絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四八一話

神崎:

 

 

自分が、何をやらかしたのか全く記憶にない!しかも、それを白亜や師範代達に見られた挙げ句に教えて貰えないとか……絶望的だ。そりゃ、それなりの覚悟はしていましたよ?していましたが、まさか記憶が飛ぶなんて聞いて無い。というか、俺が覚悟していたのはそういうのじゃなくて恥を晒す行為を容認すると言うモノだ。だから、記憶が飛ぶ様な事柄の覚悟じゃねぇから!!

はぁ。何をさせられたかはわからないけど、記憶が飛ぶ様なレベルの行為が行われた事はわかる。白亜の反応から、それが致命的なモノである事も間違いないだろう。だが……だがしかし、俺はそんな覚悟を決めた覚えは無いんだ!!だから、トーマへの報告は『全滅させちゃった☆』とだけ送っておいた。

 

――というか、何を書けと!?

 

兎に角、俺は記録にも残せない様な覚悟は決めて無いからな!?

 

「全く、何かとても酷い目に遭った気分だ……」

 

「……あ、そうだ!!師範代は、こうも言ってたよ?確か、『ハプシエル』?だったかな?が、どうのって言ってた!!私は、それが何かはわからなかったけど……神崎は、わかる?」

 

「……………………(白目)」

 

OK。

白亜のお蔭で、だいたい何が起こったのかが判明した。

成程。そりゃ、師範代達が怖い顔で睨んで来るハズだ。白亜も、自分の未来を投げ打つ様な……かなり、危険な橋を渡り切ってくれて感謝しかない。流石、我等が幼馴染みぃズ。恩は、売って置いて損は出ないと確信した。これに関してだけは、感謝しても仕切れない。もし、師範代達に何かしらの嫌がらせを受ける様なら問答無用で師匠へとチクる事を宣言しておこう。お前だけは、師範代達から何がなんでも必ず護り切ってやる。それ以外の驚異は……自分で、なんとかしてくれ。流石に、翼と白亜の二人を護りながら戦うなんて出来ないからな?

優先順位は、翼の方が上なんだ。

というか、『ハプシエル』……『ハプシエル』かぁ。

確かに、誰も生き残って居なかったけど。まさか、アレの真似事をしたんじゃなかろうな!?ま、まあ、例えアレの真似事をしたとしても相手は美形と化した転生者。中身が、どれだけアレな奴でも見た目は極上なので然程問題は無い。問題は無いけど、存在が消滅するほどの精神的ダメージが与えられるモノなのだろうか?

ぶっちゃけ、武具に宿った精霊は基本的に精神へ影響を及ぼす類の精神生命体だ。だから、転生者の精神を潰すレベルの攻撃を加えられない事も無いと思われる。しかし、それを俺が少なからず影響を及ぼしたとなれば話は別だ。何故なら、俺に精神を攻撃するスキルが存在しないから。そりゃ、物理的になら幾らでも相手を追い詰められるかもしれないけど……精神的には、ねぇ?

それに、俺の記憶が失われたという事は俺の意志力を遥かに上回る意識を精霊が持ち得るという話になる。だが、普段は余り強い意志の様なモノは感じないけど……何かしらの条件があると思われた。とりあえず、その条件ってのがどんなモノなのかがわかるまでは適度に使う程度に留めておいた方が良いだろう。

下手に、使い過ぎてまた記憶が飛ぶ様な事をされては溜まったもんじゃ無い。『きゃるーん♪』とか、『ハプシエル?』とか人の人生を潰しに掛かる様な行為を許容する訳には行かないから、な?

つーか、『ハプシエル』ですか……覚えて無いとは言え、これまたエゲツない歴史を建ててくれやがったもんだ。

ちょっと……いや、かなり衝撃が大き過ぎて暫く立ち直れそうに無い。まあ、現在は他に役割を持つ奴が居てくれるから俺が使い物にならなくても問題無さげではあるけど(メタァ発言)。

そんな訳で、おやすみなさい。(リタイア)

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

Side:凍真

 

 

おはようございます。

今、俺は、本局の医療施設内に居る!!

