絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四五九話

Re:

 

 

「お前……」

 

何か言いたげな白亜を、一睨みで黙らせて俺は目を閉じた。そりゃ、多くを望めるなら翼と恋仲になって今を生きたいとは思う。だが、それは望んではならないモノだ。

だって、彼女は転生を望んでいて俺はこれからも生き続ける存在となった。真面目な話、そんな俺と彼女では釣り合わないだろう?なら、自ずと答えは出る。多分、美愛や亮は俺が翼と一緒になると思って居るんだろうが……俺的には、また出会えただけで十分だった。

 

「出来るなら、普通に会って恋人になれれば良かったんだがなぁ……難しいだろう?こんな、巡り合わせじゃぁ……」

 

「でも!……だからって、諦めるのは……っ!」

 

「黙っとけよ。何、口開いて居るんだ?」

 

「黙ってられるか!!」

 

「仕方がないだろう?男に対して、トラウマを持つ者に恋人を作れなんて言う訳にも行かない。ハハ、馬鹿を言っちゃイケない。そんなのは、他人の押し付けでしかないよ」

 

「…………本当に、自分の人生を踏み台にする気!?」

 

「さぁ?でも、それを選べるのは俺と翼だけさ。周囲が何を言った所で、本人達が納得しない限り意味は無い」

 

「なんで、他人事なんだよ!?」

 

「他人事だよ。俺は、既に覚悟を決めている。後は、翼の気持ち次第だ。ほら、他人事じゃないか?」

 

こちらは、翼が幸せになれるなら身を引く覚悟もあるってだけだ。だが、誰にも翼を幸せに出来ないと言うのなら……微力ながら、俺が彼女を支えて幸せにしてやりたいと願っている。でもそれは、()で無くても十分間に合うんだよ。どうせ、師匠達からすれば翼は『証拠物件』という失われてはイケない存在だ。転生した所で、その【魂】の所在は常に監視される事になるだろう。

例え、記憶が無かったとしても【魂】という証拠は在り続ける事になるからな?本人が、別の人生を歩んでいたとしても【魂】を複製して調べればその証拠は直ぐに浮き彫りとなる。

 

「どう、足掻いた所で色んな人々が動いているんだ。その全容がわからない以上、俺達が何を言った所で意味も価値もない」

 

「お前は、それで良いの?」

 

「多種多様な種族が、一つの意思で一丸となって動く様を見せられたからなぁ……良くも悪くも無く、どうにも出来そうに無い」

 

「逃げちゃえば?」

 

「逃げられると思うか?《神殺し》に《旧・神族》。他にも、多大な勢力があって奏を狙っている奴は五万といる。どうしろと?」

 

「え!?そんなに?なんで!?」

 

「奏は、愛玩具に付与させる【魂】なんだそうだ。それも、違法に準備された…確か、この辺に…お?あった、あった。ほらよ」

 

言って、積み上げられた雑誌の束からその一冊を取り出して白亜に投げてやる。それは、数多くの暇を持て余した神々が暇潰し用として使う玩具の紹介カタログだった。

つまり、翼のタイプモデルが載る神族御用達の違法通販カタログである。

 

「なに、コレ……」

 

「見ての通り、通販カタログだが?」

 

そう、説明する間もパラパラと内容を確認する白亜。段々、その表情が固まって青く赤く変化して行く。

最終的には、殺気を帯びた瞳で俺の方を睨んで来たので源蔵的に許せる範囲を超えた模様。

 

「ねぇ、コレ、なに?」

 

「俺に怒っても、仕方がないだろう?まあ、言うなれば神々の暇潰しの産物かな?そこにあるのは、端的に言うと愛玩具って奴だ。で、レンタルモデルTypes-女神が翼の元になった素体。それでも、物足りなかったのか違法に手に入れた魂が奏という俺達の幼馴染みって訳だ。で、その周りに集まった特異点が俺等だな……」

 

「つまり、かなッチが居たから転生する事になったって事?」

 

「別に、奏が生まれたから俺等みたいなのが集まった訳じゃねぇぞ?奏は、切っ掛けに過ぎなかったらしいからな?」

 

「そうじゃ無い。そう言う意味じゃない!なんで、かなッチが……かなッチだけが、そんな辛い目にあってんのよ!?」

 

