絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三七八話

Re:

 

 

「断言するわ!アレ、消した方が良い。短剣二本貸してくれる?」

 

「まあ、待て!落ち着け。今、出て行ったら面倒臭い事になるだけだ。それに、俺の鍛冶レベルは低いから鈍らになるぞ?」

 

原作人物と、イレギュラーが集まる場所まで来たら……イレギュラー達の行動が、余りにも目に余るが故に白亜が短剣寄越せと手を出して来た。なので、白亜を落ち着かせつつ現状を確認して未だ出て行くのは速いと判断する。

つーか、何故コイツはこうも攻撃的なんだろうな?

いや、転生した女性全体がそうだったか?

とりあえず、白亜を抑えつつ様子を眺める事にした。

とは言え、イレギュラー達のゴミ屑レベルな行動が本当に目に余り過ぎるんですが!?てか、ナンバーズにセクハラしている輩まで居ると来た。これは確かに、白亜が憤るのも致し方ないと思われる。

これは、無いわー。と言うか、可能性としては無くは無いけど……未だ、幼いヴィヴィオに欲情している、だと!?そりゃ、大人モードになれるヴィヴィオやアインハルトは魅力的ではあるだろうけど。だからと言って、欲情した所であの生態魔法を使用した状態でS○Xなんて出来ないぞ!?一応、クリスが居るから維持は出来るかも知れないけど。ヴィヴィオが、気絶したりすれば勝手に解除される程度のものだ。師匠レベルなら、気絶した所で解除される可能性は無いに等しいけど。それは、卓越した魔力操作があってこその技術であり未だに未発展途上なヴィヴィオでは到達し得ない領域である。意識が無くとも、無意識レベルで魔力操作を成す。言葉にしてみたら、簡単だけど…がこれ無理じゃね?

 

「無意識レベルで、魔力操作って可能なんですかねぇ?」

 

「ああん?普通は、無理だぞ。ただし、自意識を別に用意出来るなら可能だがな?例えば、気絶する直前に精神的迂回路を設けて自我を守るとか……そもそもな話、自我を別のモノに移して置けば問題なく操作出来るだろうな」

 

「えぇっと?まあ、前者はわかるんですが後者の『自我を別のモノに移し替える』とは?それは、使い魔みたいな器を用意するって事ですか?」

 

「それじゃ、本体の意識が無くなったら終了するだろうがよ?じゃ無くて、本体の意識を別の器に移し替えて置くって話しさ」

 

「それはそれで、難しそうなんですが!?」

 

「肉体から、魂を抽出して魂を別の器に移し替えた挙げ句、複数の肉体(器)を操作している如月双夜(仮)に言ってみな?笑われるぞ?だって、アイツはそれをやった第一人者だからな……」

 

「……大丈夫なんですか?ソレ。まあ、元気そうなんです大丈夫だとは思いますが……なんか、精神衛生上悪い気がします」

 

「あー……アイツは、既に自我を捨てた馬鹿野郎だからな。なんでも、ダウンロードした自分の記憶が己の記憶として認識出来ないとか言ってたぞ?ただ、鏡を見れば自分なんでその記憶は自身の記憶であるとわかるらしい……?」

 

「……鏡?なんで、鏡を見たら自分の記憶だとわかるんですか?」

 

「トイレだ。トイレに行くと、洗面台で手を洗うだろう?すると、顔を上げたら鏡があるから己を自身で確認し続ける事になるとかなんとか。まあ、ソレの記憶があるからダウンロードした記憶が自分の記憶だと理解出来るんだそうだ」

 

それはまた、難儀な話ですね?つか、言われなければわからない生活習慣が自分を自身であると認識させる事になるとは……なんて、恐ろしい。それが無かったら、自分の記憶を自分のモノと認識出来なかったって事じゃ無いですか!怖っ。しかも、記憶の()()()()()()とは何ですか!?メッチャ、不穏な響きがある言葉なんですけど!?『ダウンロード』と言えば、ネット上からデータを己のパソコンに取り込む事を表すモノだが……まさか、己の記憶をネット上に保存しているとでも言うのだろうか!?

