絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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五〇二話

Re:

 

 

ちょっとした、鍛錬のハズだったんだがなぁ……とっても、白熱した戦いになってしまった。気が付けば、ノーヴェやアインハルト達も集まっていて俺とテオルグさんはメッチャ注目の的になっている。しかも、アレだけ激しい格闘戦をやったというのに地面が抉れたり荒れたりはしていない。そこは、マジで気を使わせて頂きました。発剄も使って無いし?なぁ。

 

「俺は、師匠やテオルグさんよりも弱いぞ!?」

 

「ちょ、何を言い出すのだ!?お前は……」

 

「それに、俺は習う側で教えたりは出来ないからな!?」

 

思わず、先に逃げ道を作ってしまう俺。だって、目をキラキラさせてるお子様達が居るんだから致し方無いと思われる。その上、この場にはテオルグさんという生けn……師範代も居る訳だから、模擬戦なら兎も角教える側とか柄じゃねぇんだよ。そんな訳で、生贄じゃなかった人に教える事が出来る師範代を前に差し出して俺はドロンと逃げるつもりだ。というか、これ以上の問題は要らない。俺は、平穏と呼ばれる穏やかな日々を過ごしたいんだ!!

 

「多分、ウチの師匠が最強なのはわかってるだろうから同じ流派で師範代の資格を持ってるテオルグさんに教えを請いてくれ!!」

 

「お前、我に面倒事を押し付け様としておらぬか!?」

 

「これ以上、勘違いな嫉妬に狂った馬鹿を相手にしたくありません!それに、俺が受けた鍛錬をこの子達に受けさせるのもなぁ?」

 

ホントに、死物狂いな鍛錬ばかりだったので俺自身が人にソレを教えられるとも考えられないでいた。つか、やったら師匠に殺されちゃいますってw。何なら、テオルグさんにそそのかれたとでも言いましょうか?その行為への怒りが、テオルグさんへ……。

 

「そう言えば、ハードモード鍛錬であったな……」

 

「足に岩を括られて、滝壺に落とされた時はどうしようかと……つか、水を掻き分ける腕の力だけで浮上しろなんて無茶な命令を受けたりしましたね?溺れ死ぬかと思いました」

 

「実際に、浮かんで来たではないか……」

 

「そりゃ、スクリュー状にした魔力をブン回して浮上しましたけど……まさか、アレが魔力操作の鍛錬だなんて聞いてねぇよ!?」

 

そう言って、俺は師範代へと文句を告げた。無視されたけど。その上で、お子様達を見て言葉だけでは理解出来ないだろうと思い足元の雑草を三枚千切って実戦してみた。

一応、指先には目で確認し辛い(魔力光無し)魔力の渦があるので足元に生えていた雑草を何枚か巻き込ませると扇風機の様に回りだすのである。それをお子様達に見せて、こんな感じに水を掻き分けて浮上した事を伝えた。

最初、懐疑的だったお子様達はクルクル回る雑草を見て『凄い凄い』とはしゃいでいた。

だが、それを見ていたノーヴェが青い顔をして俺を見ていたので俺の言葉がドストレートに伝わった事を理解する。滝壺に岩を括り付けられ、落とされたのが嘘ではないのだと知った様子だ。

つまり、俺に師事する場合は似た様な事をされるのではないかという心配をしているのですね?わかります。

しかし、ノーヴェは忘れている。俺の師匠は、貴女も知る邪悪な笑顔がトレードマークの魔王様である事を……という、思いを込めてニンマリと笑って見せた。

 

「お、おい。あたしの預かり娘達に変な事はしないでくれよ!?」

 

「するか!!違ぇよ。俺が言いたいのは、俺の師匠が如月双夜でヴィヴィオの自称?兄だって言ってんだよ!!師匠を敵に回すとか、怖くて出来る訳が無いだろうって言ってんの!!」

 

「あ……ああ。って、お前……アイツの弟子なのかよ!?」

 

「おぅよ。通称、魔王様もしくは邪神様の弟子ですが?何か」

 

「…………魔王?邪神?ブハッ、クックックッ、ま、ま、魔王!プ、クッ、フフフ、じゃ、邪し、ん……に、似合い、過ぎる!!アハ、ハハハハハハ!!」

 

