絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四九八話

Re:

 

 

今日、俺は高町家にお邪魔している。

何故、俺がここに居るかというと師匠に呼ばれたからだ。だが、何故呼ばれたかというと未だ理由はわかっていない。ただ、呼ばれたから来ただけだったりする。

まあ、その辺りの事情は師匠が話てくれるだろうから良いとして……今、目の前では師匠とヴィヴィオが組手をしている所だった。と、いうかですね?師匠は、ヴィヴィオからの攻撃を軽々と受け止めて何処かで見た様な光景を繰り広げて行く。それはまるで、『H○NTER×HUN○ER』のビスケが殺人鬼の手を取りヒョイッと空中でグルグル回していたソレを実際に見せられているかの様だ。というか、ヴィヴィオの手を掴んだかと思ったら、本当にヒョイッという軽い感じにヴィヴィオが空中に打ち上げられてグルグルと回しているんだよね。

何をしたかまではわからないけど、漫画の再現を見ている様で結構楽しい。まあ、打ち上げられているのがヴィヴィオ以外だったとしてもこれはこれで面白いモノだ。

つか、アレって下手をすると肘が壊れないのかな?

まあ、師匠の事だからヴィヴィオの腕を壊さない様に保護しているんだろうけど……中々に、鬼畜だ。

腕を取って、ポーンとか鬼か!?

何回転かして、地上に戻されたヴィヴィオはかなりヘロヘロだった。というか、目が回っているのが良くわかる。

地面にへたり込んだまま、頭をフラフラさせていて立ち上がる事すら出来ない。つーか、空中に打ち上げられ上下逆でグルグル回されていたんだ。

早々、簡単に立ち上がれる訳が無かったわw。多分、俺がやられても同じ目に遭う気がする。それ処か、あの殺人鬼の如く背中を強打されて沈むまであるだろう。いやはや、全く恐ろしい。

 

「……というか、何の訓練ですか?ソレ……」

 

「訓練?三半規管が、如何に弱いモノなのかを教えているだけだ」

 

「……………………(ニマー)?」

 

意味不明、ここにに極まり。まあ、人によってはそれが弱いせいで車に酔ったりする人も居るから間違いではないんだろうけど。

それ以上に、頭が混乱する様な気がした。上下が逆で、グルグル回されているんだ。三半規管なんて、機能しているのかわからないと思われる。つか、ソレ大丈夫なの!?

 

「…………神崎!」

 

「へ?ほ、は?ちょ、ひゃあああああぁぁぁぁぁ!?」

 

いつの間にか、目の前に師匠が居て呼ばれたから顔を上げたら、腕を取られ立ち上がらさせられて気が付いたらヴィヴィオと同じ様に天地逆転状態で回されてしまっていた。これは、アカン!!

 

「ぁぁぁぁぁぶっ!?ぐへぇ……」

 

最後は、顔面から落ちて……多少、地面で顔面を擦った感じがしたけど。そのまま、地面に倒れ込んで事無きを得た。つか、死ぬ。

いやー、マジ、生きた気がしなかったわ!!

だが、まあ、上下逆で回転する者の気持ちはわかったので良い……のか?いや、だめだろう。というか、なんで俺まで上下逆さまで回転するハメになっているんだよ!?意味が、わからんわ!!

それでも、わかる事はある。これは、アレだ。ブレイクダンスみたいなモノだ。それが、空中で行われているってだけで然程代わらなかった。だが、襲い来る浮遊感と共に見える世界が回る回る。

遠心力も加わって、最後の方にはバランスも崩れるから地面に落ちるまでとても恐かった。そして、ショックの余り直ぐには立てない事も理解できたとも……すまない。すまないヴィヴィオ。俺は、何もわかっていなかった。

これは、とても、意味不明で怖い。

 

「浮遊感が……浮遊感が……」

 

最初は、打ち上げられた段階では世界が回っているだけだけど。時間が経つに連れて、上へと引っ張られるというか……落ちるというかその感じがとても怖いモノへと変わって行くのが恐かった。

