絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四三六話

Re:

 

 

生前……というか、ついこの間まで現在進行形で存続していたインスタント・ソウル。彼?は、俺が『神崎大悟』になる前の肉体である『鈴木満男』を使っていた白いモヤの様な塊だったけど……そんな彼が、美愛に滅多刺しにされてた記憶と共に俺の中へと入って来た。そのお陰で、オリジナルの魂プラス『インスタント・ソウル』が三つの塊となる。まあ、イメージ的なモノで物理的な形では無いんだけど。つい、先日その彼に恋人なる者が出来たと報告された訳なんだけれど……まさか、こんなにも早く死んでしまうとは。ここで、『情けない』と宣えれば良いのだが状況から思うにアレは無理だと思われる。つか、結婚披露宴で滅多刺しにされるとか誰が思うのか……幸せな時間が、阿鼻叫喚の様な地獄に早変わり。いやー、最後に見えた人の表情が余りにもアレだったので死に行く最中メッチャ冷静だった。てか、目を見開いて驚く亮の顔が目に焼き付いててウケるw。まさか、アイツですら把握仕切れて居ない情報があるとは思わなかった。

とりあえず、もしかしたら【組織】に居る美愛にも何かしらの影響が出ているかも知れないので亮の端末に連絡を取ってみたら……あっちでも、美愛が覚醒してて大騒ぎになっていたらしい。

なので、その辺りの情報含む原因を報告してみたらこっちの亮も驚いていたらしく何度も同じ事を確認して来た。まあ、わかるけど。一番、信用していた相手が発狂してたなんて信じられ無いだろう。それが、いつも冷静沈着な妹なら尚の他。俺的には、その場に居られなかった事が悔やまれる。まあ、居ても殺伐とした危険な空域である事に変わりは無いんだけど。それに……その場に、翼が居なかった事も幸いだった。最後の瞬間に見た美愛は、とてもじゃ無いけど形容し難い状態だったから。本人の名誉の為に言わないけど、大凡女の子がしちゃイケない顔と表情をしていたのを覚えている。そんなに俺の事が、好きだったのかぁ……そうか、そうか。いや、全然気が付かんかったわぁ(棒)。今なら、知ってるけど。つか、気が付いちゃってたけど!生前では、鈍感過ぎてわからんかったです。え、なんでわかる様になったか、だと!?

そんなん、ウチの師匠と師範代に聞いて下さい。鈍感な奴を覚醒させる方法を御存知らしい。お陰で、恋愛マスターになったぜ!

はい、嘘です。生前から、知ってました!!いや、あんだけ絡まれたら普通に気が付くっしょ!?それでも、インスタント・ソウルな俺が彼女を選ばなかったのは一種のケジメみたいなモノだった。その結果が、滅多刺しだと言うのなら受け入れざるを得ないッス。でも、一言くらい亮に相談しててくれればその話が伝わったと言うのに……その辺りの事を、インスタント・ソウルはちゃんと亮に説明していた。これ以上、甘えられないってな?

だって、俺……あの二人に、おんぶに抱っこされてたんだぜ?流石に、抱っこまでは行かないけど……おんぶは、間違いなくされてた。だから、独り立ちをする思いで婚活をした訳なんだけれど。

まさか、こんな結末になるとは思わない。

 

「美愛が、俺を滅多刺しにしました」

 

「…………自業自得だな?捻くれ者」

 

「いや、待って!全然、捻くれてないッスよ!?」

 

「ケジメとか言って、ルート変更している時点で十分捻くれているとも。なら、そのまま彼女を受け入れてやれば良かったじゃ無いか。まあ、僕は別ルートに進むだろうけど……」

 

「師匠も、別ルートとか言ってるじゃないッスか!?」

 

「んー……三桜とか?とりあえず、俺が支えてやるぜ?」

 

「……なんで、三桜!?むしろ、逆に驚かれるわ!!」

 

「三桜なら、滅多刺しは無かったハズたぞ?」

 