等と大爆笑をしているノーヴェ。だがしかし、ここでヴィヴィオ達を見れば最初こそ笑っていたにも関わらず今は顔を伏せて黙り込んでいる。まあ、それはそのハズでいつの間にかどこぞに籠もっているハズの師匠が恐ろしく良い笑顔でノーヴェの後ろに現れたからだった。つか、何故そんなに優しく爽やかにも思える笑顔でノーヴェの後ろに立っているのか俺にはわからない。

神出鬼没と言えるんだけど、状況が状況なだけに恐くて指摘すら出来ないとかヤバ過ぎる。とりあえず、頬をプクーと膨らませていたヴィヴィオまでも顔を青冷めさせているので、この後のノーヴェが可哀相な事になるのは避けられない模様。

しかも、ずっと爆笑していたからかヴィヴィオ達の反応に気が付いても居ないノーヴェはまだ笑っていた。

よって、フワッと浮かんだ師匠が爽やかな笑顔でガッとノーヴェの後頭部を掴んだ事で彼女も気が付いた模様。

瞬間、サァーと音が聞こえるかの様にノーヴェの顔から血の気が引いて行くのがわかった。これは、相当あの幽霊騒動がトラウマとして根深く残っている模様。あの怖さは、体験した者にしかわからないから彼女の恐怖が手に取る様にわかる。

まあ、俺の場合は別の恐怖体験だったけどな?

 

「とりあえず、チミっ子達は、ウオーミングアップでもして来たらどうだ?ノーヴェは、ウチの師匠と忙しいみたいだし?」

 

「ソ、ソウデスヨネ!ウオーミングアップに行って来ます!!」

 

気を効かせたつもりだったが、逆に気を遣わせてしまった様でコロナとリオが慌てた様子で俺の言葉を復唱し走り出して行った。

それに続く、アインハルトやヴィヴィオ。流石に、チミっ子達にまで恐怖なトラウマを植え付ける必要は無い。という訳で、師匠にはコレで良いッスか?とアイコンタクトを取ってみると『良くやった』とお言葉を頂いた。

それにより、更にハードルが上がってしまったノーヴェは俺を恨めしそうに睨みながら師匠に引き摺られて行く。

そして、公園の人目のない林の中へ連れて行かれると直ぐに悲鳴の様な声が辺りに響き渡った。安らかに成仏してくれ……ノーヴェ。君の勇姿は、決して忘れないよ。

 

「さてと……じゃ、テオルグさん。今の内にオルタへ戻って置いて下さい。それで、チミっ子達には急な用事が出来て帰ったって事にしますので……」

 

「……それなら、あんな事を提案せずとも構わなかったのでは?」

 

「まあ、そうなんですけど。こっちに矛先を向けられる訳には行かないじゃ無いですか!必要なのは、生けn―――」

 

うっかり、ポロッと本音が溢れてしまったけど師範代は冷たい視線だけ飛ばしてオルタへと外見を変化させた。

その後、暗黒系セイバーの姿でスゥッと姿が消えて行ったけどわかる奴にはわかる程度にオルタの居る空間が歪んでいる。その歪んだ空間の辺りから、チクチクとした視線で睨まれ続けて居るような気がして来た。

やはり、『生贄』と漏らした事に対して色々と思う事があるのだろう。多分、今後の鍛錬が更にグレードアップする事は間違いない。……下手をしたら、早まったかも知れない。

 

「神埼。お前、ちょっと応援に行って来い」

 

俺が、己の迂闊さに頭を抱えていると唐突に師匠がそんな事を言い出した。というか、何処に応援へ行くのですか!?つか、応援?

 

「応援?何処に、行けと?」

 

「もちろん、《堕ち神》が大量発生している場所へ人員補充の為にお前を行かせるんだよ。とりあえず、暇してるんだろう?」

 

「え!?ちょ、最前線に送られるんですか!?」

 

「問答無用だ。行け!テオルグは、付いて行かなくても良い。翼の護衛に付いていろ。ラヴォルフは、引き続き白亜の修行続行だ」

 

「ア、ハイ。了解しました……」

 

「ウム、了解した。主様」

 

それだけ言って、師匠はノーヴェを引き摺りながらウオーミングアップをしているヴィヴィオ達の元へと行ってしまった。そんな訳で、俺とオルタは一度秘密基地に戻って準備をした後《妖精転移》で《堕ち神》蠢く最前線へと送られる事になる。

 

 

 

……………………

 

 

 

……閑話休題……

 

 

 

……………………。

 

 

 

そんな訳で、《堕ち神》蔓延る最前線へと俺は送られた。

いや、うん…わかってはいた事だけど、眼前の見渡す限りに黒い獣がうじゃうじゃと見えるんですが!?つか、《堕ち神》って時間が経つと消えるんじゃ無かったっけ?

