絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四九〇話

神崎:

 

 

ウチの師匠が、インターミドルチャンピオンシップで無双している!!あ、どーも!師匠を高町家に売って、悠々自適な日々を送っている神崎大悟です。

あれから、一ヶ月程が過ぎました。

その間、俺達は転生者の洗い出しと悪質かつ悪辣な転生者の排除をして来ましたが問題の無い転生者が居なさ過ぎて殲滅戦をしている様な気分です。今日も今日とて、元気に転生者を屠っていると……遂に、ユーリがキレました。

どうも、師匠成分が枯渇して補充したいとのこと。

まあ、それに賛同する形で暗黒堕ちすずか様まで狂気を撒き散らし始めたので至急師匠にヘルプを入れた所。

師匠は、難色を示されていましたがすずか様の暗黒堕ちを進言した所戻って来る事になりまして……敷いては、原作人物達との顔合わせをするハメとなりました。

何故かと言うと、高町ヴィヴィオに師匠がこちらへ一時的に戻るって話が伝わったからだとか。

どこから漏れたんだ!?とか、監視でもされていたんじゃ!?というアレコレについてはスルーして、アグレッシブなヴィヴィオをかわし切れなくなった師匠が折れた形。師匠の妹君は、余程ブラザーコンプレックスを拗らせていらっしゃる模様。

もちろん、事情を話す事に抵抗は無いそうですが……大丈夫ですか?ぶっちゃけ、すずか、アリサ、カリムといった原作主要・副人物が増える事になりますけど!?

すると、『出たとこ勝負だ』と返されました。マジかぁ……。

 

「全く、ウチの師匠がムチャを言い出して……」

 

「そう言えば、トーマは?」

 

「あー……トーマは、一度戻って来て大人モードで再チャレンジ中?騎士には落ちたけど、雑務方面で面接を受けたんじゃ無かったかな?結果は、聞いてない」

 

「うわぁ……おざなりだね?なんで、聞かないの!?」

 

「帰って来ないからだよ。多分、雑務の方に受かって仕事しているんだろう?アイツ、定時連絡も出来ないくらいに忙しいらしくて全く話も聞かねぇよ!?」

 

「それ、ホントに生きてるの?」

 

「さぁな。ヘルプは来てないから、普通に潜入できているんじゃ無いか?下手を打っていれば、こっちに強制送還されるしなぁ?」

 

それに、フレールくん経由では報告が上がって来ているから問題は無い。無いんだけど、アイツ本当に女難の相が出過ぎだろう!?

何故なら、ナンバーズの双子にシスター・シャッハとかシスター・シャンテに絡まれてヒィヒィ言わされているらしい。もちろん、肉体労働でだぞぉ!?決して、エ口い方面の話ではない!!

そして、最近では騎士カリムに背中を踏まれていたと言うんだから笑える。アイツは、いったい何を目指しているのやら……変な扉とか、開いたりしないでくれよ?

後、ちょっとハーレム体質過ぎやしませんか?何なら、ハーレム形成しても良いんやで?ソレをネタに、イジり倒してやるから。

 

――やーい、ハーレム野郎w。いや、女難野郎?

 

「ああ。後、顔合わせにはこの世界の当人も一緒に集まるらしい。流石に、同じ顔の人間が二人も居れば納得するだろう。プロジェクトFATEを使って、クローニングしたと騒がれない限りは傍観スタンスで行くぞ?」

 

多分、記憶のすり合わせとかやるつもりだろう。そうすれば、クローニングとかの可能性が潰れるからな。多少、歴史が変化しているとは言え大体の流れは同じなので目の前に居るのが自分である事は納得して貰えると考えている。つか、この時期に地球からアリサ達がミッドチルダに来るなんて話無いぞ!?

