絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四二八話

Re:

 

 

師匠の、とてもわかり難い【鮮血の】さんイジメを目撃した後……専用武具を回収した俺は、翼が泊まっている宿泊施設へと戻って来た。本来であるならば、師匠の【船】で過ごせば良いんだけど……【組織】に戻って来たら、問答無用でフルメンテナンスに出す事が規約で決まっているらしい。

一応、護衛として見習いや正規の《神殺し》が待機しているとは言え何かしらの『チョッカイ』を受けていないとも言えないのでフルメンテナンスするのが規約で決定されている。なので、宿泊施設として【船】は使えない。だからこそ、【組織】の港にはそれに関係する施設が所狭しと並んでいるのだが……俺達が居るのは、【組織】の住居区であって港では無い。つか、普通に豪邸。

因みに、凍真が以前住んでいた一軒家とはまた別物。

アレはもう、取り壊されたんだって。

 

「とても、綺麗な白亜の洋館ですなぁ?」

 

遠い目をしている有栖川が、呟く様に現実逃避中。

 

「因みに、私達が宿泊した後……美愛達に譲られるんだって」

 

豪邸を前に、余り気にしてなさそうな翼。

 

「お陰で、私達、とても、戦々恐々だよ?」

 

「流石に、このレベルのモノを譲られるのは……な?」

 

翼の隣で、怯えた様に俯いている浅上兄妹。

 

「俺等が、こっちに戻って来た時に使うんじゃないか?」

 

それを、慰めている様でフォローにすらなっていない事を言う俺。

 

「だったら良いけど、ただで渡されると色々恐いよね……」

 

半ば、白目を剥いてる遠藤が最も現実を見ている気がする。

 

「ぶっちゃけ、人数が増えたからじゃね?俺が住んでた家って、普通の一軒家で割りと狭かったぞ?」

 

つい、先日まで平行世界で迷子になっていて中継施設で合流を果たした凍真が以前住んでいた一軒家について説明する。

 

「何はともあれ、豪邸に住めるなんて夢の様よね!!」

 

最後に、全てを纏める様な発言をする三桜だけれど……お前、何も考えて無いな!?というか、お前のせいで俺の功績が半減しちゃったよ!!まあ、浅上達に苦労を強いずに済んで良かったけどさぁ。

なんか、納得が行かない。

とりあえず、幼馴染みィズ+一人で【船】のメンテが終わるまではこの豪邸で過ごす事になっているのだが……何故だろう?スッゲー、視線を感じるのだが!?気配は、感じられないのに視線だけがそこかしこから向けられている気がする。アレか!掲示板の住人が、俺達に接触しようと集まって来ているのか!?

いや、まさか……な。今、俺達は『幼馴染みィズ』との交流としてここに居るんだから邪魔はしてこないだろう。

下手に、干渉しようモノならウチの師匠が殺しに来るハズだ。

とりあえず、チョイと大き目の声で警告をしておく事にする。

 

「交流の邪魔をしたら、殺されるぞ!!」

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

「な、何よ?いきなり……」

 

「掲示板の住人が来てるみたいだからな。忠告w」

 

「…………周囲には、誰もいないぞ?」

 

「俺も目では、確認できないよ」

 

視界に写る範囲には、誰も居ないし気配も無いけど……数十人は隠れていそうだ。それに、どうも格上らしく気配も感じられない。

にも関わらず、視線だけはビシバシ飛んで来るので居るって事だけがわかるという矛盾。出来れば、それも隠して欲しかった。

 

「気配か!気配で、感じられるのか!?」

 

「いや、気配も感じない。だが、視線をビシバシ感じる」

 

「「おぉ……スゲェーw!」」

 

敏感になった……と言えば、聞こえは良いけど技術と経験が追い付いて居ないので何とも情けない感じ。それに、お前等だってその気になればこれくらい感じられるだろ!?つか、これだけビシバシと視線を送り付けられているんだから、感覚が鋭敏で無くても何となくわかるハズだ。そう思って、浅上兄妹に視線を向けるが二人は首を横に振るだけだった。

つか、まだ何も言って無いのに良く聞きたい事がわかるなぁ?

そっちの方が、逆に驚きなんだが!?

