絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四一九話

Re:

 

 

過去の暴露話で、泣き寝入りをした事を晒された神崎大悟です。

そんな、恥ずかしい過去を晒されて愚痴愚痴文句を言っていたら、すずかの二度目の治療が終わったと言うので帰還する事を進言した。一度目は、辻治療だったからなぁ……まだ、完璧ではないとのこと。暫く、時間を空けてからまた治療するんだって。それはさておき、師範代達が恥ずかしい過去を晒してくれたから居たたまれないというのに『逃げ様としている!』と師匠に言って月村家に居座ろうとしているので困っている。マジ、勘弁してくれ!

ぶっちゃけ、居たたまれない事は事実なのでそれに反論する気は無いけど……このまま居ると、地球に居残り組の転生者に絡まれるのは避けられない。まあ、絡まれても良いけど……病み上がりのすずか周辺で、大騒ぎをするのはどうかと思うのだが?居残り?居残りッスか!?と師匠に視線を向けていると、忍さんがお礼がしたいから夕食を一緒しないかと提案して来た。

 

「そう言えば、翼が居るから普通に飯食ってるけど……俺等、食わなくても良いんじゃね?」

 

つか、希に飯抜きで活動しているけど……それ程、腹が減らない件。人間だった頃は、三食は普通に食わないとやってられなかったのに最近は然程気にならないんだけれど?なので、一週間くらい断食してみたいんだよね。まあ、目の前に出されて断念してるけど……作り手が、翼だから致し方ない。

 

「翼が居なかったら、飯食わなかったと言っている様な発言」

 

「まあ、私達も食べませんし……」

 

「肉体が、魔力で構築されておるからの」

 

「僕も……最近、漸く栄養剤に戻って来た感じ?」

 

「「Masterは、ちゃんと食べて下さい」」

 

師匠の身体は、良くわからないけど……普通に、食わないとイケないらしい。高次元精神生命体だと、師匠自身から聞いたハズなんだけれど……何故、食う必要があるのか未だに不明だ。

つか、エネルギー生命体なんですよね?

師匠の身体って、一体どうなっているんですか!?

 

「ほら、神崎が混乱しているぞ?」

 

「……Masterは、特殊な身体だからの」

 

「説明が、面倒なので省いているだけですが……聞きたいですよね?では、物質がエネルギーへと変換される理論書とエネルギーの補完理論を完読していただきましょう!」

 

「A3かつ辞書レベルの本故、かなり重いがの?ああ、文字の大きさは細かいぞ?」

 

「理解出来るまで、何度かテストもしないと、な?」

 

「嫌がらせですか!?そして、説明する気ないですよね!?」

 

というか、全力で諦めさせに来てますよね!?ただ、師匠達の会話から俺の知識が圧倒的に足りてない事だけは伝わりましたけど。

詰まる所、ダイジェスト説明でも意味がわからないと伝わらないって事ですか?理由は、わかりましたけど……それなら、そう言ってくれればこっちも引き下がれるんですよ。んん!?まさか、引き下がらせない為のブラフですか!?ちょ!?

 

「コイツ……ホント、勘が良くなりやがって……」

 

「チッ、気が付かれましたか……」

 

「折角、教材を増やせそうでしたのに……」

 

「アブ……っ!!もう少しで、午前だけでなく午後にも座学がもつれ込む事に成り掛けてた!?」

 

ひぇ!?下手したら、俺の自由時間が無くなっちゃう所だったぜミ☆!師匠達ってば、なんて罠を張って待ち構えて居やがるんだよ!?危うく、踏み掛けたやないですか!?

 

「もう、こうなったら……兄様を女装させて、女子高に通わせねばなりませんね!!ええ、セーラー服とか似合いそうです」

 

「ほほぉ?ブレザーも、イケそうだの?」

 

「性別転換薬も必要になるな……在庫、あったかな?」

 

「何故、そうなるんですか!?つか、行かねぇよ!って、在庫確認始めるんじゃねぇよ!!」

 

ちょっと、気が付かれたからってデメリット増やして無理やり受講させようとしてんじゃねぇよ!?そんな、変態的な圧力に屈しないからな!?あ、スクール水着なんて持ち出して来るんじゃねぇよ!?つーか、ヤバい!こうなったら、戦術的撤退!!

どうも、師匠達の雰囲気や会話が厄介極まりない流れにシフトし始めたので俺はその場から逃げ出した。下手をすると、『きゃるーん♪』の二の舞以上になりそうだったから……致し方ない。

てか、月村家で色々やらかすのは止めて頂きたいんですけど!?

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

とりあえず、秘密基地に戻って来たんだけれど……何故か、師範代達が居て師匠だけが居ないという状況が出来上がってた。その上で、リリィがとても良い笑顔で持ち出して来たエグいモノにドン引きしてしまう。というか、工作したんですか!?

 

「なんです?その、スクール水着なのかセーラー服なのかわからないモノは……てか、合体してるのか……」

 

「もちろん、兄様の制服ですよ?」

 

スカートの無い制服とは一体……いや、それ以上に()の制服と言うパワーワードよ。一瞬、意識が飛び掛けたんだけど!?

