なんて、次々に出て来る魔法少女の世界に融合した他の物語に翻弄されっぱなしだ。だから、師匠の様に真っ直ぐな存在がいると楽ちんで……このままじゃ、イケないとさえ思ってしまう。何モノにも流されず、一つの事に集中できる様になりたいねぇ?とはいえ、融合した物語がこちらに向かって来るなら対処しても問題ないとまで言われているから、向かって来るなら反撃くらいはしようと思う。

しかし、あの物語の敵役は本当に強い存在ばかりだから少し心配だ。師匠は良いとしても、テオルグ師範が心配だった。ラヴォルフ師範は、五文字だからテオルグ師範よりも一ランク上。しかし、テオルグ師範は四文字なのでもしかしたら届かないかも知れない。

ただし、秘密基地に居る間は全然微塵も心配にならないけどwだって、ここにはファミリーネーム持ちの使い魔さん達がにゃんこ姿でのんびりだらりと過ごしていらっしゃるから!

むしろ、突っ込んで来た敵に同情するよ……こんな、化け物の巣窟に突っ込んで来るんだもの。一瞬で、敗退する未来しか無いって悪夢以外のナニモノでも無いからなぁ?

しかも、対応の仕方が相手の心をへし折る様な対応だし……つか、にゃんこ姿のままで対処しないであげて下さい!!

猫(?)なんぞに負けたら、多分この世界にいる参道吸血鬼さん達が自害してしまいます。できるかは、不明だけれど。猫に、引っ掻かれただけで死にかけたとか……一生涯の恥!とか言い出しそうだ。いや、ドラゴンですらバッサリ切り捨てられるレベルの『引っ掻き』なんだけどね?知らない者からすると、ペットに引っ掻かれただけで死にかけたって話になり兼ねない。それはそれで、爆笑ネタではあるんだけれど。真面目に、力を追い求めている方々にすると自害ネタでしかないというオチ。

 

「そう考えると、ここの戦力はかなりおかしい……」

 

「お前が、僕に使い魔達への労い法とか言い出さなきゃこんな事にはなってないよ!それで、次は何をさせる気だい?」

 

「じゃ、ブラッシングで……あ、もっと優しくして上げて下さい。そんなに強くしたって、猫の毛はフサフサになりませんから……」

 

情報を集め切るまで、かなりの時間があったから師匠には動き出す前の使い魔さん達へ応援の意味を込めて労いを行って貰っていた。いやー、凄い人気ですね?師匠……目逸し。

 

「そう言えば、聖女がいるなら勇者とかも居るのでは?」

 

「…………RPGじゃ、無いんだぞ?と言いたいが、居そうだな?後、賢者とかテイマーとか?」

 

「何をテイムする気ですか!?また、使い魔でも増やします?労い、もっと大変になりそうですね?」

 

「……………………」

 

それでなくても、兆単位の使い魔達が居るので師匠の大変さは変わらなかったりするんだけど。それが、更に増えたりしたら師匠がずっと使い魔達を労い続けても終わらないってオチに陥るだけだった。まあ、もう既にそんな状況に陥っていたりするけど。大変スね?師匠……。

 

「まあ、それが勇者(笑)でない事を祈っていますよ……」

 

「勇者(笑)ってなんだ?」

 

「勇者ッポイ言動と行動だけど、実力が伴わない勇者の事ッスね。まあ、転生者達みたいな感じッス……」

 

誰かを護りたい。だけど、実力が無くて2コマ落ちする勇者の事である。まるで、神様特典に胡座を搔いてなんの努力もしないから咄嗟の判断が出来ずに殺られてしまう馬鹿みたいなモノだ。実際、そんな馬鹿が居るのであながち勇者(笑)は幻想では無かったりする。

俺も、似た様なモノだった。

 

「踏み台とも言われる存在ッスね……」

 

「ああ!初期の兄様の事か……」

 

「そう言えば、口だけは達者でしたね?兄様」

 

「くっ……忘れて下さい。あの頃は、未熟者だったんです」

 

「未熟者なのは、今も、だがな?」

 

「グフッ……(トドメになった)」

 

床に倒れ伏して涙を流す。師匠が、そんな風に言ったら俺の心はへし折れてしまいます!