何がどうなって、ここに居るのかはわからないけど……過去の経験から、リンカーコアの有無を調べに来たんだと思われる。もし、ここでリンカーコアがあるとなれば勧誘目的の囲い込みがあるんだろうけど残念ながら俺にリンカーコアは無い。フッ……妖精様との地獄の日々で習得した魔力に関係するスキルがある限りリンカーコアなど最早不要。というか、アレは人間に魔力の仕様限界を与える為に創られたシステムらしいので人外となった俺には不要なモノと化した。というか、規定以上の《魔力》を引き出せる。

そもそも、《魔力》って生物の肉体には猛毒になるエネルギーらしい。だから、魔力に耐性が無い者では魔術や魔法を使えば使うほど生命活動が危機的状況に陥った事が昔にあったと【組織】の歴史書で学んだ。今は、魔力そのものに対して抵抗力があるから幾らでも使えるらしいけど……それでも、肉体が耐えられる限界以上の魔力を使うと、一気に危機的状況に陥ると言われている。

どんな症状が出るかは、ランダムらしいけど……有名なヤツだと、肝機能の低下や内臓の機能停止等が上げられる。下手をすると、心臓が停止してどれだけ蘇生術を使っても動かないとか当たり前だったらしい。例え、運良く心臓が動き出したとしても他の機能が著しく弱体化しているので結局、医療施設等の体制が整えられるまで幾人の人々が死に至ったと教えられた。それは、不老不死でも例外は無い。まあ、今でも後遺症に苦しみながら《神殺し》をやっている奴はいるけど……ほぼ、全員が後方勤務とのこと。

でも、俺に言わせれば……『自業自得』の一言で、切り捨てられる話ではあるんだけど。というか、前提が頭おかし過ぎるんですが!?なんで、『小銀河を消し飛ばせる程の魔力(MP)』を使用してしまうとそういう状態に陥るのかという話。

 

――そんなもん、当たり前じゃねぇか!?

 

等と、ツッコミを入れたのを覚えている。何をどうしたら、小銀河を消し飛ばすっていう状況になるって言うんだ!?嗚呼。いやいや、違う違う。小銀河云々は、そもそもどーでも良いんだよ。

今の議題は、なんで『そこまで魔力を使わなければならないか!?』っていう話で……いや、それも違うなぁ。えっと、小銀河云々は横に置いておくとして、そんな量の魔力(MP)を消費する馬鹿が居るって話?でも無く……それだけの魔力(MP)を消費すると何故、生命力に支障が出るのかという話だ!!まあ、その他の話も気になるモノではあるんだけれど。ただ、言うまでも無い事のハズなんだ。だけど、コレを真面目に考察して調査した人が居たらしい。もちろん、【組織】に所属する科学班の方がである。

その人の話では、膨大な魔力(MP)を使用すると体内に魔力熱というエネルギーの残り滓が発生する。その熱は、放置すれば勝手に冷めて消え去るのだけれど。その熱量と、冷めるまでの期間が長いと生物的に問題になるらしい。最悪、肉体を氷水で冷やさないとヤバいとか書いてあった!人間の肉体は、四十度未満でもヤバいって言うのに最悪百度を越えるとか資料にあったんですが!?

 

――アホか!?そんなもん、生物でなくてもヤバいわ!!

 

いや、まあ、それは最悪の場合であって通常はそこまで高くはならないという。それでも、五十度以上は当たり前。熱が、冷めるまでも一ヶ月以上掛かるって言うんだから頭がおかしい。しかも、不老不死でも後遺症が残るレベル。更には、魔力熱に対する対処法も……二十五メートルプールに氷水を満たし、そこへ対象者を投げ込むとか書いてあったからキ○ガってるのは間違いない。

どれを取っ手も、魔力の使い過ぎが致命的な欠陥である事は間違いないので、現在はそれを抑えるべく技術的にも対処法的にも発展しているという。というか、そこまでやらかす人が居るんですかねぇ?と、思っていたんだけれど……そもそも、《旧・神族》戦でならそれをやらかしていても不思議では無い事に思い当たった。限界を越えて、奴等を追い詰めようとすればそりゃ魔力熱を発症してもおかしくは無い。また、相手がソレを狙って粘ったという風にも取れる。いや、もうホントに過去の《神殺し》達の尽力には頭が上がらない思いでいっぱいだ。

 

――それでも、頭がおかしいとは思うけど。

 

さて、そんな過去の事を延々と思い出している内に俺のリンカーコアが存在しない事が判明した様だ。これで、俺が原作に関わる事は減ったと思う。けれど、転生者が他にも居る限りのんびりしてはいられない。まあ、既に三人の転生者が脱落しているとは言え現状は余りにもシビアである。何せ、オフトレに参加していた三人は居ないのに参加していたとされる新たな転生者が現れて目の前に立って居るからだ。

 

――つまり、中身を削げ変えて再追加という訳か!?