「別段、奏だけがって訳じゃないぞ?奏は、事例の一つに過ぎない。こう言うのは、割とそこかしこで起きている事案らしいぞ?つまり、どこでも起きる可能性があるって事だ」

 

「これが、神々の暇潰し?なに、それ……こんな事が、許されるの!?神様だからって、こんな事が許されるべきじゃない!!」

 

「まあ、気持ちはわかるが……じゃ、聞くけど?なら、なんで《神殺し》なんているんだろうな?」

 

「へ?」

 

「俺も、《神殺し》って言う存在に転生したんだが……その存在意義は?なんで、《神殺し》なんて名前が付いているんでしょうね?答えは簡単。そういうクズを殺すのが俺等のお仕事です」

 

「………………なら、私も《神殺し》になる!!」

 

「あー、ハイハイ。そう言うのは、俺じゃなくて師匠に言ってくれ。俺に、その権限はねぇから……」

 

そう言うと、白亜は怒り顔のまま踵を返し師匠の元へ凸って行った。はぁ……それにしても、どうして俺の幼馴染み達はこうも理不尽に立ち向かいたがるのかねぇ?

いや、まあ……今までも、散々理不尽に立ち向かって乗り越えて来たっていう実績はありますよ?でも、規模が違うだろう!?ぶっちゃけ、相手は神様権限という絶対権を持った人外だ。ガチな理不尽を連発する、【神様】と呼ばれる存在なんだ!!高々、一個人の狂った感情一つでどうにか出来るとでも思っているのか?もし、出来るとしても今の状況からして『難しい』事である事は簡単に予想が付く。だって、《神殺し》がアレだけ居ても駆逐できてない時点でどうにも出来ないと証明されている様なモノだ。

最早、《旧・神族》をどうにかした所で世界が平和になる等と信じられ無い程には現実を見た。

 

「世界を平和にする等と誰が申したか?」

 

「……ナチュラルに、心を読まないでいただきたいのですが!?」

 

「安心して下さい。白亜さんを《神殺し》には致しませんので…」

 

「いや、アイツの説得は師匠に丸投げしただけです」

 

「そうかのぉ?余計な事まで考え過ぎておる様な気がしたんじゃが……思考が暴走して、関係ない事まで考えて思い詰めておる様に思えたのだがのぉ?」

 

関係ない事まで?……いや、関係なくは無いだろう!?

理不尽を振りまく神々に、対抗手段を得た所で駆逐出来ないのなら同じ事でしか無いだろう!?それなのに、俺の幼馴染み達はそんな理不尽の塊に対抗手段があるからと無謀な事をしようとしているんだぞ!?

そんな彼等を、どうしたら踏み止ませられる?

 

「フム。重症の様じゃ……」

 

「では、【組織】が元々どういう場所であったか……から、お話しましょうか?それならば、兄様も納得して下さるハズ」

 

「成程のぉ?では、兄様よ。【組織】と呼ばれる、かの地がどの様な場所であったかの話をしようでは無いか?」

 

「彼処は元々、世界の内側で生活する為の権限を持たない者達が集う場所だったのをご存知ですか?」

 

「は?なんだ、そりゃ!?」

 

世界の内側で、生活する為の権限ってなんだ!?

 

「要は、住民権の様なモノがあるんじゃよ」

 

「ですが、稀にその世界で生まれたにも関わらず住民権を持たない方々が居ました。そういう方々を、【渡り人】もしくは【放浪者】と呼びます」

 

例えば、その世界の管理者が適当に選んだ住人の住民権を無理矢理剥奪したりするとそういう存在が出来上がるんだそうだ。住人権を失ってしまった存在は、その世界から強制的に弾き出されて死ぬまでありとあらゆる世界を盥回しにされてしまう。一応、生まれ育った世界以外にも入る事は出来るけど…当然の事ながら、永住権を持た無いので一定期間で追い出されてしまう。故に、彼等は世界から世界へと放浪する《渡り人》と呼ばれる存在となる。

 

「なんで、住人権を失ってしまったんですか!?」

 

「当初、明確な理由まではわかりませんが住人権の剥奪は良くあったそうです。ええ、【組織】にいる《神殺し》には……」

 