「んん!?三桜、なら?なんで、三桜なら問題ないんですか?え、まさか……三桜だったら、滅多刺しルートに成らなかったとか?」

 

「……………………」

 

ちょっと、奇妙な引っ掛かりを覚えたので適当な事を呟いてみると師匠があからさまに視線を反らして来た。おいおい、ちょっと待って下さいよ!?まさか、このルートもアイツが残していた置き土産だったりするんですか!?だとすると、未だ俺の知らない裏話があったりするんじゃ!?そう、思った瞬間には浮かんだ疑問を問い質す為に手を伸ばしていた。すると、師範代が前に出て師匠との間に身を滑り込ませ俺の手を遮る。これ、確定ッスわ。

 

「マジッスか!?これも、神の采配だと師匠は言われるんッスね!?そんな……だとしたら、俺等に自由なんて……」

 

「此奴、Masterにカマを掛けただと!?」

 

「え!?驚くとこ、そこぉ!?」

 

トーマ!トーマ!師匠の能力、【真実の瞳】をお忘れですよ!?

その上で、オルタは驚いていたんだけれど……トーマには、その辺りの情報が抜けている様で奇妙な反応になっている。まあ、情報を持っているかいないかでは無く、ド忘れているっていうのがトーマらしいのだけど。忘れているなら、それはそれで面白いので師範代に視線を飛ばした。パチッと、オルタに続いてリリィにも視線が合う。その上で、トーマを指し頭の上で指をクルクル回して開いて見せる。それだけで、通じるかは不安だったけれど……トーマが、【真実の瞳】を忘れている事が伝わったらしくニィと一瞬だけ唇を笑みの形に変えた。という訳で、茶番開始w。

 

「そんなっ!?なら、なんでもっと早く教えてくれなかったんですか!?せめて、俺が滅多刺しにされる前に知っていれば!!」

 

「はぁ!?それは、わかっててもo…仕方が無かったんだ!枝分かれした未来の一つでしか無いんだから、忠告仕様も無い。教えたとしても、未来がどう転ぶかなんてわからないだろう!?」

 

(アレ、途中で『茶番開始』が見えたんでしょうね?)

 

(そして、Masterにもトーマが【真実の瞳】をド忘れしている事が伝わる……とw)

 

師範代達の念話?が飛んで来るけど、口が笑わない様に我慢しつつ茶番を続行。その間も、師範代達はオロオロした様な反応でトーマを甚振る。つか、いつ気が付くかなぁ?と始めた茶番なんだが……コイツ、気が付くのだろうか?気が付かない可能性も?

 

「それは、そうですけど……人命が、掛かっているじゃ無いですか!俺だって、長生きして親孝行したかったッスよ!?」

 

「だ、だからと言って人一人の為に禁を犯す訳には行かないだろう!?そんな事をしたら、世界が歪んでしまうじゃないか!!」

 

(おや?Masterが、怯みましたね?)

 

(ド正論だったからの。いつもの逆パターンにMasterも驚いたのじゃろw。正論で殴るのは、いつものMaster側だからのw)

 

(時々、ワザと見当違いな事をしてますけどねw)

 

「それでも、たった一人の歪みじゃ世界がどうなる事も無いでしょう!?すぐに、修正されるだけの話じゃ無いですか!師匠は、弟子が可愛くないんですか!?」

 

「…………かわ……」

 

(おや?Masterの様子が……)

 

(兄様が、割とドストレートに殴って来たからの。照れておるんじゃろ……段々、面白くなって来だぞ!!)

 

「わかりました。そっちが、その気なら今回の原作ヒロインズの所に行くのは師匠という事で!ハイ、決定ぇー!!」

 

「ちょ!?何故、そうなるんだ!?」

 

「では、頑張って来て下さいね?ペナルティが、師匠にあっても問題ないでしょう?見殺しにしたんですから、良いですね?」

 

「茶番じゃ無かったのか!?」

 

「え、茶番?」

 

「当初は、そうだったんですが……師匠が、俺を見殺しにした事がわかりましたので……借りを返して下さい」

 

「ぐっ……ぐうの音も出んとはこの事か……」

 

弟子にしてヤラれる師匠の図。こっちとしては、完全にただの偶然なんだよなぁ……何か、上手く行ってラッキー♪。

 

(兄様、強いw!)