 

「うわぁ……大所帯だね?ここに、転生者も加わって大混乱になるんだね?下手をすれば、『二人居るんだから一人くらいは俺のモノにしても良いだろう?』とか言い出す馬鹿が出そう……」

 

「来るなっつっても来るだろうし、そんな馬鹿を言い出す馬鹿は居るだろうな?だが、言ったが最後だ……」

 

「存じております!てか、言った奴は勇者で良いんじゃない?」

 

ああ、勇者だとも。例え、その後にコマ落ちする運命であっても俺達の心には残るだろうさ。愚者(勇者)として、なぁ!!

 

「というか、魔王様は何しているの?」

 

「ん?何がだ?」

 

「ずっと、一緒に居るよね?」

 

「まあ……そうだな。とりあえず、師匠の事は置いてやれ……」

 

白亜が言っているのは、仕事中とトイレや風呂以外はずっと高町なのはと共に居る幼児姿の師匠の事。だが、気にする必要性は無い。アレは、多分……構い倒しているつもりなんだろう。

何か、色々邪魔している様にしか見えないけど……師匠なりの構い方とでも思えば気にもならない。てか、幼児姿とにゃんこモードでずっと高町なのはの近辺に居られる師匠が恐ろしい。足元ウロウロしてたら、踏まれそうにならないか?とも思うけれど。

そんな事案は起きてないし、たまに高町なのはがフラフラしているくらいで本当に危険な行為まではやっていない。料理中は、肩に掴まっているか背中をよじ登っているだけだし……高町なのはが、手に何も持って無い時だけ足元をウロウロしている。

叱られたら、上目遣いでウルウルして手をペロペロしてご機嫌伺いもしているから……師匠が、とてもあざとく見えるだけだ。

つか、高町なのははそんな師匠に陥落している。しかも、メッチャ嬉しそうなので気にする必要も無い。

 

「あざとい!師匠が、とてもあざとい!!」

 

「なのはちゃんばかり、ズルくない?」

 

ひぃ!?いつの間にか、すずか様が俺の隣で師匠のあざとい姿を閲覧していた。しかも、ダークサイド堕ちした状態で、だ。

一瞬、悲鳴が喉から出掛かったけど何とか飲み込んだ。

てか、すずか様がとても怖い。因みに、普段のすずかは『すずか』と呼ぶがダークサイド堕ちをしているすずかは『すずか様』と呼んでいる。そうする事で、普段のすずかと差別化して置かないと色々面倒事が起こるので闇堕ちすずかは『すずか様』で統一した。

俗に、『ダ○ス・ベ○ダー()』みたいなモノだ。

だって、普段通り話し掛けたら闇堕ちすずかだぜ?思わず、悲鳴を上げる奴がそこそこいるんだぜ!?白亜とか、アリサとか、俺とか。なので、闇堕ちしてる際のすずかは『すずか様』と呼ぶ事にした。みんな、ノリノリでOKをくれたので今ではアリサでさえも『すずか様』と呼ぶw。本人は、不服そうだけどなw。

 

「なら、要求してみたら?ええ、今の状態でなら二つ返事で受けてくれると思うよ?…………怖くて……」

 

「それじゃ、駄目よ。双夜が、自発的にしてくれなきゃ満足出来ないじゃない。ああもう、なのはちゃんばかりズルいっ!!」

 

良し。このまま、俺はフェードアウトするとしよう。

フレールくん、そのまま師匠の映像を流して貰っても良いかな?では、お疲れ様です。そう、アイ・コンタクトをフレールくんに送って俺はその場から離脱する事に成功した。若干、フレールくんがヘルプを送っていた様な気もしないでも無かったけど……空気に融けられるフレールくんなら、何時でも離脱可能でしょう?大丈夫、大丈夫。もう暫く、時間を稼いだら逃げてくれても構わないから。

そう、別のフレールくんに言って俺達は闇堕ちすずかから逃げたのだった。流石のフレールくんでも、闇堕ちすずかは苦手らしい。

もしかすると、悪意的なモノに弱いのかも知れない。そんな風に、俺はフレールくんを考察していたが……実際には、師匠が大元なので師匠が苦手としているモノを苦手と認識しているだけだった。

 