「だが、最近になってその理由は判明しておる。まあ、良く良く考えればわかりそうな話じゃったがの?」

 

「そうですね。分かり切った話でした……」

 

とりあえず、その理由については後回しにされたので続きの話を聞く。なにはともあれ、生まれ育った世界を離れて様々な世界を渡り歩いた彼等はいつしか安住の地を求めて彷徨う事となる。

そして、調度その頃に【始まりの魔法使い】と【大魔導師】と呼ばれる存在が《次元の果て》にて出会い……《次元の果て》にて、【零の次元】が生じる切っ掛けを作ったとされているそうだ。この時はまだ、その【零の次元】で何かが出来る訳でも無かったし、今みたいに特定の施設がある訳でも無かったのでとりあえず生じたというだけの話だった。

 

「もしかして、【組織】発足まで長い感じですかねぇ?」

 

「「永い(の)ですよ?」」

 

メッチャ、時間が掛かりそうな話に辟易とする。

だが、気になる話ではあるので黙って聞きたかったのだが……ちょっと、気になる部分があった。

 

『ながい』って、どんな字を使いました?

 

「とりあえず、二垓年程時間を飛ばしますね?」

 

「に、がい、ねん?……二垓年か!?つか、長っ!!」

 

「実は、【組織】が発足したのはここ一兆年程の話なんじゃ…」

 

「はぁ……は?」

 

いずれにしろ、俺に取っては気の永過ぎる話である事が判明した。つか、【垓年】ってどんだけ気の遠くなる年月なんですかね!?それだけで、【組織】の成り立ちが厄介極まりないモノだってわかるわ!というか、それを全部聞かせる気も話す気も無いってのはわかったよ!!

なにはともあれ、その間に仲間が増えたんですね!?

じゃ無かったら、二垓年も何をしてたんだって話になる。

 

「まあ、なにはともあれ一兆年程昔に【鮮血の小悪魔】が『零の次元』に流れ着いて漸く安住の地建設計画が始まったそうだ」

 

「それまでは、『零の次元』の性質上……力のある存在しか、存続出来んかったらしいからのぉ?他の者は、ありとあらゆる世界を盥回しにあっておったそうじゃ。まあ、『渡り歩いておった』と言っても良いが……それは、オブラートに包んだ表現じゃな」

 

「使い勝手の良い駒的扱いだったと聞いています。なにせ、そこそこ高い能力があり永住権を持ちませんから世界の問題を押し付けて解決させてしまえば良いのです。解決後は、期間が過ぎたと世界から追い出してしまえば報酬も発生しませんから」

 

「うへぇ……《神殺し》の氷河期?」

 

もしくは、黎明期ってヤツだな。

つか、【組織】ってもっと長い歴史があるんだと思ってた。だけど、【鮮血の】さんが来るまで烏合の衆だった訳か……まあ、それでもヤバい所である事に変わりは無いけど。というか、どっかで聞いた様な話である。

 

「そうですね。現在の如月双夜(仮)が、受けている仕打ちに近いモノがあります。まあ、アレよりも酷かったと思って下さい」

 

デスヨネー!という訳で、脳裏に過ぎった人を当てられたので黙って頷いて置くだけに留める。てか、《神殺し》達もあの人と似た様な人生経験があるんですね?まあ、あの人は早々に庇護下に入ったみたいだけれど。なんせ、()使()()の《神殺し》ですもんね!!

 

「神々からの干渉は無かったんですか?ほら、如月双夜(仮)さんみたいに……」

 

「ありません」

 

「兄様よ。アレは、()だから受けられるシステムだ。そもそも、その仕組みを組み上げたのは我等がMasterだぞ?」

 

「あ、はい」

 

成程、ここ最近出現したシステムなんですね?

わかりました。

だとすると、便利なシステム等は師匠や【組織】が関わった結果だと覚えて置く。つか、もっと昔はどんな状態だったのだろう?