 

(兄様、腹黒いw)

 

「うるさいよ!!」

 

「あの、茶番って何ですか!?」

 

「連帯責任だ!トーマも連れて行くぞ?」

 

「良いッスよw。今回は、トーマが【真実の瞳】を忘れたのが悪いんで連れて行って下さい」

 

「へ?【真実の瞳】……ああ。ああぁぁぁ……」

 

そこで、漸く自分が仕出かした事を理解したのかトーマが崩れ落ちて行った。まさか、ここまで気が付かないとか……これだから、真面目な奴ってからかいやすいなぁw。そして、それが災いとなり師匠は原作ヒロインズの所に出向となった。こうして、俺は師匠を追い出して……何するんでしょう?もしかして、暇になった?

それと、同時に転生者達の人生終了のお知らせです。気持ち的には、師匠がそちらへ向かうのをお知らせして上げたいんだけれど……どうにも出来なくて萎える。というか、『逃げて!超逃げて!!(ネタ)』と伝えたい。どうにも、シチュエーション的に使えないネタや振りがあるから温存され続けるネタがあるんだよね?

全部、吐き出して新しいネタを集めたい所……とりあえず、前回手に入れた大量の肉を消費しましょうかねぇ?まだ、残ってたりするんだよなぁ……適当に、廃墟の近くに秘密基地を設置して残る人達を確認する。つか、十一人中九人も残るのかよ!?ユーリやリーンフォースは着いて行っても問題ないぞ?え、準ロストロギアだから残る?まあ、それは構わないけど……構ってはやれないぞ?まあ、すずか達は出て行けば周囲に混乱を撒き散らすばかりだから致し方なしだ。ちょっと、すずかさんが凄い形相で睨んで来ているけど気にしない。ここまで、スルーし続けて来たんだ。

これからも、スルーし続けますよ?段々、スルースキルが高くなって来ましたからねぇ?昔は、彼女達を含めた原作ヒロインをハーレムにする!と言い続けて来たけど……最近は、もうどうでも良くなって来た今日此頃。これが、俗に言う『真実の愛に覚醒めた』ってヤツなんですかねぇ?いや、まあ……冗談何ですけど?

これで、婚約者とか居たら『婚約破棄だ』云々言っちゃったりする事になるんですか?ああ、小説の話だぞ!?小説の話!!

つか、今読み掛けの悪役令嬢モノの小説が有りまして……師匠にも、オススメしたけどヒロインがサイコパス過ぎて面倒になって来ました。ええ、読むのが。これなら、ほのぼの系の物語の方が良かった気もしないでもない。というか、乙女ゲームと関係の無い世界で乙女ゲームに似たシチュエーションとか起きるのかねぇ?

つか、この世界って魔法少女達によるバトルシーンがメインの物語ですよね?なのに、恋愛と婚約と破棄がどう絡むのかイメージ出来ないんですけど!?まあ、実際にそれをやった馬鹿も居たらしいけど……既に、手痛いしっぺ返しを受けたらしいのでその後の事は知らない。てか、手痛いしっぺ返しってw。

 

「……………………」

 

PCを起動、ファイルを開いて報告書の纏めを確認する。

あるぇ?どこだったかなぁ?確か、面白い報告書は別のファイルに纏めていたハズなんだけど……増えたなぁw。つか、マジで多いなぁ?いや、うん。ちょっと、小説の短編集的な扱いをしているファイルがあってね?そこに、ガッツリと山程の報告書を集めてあったんですが……わかんなくなってますね。こりゃ、『あいうえお』順に並べる必要があるかも知れないんだけど……それは、また今度って事で。とりあえず、見つからないので今回は見送る。

というか、検索機能ない?絶対、ありそうなんだけれど……ああ!

