絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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五〇〇話

Re:

 

 

原作人物達の塩対応に、心へし折れ終身者達が俺や黒龍に付いて回って居たのは同じ穴の狢探しをしていたからだった。詰まる所、俺は見た目が踏み台だからという事で自分達と同じ穴に落ちるだろうと思われていたらしい。所が、実際には原作そっちのけで幼馴染み達とワイワイしているだけの存在だと知れてガッカリしたのと同時に『こういう生き方もあるんだなぁ』と思ったらしい。

とは言え、俺達の幼馴染みは皆濃ゆい輩が揃って居るので話をすればここぞとばかりに食い付いて来る始末。

まあ、そのお陰で情報の共有が出来て尚且他の転生者達へ、この転生が神々の娯楽でしか無いって事を伝える事が出来そうだ。

 

「はぁ……俺、その雪って人に会ってみたいッス!」

 

「小六つったら、11歳とか12歳くらいだろう!?」

 

「その時には、どーT卒業とか裏山過ぎる!!」

 

「だが、その後は要らない。ヤバい人達との絡みとか、絶対無理な話だしなぁ?つか、銃口向けられた時点でチビる」

 

「それな!てか、銃撃戦に巻き込まれたんッスよね?魔法も無く、どうやって生き延びたんッスか!?」

 

「逃げ惑っていたら、いつの間にかSATやFBIに囲まれてたw」

 

『『『それはそれで怖い!!』』』

 

前者は、日本でヤの付く職業に追い回されていた時の話。

後者は、海外でマの付く職業?に追い回されていた時の話だ。

あの時は、本当に逃げ惑っていたらいつの間にか自分達が大柄な人達に囲まれててビビったからな!?中でも、それを当然とした風に受け入れてる浅上兄妹が一番恐かったけど。

 

「てな感じで、俺等は楽しんでるよ。転生w」

 

「魔法もあるし?現実じゃ、起きない様な事が起きるから大変だけど楽しいわよ?ストーカーは、嫌いだけれど……」

 

「因みに、コイツ元はアーチャーだったんだぜ?」

 

「アーチャー?」

 

「英霊エ○ヤだったんだよ。それが、TSしてイリヤスフィールになって……それでも、ショー凝りもなく剣製やってたらクロエになっちまったんだってさw」

 

『『え!?アーチャー!?』』

 

「そ。元、男だw。こんな見た目だけど、元男だったんだぜ?」

 

「う、嘘、だろぉ!?元、男ぉー!?って、元かよ……」

 

「今は、付いて無いんッスよね?なら、まあ、うーん……」

 

「駄目な奴は駄目だからなぁ?男の娘w」

 

多分、白亜が一番ファンタジーしていると思う。なんせ、男から女になった転生者だ。俺も、それなりに異世界を満喫しているつもりではあるけど。それでも、白亜に比べたら霞む。とは言え、白亜の人生を体験したいとは思わないけどな。ストーカーは、流石の俺でも無理。男のメンヘラーとか、誰得だよって思うからな。

 

「……楽しそうッスね?なんか、こだわってる俺等が馬鹿みたい、だ。全然、楽しく無いんッスよ。折角、転生したのに……」

 

「そりゃ、誰かの掌の上で転がされてたら楽しくないだろうさ。でも、見た所お前等はまだ若いんだ。原作なんて放ッポイといて人生を楽しんだら良いんじゃね?」

 

「…………簡単に言ってくれる。なら、例えば?」

 

「んー……ウチの師匠なら、ホラー展開をやらかし捲くってくれるだろうけどな?それも、日本の陰湿でジメジメとしたホラーをミッドチルダの幼い女の子達に仕掛けたりするんじゃね?」

 

「それこそ、トイレに行けなくなるレベルのヤツを……」

 

「トイレに追い込んどいて、便器の中から血塗れの手を出すんですね?わかります」

 

『ブハッww!それは、アカンヤツ!!』ww

 

「でも、わかるだろう?俺的には、それをジークに仕掛けたらどうかと思ってるっ!!」

 

『ブフッ!!ちょ、おま!!』

 

「それやったら、彼女……修行とか、行けなくなるんじゃね?」

 