ちょっと、聞くのが怖くなった。

 

「え?じゃぁ、【組織】が誕生する前ってどんな感じだったんですか?まさか、無法地帯!?」

 

「……その予測は、あながち間違いではありません」

 

「元より、安住の地が無い我等は放浪するだけの渡り人だ。ありとあらゆる世界を、盥回しにされる日々を送っていたと聞く。当然、神々の支援などありはせぬ故、人権なぞ無いに等しいがな?」

 

そんな理由で、厄災と取られる者達も少なからず居たりして中々に厳しい日々を生き抜いていた模様。特に、人間の三大欲求の一つである性欲なんかが禁止されていたらしい。

即ち、放浪者の種を残すな……と。

 

「人より、劣っていないでしょう?」

 

「むしろ逆です。人より、優れているが故に種を残されると困るのです。特に、上に立ちたい者達に取って驚異にしかなりませんから」

 

「その他にも、財を築いては成らぬとか…迫害されても反撃をするなとか、そういうルールもあったと聞く」

 

ここまでの話を纏める限り、永住権を奪われた《神殺し》の前段階な人達はその世界の住人よりも優れているって理由でそんな鬼畜の所業を受けたんだろう。それも、かなり長い期間。でなければ、この広い次元世界で《神殺し》達がここまで目立つ事は無いと思われる。その上、一時期それなりの規模で纏まったらしい彼等は千年程でバラバラに()()()んだそうな。

その当時を知る者として、セイビアさんの名前が上がっていたけれど……そうか、セイビアさんってその当時に活躍した人だったんだ。他にも、銀河さんや最強の女剣士さんの名前が上がったので彼等もその氷河期を体験した猛者らしい。後の人達は、知らなかったり名前を聞いた事はあっても会った事の無い方々だった。

 

「フと、思ったんですが……永住権を奪われた人達って、普通の人達とどんな風に何が違ったんですか?」

 

「……そうですね。兄様は、人間が何を模って創られたと思われますか?もしくは、何を模倣したと知っていますか?」

 

「人間が……ああ。神々の姿を模倣して創られたって話ッスね?確か、何かの書物……いや、TVで聞いたかな?」

 

「フムフム、兄様も色々ヤバい話を知っておる訳だの?」

 

「『我々は、神の子である!』なんて、声を大にして吹聴する馬鹿が居るくらいだからなぁ?実際問題、本当に()()なのか確かめ様も無いって言うのに……」

 

つか、だったら神様に【善性】云々があるなんて話も眉唾になるとわからないのかな?と思わずにはいられない。

下手に、人間が神々を模倣して創られたとすると三代欲求が神々にもあると言っている様なモノだ。だとすると、色んな方面で面倒事になるって言うのに神様絶対善性説が横行するって言うんだから頭がおかしい。完全に、妄想の産物と化しているじゃ無いですか!?これって、【伝説の聖女】と同等レベルの妄想力ですよ!?【伝説の聖女】……それは、男共が好む欲望&妄想詰め合わせセットじゃないですか!!正に、欲望の理想系!こんな女性が居たら良いなぁ……と、詰めに詰め込んだ夢の集大成。

それが、【伝説の聖女】である。

男達がこぞって、『俺の嫁』と声を大にして叫ぶ欲望の理想系……居る訳が無いじゃないか!?

 

「人の夢……と書いて、儚いと読むを完全に再現してるよな?」

 

大和撫子なんて居ないんだぜ?そんなモノは、幻か夢の中にしか居ないから忘れる事をオススメする。全く、男共の妄想が一人歩きを始めると糞面倒になるってわからないのかねぇ?はぁ…(凹)。

 

「で?人間が、神々の模倣体って話がどうしたんだ?」

 

「それが、事実だった場合……どうなると思いますか?」

 

「は?例え、事実だったとしてもどうもなる訳が無いだろう?」

 

「では、仮に……模倣体として生まれた個体に、神々の能力が宿ったとするなら……世界は、どう動くと思うかの?」

 

「…………まさか、『渡り人』って……」

 

「まあ、完全な【神の力】では無かったが……そういう事じゃ」

 

「うへぇ……あ?それって、全部が全部って訳じゃねぇよな?」

 

「気が付くんですね。兄様は……」

 

「そうだの。気が付かんでも良い事に気が付くのが兄様じゃの」

 