 

「ネット上じゃ無い。【記憶石】という、アイテムに己の自我と情報記憶とエピソード記憶をフルコピーしてあるってだけだ」

 

「それでも、恐ろしい話である事に変わりはないじゃ無いですか!!そんな状況に、陥る事も嫌ですがアイデンティティを放棄するのも嫌です!!まさか、蒼○橙子みたいな事をしているとは……」

 

「アオザ○トーコ???」

 

「○崎橙子って、誰だっけ?聞いた事はあるんだけどなぁ?」

 

「白亜は、黙って様な?後で、教えてやるから……兎に角、他所に本体があれば可能なんですね?そう言えば、師匠の本体は【船】にありましたね?って、出来るじゃないですか!?」

 

「まあ、そうだな。だが、それ以前に僕を気絶させられる奴が居ると思うか?もし、居るとするなら紹介してくれるかな?」

 

そうですね。そもそもな話、師匠を気絶させられる人材が居ませんでした。言われるまで、その事に気が付かないとは俺も耄碌したモンだぜ。まあでも、今はヴィヴィオがその域に至っていないから問題ないって話でしたよね?

なんで、あっちこっちに話が逸れて行くのかな?いや、まあ……説明が、必要なのはわかるんですけど。これ程、本筋から話が逸れ捲くると意図的なモノを感じます。

最悪、茶番のネタにしますよ?というか、白亜が交ざって来たら茶番になると思われる。益々、混迷を極めるから勘弁して欲しい。何はともあれ、今は転生者とヴィヴィオ達の話をしよう。

 

「師匠、本題に戻しますが……アレ、どうします?」

 

「去勢してやれば良いんじゃないか?」

 

「……去勢って……股間が、ヒュンってなる話だねw」

 

「つまり、玉を取れと?それは、物理的にですか?魔法的にですか?是非とも、その辺りを詳しく!!」

 

「サキュバス呼び出して、人間に偽装し接触させるか?大元が無くなれば、大人しくなると思うぞ?性欲百年分、抜いてやれば良いだけだからなぁ?」

 

「ああ。俺が、最初にヤられたヤツですね?あの、女性の裸を見ても何の反応も無くなるヤツ……」

 

「…………立たnグッ「言わせねぇよ!」

 

白亜が、下品な言葉を口にしようとしたので無理やり口を塞いで黙らせる。コイツは、ホントに自分がどんな姿なのかわかっていて発言しているのか!?黙ってさえ居れば、美少女な癖に元々が男だった為に明け透けな発言をしようとするのでホントに困る。

出来れば、己の姿を考慮して発言して欲しいモノだが……無理だろうな?何たって、性欲に勝てなかった馬鹿だしなぁ?生前、親に色々と抑圧されて生きて来たから……開放されたあの日から、コイツのバカさ加減は留まる所を知らない。生まれ変わっても、このバカさ加減が収まる様子を見せないのでコイツはもうこういう人間なんだと諦めるしかなかった。昔は、引っ込み思案だけれどとっても真面目な良い奴だったんだぜ?それが今では、己の欲望も抑えられない馬鹿に成り下がっている。

 

「元々、そういう性格だったのかも知れないけど……馬鹿になったよな?お前……ホントに!」

 

「ん~…グッ、プハァ!って、しみじみ言うんじゃないわよ!?」

 

「これが、あの日まで抑圧されていた本性か……」

 

「はぁ……所で、アレ放置で良い訳?さっきから、凄い事しているけど?原作で言えば、皆でオフトレの前段階よね?」

 

多分、オフトレーニングに行く前段階でノーヴェがアインハルトを誘ってヴィヴィオにサプライズしている場面。

そこに、転生者達が群がって危うくアインハルトがオフトレ参加を見合わせそうになっている……という状況だった。ぶっちゃけ、早くも原作崩壊一歩手前である。馬鹿だなぁwと思う反面、オフトレ無くなれと思う自分がいるんだが?これは、嫉妬なのだろうか?

 

「フと思ったんだけど、翼ってスー○ーサ○ヤ人にはならなかったの?」

 

「…………サ○ヤ人の特性を引き継いだだけで、サイ○人そのものになった訳じゃねぇよ!つか、一瞬ヒヤッとしただろうが!?」

 

全く関係ない話を振られて、一瞬何の事かわからなかったけど……言われてみれば、サ○ヤ人にはキレると上位存在へと変化する設定があったな?でも、翼だったからなのか……そもそも、そんなシステムが組み込まれて居なかったのかわからないけど。翼が、超サ○ヤ人に覚醒する事は終ぞ無かった。

 