いや、最初……打ち上げられた直後は、余り上下とか逆さまとかの感覚は余り無いんだけれど。段々、重力に引かれる感覚が強くなるに連れて上下がハッキリわかった辺で今自分が置かれている状態がわかり難く混乱する。混乱が始まれば、パニック映画の悪循環に陥り混乱が恐怖を…恐怖が混乱を招いて詰む。状況が、把握しきれないっていうのも混乱の原因か?ともあれ、未だにへたり込んでいるヴィヴィオは俺を見てニヤニヤしているので性格が歪んでいるのは間違いない。原作じゃぁ、あんなにも素直で可愛かったのに師匠を兄と慕っているからか崩壊が…崩壊ががが。

まあ、師匠が傍に居るんだ。

性格が歪んでも、致し方がない。

ああ、でも……言わせて貰えるのなら、小悪魔ッポく成長するヴィヴィオも魅力的だろう。だがしかし、どことなく……。

 

「それで、師匠。俺は、なんで呼ばれたんですかねぇ?」

 

どことなく、邪悪な存在に成長している様な気がしないでもないけれど。暗黒の傍に居るから、黒い方面に染まっているのだろうか?ただ、師匠は暗黒というより黄金色の様にも思えるけど。

 

「ん?ああ、それはねぇ……君に、僕の代わりをお願いしたいんだよ。代わりと言っても、君に世界の調整は無理だから僕の代わりにヴィヴィを見てやって欲しいんだ」

 

「お断りします……」

 

Σ( ゚д゚)ハッ!?

 

師匠の願いを聞いて、襲撃して来るであろう転生者達が瞬時に頭に思い浮かんで来て思わず俺はお断りの言葉を口にしていた。というか、下手にヴィヴィオと関わると俺の平穏が崩れる可能性がある。いや、間違い無く崩れるだろう。故に、ついつい断ってじった訳だが……元より、俺に拒否権は無いのでその『お願い』も命令みたいなモノだ。それに、それを肯定するかの様に断った瞬間から師匠の圧が高まっている。まだ、顔を上げてないから師匠がどんな表情をしているかはわからないけど……上から、押さえ付けられる様な圧が俺にのしかかっていた。

 

「ほぉ?つまり、君はこの世界から出たくは無いと言うのかな?」

 

「いえ、そんなつもりでは……それに、未だこの世界の問題も解決していないですよね?まだ、『全』に加わる力がある様に思うのですが……」

 

「フム……確かに、未だこの世界では世界を開く可能性が残ってはいるな?だからと言って、世界の調整を後回しにする必要は無いと僕は判断するけど?」

 

はい、正論です。とは言え、出来るなら『切り札』である師匠をヴィヴィオの傍から遠退けたりしたくはない。

それに、高町家に居たとしても世界を調整する事は可能だろう。まあ、既にヴィヴィオの傍にガッチリ侍っている理由も無くなっていたりはするんだけれど。頭を過るのは、どこぞの『ながらスマホ』で死んだ高校生。彼さえ、排除出来たらここまでガッチリヴィヴィオに侍っている必要性は存在しない。何せ、彼は巻き込み系のデメリットを持っていた転生者だったから。彼が、デメリット特典を失った時点で師匠がヴィヴィオに侍っている理由は存在しなくなった。それでも、師匠が()()に居る理由はヴィヴィオが【ヴィヴィオ】だからだろう。妹だと、言っていたもんな?

 

「……そう、なんですけど、ね?契約なんで、原作には関わりますが転生者を相手にしたいかと言われると……嫌なんです。まあ、それも契約の内だと言われればそれまでなんですけどね」

 

「……面倒なのは、良くわかる。だが、ここはそういう世界だ。諦めるしか無いだろう?」

 

クソォ……ド正論で、返されてしまった。まあ、わかっていた事ではあるんだけれど。つか、ここは『デスヨネー』と返すべき場面だ。だが、それでも関わらなくて済めばと願ってみた。

 

「いっそうの事、等価交換の原則を使った『一生に一度の反則』がある事をバラしてみましょうか?それで、師匠の方に転生者が流れる様にしてみようかな?」

 

「…………別に構わんが、【個】にのみ使用可能だと反論するぞ?後は、『何かを得る為にはそれ相応の代償が発生する』ともな?」

 

それは、ガチンコの等価交換を使った代償対価の魔法。

因果すらも捻じ曲げる、本気の反則技だ。男を女にしてみたり、絶対的な負けイベントで勝利を治めたり出来る様なとんでもない魔法。

ただし、原則的に物理以外の等価交換が組み込まれているので下手をするとその場で人生終了を申し付けられる可能性があるヤツ。

 