つまり、神々を模倣して創られた人間と()()を模倣して創られた人間が居るって話ですよね?だから、全ての人間が神々の能力を得られる訳では無いって事。ぶっちゃけると、世界には二種類の人間が混在して存在しているという話だ。

 

「純血の奴等が居るんですね?あ、もしかして……純血には、神々の魂が宿ったりする事もあるんですか!?」

 

「本当に、気が付かなくても良い話ですよ?兄様」

 

「我々がMasterは、とんでもない人材を掘り出して来るのぉ?」

 

「いずれにしても、こういう人材は掘り出さないで欲しい所です」

 

「全くだ。我等の仕事が、増えるでは無いか……」

 

「面倒臭いですね。兄様」

 

「面倒臭いのぉ?兄様」

 

「俺、今メッチャ面倒臭がられてるんですけど!?」

 

だって、神の力を得られる人とそうで無い人の違いとか話の流れから普通に考えません!?それを考えたら、力を得られる人とそうで無い人の違いが神を模倣したかそうで無いかだと思い当たりますやん。それで無くても、人間が神の模倣存在だなんて思い当たらないし……ネタバレをされた以上、聞かない訳にも行かないじゃ無いですか!

つか、『隔世遺伝』とか『先祖返り』とか知ってたら普通に至れる話だと思う訳よ。ん?同じ意味か?

 

「だからと言って、ピンポイントで言い当てるのは止めて下さい」

 

「まあ、純血云々は置いておくとして代を重ねた者は血が薄れるがの?だが、それでも『先祖返り』をしない訳では無い」

 

「じゃぁ、神を模倣し創られた人間と……その創られた人間を模倣して生み出された人間が居るんですね?」

 

「ウム。そういう事じゃの……」

 

「だからと言って、その人が特別特殊な訳では無いのですよ?」

 

「どちらかと言うと、『運が悪かった人』と言うのが通説じゃ」

 

まあ、世界から永住権を取り上げられている訳だし師範代達の言う事は間違いでは無い。でも、だとするなら【組織】に所属するとある人達についての説明が成り立たなかったりするんだけどね?

 

「まあ、人間が創られた理由とか神の力とかはどうでも良いとして……同一個体の方々は、なんで同じ様に覚醒してるんですか?」

 

「「あ゛……」」

 

平行世界が、そこに住まう人々や歴史が異なる世界だと言うのなら……当然、生まれや身分も違うのが普通だ。なのに、【組織】には同一個体の方々が普通に先祖返りを起こして仲間として滞在している。もし、彼等も模倣体やそうで無い肉体の方々が居たハズなのに【組織】に集っているという理由が不明だった。

 

「「……………………」」

 

「…………ん?え…………あ。また、やっちゃいました?」

 

「はあああぁぁぁぁ……面倒臭ぇ……」(素)

 

「痛く、辛い所を連続で突き刺すの止めて頂けませんか?」(素)

 

「え―――、知らんがな……」

 

模倣体と、模倣の模倣体があるってのを指摘しただけなのにこの反応。もしかしなくても、かなりヤバい部分を突っ突いちゃった模様。しかも、師範代達のこの反応から最もヤバいネタを引き当てたっポイ。いや、でも……あれだけ、同一人物が特殊能力持って居たら気になりますって!つか、素。素ですよ!?師範代!!

 

「はあああぁぁぁぁ……兄様ェ。どんだけ~?」

 

「思わず、素が出たの?……フムゥ。如何したものか……」

 

「少々、Masterにお伺いを立てて参りますのでお待ち下さい」

 

「それが、正解じゃの。兄様よ。そこで、休んでおれ……」

 

うわぁ……判断を師匠に丸投げレベルですか!?

マジか……。

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

「結論から言おう。アイツ等は、過去と未来と現代が狂ってる奴等だ。ぶっちゃけ、【始まりの魔法使い】カッコ未来人カッコとじが過去に居るせいで現代に生まれる者達が侵食を受けた結果、先祖返りを強制させられている……という話だな!!」

 

「あ、はい」

 

詰まる所、【始まりの魔法使い】が未来でやらかして過去へと至ったせいで、その後に生まれて来る平行世界上の【始まりの魔法使い】が結果的に『神の子』状態へ強制的に先祖返り状態にさせられているとのこと。ぶっちゃけ、何がなんやらサッパリ訳わからん話なんだけれど!?過去に、未来(結末)の自分が居るから世界的な感覚では人間として生まれて来たとしても未来の自分が人外に至っているので強制的に人外化しているってのが真相らしい。