 

「こんなに、ビシバシ突き刺さるのに……」

 

「いや、普通はわからないって!」

 

「そうか?……ん?視線が、無くなった?」

 

そう、言って前を向いたらチュドーン!と爆発が起きて何人かが目の前を走り去って行った。ほら、だから言ったのに……ウチの師匠が来るぞぉ!って、ねぇ?警告した通り、師匠が来たのかあっちこっちで爆発や悲鳴が上がり始める。こうなると、師匠が止まるまで終わらない。さて……と前置きをして、俺は豪邸に入る様に促した。

眺めていても良いけど、最早俺には見慣れた光景。

今更、眺めていても面白味も無いので豪邸の中を確認した方が楽しめるだろう。それに、これから暫く宿泊する施設だ。少しでも、住み慣れて置いた方が良いに決まっている。まあ、確認するのは冷蔵庫なんだけどな。買い物に行く順番も決めないと、だし?

 

「因みに、料理出来る奴は居るか?」

 

「フッ……野宿料理なら、任せとけ!!」

 

「以下、同文。てか、普通の食材なんて扱った事がない」

 

「第一世界軸では、どうしてたんだよ!?」

 

「「コンビニ、レストラン!!」」

 

「俺も、サバイバル料理とかなら作れるんだけどなぁ……」

 

とりあえず、有栖川と遠藤にまともな料理を期待する事は無いと断言しておこう。それに続いて、三桜も似た様な感じで無理と判断。ついでに言うと、亮も簡単な男料理しか出来ないとのこと。

凍真については、ツッコミは無用。つか、聞きたくない。

 

「一応、一人暮らしが長かったので一般家庭料理程度なら……」

 

「みっくん……成長したんだねぇ……」

 

「そう言うお前は、料理出来るのか!?」

 

「一応、一般家庭程度の料理なら……」

 

「私は、出来ないわよ?」

 

「「知ってる」」

 

どこぞのお嬢様に、料理が作れとか言わ無いから!つか、翼の場合は現在進行系で師範代の料理教室で料理の基礎を習ってる段階。

その上、『難航中』という報告を受けているので宣告はいらない。

ぶっちゃけ、焦がさない様に頑張って下さい。

 

「マジか……私しか、作る人が居ない!?」

 

「居る間は、手伝うが……三桜辺りに覚えさせないと不味くね?」

 

「そうだよね……頑張って、貰おうかな?」

 

「まあ、その前に買い物依存の方をなんとかしないと……」

 

「ああ。それもあったねぇ……」

 

言って、三桜に視線を向ける美愛。釣られて、俺も三桜に視線を向けた。そこで、フとコイツの依存症に迷惑を掛けられた幼馴染み達の事を思い出す。朝から晩まで、馬鹿の借金の為に奔走していた二人。そう、考えた時に楽な方法で解放して良いのか?と疑問に思う。本人も、自覚があったんだから少しは我慢すれば良かったんだ。にも関わらず、コイツは欲望のままに行動した。

 

「……そうだ!一回、二回は、問題ないんだから科学の方でも良いんじゃない?お仕置きを兼ねて、オーバーテクノロジーな薬品と洗脳技術を試してみないか?」

 

「ひぃ!?ちょ、な、な、何言ってるのかな!?」

 

「…………そうだねぇ。私も、亮も迷惑被ったし……最初くらいは、オーバーテクノロジーに頼るのも良いかも……」

 

提案をすると、三桜が怯えた様子を見せるも美愛の方は少しノリ気である事が判明する。やはり、三桜に振り回された事に対して思う事があるらしい。だから、ちょっとした興味が在ったので亮にも声を掛けて唆してみた。すると、二つ返事でOKが出た。

亮も、色々と来るモノがあった模様。

 

「もしかしたら、『メン・イン・ブラ○ク』みたいな簡易的な物かも知れないだろう?別に、二度、三度受ける訳じゃ無いんだ。一回だけ、一回だけ受けてみろよ?」

 

スタビ○イザーみたいに、ピカッ!と光を当てるだけで記憶を封印出来る代物かも知れないから、ちょこっと受けさせても良いかなぁ?って考えたのである。まあ、【鮮血の】さんの趣味を考慮するに無いとは言い切れないのも事実。それに、面倒な事になるのは三回目からと師匠も言ってたし?一回だけなら大丈夫だろう。

 

「そだね。私も、当事者の一人だからって我慢して働いたけど……借金を増やすだけのリンに、ムカつくだけムカついたからお仕置きの意味を込めてエ口ゲーッポク洗脳して貰おう、ね?」

 

「ご、ごめ、ごめんなさい!!」

 

「無理。許さないよ?うふふふ……」

 

ついに、闇落ちしてしまった美愛がうっすら病んだ様な笑みを浮かべ、両手で挟み込む様に三桜の顔を掴む。こうなったら、テコでも微動だりしないので三桜には諦めて貰うしかないだろう。

 

「そう言やぁ、柴田の奴は見掛けなかったのか?」

 

「は?普通に居たじゃんか……つか、気が付かなかったのか?お前、薄情な奴だなぁ?アレだけ、仲良くしてた癖に……」

 

「んん!?仲良く……?」

 

つか、俺が仲良くしてた奴なんてあの世界に居ただろうか!?