「……ギリ、三回まではイケるんでしたっけ?」

 

「普通の人で、二回。転生者なら、三回が限度だな……それ以上は、どれだけの対価を持って行かれるかわからない」

 

転生者の場合は、神様特典を持っている場合でのお話し。もし、特典を持っていなければ己のナニカと引き換えに願いを叶えられるっていう怖い面があったりする。それでも、【全】に属しない願いであればどんなモノでも叶えられるらしい。そんな、鬼畜魔法なので終わっている転生者に取っては喉から手を出してでも欲するチャンスだ。特に、原作に関われない転生者に取っては、ね。

 

「等価交換かぁ……錬金術の場合は、努力すればとか言われていましたけど、ね?でも、違うんですっけ?」

 

「努力なんて、誰にでも出来る話じゃないか……違うよ?そりゃ、必要な努力は行わねばならないけど。でも、それだけじゃぁ足りない。必要なのは、其々に合った理解度?」

 

「…………理解度?って、勉強とかならわかりますけど……」

 

「いやいや、馬鹿には出来ないぞ?理解度。ぶっちゃけ、代償対価の魔法に必要なモノは擦り合せや妥協だ」

 

言われて、いつか見た代償対価の魔法を思い返す。あの、鬼畜設定の魔法のどこに妥協なんてモノが潜んでいただろうか!?かなり、問答無用に代償を毟り取っていた様な気がするんだけれど?

 

「妥協、なんてありましたか?」

 

「仲介人の妥協だぞ?実際、これまでに取られた代価なんて生温いからな?マジで。色々、擦り合わせたり妥協しているからな!?」

 

正式な選別法に則って、対価を決めていたら願った者も願われた者も存続できなくなるらしい。つか、【願い】に対して願った者と願われた者にも支払いを求める魔法ってかなり鬼畜である。

 

「御都合主義は無い。願われた者も、その願いの対価を支払うのは間違いではないぞ?この世に、偶然というモノが存在しない限り付いて回るのが必然だ。でなければ、世界は法則の存在しない無法地帯となってしまう。そうなれば、どうなるかはわかるか?」

 

あの世とこの世が融合して、死者の魂が現世に戻って来るんですよね?どんな人にでも見える存在として。

霊媒師の専売特許が、万人にも見える様になるとか頭が痛すぎる。

 

「というか、仲介人にも対価って発生するんですっけ?」

 

「もちろん。魔力が有れば、ソレを大量に持って行かれるな。魔力が無い場合は、別のナニカで代用して仲介するけど……」

 

ソレが、血肉だった場合は【黒魔術】と呼ばれるらしい。

『悪魔の儀式』とは、良く言ったモノだ。これ以上に、その名が相応しい魔法も無いだろう。故に、代償対価の魔法は噂に埋もれ易い。悪魔を召喚するのでは無くても、それに相応しいだけの理由を携えているから誰も彼もに忌み嫌われる。まあ、その効果もエゲツないモノが多いから万人受けはしないんだけど。

 

「例え、術者が当人だったとしても……いや、当人であれば尚のこと代償となる対価は重くなる」

 

大分前に、存在そのものを失った転生者が居たけど……アレって、そういう事だったのかも知れない。つか、代償対価の魔法は転生者の場合のみ三回までが使用限界……と?マジ、怖い。

 

「《神殺し》の先輩方でも、使う方は少ないんですよね?」

 

「ほぼ、居ない。身を滅ぼす、特異魔法だからな……」

 

「…………でも、師匠は使いましたよね?」

 

「うん、使うかな?まあ、僕の場合は軽減されるから問題が少ないんたけれど。でも、問題が無い訳じゃ無いからオススメはしない。下手をすると、正式な法則に則って発生するかも知れないからなぁ……代償対価の魔法」

 

「その場合、転生者の願いはどんな対価が発生しますか?」

 

「ハーレムとか、恋愛成就だよな?……心が、無くなるとか?」

 

「「ひぇ!?」」(白目×2)

 

「……究極的に、性欲が失われる?もしくは、記憶の消失とか……後は、良縁の無い人生?重みが無くなる……って事は無いか。アレは、誰かに預けないと発生しないから――」

 

更に、師匠はブツブツと対価になりそうな事を呟いて居るけど俺やヴィヴィオはそれ所じゃ無かった。安易に、転生者か師匠の元へと流れる様にしようとしたばっかりに藪蛇になってしまった形だ。つか、『ハーレム』を願ったら対象となった者(ハーレムに加えたい女性)か願った者から心が失われるとか洒落にならないんですが!?