「ねぇ、神崎……この世界の転生者、ちょっと多くない?」

 

「多少の変革が、転生者が減る度に起こっているみたいですね」

 

「だが、その変革も対象となった転生者が関わったモノのみだの」

 

「つー事は、転生者が追加されてねぇって事だよな?」

 

「そうですね。追加されていれば、もっと大きな変化が世界を覆い尽くすでしょうから転生者の追加等は起きてないみたいです」

 

「つまり、そろそろ複製限界が迫っているって事か……」

 

もしくは、既に限界を越えていてこれ以上の複製ができなくなっている可能性もある訳だ。だからこそ、一つの世界にヒロイン数を超える様な転生者が犇めき合っている。

そんな、状況に追い込まれつつある。いやはや、酷い状況だな!というか、世界の追加に限界なんて無いと思ってました。

 

「似た様な世界史でなければ、それこそ無限に複製出来ただろうが……どの世界も、原作?というモノに近い歴史を辿るからの」

 

「それでは、乱立させる意味がありません」

 

「異なる歴史になるからこそ、其々に見合った特色を得られると言うのに……我等が主でさえも、結末を変化させようとさせておったであろう?例えば、居ない人物を居させたりの?」

 

それは、プレシアとかアリシアの事を言っているのだろう。もしくは、アインスか……言われてみれば、残される人物が毎回違っていた様な気がする。成程、そういう理由で師匠は調整を掛けていたのか……同じ結末を齎せば、直ぐに限界が来るだろうからと。

 

「……ネタが尽きたから、現在は手を出したく無いって事?」

 

「変えられる結末が、転生者の動きによって今一な結果だったからですよ。我等がMasterが、手を加えた世界よりも転生者が干渉した世界がより異質なモノであれば問題無かったのですけど」

 

つまり、転生者のほぼ全員が原作厨だったという事が……まあ、それが無難っちゃぁ無難な結末だもんな?下手に、未来を変えたらどうすれば良いかなんて誰もが判断出来なくなる。だからこそ、原作に沿う形で物語を進めたがる馬鹿が多いって訳だ。

 

「自称主人公の癖に軟弱なんだよなぁ……」

 

とは言ったものの、俺達の場合はやらかし過ぎておかしな結末になってしまったんだよなぁ。確か、歴史を変えた癖に主人公を無力化した挙げ句の果に途中退場して管理局崩壊なんて未来を引き当てたんだっけ?本局が襲撃されて、皆殺しにされたと師匠に教えられた。まあ、それくらい大きな変化でないと世界に残れないらしいけど……それ、完全にバッドエンドですよね!?最終的に、次元そのものが消し飛んだ挙げ句、アースラに積んである物資が底を突いて餓死したらしいけど……バッドエンドですよね!?

そんな事になるくらいなら、ちょっとリスクが高いかも知れないけど……是非とも、削除・整理をして貰えないか?と進言してみたい。ソレが可能なら、そもそも今みたいな状態に追い込まれなくて済むじゃないか!?なのに、ソレをせずに世界と世界を融合するというんだからおかしな話である。

 

「因みに、創造や複製した世界を削除した場合……《神殺し》によって、消されますよ?何故なら、生じ動き出したモノを私的な理由で消去するのは《神殺し》の断罪対象となります」

 

「あ!そう言えば、そんなルールがありましたね!!」

 

そうだった。神に限らず、創造主と呼ばれる存在が創り出した世界は無闇矢鱈に壊したり消したりする事が出来ない。余程の理由が無ければ、断罪対象となって《神殺し》達から追い回されるんだった。しかし、世界の複製限界は『余程』の事に該当しないのだろうか?ならば、『余程』に該当する事象ってなんだ?

 

「フム。どの様な事が、『余程』となるのか、か。それは、他の世界までも巻き込んで殺戮ないし乗っ取りが行われた場合だの」

 

は!?『殺戮』!?『乗っ取り』!?