居ない……よな?そりゃ、いがみ合ってた奴は一人居たけど仲が良かった奴なんて一人も……まさか、原作人物の中に!?いやいや、流石に原作人物に憑依してたらわかるだろうから、やはりイレギュラーの中に居たんだろう。だとしたら、一体誰なんだ!?

 

「……一つ、確認したいんだが……俺が、全力で黒歴史を築いていた頃から柴田は居たのか?」

 

「……居たよ?ってか、本当にわからないの!?」

 

「いや、つーか、有り得ないだろ!?」

 

一瞬、頭を過った奴は居るけど……どう見たって、アイツが柴田!?とかあり得なくない!?だって、アレ、ガチな男だったぞ!?

そもそも、柴田は男の娘ーーーあ、いや……そうか。前提が、違うのか……生前は、見た目完璧な男の娘だった柴田源蔵。だから、今世は()()()()になった訳だ。だけど、何でアーチャー……もとい英霊エミヤ!?そりゃ、生前はとても有名なゲームだったけど。アイツが、アレを嗜んでいたなんて聞いた事がない。

 

「え、アイツ……ゲームとか、してたの!?」

 

だって、アイツ……リア充だったじゃ無いですか!?昔から、御両親の方針でゲームとかさせて貰えないから俺や有栖川達の家で遊ぶ程度のモノだったんだぜ?漫画の本ですら、持ってないから良く俺ん家に入り浸っていたのに!?

 

「あ。コイツ……自分が、進めたモノすら覚えていやがらねぇのか!?お前だろ?アイツが、大学生になった頃に長期宿泊させてたの。その時に、何か一つゲームをクリアすると良いって言いつつFateを進めたのも忘れたか!?」

 

「…………あ。あー……はいはい。ありましたねぇ……」

 

余りに厳しい御両親から、ちょっと引き離す必要が出た為にアイツを預かった事があったのを思い出した。御両親の説得は、鬼畜兄妹に丸投げしたので俺達はただ日々を楽しく遊んでただけだったから印象にすら残って無かったよ。いや、マジでただ遊んでただけだからな?面倒な事は、亮達が引き受けてくれたんで俺達は源蔵を匿ってゲーム三昧させてただけなんだ。

 

「だって、アイツ……ノイローゼ状態だったんだぜ?」

 

「いや、まあ、知ってるけど……」

 

御両親からの期待を一身に受けて、娯楽も休憩も殆ど無くただひたすらに勉強漬けだった源蔵。最初は、俺達みたいな部外者が柴田家の方針だからと何も言えなかったけど、明らかに源蔵の精神状態がヤバい方向に向かっているのが見て取れた。だから、鬼畜兄妹を動かした訳だけど……割りと難航したんだよなぁ。

別に、勉強する事が悪い事じゃないんだぜ?ただ、娯楽を与えず遊びに行く事も許さないって言うのが駄目だっただけで……源蔵が、段々ノイローゼっぽく成りつつあるのをただ見ている訳には行かなくなったんだ。ほら、人間って休まないと狂う生き物だからな。高校を卒業する頃には、限界に近付いているように見えたんだ。

だから、大学に合格して通い始めた所で拉致って強制的に息抜きをさせる事にした。最初は戸惑っていた源蔵も、3日も経てばそれを受け入れて俺達と楽しく遊んでたんだけど……いやー、最悪犯罪者化も視野に入ってて驚いたよ。

 

「つか、両親殺害計画書が出て来た時はどうしようかと思ったけどな……アレ、ヤバかったよなぁ……」

 

「あー……アレ、マジでヤバかったよね……」

 

「割りと大丈夫そうに見えて、かなりヤバイ状況に陥ってたのに気が付いた時は本気で焦ったからなぁ……」

 

「俺、工ロ本探してただけなんだけど……」

 