後、師匠の呟きから複数の法則が確認出来る。

先ずわかるのは、『鋼の錬○術師』や『CL○MP』系作品の幾つかと魔術師系の物語や『化○語』等の怪奇現象系の作品関連。それ等を、粘度の様に一つに纏めてコネコネした結果の様な気がする。

どれが、どんな風に纏まっているかはわからないけど……代償・対価の話を聞くに、碌でも無い纏まりになっている模様。

 

「とりあえず、代償対価の魔法は使わない方向で……」

 

「まあ、使う気は無いけど……了解した」

 

等と言ってるけど、師匠ってば必要だと感じた時は容赦なく使いますよね!?しかも、一番キツいヤツでガツッと。今までだって、使ったらかなりエグい事になっていた様な気がする。

 

「『全』は『一』。『一』は『全』ってのは、『ハ○レン』だった気がするし……記憶云々や、想いが失くなるってのは『カードキャ○ターさ○ら』か?」

 

兎にも角にも、様々な物語で出て来た設定がかなりゴチャ混ぜになっているのはわかった。だが、性欲とか記憶が失われるってのは聞いた事が無いんだけれど?

あ、『Fa○e/stay ni○ht』か『空の○界』か!?

詰まる所、そういう系統の法則がゴチャ混ぜな訳だ。

そうなって来ると、俺の頭では何がどうなるのかとかわからない。

 

「面倒くせぇ……超面倒くせぇ。クソッタレな法則が、どこに落ち着くとか意味不明じゃんか!?」

 

だとしたら、転生者にソレを知られる訳には行かない話になって来たな?ぶっちゃけ、『全』に属する願いは叶わないとするにしても『一』に対しては干渉したい放題だからな?つか、『全』に干渉したら世界が()()()()()じゃないか。だからこその《神殺し》でありウチの師匠……てか、《R・B》な訳で。世界が、開かない程度に干渉しなければならいってのが俺達の仕事だ。

 

「1、2度、間に合わなかったけれど……」

 

「『個』としての究極の『一』を求める癖に、行うのは『全』への干渉だって言うんだから転生者ってのは我儘だよな?」

 

「前者が、『俺TUEEE!!』で……後者は、御都合主義ですね?」

 

そう、言われると反論も出来ない。というか、異世界転移&転生そのものが御都合主義無しでは成立しないって言うんだから諦めれば良いのに……どいつもこいつも我儘だな?

 

「つか、俺は井戸水の話を聞いた辺で異世界転移や転生はお断りって事になったけどな。そもそも、井戸水が汚水でしかない件」

 

「あー、公衆トイレと大衆浴場云々の件か……というか、誰だ!?そこまで、深く考えた奴は!?現実に愚直過ぎるだろ!?まあ、(仮)の話からすると街の七割は腹を下しているらしいが……」

 

「井戸水が、汚水だって確定じゃないですか!?」

 

全ての原因が、井戸水って訳じゃ無いんだろうけど町人の半数以上が腹を下している時点で井戸水=汚水の図式が成立してしまう。

というか、あの人……なんで、そういう統計を調べて居るんですかねぇ?暇なのか!?暇だったのか!?とは言え、そのお陰で俺は異世界転移を諦めた口だ。まあ、今の立場なら幾らでも行けるんだろうけど。だが、行きたいとは思わない。行くとしても、先ずは料理スキルをGETしてからにして置きたい所。

 

「料理スキルをGETしても、井戸水の蒸留から始まるから調薬スキルを取って置く事をオススメする。気が付いたら、錬金術含む生産系のスキルレベルが軒並み上がるからなぁ……」

 

「悲しい現実……何が悲しくて、異世界転移したら先ず最初に飲水確保からスタートしなきゃならんのか……」

 

「SAOモドキ世界でも、井戸は窪地にあったからなぁ……しかも、雨が降ると井戸の周りは水没するらしい」

 

そう言う師匠は、あちらに居る【鮮血の】さんに井戸の補強をオススメしてやがったけど。そして、そんなアドバイスを受けた【鮮血の】さんは現在……あの世界で、下水工事を急ピッチで進めているそうな。各国でw。毎日、穴を掘って水の通り道を配置し埋める作業をひたすら繰り返しているとか。大変だなぁ?