 

「蠱毒だよ。世界そのものを使った蠱毒……」

 

世界を使ったコドク?コドクって何だ?何となく、奇妙なイントネーションで『コドク』と言われたけれど、直ぐにピーンと来るモノが無くて逆に聞き返す。因みに、俺の隣でそんな説明をしてくれているのは現地担当の使い魔さん。使い魔さんは、基本的に美形な存在しか居ないけど目の前に居る使い魔さんはエルフっポイ美人さんだった。

何となく、印象がそういう感じだったとだけ言って置く。

実際に、耳が長いとかそういう特徴は無いけどエルフっポイ美人さんだったよ。後、巨乳!!巨乳でエルフとか、工口いイメージしか思い浮かばないけど……浮気じゃねぇぞ!?

 

「コドク?コドクって、独り身の人ってこと?」

 

「いやいや、何で独り身?じゃ無くて、壺の中に大量の虫を突っ込んで呪う方の蠱毒だよ」

 

そこまで言われて、漸く俺にも『コドク』の意味がわかった。成程、呪詛の『蠱毒』でしたか。イントネーションからして、違うと思ってましたとも!とは言え、直ぐにはピンと来なかったのでアウトだろう。呪いで生まれたんだから、その系列なのは確定なのにな?全く、思い付きもしなかった。

 

「ああ。呪詛の蠱毒ね!!って、『蠱毒』ぅ!?しかも、世界を使ったあぁ!?あ、だから消えるハズの《堕ち神》が残っているのか!?え、この世界そのものが呪われているんですか!?」

 

つか、《堕ち神》で蠱毒をやるとか頭おかしんじゃね!?

 

「違う。けど、その蠱毒。最後の一体になっても消えない《堕ち神》が出来るらしいよ?まあ、その前に殲滅するけれど……」

 

「あ、了解ッス。つまりは、全部消し飛ばせば良いんですね?」

 

宝物庫から、余り使いたくはない例の剣を取り出して構える。しかし、俺の意気込みを他所にストップが掛かった。

 

「そうだけど……専用武具は、使っちゃ駄目だよ?瓦礫に埋もれてわからなくなると二度手間になるから。面倒でも、一体一体丁寧に倒して完全消滅するのを確認してね?」

 

「え……マジで!?うへぇ……面倒臭っ!!」

 

だがしかし、使い魔さんの言葉は間違ってはいないので諦めて一体一体丁寧に倒して行く。つか、目の前に居る《堕ち神》はとても弱かった。色欲?の《堕ち神》なのかな?等と思いつつ、俺はほぼ無心に《堕ち神》を狩って行った。ただ、厄介な事に数が多く一日二日で殲滅出来る様なモノでは無いというのが辛かった。

これが、世界を蟲壺に見立てた蠱毒の結果か!?

全く、面倒臭いったりゃありゃ知んない。そもそも、《堕ち神》で蠱毒をしたら《堕ち神》が消滅せずに存続し続けるっていうのも初耳だ。まあ、人が【鬼】や【妖怪】的な存在――物理的に現実世界へ干渉が可能になるレベルの呪い――へと変化するとは聞いていたけれど……まさか、そんな存在を使って【蠱毒】をやらかしてくれるとか思いもしないじゃないか!予想出来るか?と言われたら出来るけど。実行するに当たって、幾つもの障害が存在するので実現不可能だと思われていた。否、俺個人が思っていたのかも知れない。

でもそれは、俺個人の思想が平和寄りだから思い至らなかっただけで……師匠や、【組織】の人々は考え付いていた事かも知れない。結局、俺は日本人気質を捨て切れていないのだと思われる。

即ち、平和ボケしているのだろう。特に最近は、翼と共にある事で少し平和ボケしていたかも知れない。完全に、気が緩んで油断し切っていたと言う事なのだ。前線に居ながら、愛する者が傍に居るからと安全な場所で温々とし過ぎていた模様。気を引き締めねばならない。より、危険がはらむ場所で目の前に現れる脅威を速やかかつ丁寧に倒して行かねばならない。

 

         ゴッ!!