いや、ほら、真面目な奴でもエ口本の一冊や二冊持ってて当たり前だから……アイツの部屋に行った時に、ネタで家捜しをしたんだよね。そしたら、両親を殺害する計画書が出て来てドン引きするハメになったんだよ。その後は、直ぐに鬼畜兄妹と連絡を取って他の奴等にも協力を扇いで隔離する事になったんだ。

 

「いやー、精神病んでる奴ってガチ犯罪者思考に陥るって言うのは知ってたけど……身近に居ると驚くよな?」

 

「テレビでは、良く見掛けるけど……まさか、友人に居るとは思わないもんな。アレは、マジでお前に感謝したわぁ……」

 

「馬鹿も、休み休みしろって言ったけど……あの時だけは、みっくんが馬鹿で良かったって本気で思っちゃったし、ねぇ?」

 

「な?」

 

「おい(怒)!!」

 

「「褒めてる(よ)んだよ」」

 

だとしても、馬鹿で良かった……なんて言われたら、複雑な気分になるだろう!?つか、俺の事を馬鹿だと思っていやがったのか!?

そりゃ、ちょっとお調子者だとは思ってたけど……馬鹿って。

自分で言うのは許せるが、他人に言われると腹が立つのは何故か……コイツ、殴っても問題ないよね?木端微塵になりそうだけど。

 

「殴って良いか?」

 

「今のお前に殴られたら、普通に死ぬと思うんだが……」

 

「大丈夫。師匠とか呼べば、死者蘇生なんてお茶の子サイサイだぜ?とりあえず、数回は死んでね?」

 

「「問答無用の力押し!?」」

 

まあ、師匠じゃ無くても死者蘇生が可能であるならば誰でも良いんだけどね?そして、その知り合いを呼ぶのは俺じゃなくて……凍真だったりする。つか、俺がまだ何も言って無いのに誰に連絡入れてるんだコイツ……さっきから、ウィンドとコンソール展開してあっちこっちに連絡取ってやがるんですが!?

 

「へい、トーマ!!」

 

「セイビアさんと、愁さんから了承を得ました。殺れますよ!」

 

握り拳から、親指だけを立ててそのまま首をカッ切る仕草。いや、マジでお前……本当にどうした!?つか、誰に仕込まれた!?

 

「いや、うん……駄目だ。ツッコまずには要られない。お前、そういう先取り行動って誰に仕込まれた!?と言うか、普通はそういうフォローとかしねぇだろう!?」

 

「わかる。みっくんの気持ち、良くわかるよぉ……と言うか、そういうサイコパスッポイのはトーマくんじゃ無いよ!?」

 

「何時から、俺がトーマだと錯覚していたのか!?」

 

「「な、なんだってー!?」」

 

いや、なんでソレを亮が言うのか不明なんだが……流れ的に、言わざるを得なかった。しかも、当人放っといて合いの手を入れる。

 

「アレ?え、なんで?」

 

そして、当の本人である凍真は唐突な告白(ネタバレ)を始めた亮を見ながら疑問顔。わかってるから、とりあえず待ってろや!!

と言うか、唐突に始まった幼馴染みワールドに有栖川達はニタニタ笑って居るだけで他人顔してるけど……わかってない翼と凍真は首を傾げている。とりあえず、茶番だから気にするなw。

 

「アレ?え、何?どういう状況!?」

 

「くっ。オノレェ……凍真をどこにやった!?」

 

その上、凍真に呼ばれて喜び勇んで来た人が状況に付いて行けずに混乱中。その後ろから、困惑顔の愁さんも来てオドオドしていた。なので、ここでネタばらしと行きたかったのだが……続ける俺と『え?まだやるの!?』という顔の亮。困惑する美愛。

 

「フッ……言うと思ってか!?」

 

「お願い!トーマを返して!!」

 

「フハハハ。奴は今頃、我が配下によって暴かれておるだろうよ」

 

色々とわからないままなのに、ノリノリでこちらに合わせてくれる幼馴染みって本当に希少だよね。ありがとう!みんな!!

 

「それは、裏山。美人だと良いなぁ……」

 

「フッ……我が配下に、女が居るとでも!?」

 

「「ボー・イズ・ラブ、キタ━(゚∀゚)━!!」」

 

そして、いつも通り進めるのは掘りネタですよね!!