 

「お陰で、こっちに顔を出さなくなっただろう?」

 

「ええ、まあ……お陰様で、平穏な日々を過ごさせて頂いておりますとも。唐突に、頭だけをこちらに出されて驚くなんて事が無くなったからとても平穏です」

 

居なくなると、色々と心配になる存在ではあるが……居なければ、安心して過ごせるので有り難い。というか、あの神出鬼没な面だけが面倒なだけでそこそこ便利なのが【鮮血の】さんである。

今も、SAOモドキ世界で猛威を振るっているみたいだけれど。

あの人の場合は、仲良くなった住人が居ればあの世界を切り捨てないとわかっているから安心して任せられる。

 

「…………任せて良いんですよね?」

 

「…………大丈夫だろ。途中から出て来て、引っ掻き回したんだ。その責任は、取らせるさ……」

 

その割には、あっちこっちに現れるみたいだけれど。ここは、師匠を信じて置く事にしよう。あの人が、失敗しても師匠が何とかしてくれるさ。きっと……多分……もしかしたら……うーん。

 

「転生者達が、また何仕出かすかわからないですけど、ね?」

 

「ああ、それは問題無い。今、あの世界には里希が居るからな」

 

「…………サキ、さん、ですか?」

 

「ああ。アイツが居れば、【鮮血の】が機能するからな。ありとあらゆる物質を創造できる能力者が居るんだ。後は、【鮮血の】の独壇場だよ」

 

「え゛!?サキさんって、物質創造能力を持ってるんですか!?」

 

「そりゃ、里希は創造主の一柱だからな?物質創造は、お手の物さ。そして、【鮮血の】とタッグを組んでれば……最高だろ?」

 

SAOモドキ世界が、ファンタジー世界からSF世界になっちゃうじゃないですか!?ちょ、自然破壊とかやらかさないで下さいよ!?今度、あの世界に行った時に世界が魔改造されてない事を祈る。

というか、あの引き籠もりの集団に【鮮血の】さんを与えて良かったのだろうか!?絶対、碌でもない事になるぞ!!

 

「信用が無いなぁ……」

 

師匠のその呟きは、頭を抱えて悶絶する俺には届かなかった。だって、あの世界に居る奴等はどいつもこいつも廃人と呼ばれるレベルのゲーマー達だ。そんな中に、【鮮血の】さんなんてチート能力者とサキさんなんてチート能力者を投げ込んだらどうなるかなんて想像するまでもない。それでなくても、スタンビートという危険性のあるファンタジー世界で戦士となる彼等を引き籠もらせる様な事になったらどうなる事か!そんな、心配ばかりが先走って俺は頭を抱えるだけとなった。ど、どうしたら良いんだ!?

このままじゃ、あの世界が滅びてしまう!!(苦悶中)

 

「ヴィヴィは、あんな風になっちゃ駄目だよ?」

 

「う、うん。というか、何言ってるのかサッパリわからなかったんだけど……」

 

「仕事の話だよ。仕事の話。ただ、それがとても難解な話だから根底を理解してないとチンプンカンプンになるだけだから……」

 

白亜でも、チンプンカンプンになると思われるけどな。つか、その辺りの理解度をこっちに丸投げされている。だから、アイツ座学辺りで死にかけるんだよなぁ。そして、訓練で躓いて鍛錬で逃げるから始末に負えない。とりあえず、アイツは棒立ちで魔法を使ってれば良いだけだったから今も同じ失敗をしている。もう、棒立ちの時代は終わったんだって事を理解すれば何とかなりそうではあるんだけれど……まだまだ、《神殺し》になって日が浅いからそこの辺りがわからないらしい。剣製が出来て、他の魔導師よりかは動けるハズなのに上手く身体が動かない模様。

 

「仕事かぁ……もう、あの頃みたいにゆっくりは出来ないんだね」

 

「あの頃も、今とは違う忙しさはあったけどな?」

 

「ま、まあ、そだね……主には、シャマル先生とはやてさんが色々やらかしてくれたからなんだけれど……」

 

「今は、()()()なんだろう?」

 

「まあ……うん、そうなんだけどね……」

 