 

「グッ!?〜〜〜〜〜っ!?」

 

「はいはい。考え過ぎ、考え過ぎ。まあ、気が緩んでいたのは否定しないが…だからと言って、唐突に修羅化しない!!」

 

振り返れば、師匠がハンマーを片手に浮かんでいた。

ちょ……まさか、その鉄のハンマーで俺の頭を叩いたんですか!?激痛にのたうち回りながら、恨めしい怨念を込めた視線で師匠を見上げる。

しかし、師匠は涼しい顔でニヤリと邪悪な笑みを浮かべて集まって来た《堕ち神》を【クレッセント・ノヴァ】で薙ぎ払っていた。

 

「師匠も、応援に来たんですか?」

 

「ああ。《堕ち神》の【蠱毒】なんて久しぶりだからな。どれくらいの質か、確認しに来た程度の応援だ」

 

「久しぶりって事は、前にも《堕ち神》の【蠱毒】が行われた?」

 

「あの時は、一瞬で事が解決されたからな。だから、今回はこの目で確認して見たかったんだ。だから、条件を揃えてみた」

 

一瞬、何を言われたのか頭が理解してくれなかった。

 

「…………へ?って、コレ、師匠が介入して起きたんですか!?」

 

「ああ。ワザと、見逃して待ってたんだ。だが、低い品質だな?」

 

「所詮は、嫉妬に狂った転生者が引き起こした《堕ち神》化です。その大本が、色欲である以上質が低くなるのは明白かと……」

 

「まあ、そうなんだけどさぁ……それでも、高品質な【蠱毒】とか視て見たいじゃないか?どんな、モノが視えるかwktkだな?」

 

「……………………」

 

「…………情報収集を厳に。面倒だが、フレールくんを世界全域に配置!徹底して、情報を集めろ!!」

 

「言い直すんですか!?」

 

「ヲタクなら、コレで通じるって聞いてたのに……」

 

こんな状況下で、そんなネタを突っ込んだ所で誰も反応してくれないと思われる。しかも、師匠信者な使い魔でも無言かつ冷たい目で師匠をへし折るとは思いもしなかった。まあ、師匠も不謹慎だったと思ったから言い直したんだろうけど。だが、流石に『ワクテカ』は無いよなぁ?そりゃ、使い魔さんの視線も冷たくなるっていうモノだよ。

俺だって、そんな使い方はしないだろうし?

 

「師匠って、どこかズレてるからヲタネタの使い時を間違っているんじゃ無いッスか?アレは、真面目な場面では駄目ッスよ?」

 

「わかってるよ!でも、情報収集なんて本気でやるモノじゃ無いじゃないか!!だから、イケると思ったのに……」

 

状況が、真面目な場面だというのにそんなズレた事をブツクサ言う師匠が少し不憫に思えた。成程、師匠に取ってしてみると情報収集は片手間にやる事柄なんだな?

しかし、現状をかんば見るに誰がどう見ても真面目な場面でしか無かった。

 

「師匠。今は、世界を使った【蠱毒】の真っ最中ッスよ?コレで、真面目な場面で無かったら何を真面目と称するんッスか!?」

 

「…………敵は、色欲系の嫉妬だろう?どこら辺に警戒する要素があるって言うんだ?そりゃ、最後の一匹だったら警戒するのもわかるけど……現状、警戒する要素も無い」

 

「……色欲系の嫉妬……成程。だから、骨が無いんですね?」

 

「!神埼さんも、言うようになりましたね。ですが、この数は脅威です。気を引き締めて、対応に当たらねば……」

 

「ミイラ取りがミイラになる……か?」

 

神妙な顔で、頷く使い魔さん。まあ、《神殺し》にだって【呪い】のダメージは通るらしいからな?一人の例外を除いて……言うまでもなく、ウチの師匠の事である。【クレッセント・ノヴァ】は、呪いにも対応可能なアーティーファクトらしい。

 

「……………………」

 

まあ、【聖なる浄化の光(爆流)】って呼ばれてるくらいだし【呪い】に特攻でもおかしくは無いんだけどな?というか……そんな事より、今の今まで考えるのも恐くてわかっていても聞けて無かったんだけど。ここって、無人世界なのか?それとも、有人世界なのか?今となっては、訊ねる事も憚れるこの世界は一体!?

何れにしても、これだけ《堕ち神》が溢れて居ると生きている人間なんて一子一人居そうに無いんだけど。それでも、聞かなきゃならないと思いつつ何も聞けないで居る俺はヘタレです。

だって、誰も言及すらしないんだもん。恐ろし過ぎて、師匠にも使い魔さんにも聞けず終い。掲示板とか、脳内で開き訳を書き込み安価を求めるが誰も取り合ってくれない始末。しかも、どいつもこいつも示し合わせた様に安価値で取り止めない事をブッ込んで来るから何も出来ないでいた。つか、実行しようにも『翔べ(簡単)』とか『野◯(難題)』とか言われてもどうにも出来ないじゃないか!?