 

「…………それを、神々が行うのですか?」

 

「いえ。その世界に住まう存在を含む全てに置いて、ですね」

 

「…………全て?」

 

「……世界の意思も含まれます」

 

世界の意思……まさか、ソレが他の世界を乗っ取ったりするんですか!?ちょ、え?マジで!?つか、そんな事が出来るくらい世界の意思ってのは強い意識なのだろうか!?

 

「正確には、世界そのものを取り込む事を言うの」

 

「様々な要因が、重なり世界と世界が融合する事があるのです」

 

「物資の移動による重なり現象とは異なるぞ?」

 

「アレは、融合というより1×1=1が起きてしまっただけです」

 

「融合の場合は、1×2=2だからの?」

 

えっと、前者の方が融合ッポク聞こえるのですが……違うのだろうか?と思っていたのだが、良く良く話を聞けば違いました。

前者は、文字通り一つになる現象だそうです。

後者は、ぶっちゃけていうと宇宙が2倍になるんだそうだ。なので、融合というより取り込まれたと表現した方がわかりやすいかと思われる。ただ、師範代達のイメージがシャボン玉やパズルゲームのぷよ○よが元になっているらしい。故に、そういう表現になるんだって。

 

「隔たりもありませんし、擬音で言えばニュルッと一つになるイメージがあるのです」

 

「ウム。しかし、『取り込まれる』かぁ……中々、良い表現であるな?次からは、そう伝える事にしよう」

 

「ですが、『取り込まれる』では【呪い】にそういう表現が使われていませんでしたか?」

 

「んぅ〜ぅ?あー……そう言えば、あったのぉ?しかし、コレは世界の話であるが故、大丈夫では無いかの?」

 

「世界……【呪い】……取り込まれる……フェシタリカゾーン?」

 

「あ……そう言えば、そんなモノもあったのぉ?」

 

【フェシタリカゾーン】?聞いた事の無い名称が出て来たんですが?世界・呪い・取り込まれる…で、何かしらがあるらしい。

 

「まだ、教えられるレベルには到達していませんが世界が呪いに汚染されて周囲の世界を取り込んで行くという現象があるのです。それも、『余程』に該当しますので覚えて置いて下さい」

 

嫌な話を聞かされた気がする。というか、『余程』分類ですか。つまり、強制的に世界そのものを削除できる対象事象って事ですよね?

一瞬、一つの宇宙が大きな口を開けて周囲の宇宙をパクパク食べる様なイメージが頭に浮かぶ。パ○クマンか!?ヤベッ…超コェー妄想が浮かんじまった。忘れよう。

 

「まあ、なにはともあれ……地球組のスケジュール調整待ちで良いんだよな?一日もあれば、事足りる話になるのか?」

 

色々不安ではあるけど、気を取り直して俺達は顔合わせの日を待つ事にした。

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

一週間後。

異例のスピードで、地球組を含む原作人物達との顔合わせの場が整えられて師匠が秘密基地へと戻って来た。戻って来た瞬間、師匠成分に飢えたユーリとすずか様が師匠に飛び付いていたけど。その事実から目を逸らし、会場へと向かう。その際、師匠は大人数での移動は面倒だからとすずか様達を紫天の書へとサックリ回収して封印までしていた。それを見ていた俺達は、師匠の鬼畜度が上がっているのを感じつつドン引きしている。

まさか、そのまま連れて行くんじゃなくて紫天の書に回収してから連れて行くとは……師匠、死ぬんじゃね!?

 

「つか、この後とか会場とかで爆発しませんかねぇ?」

 

「なんて、恐ろしい事を……あのすずか様を……」

 

「問題ない。覚悟の上だ。それに、ユーリとヴィヴィは蛇とカエルになるから闇堕ちすずかだけを相手にすれば良い」

 

「蛇とカエルって……三竦みじゃ無いのでは?」

 

プイッと顔を逸して、師匠は秘密基地から出て行ってしまう。つか、俺達はこのまま行っても良いんだろうか?というか、翼はこのまま置いて行きたいんですけど!?