「暗い森の中、一人寂しくテント暮し……不可にw」

 

「近くに潜んで、木の枝折ろうぜ!!」

 

「俺、周囲で木々をガサガサさせる役な?」

 

「梟で、ホゥ……ホゥ……って鳴く役もありだなw」

 

「で、飛び立つんでしょう?知ってるw」

 

「ギャウギャウ言ってみたりw」

 

「ギャーって叫んでみたりw」

 

「なにそれ、メッチャ楽しそう!!」

 

「てな感じで、遊んでみたら?でもって、見付かったら負けな?」

 

とりあえず、師匠の十八番であるホラー展開を教えてみたら転生者達がとても乗り気になってしまった。すまぬ、ジークリンデ・エレミア。多分、色々と大変だとは思うけど……頑張ってくれ。

 

「命の危機さえ与えなければ、彼女はただの女の子のままだからなぁ……と、盛大にフラグを立ち上げてみたり。壊滅する君達の未来が見える様だw」

 

『ひぃえ!?』

 

「ちょっと、なんてフラグ建てやがるんですか!?」

 

「それで、バレたらどうするつもり!?」

 

「そりゃぁ、『ここは、俺達が肝試しをしている会場だ!後から紛れ込んで文句言ってんじゃねぇ!』って言えば良いんじゃね?」

 

『おぉ!そりゃぁ良い!!』

 

そう言って、数人の転生者が何処かへ駆けて行ってしまった。アイツ等、本気でジークリンデ・エレミアに肝試しを仕掛けるつもりか!?いやまあ、それは別に構わないけれど。大丈夫なのか!?と心配する俺の気持ちを他所に大盛り上がりを見せる転生者達。

後日、返り討ちにされた彼等は俺の上げた案を口にしてジークリンデ達と一悶着起こした模様。しかし、それが元で彼女達と仲良くなったと報告してきたので結果オーライだったのかも知れない。

つか、あの馬鹿共は結局ジークリンデの覚醒技を発動させて全滅したとのこと。その上で、『肝試し』案を言い訳にして押し切ったらしい。まあ、元ネタはそれなりなヤツを渡して置いたので大いに盛り上がったと思われる。だが、後日談の方はジークリンデ・エレミアが暫く修行に行けなくなるという笑えないモノとなった。流石に、『呪い』と『憑依』系はアカンかった模様。

 

閑話休題。

 

 

 

 

時は戻り、高町家に程近い公園で俺達はまだ話を続けていた。

 

「それで、神様特典は何を残す予定なんだ?」

 

「あー……そう言えば、そんなモノもありましたね」

 

「全力で、忘れてましたわ……まあ、候補は上げましたけど」

 

そう言って、転生者達はそれぞれの残す特典について話をし始める。流石に、デメリットを残してまで人生を生きる者は一人も居ない様でその後の未来にまで話は普及した。

 

「そう言えば、お前等が原作人物に執着する理由を言って無かったよな?アレ、実は神々の思惑が絡んでいてお前等洗脳されている可能性があるって知ってたか?」

 

『『『…………は!?マジで!?』』』

 

「ちょ、なんて爆弾投下するんですか!?」

 

唐突な爆弾発言に、慌てた様子の転生者達。やはり、洗脳云々は転生者でも驚く系統の話題だった模様。まさか、自分達の原作への執着が他者からの刷り込みによるモノだという話は驚くらしい。

 

「ソースは、俺自身。昔、愛した幼馴染みが居ながら原作人物達にも執着していたからな。最終的に、自分の言ってる事が支離滅裂で意味不明になった辺で俺の無意識が幼馴染みの手を取った感じ?で、今はその再会した幼馴染みと一緒に居る」

 

「へぇ……神崎さんって、その幼馴染みさんと付き合って居るんですか?というか、紹介してくださいよ〜w」

 

「付き合って居るって言えたら良いんだが……俺達を転生させた神が色々やらかしてくれやがりましてねぇ。今、彼女は男性恐怖症な上にカウンセリングの真っ最中。恋人になる以前の話だよ。でもって、今言った通り男性恐怖症なんでお前等に会わせるのはちょっと……子供の姿だから、ワンちゃん大丈夫の可能性もあるが負担になっても困るからなぁ……」