 

そして、それに伴いギスギスしていたハズのヴィヴィオとアインハルトの仲が原作と等々レベルになっていた。それは、喜ばしい事なんだけれど……何故か、リオという友人が居ないという悪夢。

オフトレ時には、確かに居たのにヴィヴィオ達は『そんな友達は居ない』という。これ、歴史修正の改悪版じゃ無いですか!?というか、これって新たな転生者が加わる度に過去が変化するタイプの世界ですか?それだと、色々と面倒臭い事になりません?

もちろん、アチラ的な話ではなくこちらの情報を集めて来る使い魔さん達がである。まあ、俺は疑似人格の内側から眺めているだけの話なんですけどね?転生者達も、これと言って自分達が新たに導入された等と思ってもいないみたいで戸惑う様子も無く普通に現在を過ごしている感じだ。

だが、それでも違和感くらいはあると思うんだけど?

 

――全く、疑問に思ってる様子は無し。

 

見ている限り、何の疑問も感じる事なく日々を謳歌している模様。

とりあえず、神崎さんからの報告メールからは新たな転生者達の簡単なプロフィールと神様特典に関する情報が送られて来た。

 

――早いなぁ!?

 

何と言いますか、このスピーディーな対応や特典の確認とか色々疑問に思うんですが!?俺でも、疑問に思う事があるって言うのにあの鈍感ップリ……逆に感心する。

 

――君達は、大物だねぇ?

 

とりあえず、疑似人格くんは話に付いて行けて無い様でボーとしている。それを見て、転生者達がニヤニヤしているけど……さて、どうしたモノか?そう、思案していると神崎さん達から続報として何故リオ・ウェズリーが居ない理由が送られて来た。なんでも、幼稚園児時代のリオ・ウェズリーを拉致って襲おうとした変態が居たらしい。しかも、リオ・ウェズリーを叩きのめした上で性的虐待を行って引き籠もり娘にしたとのこと。マジで!?ちょ、リオ・ウェズリーですよ!?現在でも、かなり幼く見えたと思うのだが!?それより、更に幼い頃に拉致って監禁して暴力で無力化して性的虐待をやらかした馬鹿が居たと!?

 

――へ、変態だぁ!!

 

いやいや、奴等が変態かどうかなんて元から知ってたわw。普通に、変態なクズ野郎でしたね?わかります。

やっぱり、その『やらかし』をした転生者を見付け出して殺れば改善するのかな?そう思って、思わずメールを送ってしまったけれど原作人物達や転生者達に気が付かれた様子は無かった。これ、もしかして隠蔽術や認識阻害術が使われているんですかねぇ?流石に、長時間ウィンドを展開していればバレるかも知れないけど。一瞬なら、もしかするとバレない可能性に気が付いた。即ち、《神速》状態でメールを打てば短い文面なら送れる模様。なので、思い付いたままにやってみた!!だけど、文字の高速打ちはそもそもな話……キーボード(仮想インターフェース)が反応しなかった。

 

――デスヨネー(笑)!

 

そりゃ、それなりには反応してくれるんだぜ?でも、全てに反応してくれる訳じゃ無いから文字化けしているかの様にメチャクチャな文面になっている。クソォ!《神速》に対応してよ!?

そんな、ボケた事を考えていると『なら、何でやったの?』という冷静なツッコミが聞こえた様な気がした。どうやら、俺のマトモな感性が何かを訴え掛けて来ている模様。だが、この状況下だとどうしても色々どーでも良い事を考えてしまうんだ。許せ。

 

――思考しか出来ないって辛い。

 

そんな感じで、ただただ疑似人格が体験する日々をボゥーと眺めているだけの時間が過ぎて行く。時折、転生者達の不穏な空気を感じつつも疑似人格は楽しそうに日々を謳歌している。まあ、不穏な空気を感じた時点で神崎さん達が動いてその不穏な空気の発生源を潰して回ってくれているんだけどね。その内、リオ・ウェズリーが復帰してコロナ・ティミルが入れ替わりで消えた。

 

――はぁ。今度は、コロナ・ティミルですか?