そもそも、俺は行かなくても良いですよね?そんな事を考えていると、師匠が戻って来て『お前も来い』とか言い出した。マジッスか!?俺も、行かなきゃならないんですか!?

 

「白亜とテオルグ達は来るな。面倒だ」

 

「あ、成程。Fate/st○y ni○ht組は、居残りですか……」

 

「前回で、懲りているだろう?お前等は、ここで待機だ」

 

「りょ〜解!また、ストーキングされる事になるのかと思ったぁ」

 

「アレは、流石に我々でも気色悪かったですからね」

 

「では、兄様。行って来るが良い……いや、行って下さいませ!」

 

クソ羨ましい。

何故、俺だけ転生者の前に立たねばならないのか。

師範代達と一緒に、秘密基地で待っていたいのにこの仕打ち!!

 

「それでは、兄様。囮頑張って、いってらっしゃいませ……」

 

クソォ!含みがある様に聞こえる!!

そんなつもりは……あるかも知れないけれど、メッチャ羨ましくて含まれている気がした。『ざまぁ』とか言い出したら、教えて下さいよ!?フレールくん!!

そんな事を視線で訴えながら、俺は師匠にドナドナされるのだった。つか、この間の事は謝るのでガチで言い出したら教えて下さいね!?頼むから、コイツ等にも《神殺し》の鉄槌を!!

 

 

 

……………………。

 

 

 

こうして俺は、悪意の視線が飛び交う原作組顔合わせ会場へと脚を踏み入れた。そこには、当然の様に鎮座する転生者達の姿があるが……俺の姿を捉えた瞬間から、殺気が駄々漏れ状態となってしまっている。いや、抑えようよ!?次に師匠が入って来て、馬鹿共を上回る殺気を放つ。まあ、それがわかったのは俺が師匠の前に居たからであって他の原作組はキョトンとした顔で俺達の方を見ていた。つまり、馬鹿のみを狙い撃ちしているのだ。なんて、器用な……そう思った時には、馬鹿共が視線を逸した後。

しかも、師匠の殺気を浴びた馬鹿共は超怯えた様子で蒼白になりつつ何故か俺に怯えていた。

 

――ああ!師匠ってば、俺を隠れ蓑に使いましたね!?

 

いや、それは良いんだけど。でも、先に言って置いて欲しかった。そうすれば、俺もそのつもりで色々できたというのに真顔状態でソレをやった事になる。もしくは、困惑顔だったかも知れない。

とりあえず、転生者達がこちらをチラチラ見るだけに留めているので気にしない事にする。なので、会場に居る転生者以外のメンバーに視線を向けた。いやー、錚々たる顔ぶれですね!

因みに、今の所は俺と師匠しか居ない。他のメンバーは、全員紫天の書に収められているし、今はまだソレすら呼び出していない。

つか、師匠はアレをやる気なんですね?もう、全力で悪戯する気満々ですよね?全く、機会があればスキ無く悪戯を挟もうとするんだから……叱られても知りませんよ?

 

「うん。ちゃんと、みんな来ているな?」

 

会場に入って直ぐ、状況を確認して原作人物達に背を向ける。

 

「呼ばれて居ない者も居るみたいだが……さて、その選択が彼等の未来をどんな風にしてしまうのか見モノだ」

 

なのは達と、転生者達をチラ見して邪悪な笑みを浮かべた師匠。背を向けて居るから、そういう顔が出来るんだろうけど……言ってる内容が、恐怖でしか無い。というか、背を向けて直ぐ何処からともなく取り出した名簿の様なモノを見ながら、招かざる転生者達を見て首を傾げる演技を始める辺り師匠も人が悪い。

 

――わかっていた事なんでしょう?