ありました!検索機能ありました!ありましたが、ファイル番号を入力しろと出ましたよ?ファイル番号なんて、覚えてねぇ!!

チクショー!次からは、ファイル番号をメモして置かねば!!と思いつつもキーワードを入れてみたり。うん、駄目だった(泣)。

仕様がない。話を戻して、師匠に悪役令嬢物の短編集を追加で教えて置こう。もちろん、ヒロインがサイコパス系の悪役令嬢モノをな!クックックッ……滅びろ!極悪系ヒロイン共よ!!溺愛系悪役令嬢ウマーw。やっぱり、恋愛は正規ルートが最高だぜ!!

寝取り反対!ヒロインは、ノーマルエンドで友情ルート一択を突き進め!フハハハハ!!ヒーロー共は、婚約者とラブラブしてやがれってんだ!それが、正道!ハッピーエンドだ、ウマーw!!

 

……閑話休題……。

 

 

 

「それは、さておき……フレールくん、転生者の所在ってどんな感じ?この周辺にも、居たりするのかな?」

 

意識を切り替えて、フレールくんに転生者の分布先を訪ねると正面に3Dの地図が展開される。それによると、ミッドチルダにはそこそこの数の転生者がまばらに居るのが見て取れた。地図が、正確なのはわかるのでDSAAの試合で集結した後、そこから交流戦を通して仲良くなって行く予定なのだろう。そして、一部集中している場所はDSAAとか関係なくst.魔法学院に通って同級生をやっている輩だと思われる。こっちに関しては、普段からヴィヴィオ達に迷惑を掛けている類の害悪だろうから殲滅して良し。

まあ、その為に師匠を投入するんだから秒読み段階なんだよなぁ……南無三!!最悪、特典を全て失っても生き残りは出来るかも?

誠意ある対応をすれば、そこまで酷い扱いをする様な人でも無いし?素直に従っていれば、優しく受け入れてくれるのが師匠だから……いや、受け入れられても優しくは無かったかも知れない。

蘇る地獄の日々。ケロベロスに扮した使い魔に追い回される悪夢。振り返れば、三つの口。涎を垂らし、鋭く尖った牙が大量に並んでいる口が迫り来る。あの悪夢は、師匠が居なくなった後でも夢に見た。まあ、師匠との思い出が封印されていたのでかなり抽象的な夢ではあったけれど……アレがあったから、俺は頑張れたとも言える。そうで無ければ、俺は何の目標も持てずシグナムに勝とうとも思わなかっただろう。なぁなぁのまま、原作を改変する事も無くただの惰性と共に怠惰な毎日を過ごしていたに違いない。

未来がわかっていても、それ程も真剣に向き合おうともせず腐っていたかも知れない。昨日の打算。今日の妥協……良く聞いた話なのに、反面教師にもして来なかった。アレだけ、この目で見ていたにも関わらず他人事でしか無かったんだ。それじゃ、TVの前で楽しんでいる視聴者と同じでしかない。俺は、ハッピーエンドが好きなんだ。ならば、打算や妥協を振り払ってでも未来を変えるつもりで挑むべきだった。知っているんだから、より良い未来を模索するべきだ。なのに、師匠に出会うまで俺は打算的で色々な事を妥協して来てしまった。いや、本当にヘタレと言われても仕方がないというモノだ。そして、今俺と同じ道に堕ちている同胞達がいる。中には、それで良いと思っている者も居るだろう。だが、この世界に転生した以上は何かしらの想いを持っていたハズなんだ。まあ、『vivid』ではそれ程に痛みや悲しみに暮れる事は無いけれど……それでも、苦難はあるからなぁ?

 

「殆ど、遊びみたいなモノでしか無いけれど……それでも、真剣に頑張っている奴の邪魔をするのは戴けない」

 

結局、俺もまだまだ甘ちゃんでしかないのだろう。

とりあえず、翼に話をしてみて協力を仰ぐしか無いなぁ?

誘い文句は、『クズを殴りに行こうぜ?』で良いか?