「片鱗は、あるからなぁ……」

 

「アハハ、ハ、ハハ……はぁ……」

 

「とりあえず、ヴィヴィオの件は了解です」

 

「ウム。覚悟は、決まったか?」

 

「とりあえず、ヴィヴィオの件は了解です」

 

「…………何か、条件がありそうな物言いだな?」

 

「白亜も、連れて来て良いですか?生贄に、捧げたいと思います」

 

「…………ストーカー被害に、泣きが入りそうだな?」

 

「ずっと、座学も大変でしょう?アイツ、座学が終わってからグチを言うのが日課になっているみたいなのでこっちで揉み上げたい所ですね。ええ、ついでにトラウマも治した方が良いでしょう」

 

「…………怒っているのか?お前……」

 

「まさか!怒ってなんていませんよ?ただ、ウゼェなぁとは、思っていますけど。いずれは、突き当たる問題じゃないですか?」

 

そんな訳で、白亜の馬鹿もこっちに連れて来られる様になりました。それによって、俺が転生者共に絡まれる事が無くなったりはしないだろう。だけど、その時間というか回数は減らす事は出来る。まあ、師範代達も巻き込みたい所ではあるんだけれど……そっちは、期待しない。翼の護りを、減らす訳には行かないからな?

 

「なんで、苦手とか言ってないで向き合えって言ってるんです。穂波程じゃ無いにしろ、トラウマまんて克服してしまえば良い訳ですから……それに、棒立ちで戦わせる訳には行かないんですよね?なら、そこら辺を理解させないと何時までたっても棒立ちッスよ?ここらで、それが無理だって教えないと……ねぇ?」

 

「…………お前、本当に僕に似て来たな?そんな所まで、真似せんでも良いんだぞ?お前は、お前らしくなれば良い」

 

「…………真似してるつもりは無いんですけど……」

 

「なら、染まってしまった……か?」

 

「神崎さん、お兄ちゃん色に染まっちゃったんですか!?」

 

何故だろう?その言い方は、間違いでは無いハズなのにとても不服な気持ちになる。つか、段々反論したくなるんですけど?

 

「クックックッ。まあ、ヴィヴィにそれを言う権利は無いけどな?さて、ヴィヴィの育成法はわかっているな?」

 

「…………それが、原作に由来するモノであるならば……ですが」

 

「ああ。それで、構わない。ノーヴェと連携して、ヴィヴィが無茶や変な事をしない様に監視しているだけで良いぞ?」

 

「ええ!?ちょ、わたし、そんな事しないよぉー!?」

 

「了解であります!」

 

原作のヴィヴィオとは、違うとは言え彼女が辿る無茶振りは多分原作のヴィヴィオと然程変わらないハズだ。

なら、俺がやるべき事はヴィヴィオが変な事を思い付いて即行動に移さない様に監視する事だろう。未だ、目の前に居る彼女がおかしな行動を取る事は起こってないが片鱗はある。特に、ウチの師匠に対する事で目を離した隙にって事には前科があるからな。

 

「じゃ、後はよろしく〜♪」

 

 

 

 

 




この物語の『等価交換』やその周辺の法則について…
それに組み込んだ?物語を一部紹介。
基本的に【CL○MP】さんの作品ネタを中核にハメ込んで【鋼の錬金術師】の錬金術法則。【Fate/stay night】の魔術関連、月姫(同人ゲームの方)、地獄少女、本当にあった怖い話等。他には、マイナーな話で【よくわかる現代魔法】等があります。それらを、辻褄合わせして新たに組み込めそうなヤツはチョイチョイ組み込んで行く様にしたら膨大になったw
まあ、他の設定も似た様なモノなんだけれどw
そんな感じで、似通った設定を集めて一纏めに使っているからか集まって来るネタも大体同じ様なモノへと変わって行って…それでも、新しいネタは次から次へと増えるのでそれなりに楽しく法則設定を作っているって感じですかねぇ?。やってる事は、物語に出てくる◯◯法則系のネタを集中的に集めて考察して解体して個となった法則を考えているだけなんだけどね?これが、中々に面白くって奥が深い。ついつい、おかしなモノを追加したくなるんだよねw

それらが、絶妙な感じで混ざってて中々上手く纏まったと思っているよ。言葉にするのも、難易度高いからねぇ?それが、言葉に出来るだけならマシな方。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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