 

その様子を見て、原作人物達が呆れた様子で転生者達に視線を向けるけど……馬鹿共が、彼女達の視線に気が付く様子は無かった。流石です!師匠。

さりげ無く、転生者達を貶めれる貴方に超痺れます。まさか、そんな簡単な方法で馬鹿共の評価が落とせるとは……『ざまぁ』としか言い様が無い。

とりあえず、転生者共の地位は横に置いておいてこの場に集まったメンバーを見て行こう。先ずは、エースオブエース高町なのはを始めとしたメインストーリーの主人公達。ただし、フェイト・T・ハラオウンは未参加。どうしても、時間が合わなかったんだって。その代わりに、もっと忙しいであろう人物が来ているけど。

何故、クロノ・ハラオウンがここに!?そりゃ、カリム・グラシアも居るけど……何しに来やがった!?まあ、良い。カリム・グラシアが居るので、その護衛を務めるシスター・シャッハも居る。

更には、八神家の面々と地球にいるハズのアリサ&すずかが久しぶりの再会に友人達と手を合わせてキャイキャイしている。

 

「本当は、リンディ・ハラオウンを呼ぶ予定だった」

 

「ああ。だから、クロノ・ハラオウンが来ているんですね?ついでに、あの緑髪の男性はヴェロッサ・アコース。カリム・グラシアの義理に当たる弟です」

 

「へぇ……カリ姉に弟が居たんだ?」

 

「ええ。《無限の猟犬》というレアスキル持ちです。魔力で生み出した猟犬を使って、追跡や捜索を得意としています」

 

「ふーん。僕と似た様な感じかな?」

 

まあ、似た様な能力であるけど……師匠のシステム・アガシオンには劣っている。つか、兆単位の使い魔なんて作れないから!!後は、転生者達を含む子供メンバーがこの場に集って居た。

 

「じゃ、神崎。アレをヤルから転生者共の動向に注意だ」

 

「ソレ、やる必要無いですよね?注意喚起するくらいなら、止めませんか?一々、面倒臭いんですよねぇ……」

 

「これが、僕のアイデンティティだ!!」

 

「はいはい」

 

「お集まりの皆さん、長らくおまたせしました。今回、集まっていただいた主旨を御説明します。事の始まりは、ヴィヴィが僕を捕まえて高町家に引き込んだ結果。僕の家族が、僕に戻って来て欲しいと言い出した事にあります。まあ、ソレは当たり前の話ではあったんだけど……その帰郷にヴィヴィが付いて来るからこの場を設ける事になりました」

 

この説明だと、ヴィヴィオが我儘を言うから集まって貰う事になったと言っている様なモノだけど……その通りなんだよなぁ。というか、ヴィヴィオが付いて来るともれなく転生者達も付いて来るので面倒にしかならないから……というのが正解だ。

 

「この説明からすると、僕の家族が僕の所に来れば問題解決!って話になりそうではあるんだけど……僕の家族が、表を歩くと無用な諍いが勃発するので余り外をウロウロさせたくないんだよ。別に、犯罪者とかじゃないから安心して欲しい」

 

「つか、そっちにいる馬鹿共が問題しか起こさないから引き籠もらせているんだと言った方が良いですよ?」

 

「実際、神崎の妹達に出会った者達はストーカーと化して散々追い回してトラウマを植え付けて居たから……」

 

「お陰で、余り外に出たがらなくなりました」

 

「だから、ヴィヴィには悪いけど後を付けられたり追い回されたりするのは止めて欲しかったんだ。それに、ヴィヴィが動けばそっちの馬鹿共も付いて回ろうとするからな……」

 

「それは、マジで勘弁して下さい。ウチは、女所帯なので変態がワンサカと湧くんです。その度に、馬鹿を排除しなきゃならない俺の身にもなって欲しい……」

 

「言葉で、説得できれば良いんだけどなぁ……」

 

「大体、話が通じませんよね!『俺と彼女は愛し合っているんだ!』とか、妄言や思い込みに暴走までして来るので大半が実力行使で排除しております。管理局は、役に立ちませんし……」

 

「所詮、彼等は魔法を取り締まる集団だ。魔法の絡まない問題なんて、見てみぬ振りも多い。ああ、言い訳は聞かないよ?実際に、僕達はそういう被害にあっているからねぇ?」

 

はやてが、即反論しようとしたけど声を発する前に潰す師匠。流石です!管理局の塩対応について、糾弾して置きながら反論を封じるとか鬼畜の限りである。対話する気が無い師匠に、俺は口の端が上がるのを止められなかった。

いやー、楽しいですね?