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

誰も居なくなった居間から、それぞれの個人部屋に移動してチャイムを鳴らす。全く、至れり尽くせりだな。こういう細かい所まで、しっかり作り込んである設備に感心する。あの人、こういうのは有能なのに……絶対、損するタイプだろう。

 

「なぁ、翼……相談が、あるんだけど……」

 

少しだけ、罪悪感があったので視線を逸しながら声を掛ける。

 

「行くの?良いよ。満男くんなら、そう言うと思ってたから」

 

何故か、俺の言いたい事が伝わった挙げ句アッサリ了承されてしまったんだが……ドッキリ!?つか、表に出ている人格は奏か?

ハッとして、その場に居たすずか達に視線を向ける。その場に居た、すずか、アリサ、オルタが揃って首を横に振っていた。本当か?本当に、何もして無いんだな!?

 

「そうか、疑って悪かったよ……」

 

「兄様は、姉様の事になると心が狭くなるのだな……」

 

「何か言ったか?(最高の笑顔)」

 

とりあえず、今持てる最高の笑顔で威嚇してみる。すると、オルタは少し怯えた様子で愚痴を溢していたが何でも無いと呆れていた。まあ、俺も少し大袈裟だとは思っているけど……これくらいで、バランスが取れているらしいのでやっているだけのこと。

師匠が、そう言ってたからな?お前等の信仰対象である師匠がな! 

 

「……何も言って居らぬよ?」

 

「……こ、コイツ……合わせて来やがった!!」

 

普通に、地の言葉を読むで来るんじゃねぇよ!?しかも、答えを合わせて来るとか嫌味か!?ほら、お前がおかしな事をするから翼達が疑問顔でこっちを見ているじゃないか!これだから、頭の回転が速い輩は質が悪い。まあ、渋々出て行った師匠と絶望顔で引き摺られて行ったトーマは運が無かったとしか言いようが無いけど。次、同じ事をヤれと言われても出来ないだろう。

100%、それだけは言い切れる。いや、断言しよう!!

 

「まあ、良いや。翼の許可が降りたんだ。ちょっくら、転生者共を殴って来るよw。とりあえず、全力で……」

 

「兄様が、全力で殴ったら木端微塵になるのでは!?」

 

「原作人物に迷惑を掛ける奴は木端微塵でも良いんじゃ無い?」

 

「あら、アンタがそんな風に言える立場かしら?」

 

「あ、アリサちゃん……」

 

「フッ……迷惑を掛けた先人だから、言えるんだろう?」

 

小学生の頃は、本当に申し訳ございませんでした。今更、そんな事を言われても取り返しが付かない事はわかっているので口にはしないが……いや、謝っといた方が良いのか?仮にも、彼女達は俺等が関わったせいで人生を台無しにされた第一人者だ。俺は、途中で失敗して退場する事になったらしいけど……そう、ならなくても彼女達がどんな運命を辿る事になるかは大体予想が付く。

 

「その度は、大変ご迷惑をお掛けしました。心より、反省の意を称します。しいては、転生者排除に生涯を掛けますので何とぞお許し……いや、許さなくて良いから謝罪だけは受け取ってくれ……あ、下さい!」

 

「途中から、定型文だったの?」

 

「定型文は、『何とぞ』からだな。まあ、許されるモノでも無いので生涯を転生者排除に当てれば問題ないのだろう?」

 

「兄様が、馬鹿なのは良くわかったの……」

 

「ハハハ。たった一人の女の子すら守れない馬鹿ですが何か?」

 

「そういう意味で、言った訳では無い。兄様が、大馬鹿なのは今に始まった事では無いからの……転生者問題は、兄様が責任を取らなくても良いのじゃよ?」

 

「構わねぇよ。ここまで来たら、一蓮托生だ。ヲタクの転生者は、俺が引き受けるさ。まあ、その他はお任せするけれど……」

 

「構わぬ。元より、我等は彼の者達を阻む存在故……兄様に任されなくとも、排除する者でしか無いわ」

 

「のじゃロリは、強いなぁ……」

 

「まだ、『のじゃ』とは言っておらぬ!と言うか、それは封印済じゃ!「プッ…」ぬわああァァ、今の無し!今のは無しじゃ!!」

 

「はいはい。のじゃは無しッスね?ツッコまないッスよ?」

 

「ぐぬぬぬぅ……」

 

何か、オルタが歯軋りをしているけど……演技だよね?つか、演技であって欲しい所。下手に、根に持たれると後が恐い。変な復讐とかされたら、マジで人生が終わりそうじゃ無いですか?