 

『あー……精神的な病ッスかぁ……』

 

「それは、仕方ないッスね。了解しました!」

 

そう、潔く引く転生者も居れば更にしつこく食い下がる者も出た。

 

「えぇー?別に良いじゃん。俺達に怯えても、アンタが慰めてそのままシッポリやれば良いだけだろう?」

 

「いやいや、問題はそっちじゃない」

 

現状の翼が、恐怖の余り暴れ出したりしたらお前等を護って壁になるのは俺達だ。流石に不老不死だと言っても、殴られれば痛いし……翼の一撃となると、ちょっとやそっとでは治らないからな?

ちょっと考えれば、簡単に予想の付くオチに対策を練るのは当たり前の話。そもそも、酷い目に遭うのは双方と確実にわかる。

翼に殴られて、倒れ伏し呻く転生者。その転生者を殴って、気に病むのが翼と来たら会わせない方が良いと言う結論に至る。

 

「それに、アイツの神様特典がかなり酷い誘導をされたみたいで……サ○ヤ人の体質。これは、瀕死から回復するとパワーアップってヤツな?HU○TER×HU○TERの念能力。デメリットが、効果二倍。テ○ルズシリーズの全秘技・魔術をデメリット無しで行使可能にするってヤツな?内容は、説明しなくてもわかるだろう?それで、そのデメリットが『自分の不幸は他者の幸せ』だ」

 

これくらいなら、まあ開示しても問題は無いと思われるけど。それ以上に、それらの特典のヤバさを彼等は理解出来るだろうか?

例え、出来なかったとしてもコイツ等を翼に近付ける気は一切無かった。下手に会わせて、病状が悪化しても困るからな?

 

「えっと……?それは、また、ヤバい感じの特典ですね?」

 

「アンタ、わかってて言ってないでしょ?アンタ達が、無理矢理会いに行ったとしてもしあの子が暴れたら勝てないわよ?」

 

白亜は、わかった振りをする転生者に対して怒り出す。

コイツも、ストーカーに追い回された事で翼の辛さが一部わかるのだろう。なので、軽薄な発言をする転生者に噛み付くし何かを言い出そうとした転生者を睨んで黙らせてしまった。

 

「フン。俺には、全ての攻撃を無効にする特典があるんだぜ?」

 

「言ってる意味が違うわよ!良い?今は、H○NTERXH○NTERの念能力とテイ○ズシリーズの全秘技と魔術は使えなくなってるけど。身体能力は、そのまま引き継ぎだし能力的には生きていた頃の全盛期な孫悟○並みなのよ?アンタは良くても、他が耐えれる訳が無いじゃない!!」

 

『お、oh……それは、また、強い(小並感)』

 

「それに、神崎だって居るのよ!?アンタ達は、知らないかもだけど神崎は《神殺し》のスキル持ちだから神様特典は無効されるんだから特典は使えなくなるわよ?」

 

「ちょ、嘘だろう!?神様特典を無効!?」

 

「マジかよ……つか、それだと神様特典が二つになるんじゃね?」

 

あ。白亜が、変なフォローを入れるから転生者達が騒ぎ出してしまったじゃないか。たくっ……これを納める為に、また付かなくても良い嘘をデッチ上げなきゃならないのか(凹)。

 

「そういう、お前等は……一周目か?」

 

「は!?一周、目?」

 

そこで、黒龍からおかしな発言が飛ぶ。一周目?( ゚д゚)ハッ!ゲームとかである周回を転生に加えるつもりなのか!?コイツは!!