 

「じゃ、来たれ『夜天の書』」

 

コラコラ!『闇の書』じゃなくて、『夜天の書』の方で呼び出すんかい!?しかも、見た目もちゃんと『夜天の書』に偽装されてて草が生える。まあ、中身は間違いなく『夜天の書』だけれど。

しかも、アインスの魂が込められて居るのでツヴァイと共に出て来るんだよねぇ……はやては、大丈夫かな?

ちょっと前に、別の時間軸で消え行くアインスを《蒐集》しその姿と記憶を回収した師匠が『夜天の書』のバックアップを駆使し、『紫天の書』に『夜天の書』のプログラムを叩き込んでいたのを思い出す。しかも、幾つかの世界を回ってリインフォース・アインスの記憶も補完してしまっているのでガチのアインスを呼び出せる様になっていた。姿も記憶もそのまんまのアインスを……そして、そのアインスには『紫天の書』の管制人格になって貰っているらしい。更に言うと、“八神はやて”を知っているリインフォースなので思い出話も出来るのだった。

 

「出ておいで、僕の家族達……」

 

言って、現れたのはユーリを含む大家族である。中には、ちょっと守護騎士じゃない者まで含まれているので原作人物側が目を剥いて驚いていた。まあ、驚きますよね!自分が、現れたら普通に驚く話ですよね!!わかる!わかるよぉw!!

 

「見ての通り、月村すずか。アリサ・バニングス。カリム・グラシアにアインス、ツヴァイ……そして、ユーリ・エーベルヴァインだ。彼女達が、僕の家族だ。さて、なにか質問はあるかな?」

 

 

 

 

 




さあ、平行世界とパラレルワールドに関するお話をしよう!という所で切り捨てw。しかも、質問を受け付けるよ〜wなんて言われたら…ねぇ?真っ先に、はやてが挙手しそうだw。とりあえず、まだ居ないメンバーが、なのは・シャマル・シャッハ・はやて・ヴィヴィオ。今回、上手く行けばヴィヴィオが追加できるのかな?でも、必要以上にヴィヴィオを上書きしたくないのでサッサと回収したい所。因みに、この回のヴィヴィオが何故上書きされたのか!?という質問が相次いでいますがまだ秘密ですw。
後書きに書くと、新鮮味が無くなるのでその質問は放置します。とりあえず、今は双夜の話を聞いてあげて下さい。
ああ。後、【リインフォース・アインス】に関しましては記憶の虫食いが無くなるまで表に出せなかっただけです。
本人自身が、記憶の整理をしていた結果出て来られなかったというのが設定上の話。彼女の蒐集に関しては、前にチョロっと書いていた程度の話を掘り起こしただけなので。
多分、一行程度のモノだから見つけ出すのは至難の技かと。もし、時間があれば頑張ってみるのも面白いかもね?

それと、謝罪を一つ。サブタイトルの話数が、途中からバラバラになっていましたw。460話辺りから三百代になっていたんだよ。気が付いて直してはいるけれど、今もまだ完全ではありません。時間が無くて、暇を見付けては本編を書きつつ睡眠を削って直している所です。サブタイトルだけ、何故あんなに通信速度が重くなるんでしょうね?
一つ修正しようとする度、一、二分掛かるんだよ?面倒で仕方がない。Wi-Fiで6Gのハズなのに…空いてるハズなのに重い。本当、時間が掛かるので面倒に思ってしまう作業となっています。まあ、予約投稿なので順次アップされているからサブタイトルがグチャグチャでも問題無かったりしますが…そのうち、ちゃんと直させて頂きます。

もし、気が付いていた方々には御迷惑をお掛けしました。
m(_ _)m

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

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いつも、読んでくれてありがとうございます。

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