 

リオ・ウェズリーを襲って、引き籠もりにした変態を討ち取った神崎さん達GJとか思っていた矢先にコロナを見掛けなくなって……報告メールで、今度はコロナ・ティミルが襲われて引き籠もりになった事を知る。ホントに、転生者には変態しか居ないんですかねぇ!?ああ、錬月のお気楽な声が聞きたい。あのお人好しには、本当に助けられたからなぁ。『俺の相棒は、お前だけだったよ』等と過去の思い出に思いを馳せて懐かしむ。まあ、相棒というか心の友というか彼の存在は未だに忘れられない思い出の一つだ。流石に、本人を前にしたら恥ずかしくて口には出来ないんだろうけど。今、奴はどこで何をやっているんだろうな?また、お節介を焼いて誰かと誰かをくっ付けたりしているのだろうか?

 

――と、言う訳でフラグ建ててみた!!

 

なーんて、そう簡単に再会フラグが建つ訳もなく馬鹿で変態な転生者達がアホな事を繰り返す様を眺めている。アホだろ?マジで。

因みに、リンカーコアが無いと判明した時点で俺の存在は放置される様になった。身柄も、管理局預かりではなく聖王教会預かりとなり今は孤児院で身寄りのない子供達と過ごしている。まあ、何故かシスター・シャンテと交流があるのが解せぬが、それ以外は概ね予定通りな毎日だ!……と言いますか、何故シスター・シャンテの舎弟扱いになっているんですかねぇ?クソォ!事ある毎に、使い走りをさせられる事になろうとは……ぬかったぜ?このルートが、一番のんびりと出来るルートだと思っていたのになんて伏兵!!しかも、アレコレと理由を付けて俺を構おうとして来るので面倒臭い事極まりない。ただ、それもインターミドルが始まるまでの話で予選が始まれば奴は俺の目の前にも現れなくなった。きっと、あっちが忙しくて俺に構っている暇が無いんだと思われる。だが、原作でシスター・シャンテはシード枠の初戦で敗退が決まっているのでまたあの騒がしい日々は直ぐに戻って来るだろう。その前に、現状をもたらしている原因を排除出来なければ、新たな転生者が順次送られて来るだけなのでこのイタチごっこが続くだけである。確か、神々の座に神は不在だったんだよな?だから、転生者に紛れて現世に隠れていてこの世界の様子を伺いながら次から次へと転生者を送り込んでいるらしい。

なので、現世に隠れ潜んでいる神を探し出し居場所を突き止めた時点で《神殺し》を送り込み断罪を実行。神を討伐し、世界の調整をしてから離脱する予定だ。この際、原作人物達に何かを告げる事は無い。ただ、問題を解決して去るのみ!等と、カッコイイ事を魔王様は言ってたけれど……アレは、面倒になったんですね?

 

――人間関係面倒くせぇ。なら、関わらないで置こう。

 

という事らしい。もし、魔王様がこの世界の原作人物と関わる事になるとしたら……その時は、ヴィヴィオかシャッハが嘗ての世界に居たらしい母親役達の関係者だった場合だ。(シャマル先生と八神はやて含む)その時は、コッソリ会いに行くと言ってたけど……絶対、コッソリにはならないと断言しておこう(確信)!!

何故なら、転生者達が四六時中原作人物達に張り付いているからである。家から学校へと行く間から、放課後に家へと帰り着くまでずっと奴等がヴィヴィオの周囲をチョロチョロしているのだ。いやー、ストーカーもビックリ仰天しちゃうくらいの張り付き様だった。彼処まで行くと、ストーカーなんて言えない。むしろ、社長付きの秘書と言う名の恋人かそういう付き人レベル。

 

――でも……絶対、スケジュール管理されたくないな。

 

もし、あんな変態共にスケジュール管理されたら朝から晩まで性的な事柄でいっぱいにされそうだ。それこそ、明け方まで延々と恋人や夫婦の営み等と言って交配漬けにされてしまうだろう。まあ、そんな事になったら管理局が黙ってはいないだろうけど……発覚まで、それなりの時間が掛かるから余り笑えはしない。

これが、我等が魔王様なら一瞬で暴かれて断罪って話になるんだけれど。流石に、あのスピードを管理局に求めるのは無理だ。所詮は、人間のやる管理だからな。完全とは、言い切れない。

 

――まあ、魔王様でも一般の犯罪には目を向けて無いだろうから同じなんだけれど。

 