 

「ちな、俺は三周目、だな。記憶と経験を引き継いで再転生!」

 

「それ、俺等を転生させた神が残した【呪い】だぞ?」

 

「うぇ!?て、え?の、呪い!?」

 

「幼馴染み達を、玩具みたいに扱うから俺が殺した。余りにも、目に余る行為をして来るからガチで神様をブッ殺してみた!」

 

言いながら、親指を立ててサムズアップしてみる。

すると、その場に居た全員が、ギョッ!?とした顔で俺に振り返った。いやー、大変だったわ~と宣う俺を正気じゃ無いモノを見る様な視線を向けてドン引きされる。何だよ?別に構わないだろう?こっちだって、色々鬱憤が溜まっていたんだ。アイツは、殺されて当然の事をしたゴミ屑だぜ?責められる理由が、無い。

 

「そもそも、神の目的は人間らしい感情を得た魂の回収だからな?それを手に入れて、器を用意してその魂を使って面白おかしく甚振るのが流行ってたんだと。全く、胸糞悪くなる話だ」

 

「え?……なに、それ……」

 

「ん?ああ。神々の間で、流行っている遊びだよ。娯楽と言っても良い。要は、俺達の【転生】も含めた数ある行いの一つにそういうのがあるんだ」

 

他にもと続けて、俺が知りうる限りの知識を転生者達に植え付けて行く。最終的には、《旧・神族》の胸糞悪い遊びを含めて教えてやった。結果、転生者の神々に対するヘイトが上限を知らなくなる。特に、最後まで翼に会わせろと言っていた難聴系転生者も話を聞いて黙ってしまった。なので、更にそれまで彼女が受けていたであろう胸糞話も付け加えてみる。すると、転生者の過半数が糞ったれな神に憤りを隠せずに滅茶苦茶キレるのだった。

 

「それで、男性恐怖症になった訳か……もし、何の問題も無ければ俺が引き取ったというのに……」

 

「おやおやぁ?死にたいのかなぁ?というか、死亡フラグ建て捲くって居るけど。俺等のヘイトを稼いでも、死から逃げられなくなるだけだぜ?」

 

「因みに、神崎に殺された転生者は周回出来なくなるからな?」

 

「え、マジで!?OK。殺すなら、コイツだけでオナシャス!」

 

「あ!俺、コイツとは無関係なので連帯しないッスよ?」

 

「え!?ちょ、お前等、何言ってんだよ!?」

 

「つか、神様特典が無効化される相手に喧嘩売ろうとかありえないから。だから、自爆するなら俺等の居ない所でやってね?」

 

「あ。コイツの事は、気にしなくて良いんで話を続けて下さい」

 

素晴らしい連携で、話を聞かない御都合耳の持ち主はアッサリ俺の視界から消えて行った。スゲーな?コイツ等、中々やるな!?

その後、転生者には神様転生した奴と地獄の拡張に伴い現世預かりになっている特典を持たない転生者が居るって話になった。

 

「地獄落ちした囚人転生した奴が混じってるのか……」

 

「そうそう。ソイツ等、特典持って無いけど善行を積んで刑期を短くするのに必死だから邪魔するなよ?まあ、そいつ等の中には罪を重ねて逆に刑期を延ばしている輩も居るけど……」

 

「そこら辺の記憶とかどうなっているんですか?」

 

「もちろん、残っているらしいぞ?但し、中には刑期が終わったと勘違いしてはっちゃける馬鹿も居るらしいけどな?」

 

『マジかぁ~……』

 

「俺も勘違いしそう……」

 

「そう言えば、聞き忘れていたんですけど……俺等のデメリット特典って、何かわかるんですか?」

 

フと、何かを思い付いた様子の転生者が神様特典によって発生するデメリット特典についての質問を投げ掛けて来た。そう言えば、削除出来るから選べとは言ったものの内容までは言って無かった事を思い出す。まあ、参考までにと断りを入れてから話し始める。

 

「俺が知っている、神様特典とデメリット特典だけしか答えられないぞ?そうだなぁ……例えば、ハーレム体質なんて裏山な特典がある。だが、その特典には必ず付き纏う厄介なデメリットが存在するんだ。それが、対象となった原作人物達の病んデレ化かな?まあ、わかるとは思うが……そうなった時は、全員に滅多刺しの刑に処されるからな?」

 

『『『ひぇ!?』』』

 

「病んデレ化……滅多刺し……凄い、パワーワードだ!!」

 

「他には、同じ世界に同系統の特典持ちが居ると機能不全を起こすとか、かな?例えば、魅了系能力だと……表面上だけは、自分に惚れて居る様に見えるだけのモノとか?」

 

『表面上……』

 