 

「言いたい事はわかります。でも、そんなんアリなんですか!?」

 

「実際に、起きてるじゃん。【始まりの魔法使い】が、過去に居るせいで現代に生まれるアイツが人外化してるんだよ」

 

「はた迷惑ですね?」

 

「うん。死ねば、良いと思うよ?」

 

嗚呼、これも因果の逆転という奴なのかも知れない。それに加えて、円環の理で最終的に人外へ至ると?誰がこんなん、思い付くと思ってんのさ!?そら、全員……世界から、つまみ出される訳やわ。例え、模倣体の模倣でも結果が既に人外となっているなら【始まりの魔法使い】が覚醒した年齢になった時点で人外化待った無し!ですわ。いや、マジでナニコレ!?ですよ!?

 

「だから、あの人って独り身なんですか?」

 

「それは、関係ない。アレは、アイツがモテないだけだ」

 

「はあ……そうッスか……」

 

だから、その人外化させてしまった責任を取って『安住の地』なるモノを作ったというのが【組織】発足の決め手だったそうな。

まあ、【組織】発足までにはそれはそれは長ーい準備期間があったらしいけど……それに、【始まりの魔法使い】は関わって居ない。つか、それをやったのは【鮮血の小悪魔】だそうだ。《次元の果て》に、【零の次元】を創ったのが【大魔導師】さん。そこを、人の住める場所に魔改造きたのが【鮮血の】さんだそうな。

 

「責任?【始まりの魔法使い】、何もしてねぇじゃん!?」

 

「だから、()()なりたく無いと転生した奴もいる」

 

ぶっちゃけ、【始まりの魔法使い】がやった事と言えば……《次元の果て》に至って場所を提供しただけと来たもんだ。そんなモン、誰でも出来る話だろう!?それで、責任を果たしたと言えるのか!?言えねぇだろ!?マジか!?マジで、あの人……その程度の事しかやってねぇのか!?この瞬間を持って、俺の【始まりの魔法使い】への信頼度は地に落ちた。アイツも、クズですよね!

 

「マジで、死ねば良いのに……」

 

「だろう?やっぱ、そう思うよな!!」

 

「嗚呼……Masterの【始まりの魔法使い】嫌いが兄様にも感染った……まあ、当然の結果ですが!!」

 

「これは、どう仕様も無いの?フォローも、出来ぬ。する気も無いがの?じゃが、鬱になるの?」

 

こうして、俺は師匠の【組織】や【始まりの魔法使い】に対する気持ちを完全に理解したのであった。【始まりの魔法使い】は、死んで良いよ?あ、死ねないんだっけ?だから、引き籠もり扱いなんですね?事実、引き籠もっている訳ですがw。

 

 

 

 

 




神崎くんのやっちまった~回。とりあえず、組織発足の原因と言うか何で出来たのかって話でした。なのに、途中から同一人物達全員が人外化してる理由の話に…まさか、未来人(結末)が過去に居るから皆人外化してたなんて、ね?
これぞ、ガチな因果の逆転と円環の理です。
【因果の逆転】は、結果が先に来た事により経過を飛ばして完結するって話。ここでは、結果が出てるから結論的に人外化しちゃうって設定。【円環の理】は、最終的にその結果へと収束するって話なので間違いでは無い。
全ての原因は、【始まりの魔法使い】だった!!
って、話w。
【渡り人】に関しても、【始まりの魔法使い】に親しい人達だったりします。もしくは、いずれ出会う…とか将来的に影響を受けるという存在だったり……まあ、その影響を多々受けた人々が望む望まない関係なく問答無用で覚醒させられた結果、渡り人となって世界を盥回しにされた。
全ては、不幸な連鎖だったんだ!!とは、本人は言いそう。つか、【始まりの魔法使い】が過去に飛んだ理由って知ってる!?メッチャ、しょうもない話なんだぜ!?
中学を卒業式する際に、卒業生全員の額にラクガキをする為に時間を止め様として魔法を暴走させた結果――って、言うんだから頭おかしい。

そして、覚醒する前に逃げた者も居る。そう、先祖返りする前に転生したヤツとか、ね?でも、それをやった奴は己の周囲にチラチラ奴等の影を見たから未来の自分を知ってしまったんだよなぁ?結論、結局は【始まりの魔法使い】の責任ですね!!全く、酷い奴だ!!特に、双夜の中の人に至っては中学生になる前に死亡。デメリットを沢山抱えて転生しました!!中一の六月までに、逃げ出さないと覚醒しますw!!