「大体、そんな化け物が魔法少女の世界にいたらドン引きするわ!下手したら、管理局と全面戦争だぞ!?それに、そんなモンに成れるなら翼が絶望的な状況に浸る事も無かっただろう?」

 

「…………まあ、ね。って事は、大怪我をしたらパワーアップして戻って来るってぇ設定のみ引き継いだんだ?」

 

「だろうな。ただ、そうなった記録は無いけど……」

 

「宝の持ち腐れかぁ……そう言えば、翼ちゃんの戦闘方法ってテイ○ズシリーズの技や魔術オンリーだったよね?」

 

「だな。念能力もあったけど、ほぼ使って無かったみたいだ」

 

ホント、翼の神様特典に関しては完全なる宝の持ち腐れだった。まあ、チート過ぎると言えば聞こえは良いが使わなければ意味の無いモノと成り下がる。結局の所、翼は転生後の両親に『化け物』と罵られた時点でそれ等の能力を使わなくなった。というか、翼がそんなレベルにまで成長するくらいには危機的状況に陥っていたという事の方が問題か?それだけ、翼のデメリット特典が強力だったと見るべきか?いずれにしろ、翼は『化け物』レベルにまで成長し……彼の牢獄で、【人の欲望】という鎖で雁字搦めにされていた訳だ。ホント、クソッタレな話である。

 

「その上、魂すら自由で無かったとか……マジで、事案……」

 

「…………神崎?どうしたの!?」

 

「ん?ああ……何でもない。それで、屑共はどうなった?」

 

「依然、魔法少女達に粉掛けてるよ。『俺嫁』とか、まだ十歳の少女達に何言ってるんだか……『ハーレム王』とか、欲望駄々漏れなんだけれど?意味は、わかっているだろうから捕まえちゃえば良いのに……あ?もしかして、オフトレで?」

 

「フルボッコですね!?わかります!!徹底的に追い詰めて、星を軽く破砕する魔法でトドメを刺すんですね!?流石、管理局の白き魔王!!キッチクゥ!!」

 

ずっと、黙っていると思いきや唐突にトーマが話し掛けて来た。ただし、見た目九歳くらいのトーマが!である。

トーマは、人畜無害だからという理由で師匠に子供化する魔法薬で幼児にされてしまった。その上で、アリサやすずかに構わせては『オネショタ』ネタで散々イジメられている。自分だって、見方を変えれば姉弟なのにnニャギュア!?ナンカ飛ンデキタ!?

 

「うわぁ!?神崎ぃ!?大丈夫……って、コレ大丈夫なの!?」

 

「…………ゥビュ……?」

 

「ひぃいぃぃ!?食い込んでる!食い込んでるよぉ!?神崎ぃ!」

 

なんか、左肩から顎に掛けて凄い違和感が……ナタ?みたいなモノが突き刺さっている模様。てか、どっから取り出した!?

 

「トーマ様、白亜様。大丈夫ですよ。生きて居られる様なので、問題ありません。兄様は、頑丈ですので!!」

 

「頑丈!?コレ、頑丈で済ませて良い話ですか!?」

 

「ちょ、救急車!救急車をお願いします!!」

 

「無理だぞ?お前等が、騒ぐから《遮音結界》展開してあるからな?後、救急車は呼ばない」

 

「《遮音結界》……メーデ!メーデ!!衛生班はまだか!?」

 

「神崎いぃぃ!!頼む、目を開けてくれぇ!!」

 

「騒ぎが、酷くなったの?」

 

「煩い」

 

とりあえず、白亜!騒いでも問題無い事を確認したからって茶番を始めるんじゃねぇよ!?何、瀕死の奴に泣き付いて揺すってやがるんだ!?ってぇ!コラ、揺するんじゃねぇ!?振動を与えたら、ナタ?が食い込んだ場所を刺激して痛いんだよ!止めろ!!

その後、白亜とトーマによるすったもんだの末に俺はナタ?を抜いて貰い復活した。というか、コイツ等と来たら茶番をする為だけに俺に食い込んだナタ?を抜か無いとか正気かよ!?