「例えば、《ニコポ・ナデポ》とかだと微笑みかければメス顔で頬を染めて……撫でれば、メス顔でツンデレる?とか……」

 

「グフッ!それは、また……勘違いが、捗りそうッスね?」

 

「ええ、捗ったわよ。でも、ただの勘違いだったわ。それに気が付かず、すずかを襲ったら……十字架天使の矢を撃ち込まれたわよ!思いっ切り、良い子ちゃんになって気が付いたらTS転生を果たして二周目よ!?…………強くてNEW GAMEだったわ!!」

 

『お、おぅ……』

 

「でもね、でもね!そういうのは、性別そのままでお願いしたかったわ!!なんで、TSなのよ!?そのままで良いじゃない!!」

 

白亜の告白に、周囲の転生者はドン引きしている様子だった。多分、白亜の気迫迫るカミングアウトにこの場に居た全員の心が一つになる。そして、白亜は今まで蓄積して来た鬱憤を晴らす様に文句を言い続けた。それも、頭を抱えてこれまでの地獄をひたすらヒステリックに喚く白亜は何処にでも居る普通の転生者だ。

当然、そんな彼女を見て唐突に現実を目の当たりにして夢から覚めた様な顔をしている転生者も居れば、未だに夢に囚われたまま叶わぬ望みを追い掛け続けそうな奴も居る。こればっかりは、其々の選択だろうから俺達が強要出来るモノでも無いので呆然と豹変した白亜を眺めるのだった。つか、白亜に取って師匠の『お仕置き』はここまで鬱憤を溜め込むモノだったらしい。まあ、自由に出来るとは言え少女化()()()()()強制的に主人公の一角に組み込まれたりしたんだろうからな。

何故なら、ここは()()()()の世界だ。

少女で、魔法が使える白亜なら間違いなく主人公扱いで原作のストーリーに巻き込まれたハズだ。男である俺達が、ソレに関われても半ば省かれていた様なモノではなく問答無用でメインに据えられたハズだからな。その上で、ストーカー被害を被っていたと言うのならこれだけ鬱憤を溜め込んでいてもおかしくはない。

 

「どうどう!白亜。そろそろ、餅つけw」

 

「ぺったんぺっt……何で、餅を突かなきゃならないのよ!?」

 

「おっと、すまんすまん、噛みましたw」

 

「嘘よ。ワザとスレ民用語で言ったハズだわ!!」

 

「いやいや、かみまみた」

 

「ワザとじゃ無い!?」

 

「いや、ワザとだ!!」

 

「どっちや!?」

 

「兎にも角にも、お前に落ち着いて欲しいのは本音だぞ?」

 

「……………………しょうが無いわね……」

 

白亜が落ち着いた後は、話を戻してメリットとデメリットについての話を再開する。その中で、翼が受けた神様特典の話になった。

翼が貰い受けた特典は、メリットが何れも有名所の能力だった事もあってその効果は凄まじいモノになっている。当時は、『自分の不幸は他者の幸せ』が強力過ぎてわかって居なかったけれど。

翼には、そのデメリット特典を強化する特典が組み込まれていた訳だ。それが、特典の効果を倍化する『効果二倍』とだけ示される特典だった。まさか、それだけで翼の持つ特典が倍化しているだなんて思わないじゃないか!しかも、全ての特典にソレが含まれていてガチチートと化しているなんて予想すらしてねぇよ!!

 

「だから、テイ○ズシリーズに付いたデメリットがヤバい。そりゃ、何のデメリットも無しであのシリーズの秘技や魔術が使いたい放題のやりたい放題だぜ?そら、そのデメリット特典が強力なモノになっても当然だよな?ソレが、『自分の不幸が他人の幸せ』だ。何でも、アイツを不幸にすればする程周囲の人間が幸福になれるって特典だ。そんなモンが、他者に知られたらどうなるかなんて予想するまでも無い。高々、己の娘を不幸にするだけで自分達は幸せに生きられるって言うのなら問答無用で貶めるわな?結果、アイツがどれだけ心を痛めても知らない振りをする毒親が完成した。更には、念能力のデメリットで『効果二倍』も反映されるからアイツが不幸になれば成程にアイツの飼い主は幸福になれるってデメリットだ」