 

んん!?目の前に居たモフモフが、柔らかい肉球を押し付けて来る!?ああ。慰めてくれて、ありがとうございます!ちょっと、元気が出ました!

 

「単純だな?」

 

「与し易くて良いじゃないですか……」

 

「当人の目の前で……酷い」

 

また、凹まされる俺……『こんな仕打ちはあんまりだ!』と嘆く俺を見て笑う師匠達。この人達は、相手の心をへし折らないと気がすまないのだろうか?どいつもこいつも、残虐性を隠さないなんて酷過ぎる。まあ、そんな人達を目標にしてしまった俺の落ち度ではあるんだろうけど……それでも、この人達以外を選ぶなんて考えられもしないので俺もどっこいどっこいなんだろう。

 

「…………はぁ。それじゃ、先ずはその聖女様をナーフするのが俺達の仕事なんですね?」

 

「まあ、そうだな……その後に、他の転生者共を見て回って必要なら介入。もしくは、排除が基本となるだろう」

 

「俺みたいに、ペッチンペッチンする気ですか?」

 

「ペッチンペッチン……フフフ。そう言えば、兄様は天井と床にペッチンペッチンされたんでしたね?」

 

「アレは、見モノであったな?」

 

「ひしゃげた蛙の様でした」

 

「止めて……心、へし折りに来ないで!!」

 

最初の黒歴史は、師匠に出会った直後なにもわからないまま天井と床を往復するハメになった事だった。ホント、殺られている方はアレ何が起きたのかわからなかったからな!?

一瞬で、視界がブレて背中や腹に激痛が走るってオチだ。

訳がわからないまま、抵抗しようにも能力が発動しないわ魔法も使えないわでされるがままだった。あんな体験、もう二度としたくないと思う程度にはトラウマになっているから!

いや、マジで……しかも、その後は問答無用で俺の何年分の性欲が奪われて強制賢者タイムを強いられたんだから悪夢である。それでも、俺は頑張った!なのはを恋人にして、バラ色の人生をと思ってたら上書きされて終わり。つぎの時には、フェイトまで奪われて泣く泣くシグナムと添い遂げた。

アレは、本当にトラウマ待ったなしの人生だったよ。

 

「今度は、上書きとかしないで下さいね?」

 

「んん?ああ、翼か……翼の場合、もう上書きされたんじゃ……?」

 

「既に、された後だったか……」

 

言われてみれば、確かに上書きされた後でした。

成程、成程。俺の運命は、恋人が別人格に上書きされる事だったのかぁ……チクショウめっ!!

 

 

 

 

 




本来なら、居なきゃいない人が居なくなってて……居ないハズの存在が訳のわからない地位に居て?『第四真祖の能力は俺のモンだああぁぁ!』と突撃したアホ共が古城と共に滅びたのは予想が付くけど。古城の妹も不在ッポイし?どうなってるんでしょうね?ストブラが、ストブラしてないって話ですね。転生者が関わると、ここまで崩壊するのか原作…って感じ。ここまで来ると、もう完全に別の物語ですね?なんでこうなったのかはわかりませんが、絶対的に転生者が色々した結果だと思われます。

つか、守銭奴な聖女とか誰得?コイツも、世界の混沌に一役を買った馬鹿なんだよなぁ…はぁ。勇者(笑)や賢者(笑)もいるからややっこしい話になってるよ?

ぶっちゃけ、人と人の関わりは放棄して神様特典と世界の歪みに集中した方が楽でもある。そこまで、引っ掻き回されてるからなぁ…どこまでも、混沌としています。

混沌の最前線はどこだ!?と言われたら…日本かな?
なんせ、転生者の大半が日本在住なので間違い無く日本国が混沌の最前線ですね!近付きたくねぇ!!(by作者)

神様特典の第一候補としては『主人公補正』が一番に上がるが……というか、『第四真祖の眷属を完全に抑え制御できる能力』とか願ってたら良いんじゃね?
なら、それのデメリット特典を――かなり強力なモノに出来る!!それこそ、デメリットなんて転生者の意にそぐわないモノであったとしても構わない訳だし?糞みたいにエゲツ無い内容でも大丈夫な訳だw
それこそ、読者ですらも欺く様な鬼畜ネタでもOK。


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m(_ _)m

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いつも、読んでくれてありがとうございます。

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