 

「じゃ、フレールくんに偵察任務でもお願いするかな?」

 

「あれ?直ぐ、行くんじゃ無いの?」

 

「いやー……師匠が、頑張っている所に俺等が出て行ったら色々マズいっしょ?なんで、先ずは偵察から始めてヤバそうなら殴って終わらせるさ。ただ、馬鹿で終わっているなら何もしない」

 

馬鹿で終わる……即ち、自滅するならデメリット特典が仕事をしているって事だ。ならば、俺等が手を出すよりデメリット特典に頑張って貰えば良い。それに、俺等が絶対的に何かをしなければならないって訳でも無いからなぁ?下手に手を出して、余計な恨みを買う必要もない。それに、翼の容姿で要らぬ問題を起こされるのも困る。見た目()()は、良いんたよなぁ……見た目《《だけ》は!中身は、俺の好みなだけなので割愛する。

 

「とりあえず、すずか達も行きたいなら連れて行くが?ああ、もちろん変装はして貰うけど……とりま、すずかは金髪碧眼になって貰おうか?アリサは、赤髪赤目(バーニングだけに)?」

 

それだけで、だいぶ印象が変わるだろう。それならば、外を出歩いても問題は無いと思われる。例え、高町や八神に出会ったとしても無視すれば他人の空似だと思われて終わりだ。そこら辺を言い含めて、師匠のお仕事を覗きに行くかを問うてみた。いやぁ、一本釣りでしたよw。まあ、本当に師匠のお仕事風景を見られるかは不明だけれど……それで釣れるなら、師匠には話を通さなくても良いかも知れない。決して、いつも驚かされている事に対する叛意とかでは無いと言っておこう。師匠、驚くかなぁ(ニヤ)。

 

「それは、さておき……俺も、黒髪に染めようかなぁ?」

 

そうすれば、直ぐにギルガメッシュだとは判別されないと思われる。と言うか、色合いだけなら師匠とかぶるんじゃね!?何それ、メッチャ魅力的に聞こえるんだけれど!?師匠とお揃いとか……!

あ!いや、殺されるな。普通に、殺されますわ。ええ、誰にとか疑問にすら思う事も無くサクッと消されると思われ。誰にって、そりゃぁ……師匠の狂信者(使い魔)に?止めておこう。勝てもしなければ、逃げ切れるモノでも無い。俺もまだ、死にたくは無い。

 

「俺も、色合いを変えるからさ……お前等も、他人になってちょっと息抜きでもしないか?」

 

「ねぇ、何で私だけ一色になるのよ!?」

 

「真っ赤に燃え上がるでしょう?」

 

「死ね!ねぇ、オルタ。他の色は無いの?」

 

「ん?ああ。そもそも、赤髪赤目が無いの。あるのは、金髪碧眼と銀髪紫目や白髪赤目なら直ぐに用意出来るぞ?」

 

「白髪赤目……アルビノですか?とりあえず、薄い色系からは離れたいところ。濃い目の色合いとかありますか?」

 

「濃い色……黒系でも、良いですか?」

 

「茶色でも良いッスよ?今の色から離れられるなら何でも良いです。ただ、師匠と同色は勘弁して下さい」

 

「Masterと同色……ああ、狂信者か?そうだの。その色は、止めて置いた方が良い。ウム、兄様は賢明な判断をしたの」

 

「うっかり、師匠とお揃いとか……殺されますわ」

 

「ソウニャくんとお揃い……」

 