これが、一番面倒が無くて楽なんだよ。ただ、問題となるのはセイビアさん。この人、『混乱』を司る《神殺し》さんなので他人にマウント取られるとキレる可能性があるんだよ。なので、茶番を続けた訳なんですが……網膜ウィンドを展開しメールアプリを起動して師匠に連絡中。確認が取れ次第、終わる予定だ。

因みに、確認してる内容は『セイビアさんを混乱させても報復とかされないよね?』っていうモノ。報復を受けるとなると、亮や美愛は外したい所……なんですが、無理?処されちゃう?

 

「くっ、凍真。お前の尊い犠牲は忘れない!!」

 

「え゛!?俺、掘られるの!?」

 

「転生者は、みんな美形揃いだから腐女子には涎モノだね!!」

 

「た、助けてはくれないのか!?」

 

ちょ、この茶番に当人が合いの手入れて役者を笑かすなや。

 

「まあ、ガチで掘られた転生者は居ましたが……」

 

「「「なにぃ!?え、誰!?どこで!?」」」

 

何故か、美愛や亮だけでなくセイビアさん達まで食い付いて来たんですが!?え、何?アンタ等も、興味津々なのかよ?

とりあえず、食い付いて来たのは亮と美愛とセイビアさん。

 

「チナ、掘った掘られた転生者は二人共ノーマルです」

 

「「「「「は!?ノーマル!?」」」」」

 

今度は、幼馴染みィズが食い付いて来た。

それと、師匠からの返答も返って来たけど……有耶無耶にしろとか、また無茶振りされているんですが!?え、マジで!?

 

「神様特典で、イケメンを思うがままに動かせる能力者が居たんだが……ソイツの妄想に囚われて、行き着く所まで行っちゃった奴等が居たって話さ。報告書には、もう少し詳しく書いてあったけど…………読む?」

 

「「読む読む!!」」

 

「ああ、それと……セイビアさんと愁さんは、これから俺が亮を殴るんで死んだら蘇生してくれません?」

 

「あ?アレ……それ、流れたんじゃ……」

 

「ハハハ。死にさらせっ!!」

 

セイビアさん達からの返答を待たずして、面倒事を招いた亮を全力で殴り切った。全部、お前が悪いんじゃー!!!(亮、爆散)

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

いや、ホント……酷い目に遇った。

結局、セイビアさんからは報復されるし面倒事に巻き込まれるしで踏んだり蹴ったりだ。そして、冷静になった今……亮だけが、悪い訳じゃない事に気が付いたのでもう一度愁さんに同行して貰い凍真も爆散させた。つか、コイツが人の話を聞く前にセイビアさんと連絡を取ったのも原因じゃねぇか!!何、人の意見を聞かずに連絡してやがるんだよ!?ふざけんな!!ついでに、亮にも一発殴って貰った。因みに、俺は撲殺予定だったんだけど亮がそれを拒否したので殴られてもいない。エネルギー砲でも良いよ?と進言したのに笑顔で『きゃるーん♪する?』と問われたので黙る事にした。

ほぼ、瀕死の凍真を足元に転がし放置し呼ばれていた師匠の元へ向かう。向かった先では、社長椅子にふんぞり返っている魔王閣下の膝元で血溜まりに転がっているセイビアさんに気が付く。瞬間、幼馴染みィズと視線を交わし全員が後ろ手に組んで仁王立ちする。

所謂、『休め』の状態。

 

「とりあえず、【船】のメンテナンスが終わるまでは掲示板の住人がお前等の周りを騒がせる事は無いと断言して置こう。ああ、ここに転がって居るのは周囲を煽って遊んだ馬鹿だ。気にするな」

 

「はっ!了解しました!!」

 

師匠が、とっても怖いです。何故か、凄まじい怒気を感じるのですが……セイビアさん、何やらかした!?チリチリと、身が焦がされる様な覇気を感じながら師匠の放つ気を流しつつ次の言葉を待つ。

ぶっちゃけ、この覇気を直接受けるのは不味いだろうと俺が壁に成るべく亮達の前へと身を進める。ハッキリ言って、ガチギレの師匠を前にしなきゃならないとか……何の罰ゲーム?

それと、何をすれば師匠がこんなブチギレの状態になるのか教えて欲しい。メッチャ、回避するから超教えて?

 

「ああ。後、買い物は使い魔に任せると良い。お前等は、当分あの屋敷から外に出て来るな。わかったな?」

 

「ウッス!重ねて、了解であります!!」

 

「おい、誰か!部屋を片付けておけ!!」

 

「は、はい。かしこましました!!」

 

外に控えていた使い魔さんの一人が、慌てた様子でサッと現れて深くお辞儀をする。俺、使い魔がこんなにかしこまっている姿を初めて見た気がするんだが?え、なんでこんなに怯えられてるの?