嗚呼!?中二病を発症しない!?

wwwww!!




当初の予定では、双夜の恋愛要素が組まれていたんだ。
でも、静を出したので要らなくなったw。切り捨てw。
まあ、例えその要素を組み込んだとしても原作【魔法少女リリカルなのは】に順ずる予定だったので恋人にする人物はアリシアとかリインフォース・アインスとかだ。
つまり、原作に出てたけど死んじゃったり空に帰っちゃったりした人物達が候補だった。まあ、今一番は第一世界のアリシア?が有力だけれど…神崎が、《神殺し》契約したのを見て貰った通り寿命で終了しちゃってます!どうなったかは、予想にお任せする。まあ、組織出した時点で要らん要素になったのは否めない。ぶっちゃけ、永遠(不老不死)ネタで恋愛はNGだからなぁw。

普通に、死ぬw。
人生の墓場的な意味で死ぬw。
病んデレ待った無し!!刺されるぅ!!

【組織】の細かな部署について
色々、考えた設定が山程あったんだけど…紙に書き出している途中で、寝落ちしちゃって起きたら忘れちゃったという、ね!夕方から、始めたのに気が付いたら深夜でさ…それでも終わらなくて、永遠と書き殴ってたら意識が飛んじゃったらしく机で突っ伏して寝てた。ルーズリーフ、二十枚超えの大作だったんだぜ?設定のみでw!終わらんかったw。そして、どうしても思い出せないヤツが…。
多分、商業区の商法的な何かのハズなんだけど…思い付いてたのに思い出そうとすると思い出せないっていう悪夢。
他のは、サルベージしたのに特許に関するある項目が思い出せないっていう、ね?画期的な何かだったのに…ちょっとした、閃きだったから…思い出せないというジレンマ。
何だったかなぁ?ってループ。一度、閃いたんだから順序を持てば閃き直すハズなのに閃かないっていう、地獄。
その後、一旦諦めて別のヤツへと進めたら終わったw。
もう、二度と思い出せないヤツになったw。閃きは、直ぐに書き出さないと地獄を見るだけだと学んだ日だったよ。
因みに、【組織】については不老不死なんだから食べなくても大丈夫じゃ成り立たないと思ったので農業系から作りました。なので、農業区に最強の女剣士が住んでいるってのは最初からの設定だったりします。資源は、天地創造の能力者が無限に創造してくれるので…衣食住を満たせるシステムを組んで利益云々を『死の商売』以外でも確率させたかったんだよ。食わなきゃ、不老不死でも存続出来ないって言う風にしたかったからねぇ。お陰で、割とゴチャゴチャしてる感じです。資格云々とか言い出したら…
( ´ー`)フゥー...。
最終的に、【組織】の設定はルーズリーフ裏表50枚にも昇る。辛かった。誰だ!設定を書き出そうとか言い出した奴は…私だ!!つか、頭の中だけじゃもうどうにもならんから書き出す事になったんだった。施設もそうだけど、設定や地図が…迷路?状態になって覚え切れなく…。
人間の限界を感じたね。惑星規模の階層が…農業区みたいにだだっ広いだけの地図だったら楽なのに…役所の細かさよ…大量の部署が…あああぁぁぁぁ……。

そして、テスト勉強中に始まる全耐久記憶力レースがマジで辛かった。単語覚えなきゃ…設定も忘れない様に…なんて無駄な事をしてたんだろうと思うガチ個人記憶力耐久自滅レースがマジで辛かったんだ。中二後半テスト辺りとか色々とヤバかったんで…もう、書き出すしか無いってレベルにw。組織の設定と学校の勉強が…地獄だったよ(泣)。

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m(_ _)m

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