「止めなさい。それで、コレって時間は何時間持つのかしら?」

 

「魔法薬ですから、解毒薬を飲まない限りはそのままです」

 

「ほぅほぅ……それ、捕まる事も前提にしてるんですか?」

 

「捕まる?って、どういう事よ!?」

 

「ん?ああ。捕まるって言うか、一度管理局に関わると数日は拘束されるだろう?そこら辺も、考えてあるんだろうなぁっと?」

 

「ああ。そう言えば、なのはもそんな事を言ってたわね」

 

「下手に関わると、何日も拘束されるのが管理局だからなぁ……」

 

時間に余裕が無い時は、強制的に出て行くのも有りだと思うけど……後が、面倒臭いなら何もしない事をオススメする。それでも、時間が無くてイライラする時は落とすのも有りじゃね?とは師匠の言。つか、個人で次元航行艦を落とせとか……かなり難しい事を言ってくれるよねw。

まあ、《神殺し》なら問題なく落とせるだろうけど。

 

 

 

 

 




とりあえず、双夜を送り出してみたw。それと同時に、神崎も行く事が確定……と。まあ、活動は別になるだろうから双夜と出くわす事は無いと思われる。そうなる様にするので悪しからず。とりあえず、ミッドチルダに行かせようかw?


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

作者のどうでも良いけど、どうでも良く無い話。
使い魔の本来の使い方?てか、大暴露?

使い魔を使ったら、経済戦争が引き起こせる云々の詳しい説明?前に、チョロっと書いてたけど意味不明と言われたのでザクッと言って置こうかな?って思って。
ぶっちゃけ、使い魔って24時間365日休む必要無く働き続ける事が出来るんだよね。その上、それだけ働いても魔力供給し続けられる限り幾らでも活動が可能だったりする。しかも、死なない。死に掛けても、再起動で通常状態へ。
つまり、人間みたいに『過労がぁ…!』とか『家庭の事情でリタイヤ』ってのがない。裏切る事も無いし、引き抜きの心配するも必要が無い。殺生与奪の権限を主人が握ってるからねぇ?給与を払う必要も無くなるんだよ。
過去……今も存在してるけど、ブラック企業なんかがサービス残業を強要してたってのは一番のネックな部分が人材に支払う人件費だったから。それを全排除出来るなんてブラック企業からしたらヨダレモノだよ?人件費を完全削減して、経営費に全部お金を流用出来るなんて夢みたいな話ですよね!!使い魔居たら、働かなくてもお金が稼げますね!?まあ、ヤラないけど。つか、双夜はそんな怠け者じゃ無い。如月双夜(仮)ならやるかも知れないけど。
因みに、使い魔に人権を与えると国家崩壊待った無しになります。まあ、それは横に置いといて……イメージするなら、二重の社会かな?組織が作れるんだよ。使い魔のみで一つの国を作って、今の社会に重ねる様なイメージで……んー、要は社会を動かしている歯車=人間を使い魔に置き換えて国の運営をする様な感じかな?もし、そんな事をやったら独裁国家が出来上がりますね!!だって、殺生与奪の権限は使い魔の主人にあるんだよ?完全に独裁国家w。しかも、住んで数年しないとわからないって言う、ねぇ?そんな国家だから、重要ポストに使い魔が収まらなくても働き蜂(労働者)の大半が使い魔になったら割と簡単に組織を滅ぼせる件。ほぼ、タダで使える労働力がある日突然スコンと居なくなったら……会社とか、一瞬で終わるw。経済が回らない。労働者って、どこにでも居るけど直ぐには使えないからねぇ?ちゃんと、研修して経験を積ませて育成しないと何もしないでお金を取る奴の出来上がりw。
国だったら、政府がまともに機能しなくなるね?って事が出来るんだなぁ。
ぶっちゃけ、生きてる人間を隅に追いやって働くポジションを使い魔が占拠した場合……奴等ってば、飲み食いとか必要無いからお金を使わなくなるのが目に見えてわかる。やっても、ゲームくらい。すると、経済が回らなくなって…人間の働く場所が無ければ、生活費が稼げない=生活が出来なくなるから職業難民と化して、ホームレスが大挙として発生。生活保護を求めても、お金が支給されるかも怪しいのでジワジワ綿で絞め殺す的な状況が出来上がるんですよ。もっと、酷い事をやれると言う、ねぇ?
不景気の加速待った無し……って事にw。
それで、ある程度したら唐突に使い魔が居なくなるんですね?別の世界に移動して、そこでまた経済戦争を始めるんですね?すると、その前の世界がどうなるかとか良くわかるんじゃ無いかな?国の崩壊待った無しって事ですよw?そんなん、誰が喜ぶんですか?誰も、求めてないよそんな話って事になる訳です。話にもならないよ?