あの人が、注視するのは原作人物達だけだし……等と思って居たんだが、そんな事は無かった件を後で知る。まさか、表に出ていなかっただけで片手間に片付けているなんて知らなかった。というか、使い魔さん達が報告書に上げるまでもないと判断しているとか思わないし!ええ、それはもう……管理局でさえ、知らない犯罪を何万件も秘密裏に処理しているってんだから凄まじい。

とりあえず、目に付いた犯罪は片っ端から問答無用でサクッと倒して捕縛し局員を誘導して捕まえさせるのが使い魔達の主流らしい。 そうとは知らず、誤解し捲っていた俺はおバカな思考で魔王様を貶めていたとして、この仕事の後散々扱かれるのであった。

なにはともあれ、この時の俺は何も出来ない鬱憤でアチラコチラに当たり散らしていたのでそこまで考えが回らなかったんだ!だって、仕方がないじゃ無いか!人は、言われなければ知らないままだし見向きもしないんだから!!等と言い訳をしても、『なら、調べなさい』とバッサリ斬り捨てられるだけなんだけどね。

そんな、平穏を謳歌していたら中継されるインターミドルの試合中に馬鹿の一人が《堕ち神》化して魔王様と神崎に拘束される場面が流れる。これ、ヤバいヤツなのでは!?と、一瞬焦ったりしたけれど拘束した《堕ち神》をアッサリ殺したら何事もなかったかのように時間が流れ始めた。周囲の様子を見ても、《堕ち神》なんて居なかったかの様にTV画面にエールを送っているので無かった事になった模様。その上、《堕ち神》を拘束していたハズの魔王様達も消えて表面上は何事もなかった様な状況になっていた。ただ、一人……疑似人格を除いて。彼には、申し訳無いけれど全ての事象を観測させるのが目的らしいので放置するしかない。本当なら、そういう話や説明をしなきゃならないのだけれど……そういうのは、一切せずに送り出したので歴史の変動や事象の変化がわかっていてもただ受入れるしか無いというのが現状だ。

当初は、そういう説明とかもされる予定だったんだけれど。色々、知っていると面倒な事になるからという事で何も知らないままに彼女等の元へと送り出す事になった。それにより、記憶喪失なんて話になったりもしたけど……そもそも、元から記憶の無い子だから治療を受けても意味が無かったりする。それでも、転生者の中には躍起になって記憶を思い出させようとする奴も居た。

どうやら、フーカ・レヴェントンやリンネ・ベルリネッタ攻略の為に孤児院に入ると思われたみたい。だが、実際にはシャンテ・ファミリーに入った事で興味を失われて今度は別の派閥が顔を出して来た。ソイツ等は、俺を貶め様と色々と策を巡らせていたみたいだけれど。上記で述べた様に、散々使い走りをさせられているのを見てただの『パシリ』と認識された模様。

もし、俺がシスター・シャンテに粉を掛け様ものなら俺の評判を貶め、そのついでに己の犯した犯罪を押し付けて排除しようと考えて居たらしいけれど。記憶喪失には、到底無理な話だった。

 

――てか、押し売りは止めろ!!

 

それに他の派閥では、俺が孤児院に入った事によってその後に用意していた策も意味が無くなったからお手上げ状態らしい。孤児院に入るまでは、俺が如何に変態的で犯罪者なのかを局員な原作人物に説く予定だったみたいだ。けれど、一日中監視されている様な孤児院に入った事で有耶無耶になったらしい。

 

――てか、熟女フェチ扱いするの止めて貰えませんかねぇ?

 

ちょっと、年配のシスターに懐いていたら転生者達の中で俺は熟女フェチな転生者という扱いになっていた。ええ、報告メール経由で知りましたとも。

 

――誰が、熟女フェチか!?

 

普通に、年若い女性が好きだよ!?流石に、幼女に興奮する様な性は持ち合わせていないが18歳以上の女性が普通に好みだ!!なのに、よりに寄って熟女フェチとか頭湧いてるのか!?いや、熟女フェチな方々が悪いとは言いませんよ?でも、俺が熟女フェチなだけでは無いってだけで……それが、好きな方はそのままで全然OKです。そのまま、突き抜けて下さい。

 

――感性は、人それぞれ。他人の性癖に、難癖は付けたくはない。

 

そう、言いたい所だけど……それには、『ただし』と条件が付く。その条件とは、『行き過ぎが無い限りは』というモノ。行き過ぎた行為は、ただの暴力と変わりがない。故に、他人に迷惑を掛ける行為に限っては問答無用で口出しさせて頂くつもりだ。

俺は、日本に生まれて日本で育った日本人だったんだぜ?《神殺し》となった今でも、その誇りとその魂を失ったつもりはない。胸を張って、大声で宣言する事だって出来る。『俺は日本人だ!』ってな?日本人が、人種や性癖で他人を差別する訳が無いだろう?