つか、《堕ち神》溢れる場所で野◯とか普通に考えても出来る事柄じゃねぇよ!!というか、こんな状況でズボン下ろしたらその時点で黒歴史の上書きになりますやん!!

てか、誰だ!?野◯とか書いた野郎は!?

最前線の戦闘中に、ズボン下ろして踏ん張れとか無理。

例えるなら、狂戦士が暴れる目の前でトイレに駆け込む様なモノ。そんなん、諸々薙ぎ払って下さいと言っている様なモンじゃん。そんな、不可能な事を書かないで欲しい。

そりゃ、その前の『翔べ』はやったけど使い魔さんに注意されたんだぞ!?唐突に、意味もなく『ヒャッホー!』っとハイジャンプしただけだったからな。

なので、別の安価を求めたら『双夜に握りっ屁』とか無理難題を押し付けられた。やはり、安価は駄目な方法だった模様。とりあえず、掲示板には『わかった。チクっとく』とだけ書いて置いた。

瞬間、スレが加速したけど俺の知った事じゃねぇよ。

ふざけた、テメェ等が悪いんだろう?まあ、選択肢を他人に求めたのがイケなかったんだろうけどなw。でも、やって良い事と悪い事がある。なので、Yesロリーター!!タッチ上等さんには師匠の恐怖をプレゼント。

調度、目の前に師匠が居たので掲示板の話をしたらジト目で睨まれてゴッと脇腹を殴られる。どうやら、ツッコミを受けてしまった様だ。だけど、その程度で済んだだけマシだ。下手したら、Yesロリーター!!タッチ上等さんと同じ目に合っただろうから。

 

「アンカー?って、何だ?」

 

「あ、安価っていうのはネットスラングのことでリンクした書き込みに飛ぶんですよ。で、その書き込みを実行するから指示をくれ……的な?」

 

「ほぉ……野◯とあるが?」

 

「無理です。戦闘中に、野◯している暇はありません」

 

「だが、アンカーは絶対なのだろう?なら、漏らせば良いじゃないか。別に踏ん張る必要は無いのだから……」

 

「ひぃ!?」

 

なんて、恐ろしい事を言い出すのか!?そんなん、脱◯しながら戦えって事ですよね!?周囲への被害とか、考えずにそんな無謀な事できる訳が無いじゃないですか!!

しかも、《神殺し》の戦闘は超が付く高速戦。下手をしたら、俺の汚物が周囲に撒き散らされる事になりかねない。そんな事をしたら……戦闘どころじゃ無くなるやん。

使い魔さん達が、撒き散らされたそれで阿鼻叫喚するとは思わないけど。絶対、碌な事になりませんよね!?

 

「師匠、そんな汚物の雨状態で冷静に戦えるんですか!?」

 

「いや。真っ先に、お前を殺して安全を確保するかな?」

 

駄目じゃん。やはり、安価は危険な行為だった。

《堕ち神》戦で、安価なんて……まあ、俺が欲しがった安価の内容は《堕ち神》戦とは全然違う話だったけれど。

それでも、他人に判断を委ねたのは間違いだった。そもそも、命懸けでやる事では無い。

 

「ここは、無人世界だ。そこに、デバイスを取り上げた悪玉転生者を詰め込んで僕達の生活を映像で流しておいただけだよ」

 

頭を抱えていると、師匠が掲示板から俺の聞きたい質問を拾ってくれたらしく返答してくれる。それを聞いて、更に疑問が湧いたけれどそれは使い魔さんが引き継いで答えてくれた。

なんでも、ここに居る転生者達はこちらの話を聞かず己の()()で暴走し周囲へ攻撃を行おうとした者達だという。そんな転生者達が、一定数居るのはわかっては居たがまさか師匠や使い魔さん達がこんな決断をするくらいだとは思わなかった。

それで、おバカな転生者を放置する訳にも行かなかった師匠達は転生者を無人世界に纏めて詰め込んだらしい。

当初は、《堕ち神》で【蠱毒】を行うなんて予定は無く。

ただ、一つの無人世界にデバイスを取り上げた転生者達を集めて大人しくなるまで説得するつもりだったらしい。しかし、奴等が自分の利益になる事以外で納得する事は無く暴れ続けるモノだからここに押し込めたんだと。