 

『『『…………oh……』』』

 

流石にここまで言えば、彼女がどんな目に遇ってきたかが伝わって行く。だから、もう少し踏み込んだ説明をしてやった。

 

「俺等が、保護した時アイツがどんな目に遭ってたかわかってるか?ミッドチルダに居ながら、奴隷みたいな生活を強要されてたんだぞ?それこそ、強姦されて出来た赤子は目の前で殺されたり変態共の変な趣向で赤子が目の前で調理されて食われたり?」

 

『―――――おえっ……』

 

一部の転生者達が、口元を抑えてエヅキ始めると軽い口調で会わせろと騒いでいた馬鹿も絶句した顔で沈黙。流石に、ちょっと感性がおかしい転生者でも食人に対しては思う所がある模様。まあ、何の耐性も無ければこんなモンなんだろう。

 

「だから、俺達が転生した後はアイツを探す事から始める事になる訳だ。なんで、原作になんざ構っていられる訳が無い。そんなもんに構ってたら、アイツがどんな不幸に見舞われているかわかったモノじゃねぇからな。流石に、今世で縁が切れてるとか言ってられねぇから原作そっちのけで幼馴染み達を探す所からスタートだ。まあ、目立つ奴は直ぐに見付かるが……黒龍みたいに、修行馬鹿みたいな奴は中々見付からないんだよなぁ……後は、月詠拓斗だけとなったけど……見付からねぇ!!」

 

「あ、サーセン。マジで、すみません!!まさか、昔の友人が探してくれているとは思わず……山籠りしてました!!」

 

『『『うわぁ……』』』

 

「後は、旅行好きで放浪癖のあるレオだけだな!!」

 

「それ、絶対見付からないヤツ……」

 

「そういやぁ、お前……地球じゃ、野生動物が少ないからって理由で他の無人世界にとか行ってただろう!?」

 

「あー……行ってたねぇ?ナイフ一本で、サバイバルとか楽しかったよ?体力も付くし、チョイチョイやって来る猛獣との戦いも胸踊ったね。しかも、殺られそうになったら魔法に頼ったりしてかなり余裕を持って日々を過ごせたかな?」

 

「地球から出るなよ!探し難いだろう!?」

 

そして、レオンは完全に行方不明である。今は、月詠拓斗と名乗っているからレオンじゃわからないんだよなぁ。まあ、幼馴染み達の間なら通じるんだけど。その癖、宿泊施設の名簿欄には生前の名前を使ってたりとこっちを混乱させる気満々である。

 

「人手が欲しい時に、行方不明とか……コイツと、もう一人が本気で殺したくなる程に憎かったよw」

 

「ごめんて。まさか、かなッチがそんな事になってるなんて思わなかったんだよ!!だから、許して……」

 

「私も、ストーカーに追い回されて怖い思いしてたんだけど?」

 

「まあ……その見た目じゃあなぁ?」

 

「どう見ても、クロエさんッスよね!!」

 

「最初の頃は、完全なイリヤスフィール・フォン・アインツベルンだったけどな。チワワボイスで、下ネタ発言を繰り返してたぜ?マジ、原作イメージ崩壊で辛かったわー……」

 

「テヘペロ?」

 

舌を出して、コツンと自分を叩く白亜。瞬間湯沸かし器の如く、一瞬で頭に血が昇ったけれど何とか己の感情を抑え付ける。

 

「メッチャ、殺したくなる!!」

 

「うん、知ってる。というか、一瞬で膨れ上がった殺気にドン引きよ!!見なさい!神埼の殺気で、チビリっ子になった転生者達を!!可哀相に、こんなに怯えて……」

 

「お前のせいだろう!?」

 

 

 

 

 




幼馴染みネタに一話分もって逝かれた!?
神埼達の話も、多くなったなぁ?最初は、適当に出しただけのキャラだったのにメイン化してバックストーリーを作るハメになった時はこんなにも多用するキャラになるとは思いもしなかったのに…色々、ブッ込めて楽しいけどw

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

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いつも、読んでくれてありがとうございます。

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