 

「全く……で、転生者共はどうなった?」

 

「そうですね。今は、転生者同士でいがみ合いをされておられます。まあ、この辺りは何処の転生者でも似た様な状況ですね」

 

「転生者が、複数居るといがみ合いになるのは避けられないか……欲張りだな?恋人なんて、一人で十分だろうに……」

 

最終的に、行き当たる結末を考えたら複数なんて考えられない。アイツ等は、若くて美人だからとかそんな理由で彼女達に付き纏って居るんだろうけど……どう考えても、最終的に行き着くのは肝っ玉母ちゃんだぞ?唯一、フェイトだけがソレを避けられそうだが……他のヒロイン達は、間違いなく肝っ玉母ちゃんの道を進んでいると言えなくもない。まあ、そんな事を言っても奴等が考えを変える事は無いんだろうけどな?

 

「肝っ玉、母ちゃん……まあ、確かに肝っ玉な所もあるかな?」

 

「その話って、前にもしてなかったか?多分、聞いた事があるぞ?まあ、そっちのお嬢さんには言ってないとは思うけど……」

 

「そう言えば、トーマには話した事あったっけ?でも、アレを見てそれでも恋人になって欲しいと思えるならマゾだぞ?」

 

「まあ、なんとも言えないけど……彼女達と、恋人になりたいとは思わないかな?友人枠なら、まだ許容出来るけど……ねぇ?」

 

「おやおや、ハーレムを成功させた人が何を仰るのか……」

 

「そのハーレム、完成した時点で自分がゴミ屑に成り果てませんか?だって、相手は架空人物だった存在ですよ?将来が、どうなるかわかってて勝ち組に乗る為に元設定壊して取り込むんですよね?将来、安泰ですね?これで、食いっぱぐれる事も無ければ独身を貫く可能性も回避出来るとなれば……」

 

「あー……言いたい事はわかるよ?確かに、彼女達の一人でも隣に立たせる事が出来れば将来安泰だよねぇ?」

 

「なんせ、相手は将来を約束された主人公の一人だ。苦難はあれど、確かなレールを進む事が出来る……と?確かに、屑だね」

 

「しかも、恋愛じゃ無いんだぜ?所有欲なんだぜ?」

 

「ああ。それは、ゴミ屑ですわ。間違いなく!!」

 

「そう思うだろう?だから、ハーレムなんて相手の尊厳を無視する行為はオススメ出来ないよ。俺は……どっちかって言うと、尊厳を投げ捨てられた側だけれど……」

 

「「oh……」」

 

『赤ちゃんが欲しい』という、アリサの強い欲望により種馬にされたんだっけ?まあ、だからこそ『ハーレムを達成させた』唯一の人物として引き合いに出される訳ですが……ある意味、尊厳を失ったと言わざるを得ない人物でもあります。その計画に当時、恋人だったすずかも加わってたとか何とか言うんだから頭が痛い。

下手をしたら、他の転生者達が一喜一憂する自体にもなりかねない事件だ。絶対に教えちゃイケない案件だろう。

 

「特殊な状況ではあるけど、決して転生者に漏らしてはならない情報だよな?つっても、そんな特殊条件を達成させれる輩は居ないと思われる。一度、母親役の魂が憑依した上で師匠を息子として手元に置き二人が居なくなったら完成するハーレムとか……」

 

「それ、なんて無理ゲー?」

 

「デスヨネーw」

 

トーマの場合は、かなりの運が良かった?悪かった?パターンで……もう二度と、再現出来ないからこそ弄ネタにされる話である。なので、トーマの幸運は伝説として横に置いとくとして……現状は、悪循環の真っ只中だ。

資料によれば、第一魔法少女世代であるなのは達の時も彼女達に付き纏う転生者が居たらしい。だが、なのは達の反応の悪さに痺れを切らして犯罪者の道へと進み現在敵対している模様。そっちは、滅ぼしても構わないみたい。

なので、現在使い魔達による討伐が行われている。

 

「今後の憂いを無くす為にも、出来るだけ早急に排除した方が良いだろう。それに、彼女等の胃痛のネタにもなっているみたいだからな?八神なんて、胃薬が手放せない状態らしいぞ?」

 

「…………つか、胃薬をこんなに消費しているんですか?」

 

「痛みを感じる度に、飲んでいるみたいだからな?手掴みで!」

 

「それって、コメディネタで良く使われるヤツだよね?容量無視で、ガッツリ逝っちゃうヤツ……」

 

「胃腸薬で、死人は出ないと思うけど……身体に悪そうだ……」

 

まあ、確かに胃腸薬中毒なんて聞いた事は無いけど。

精神安定剤みたく、大量飲みは不味いと思うぞ?