まあ、わかるけど……使い魔すら怯える怒気って、割りと不毛だった。因みに、師匠が怒っている理由はウォーティーさんのお節介のせいだと後で知るのだが……俺達とは、関係のない話である。

そして、無言で立ち上がった師匠はセイビアさんの首根っこを掴むとフッと消えて行った。多分、妖精転移したのだと思われる。

 

「「「「「ッ、はぁ……」」」」」

 

「……お疲れ!とりあえず、みんな大丈夫か?」

 

「……なんだよ!?アレ、全然別人じゃんか!?」

 

「ハハハ。ああ、うん。そだね……」

 

「お前が、前に立ってくれたから大分マシだったけど……アレは、ヤバイ……顔は普通なのに、気配が超怖ぇえ!!」

 

「誰か、理由を知ってる奴は……」

 

幼馴染み達の無事を確認して、周囲に居る使い魔に原因を訪ねるが誰も知らないみたいだった。なので、原因を調べて貰うべく指示を出しておく。とは言え、師匠に直接訊ねる使い魔は居ないだろうから状況からの推察で良いとお願いしておいた。

 

「さて。それじゃ、屋敷に戻ろうと思うんだけれど……先程の二の舞が怖いので、悪いんだけど凍真……叱られるかもだけど、師匠が暴走した時の緊急警報を鳴らす事って出来る?」

 

「……出来なくは、無いけど……オススメは、しない!」

 

「良いさ。掲示板の住人の目を誤魔化せればOKだ」

 

「それって、良いの?!トーマ、八つ裂きにされない?」

 

「ふぁ!?八つ裂き!?え、俺、大丈夫だよね!?」

 

「最悪、俺が指示したと言えば良いよ。後始末は、多分師匠がしてくれると思うから……そう、ブチギレ師匠が……」

 

「「「「「………………お前……」」」」」

 

アレだけ、ビビらせてくれたんだからそれくらい安い対価でしょ!?まあ、一応……連絡はしておくから、後で文句言われるだけだと思われる。という訳で、凍真にはGOサインを出した!!

 

 

 

 

 




とりあえず、【組織】で幼馴染みィズとの交流の日々を書いている。
まあ、何故かと言うと前世界軸で遊び過ぎた結果の成れの果て。
ちょっとした、後始末の為に【組織】に寄らせたからって所かな?
まあ、ぶっちゃけると……双夜が始末書書いてるって言えばわかる?
仲間?呼んどいて、敵味方無差別攻撃仕掛けたアホが居たのでその後始末中。各方面から、クーレムが殺到したのでその処理に奔走しているイメージ。実際に、奔走しているのは呼ばれた方々だけれど……決済をするのは双夜なので、暫し滞在しないと駄目なんだよ。
そりゃ、その辺りは有耶無耶にして次に行けば良いんだろうけど……それだと、神崎くんと翼と幼馴染みィズの関係がまた今一放置された上で仲が良いという良くわからない状況を抱えたままになるからねぇ?どういう交流をしているのか……ってのをここで見せておく必要にかられた結果かな?とりあえず、コイツ等は仲が良いんだなぁ……では無く、仲が良いという状態を見せるべきかなぁっという訳で茶番に等しい一幕だけれどお付き合い下さい。マジで、茶番だからw
あ、ぶっちゃけ過ぎた?でも、事実なんだなぁwww。
まあ、それにだな……幼馴染みィズ+αという構図があるので交流という茶番は必要なのだよ。ほら、凍真は幼馴染みィズとあんま関係のない人物だろう?だから、神崎の幼馴染みィズとの交流は凍真がサブでもある訳だ。だからと言って、凍真の目線で物語を進行する事は無いんだけどな?ぶっちゃけ、神崎の目線で物語を進行します。
神崎と幼馴染みィズがどんな日々を送って居たのかってのがメインとなる話だからな。神崎には、幼馴染み達に恩がある……だけでは、どんな恩なのかもわからないままだし、ねぇ?まあ、ここで神崎と幼馴染み達がどんな生前を過ごしたのかを見せる場面でもあるんだ。
そして、その幼馴染みィズと翼の交流も含めて見て欲しいって所かな?終わったら、双夜ルートを進めるよ。

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m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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