その後、退屈だろうと師匠が気を利かせ?て()()()()を見守る?画像や動画をアップし流し続けていたという。

その結果、美女に囲まれる踏み台の代名詞ギルガメッシュ(俺)の日々に嫉妬と色欲に狂った転生者達が次から次へと《堕ち神》化して暴走を始めたって訳だ。特に、転生前から独り身で年齢イコール彼女居ない歴の塩漬けDTの奴等が酷かったとのこと。

そして、真っ当な奴や新たに落ちて来た奴に群がって一部の転生者が足の引っ張り合いを始めたらしい。

その内、転生者内の【呪い】が周囲にも撒き散らされて……この地に押し込められていた全員が《堕ち神》と化し始めた。もう、こうなると《堕ち神》化は加速的に広がって行くだけなので止める事も出来なかった模様。

最早、知性の欠片も見えなくなった転生者達はただ目の前に居るモノを殺すだけの殺戮者と化す。

そして、現状へと変わって行ったとのこと。それ、師匠達は無人世界に転生者を押し込めただけじゃん。どこら辺に、師匠が【蠱毒】を実行()()なんて記実があるのかな!?完全に偶然の産物だろう!?

 

――あー、ハイハイ!偶然は無し、あるのは必然云々ね?

 

それに、彼等の嫉妬を煽った事もあってちょっと責任を感じちゃっているらしい。でも、それって煽らなくても誰か一人でも堕ちて居れば連鎖反応であっという間に《堕ち神》化してたんじゃね?

とは言え、師匠がそこに転生者達を集めなければそんな事は起きなかったと言う馬鹿が居る限り師匠達は自分達に責任があると言い続けるんだろう。面倒なので、コレ以上のツッコミは無しで。

 

「というか、嫉妬や色欲になる様に誘導したのはわかりましたから……兎に角、《堕ち神》の処理をしましょう……」

 

話が、脱線し捲くってしまったので脱線させた犯人が本筋に戻すのが使命と言わんばかりに本線に戻す。すると、師匠が犇めく《堕ち神》の中心に飛び込んで行って【クレッセント・ノヴァ】を発動させた。その結果、師匠の近くにいた《堕ち神》は消し飛び生き延びたヤツも身体に火傷を負った様な状態で転げ回っている。うわぁ……師匠ってば、【呪い】や【邪悪】な存在に特攻の存在なんですね。ゲーム的に言うと、聖剣エクスカリバー(FF)とか《ホーリー(FF)》みたいなモノなのかな?何れにしても、師匠が一番《堕ち神》にダメージを与えられる存在である事に変わりは無かった。てか、師匠さえ居ればこの目の前に広がる頭の痛い問題も解決した様な気さえしてくる。

 

「もう、俺等要らなく無い?」

 

「それでも、数が数ですから減らさないと……」

 

「まあ、呼ばれた以上は仕事しますけど……メッチャ、要らない子な気がしてならなくなった。なんちゃって、覇王拳!!」

 

「それ、ただの正拳突きでは?」

 

そんな呟きに、思わず振り返ってしまった俺は発勁を使わなかった事を見破られた、だと!?と驚愕な表情でその使い魔さんを見る。え?この人、バトルジャンキーな方の使い魔さん何ですか!?

そんな感じには、全く見えないんですけど……マジか!?

全く、師匠の使い魔さんには驚かされてばっかりである。つか、今までのバトルジャンキー達の傾向からかなりガッシリとした感じの人が多かったのでバトルジャンキーイコールマッチョという図式が俺の中にはあった。しかし、今回俺の所業を見破った使い魔さんは何処からどう見ても優男といった感じのヒョロリとしたイケメンである。ここに来て、新たな使い魔の発見となるとは思いもしなかった。

 

 

 

 

 




細マッチョじゃなくて、本当にヒョロっとした男が神埼の目の前に居ます。腹筋も割れてないよw

作者のイメージ?使い魔の役割的な?
バトルジャンキー=マッチョ&細マッチョ。
身の回りの世話をしてくれる使い魔=メイド(汎用型)
情報収集=斥候(フレールくん)
情報の纏め役=統括者  罠師(解除&考察&制作)
生産職 技術者 【組織】居残り組 捜索隊 観測者
鑑定者 報告者 その他色々。ぱっと思い付く程度。
詳細は、覚えて無いけどもっと細かい所まであったハズなんだよなぁ?こう、疑似軍隊レベルで。大まかでスマソ。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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