 

「まあ、報告書を読む限り気持ちはわからないでも無いけど……」

 

「だからこその討伐命令だの。管理世界内で起きる、強姦事件は大体其奴らの仕業の様だしの?」

 

「うん。聞いているだけで胸くそ悪い……討伐、了解しました」

 

(`・ω・´)ゞ

 

(`・ω・´)ゞ

 

(`・ω・´)ゞ

 

そんな訳で、転生者共の情報が出切った所で行動開始となった。トーマは、このままあの集団に潜り込むとして……俺と白亜は、顔が顔なので討伐の支援に向かう事となる。多分、俺達が目の前に現れたら問答無用で襲って来るだろうからそこを討伐する予定なんだろう。間違いなく、入れ食い状態になるだろうから使い魔達からは称賛されるだろうけど……なんか、納得行かない。

 

「クソォ!物語のキャラクター転生なんてするモンじゃねぇな!」

 

「以下同文!ああ、私の楽園が……」

 

「え?行きたいの?どーぞどーぞ!」

 

「サーセン。ごめんなさい!ちょ、押さないで!冗談だから!!」

 

「別に、構わないんだぞ?ほら、楽園が待ってるぞ!?」

 

「行かないって言ってるでしょ!?ちょ、止めてってば!!」

 

背中を押す、俺、リリィ、オルタ。

いやー、まだ訓練も鍛錬も未完の白亜は足手まといにしかならないから押し付けられるモノなら押し付けます。

というか、動く的?身体強化も出来ない小娘なんて、ぶっちゃけ役立たずでしか無いから!つか、なんでそんな事になっているかというとコイツ……《魔力操作》が、出来なかったんだよ!てか、体内にある魔力も感知出来なかったらしい。まあ、そういう不器用な輩は何万人分の一かは居るらしいので今は理詰めで魔力の知識を詰め込んでいる最中とのこと。結構多い。

 

「つか、秘密基地で《魔力感知》の訓練してろよ!?」

 

「ヤダよ!だって、すずか居るじゃん!私、すずかはちょっと苦手なんだよ!!うぅ……」

 

まあ、わからないでもない。俺も、あの『すずか』はちょっと苦手だ。原作の『すずか』は、問題無いんだぜ?

でも、意識が母となった『すずか』がダメなんだ。

特に、暗黒モードが怖過ぎる。

 

「だから、連れてってくれないかなぁ?」

 

「諦めろん。暗黒モードにさえ成らなければ、何処にでも居る普通のお姉さんじゃ無いか。そりゃ、直ぐ黒いオーラが出て来るけど。それ以外は、綺麗な女性だと言い切れるぞ?」

 

「ソレが、駄目なんじゃ無いっ!!」

 

「大丈夫、大丈夫。何なら、リリィも付けるから帰れw」

 

「笑いながら言われても、安心できないよ!?」

 

きっと、いつかは慣れるさ。

それまでは、頑張ると良い。

 

「神崎ぃ……連れてってよぉ……」

 

「うぐっ……」

 

ヤバい。見た目が、クロエだからか涙目の上目使いで強請られるとグッと来る。中身男。中身男……OK、落ち着いた。心を鬼と化し、リリィに笑顔で引き渡すとリリィが少し引いている。何故だ!?とまあ、茶番はここまでにして置いて俺はオルタと共に討伐隊が組まれている現場へと《チェンジ・リング》する。

 

 

 

……………………

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

「素晴らしい!!素晴らしい程に、優秀な囮ですね!!」

 

「納得行かないけどな!!ホント、入れ食いですよ!?」

 

俺が現場へ行って、軽く散策しただけで現れる転生者達。しかも、バッタリ遭遇するだけで……『ギルガメッシュだとぉ!?』とか叫びながら、次の瞬間には敵意剥き出しで殺しに来るんだから笑える。つか、『新たな転生者だと!?』とか『慢心王だとぉ!?』とかもっと他の言い方でもいいのよ?なんで、『ギルガメッシュウゥ!?』とだけ言って襲って来るんですかね?いや、マジ勘弁して下さい。その後、俺の情報が他の転生者にも伝わったのか来るわ、来るわ……犯罪者へと堕ちた転生者共が、次から次へと現れて使い魔達に処理されて行った。

 

「ここまで、簡単におびき寄せるとは……戦鬼から、囮に転職しませんか?なんでしたら、高待遇でスカウトしますよ?」

 

「いや、良いです。お断りします。というか、貢献ポイントに色を付けて貰うだけで良いです。それか、翼の方の状況を教えて下さい。多分、あっちも恐ろしい事になっていそうだ……」

 

「ええ、構いませんよ?というか、あれだけ隠れていた転生者がほぼ壊滅状態ですね。素晴らしい!本当に素晴らしい!!」

 

スンゲー、褒められるんですけど!?まあ、褒められる事に悪い気はしないので構わないけど……転生者の単純さに目から汗が流れる。お前等、そんな単純で良いのか!?