なら、使い魔に人権を与えたら問題が無くなるかと言うと…もっと、エゲツない事が出来る様になります。
ほら、使い魔の中にサキュバス因子とインキュバス因子を持った奴が居るって言ったのを覚えて居ますか?アレって、『ご愁傷様です。二宮くん』のサキュバスなヒロイン(主人公の姉&兄)と同じ効果がある訳ですよ。つまり、問答無用に相手を魅了出来るっていう設定が……男性の社会的な地位が大暴落しますね?むしろ、抹殺ですか?
まあ、一応その因子を持っているのは今の所……アルカリア・フォーゲストとクリスティーナ・フォーゲストの二体のみ。しかも、常にリミッターが掛かっていて必要な時以外は使えない仕様と来た!ふふふ…って、やらないよ!?いや、やる気もないよ!?ここぞって時の切り札だからね!?いや、マジで!!慰謝料と社会的地位の暴落で荒稼ぎなんてさせる予定はない。生かさず殺さず、ギリギリ搾り取るなんて考えても無いからね?ただ、やれるってだけで…まあ、女性でも似た様な事が出来るけど。誰だって、『ほら、あの人だ。小さな男の子に悪戯をしてた……(ショタコン)』とか?『見目麗しい男をたくさん侍らしていた……(逆ハー)』と噂されたら、ねぇ?社会的地位?何それ美味しいの?って状況が出来る。

いやいや、本当に鬼畜ネタが尽きませんなぁ?
だから、一応オブラートに包んで『経済戦争』とか言ってましたが国を崩壊させる一手が使えるよーってだけの話。
元々の設定資料から、でした!!
つか……何、その設定資料…恐い。

とりあえず、人型の使い魔の使い方はそんな感じ。
じゃ、ビースト型やフレールくんが生まれた理由になるんだけれど……なんだと思う?前に、フレールくんが『壁に耳あり障子に目あり』の諺から生まれたと書いた事があるけど……その後の話は、していなかったハズだ。
フレールくんが、生まれるに至った理由としては情報収集が目的だったのは間違いない。だけど、何の情報を収集しようと考えたのかはまだ言って無かったよね?
ぶっちゃけ、『一兆もの目と耳があれば、ツチノコだって見付けられるんじゃ無いだろうか……』って理由から、使い魔システムは生まれた!!当時、UMAがそこそこ世間を賑わしていてね?今もだけれど。ツチノコの形から、どんな風に動くのかわからなかったんで色々と知りたがった頃なんですよ。で、妄想の中でこんなの居たら良いなぁ……って生まれたのが、フレールくんだったりするw。ネッシーも、ビックフットも、その他のUMAもフレールくんが居れば生態すら気が付かれずに調べられる!!ってね?

ビーストは、馬に乗れなかったから……かな?でも、馬だと乗る生き物じゃ無いですか?だから、大きな犬とか猫に乗りたいと妄想した結果ビーストが生まれたりした。で、双夜を魔王にしたら眷族が必要だろうと纏めて与えた結果が一兆一千百万の使い魔って話に……w。大体、そんな妄想と連想によって生まれたシステムだった訳よw。
コンセプトは、UMA探しだ!!後、小さい子供の夢を少々。
以上が、使い魔に関する設定だ!

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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