そりゃ、過去そういう事が無かったとは言い難い。それでも、現在ではそんな理由で人を別けて見る馬鹿は居ないし別けて考えるアホも居ない。何より、そんな馬鹿げた()()で人の価値を決め付け喜ぶ性質も持ち合わせている奴がどこに居る?

ただし、転生者に関してはその言動を鑑みて対処する事になるから論外なんだけれど。だって、幼子にまで手を出すゴミ屑だぜ?普通、小さな子に性的な感情を持つ事があるかい?それこそ、保護欲を刺激される事はあれど性的な対象として見る事なんてありえない。最低でも、女らしさが出て来るまでは欲情なんてする事も無いよ。え?女らしさを、何歳くらいから感じる勝手?そうだなぁ……俺なら、14歳くらいじゃないか?流石に、それ以下で欲情する事は無いと断言出来るぞ?まあ、発育の良い女の子が居ないとは限らないので12歳以上と幅を取って置くけれど。

何せ、すずかがそうだったからなぁ?12歳くらいから、あっという間に成長して……14歳になる頃には、ほぼ大人の女性的な見た目になってたから何とも言い難い。

 

――因みに、16歳になるまでは待ったからな?

 

日本が定める、『結婚できる年齢』が16歳だったからそれまでは一切手を出しては居ない。それなりに、我慢しましたとも。

本人が発情して、『良いよ?』と言ってたとしても歯を食いしばって我慢しましたよ?常識的に鑑みて、本人の了承があるから等と14歳の未だ身体が出来ていない子に手を出す馬鹿では無い。

医学的に考えても、14歳では出産時に死亡する恐れが付いて回ったからな。まあ、その時は14歳でも出産する時には15歳になっているだろうけど。それでも、安全面を鑑みてすずかを説得した俺はヘタレでは無かったと言い切れる。

 

――それが、出来ない輩って……ただのケダモノなんじゃ?

 

一瞬、良からぬ事に気が付きそうになってしまったけれどササッと蓋をして見なかった事にする。そうなる前に、サクッと排除してしまえば問題無いんだよ!!全く、良い歳した野郎が我慢一つ出来ないとは……そんなだから、利用される事になるんだ。

そう、結論を付けて俺は早く馬鹿が見付かります様にと天に祈りを捧げ――ってぇ、《神殺し》のする事じゃァねぇなw。

 

 

 

 

 




まさかの神崎くんリタイア!!流石に受けた精神ダメージが限界値を越えた模様。ハプシエル化は、駄目だったかぁw。でも、楽しかったよ?←鬼畜。
とりあえず、最初は神崎くんで進め様と思ったんだけど現在進行系の本流は凍真だと思うのでトーマにバトンタッチ。さあ、疑似人格で物語を進め様としたけど…面倒になったので中の人ペースで進めたったw。だって、基本的に病室から孤児院に移動するまで何を書いたら良いか困ったんだよ。でも、孤児院からはシャンテとの絡みにしようと思ってた…けど、そっちも面倒になったので基本的にダイジェスト?的な感じで進めてみた。途中、疑似人格側が途切れ途切れなのはトーマが己の思考に没頭した結果だから気にしないで!なので、ダイジェスト?版的な言い方になっただけでダイジェスト版って訳でも無いんだなぁw。
なにはともあれ、今回は転生者を消したら消した分だけ追加されて歴史が変化変動する世界になってます!こういう世界を調整する場合、メッチャ重くなる事があるんだよね。なんせ、何度も何度も上書きされているからその際にプログラムの破片が残る場合があるんだよ。だから、先ず最初に最適化が必要になる事があります。その場合、時間が必要以上に掛かるっていう特徴があったりする。なので、双夜は現在裏側でその最適化作業をしてたりする訳だけど…多分、キレてると思うよ?(笑)これまでに、二度上書きされたからねぇ?終わらねぇ!!ってキレてる(確信)よw。

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m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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