そりゃ、翼に群がるのは致し方無いとしても……ここで、出て来たら二度と原作人物達と会えなくなるんだぞ!?

俺等みたいに、記憶を引き継いで次の世界へ行ける可能性も無い。これは、俺達にのみ許された特権だからな?というか、俺の幼馴染み達が優秀過ぎて一人生が終わる前に他世界で存在を作られるから生じているバクの様なモノらしい。多分、師匠の《ルール・ブレイカー》が影響しているとのことだけれど……アレで、刺された記憶無いんですけど?まあ、刺されなくても近くで影響を受け続けたら過去・現在・未来関係無く受けた事になるとのこと。

【理】を破砕するって事は、そういう時間とか概念とかも破砕されるって事らしい。

 

「師匠の能力が、チート過ぎて草生えるw」

 

「近い将来、私達もアノ虹色の鍵で刺されるって事?」

 

「そういう事だな。そして、過去、現在、未来と時間とか関係無くなって記憶が統一されると……どこの時間軸ですかねぇ?戦犯犯した奴は!?ってぇネタに出来るって訳だ……」

 

「うわぁ……くるみちゃん、ですね?わかります……」

 

「時○狂三か……懐いなぁ……」

 

正に、ああいう感じになるらしい。言い得て妙だなw?

其々の並行世界。其々の時間軸。その中で、其々の俺が其々の物語を紡ぐ。それこそが、《神殺し》という種族らしい。まあ、正確な所は地獄の鬼が多次元世界を股に掛けて【神】の死を招く物語なんだそうだ。ここで、ワンポイント。そもそも、《神殺し》って言うのは【神】を殺す為に存在しているのでは無く【神】に死を招く為に存在していると師匠は言う。だから、現在進行系で存在している《神殺し》達の在り方がおかしいとのこと。

何故なら、彼等は【神】という存在を憎み過ぎているからだ。本来であれば、《神殺し》は【神々の寿命】という役割であり今みたいに憎悪から【神】を殺す存在では無い。なので、一番本来の《神殺し》に近い存在と言えば如月双夜(仮)が本物に近い存在らしい。まあ、彼はどちらかと言うと【神】より【異世界】という世界そのものを憎んでいるらしいけど。

 

「さて、数日仕事になるかと思いきや一日仕事ですんだぞ?」

 

「良いんじゃない?早く済めば、それだけ楽できるじゃん……」

 

「まあ、それはそうなんだけど……納得行かない!」

 

「私としては、神崎と一緒に居ると神崎が悪者になる理由が不明だわ。それで、私が神崎を『お兄ちゃん』って言ってるのに兄妹と思われないって言うのも……解せぬ」

 

本人の申告より、先行するイメージの方が強いという不思議。そもそも、ギルガメッシュ転生者の信頼と実績が怖い。何故か、ギルガメッシュ転生者イコール踏み台&間抜けな慢心王という意味不明な先入観。

アレって、何なんだろうね?

 

 

 

 

 




様子見からの堕ち転生者狩り。そして、安定の転生者ホイホイが囮役を勤めて討伐に貢献。翼も、襲われ要員として参加。恐ろしいまでの美貌で、犯罪者な転生者を誘き寄せてからの使い魔が討伐する。いやー、優秀な転生者ホイホイが居ると楽で良いですね?特に、やられ役のギルガメッシュさんはとても優秀です。他の物語では、メッチャ踏み台として活躍されていますが…ここまで、やられ役になっていると逆に可哀想になってきました。まあ、だからと言う訳ではありませんがウチのギルガメッシュさんは慢心してないし強いですよ?ええ。物理的にw。

とりあえず、次はトーマがどうなったかを書いてみたいですね?なんなら、トーマ視点で書きたいモノです。

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m(_ _)m

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いつも、読んでくれてありがとうございます。

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