 

「着ませんよ!?」

 

「大丈夫です。いずれ、着たくなりますから……」

 

「いや、絶対着ないよ!?着たくなんてならないよ!?」

 

「無駄な抵抗だの?兄様。Masterが望めば、いずれそうなる運命へと世界が改編されるが故……」

 

「止めて!世界規模で、俺を変態にするのは止めて!!」

 

悲鳴を上げつつ、頭を抱えて師範代達から逃げる。その様子を、嬉しそうに見ていたリリィがスクール水着セーラーを両手で掲げ追い駆けて来た。来んな!こっち、来んなぁ!!と喚きつつ、最近覚えた《縮地》スキップでスパッと間合いを開けて自室へ滑り込む。そして、即鍵を掛けた。それでも、気が気でなくてドアを押さえていたら廊下から『成長しましたね』という声が聞こえて……しばらくして、ドアの前に居た人物の気配が遠ざかって行く。

ホッと一息ついて、ドアコンソールを見ればロックが外れてて焦る。いやいや、やはり持ってやがったか!マスターキー!!

慌てて、再度ドアロックを掛けて暫くドアを押さえていた俺。

こういうのは、油断した所でもう一度来るヤツだ!!案の定、ドアロックを掛けてドアを押さえた数秒後にドンッ!というドアを叩く音と共に『アレ?ロックが……』とかガチャガチャとスライド式ドアを開け様とする音と『チッ……』という舌打ちが聞こえて静かになった。ヤバい……あのマスターキー、早くなんとかしないと色んな意味で面倒そうだ。てか、俺のプライバシーッ!!

 

「とりあえず、師匠に言っておいた方が良いのかねぇ?」

 

ドアを押さえつつ、意識のみで腕輪の機能を起動。ウィンドを開いて、メールアプリを起動させ師匠のアドレスを開いた。

そして、そのまま視線と決定意識で文章を作り上げて送信。

初めて使ったけれど、中々簡単で使い勝手の良いシステムに【鮮血の】さんの拘りを感じた。それと同時に、最大の感謝を込めて祈っておく。まさか、【鮮血の】さんに感謝をする日が来ようとは……人生って、ホント何があるのかわからないモノだな。

 

「とりあえず、お前のお陰で戻って来られたから釘は刺しておくが……本来であるなら、自分でなんとかして欲しいモノだ」

 

「唐突に現れて、とても辛辣な御意見は勘弁して下さい」

 

「…………なら、後生大事に仕舞っている己の剣を出して使え。アレは、使い続けてこそ真価を発揮する」

 

そんな事言われても、一度根を張ってしまった苦手意識は……早々、解消されたりはしない。アレを手にして、また同じ事になろうモノなら今度こそ宝物庫に封印してしまうだろう。

 

「…………それよりも、良かったんですか?」

 

「ん?なんだ、話を逸らしたいのか?」

 

いえ、話を逸らさせて下さい。

これ以上は、精神が死にます。

 

「まあ、そうなんですけど……そうじゃなくて、あの転生者を時空管理局に渡して良かったのかと思いまして、ね?」

 

「今更だな。だが、アレで良かったのだよ。下手に殺して、消滅しようモノなら……どこまで、管理局が腐っていたのかも全て闇に葬られていただろうからな……」

 

その言葉に俺は、自分の思考の浅慮さを感じた。

言われてみれば、その通りでしたね。アイツを殺して、有耶無耶にしてしまうとその影で甘い汁を啜ってた奴等がわからなくなってしまう。そうでなくても、女性局員が腑抜け状態になってしまっていたので、色んな部署で不正のオンパレードが行われている状態なのに何もしないまま無罪放免は不味い。その洗い出しも、やらなければならない上に《魅了》スキルを持つ転生者の管理もしなければならないってどんな激務!?

 

「……大丈夫なんですか?」

 

「問題ない。暫くの間は、こちらの手の者が転生者の管理を代行しているからな。あちらの体勢が整うまでは持つさ……」

 

「でも、どうやって《魅了》スキルを封じるつもりですか!?」

 

「簡単だ。AMFで、対処が可能だったからな?そもそも、あの《魅了》スキルをどうやって維持してたと思うんだ?流石に、常時リソースを供給する訳には行かないんだぞ?」

 

「そりゃ……ああ。成る程……魔力で、そのエネルギーを補っていたんですね?だから、AMFでスキルを封じ込める訳か……」

 

例え、どんなスキルであろう共この世界のシステムを反映させると魔力で維持する事になるそうだ。ただ、御都合主義の様な常時世界そのものを改編し続ける系の特典は別とのこと。つか、最近リソースの話が続いたので色々とごちゃ混ぜになっていた模様。

OK、OK。この世界は、【魔法少女】が主人公の世界で魔力という己の意思で思い通りになるエネルギーが存在し大体のスキルはその魔力をエネルギーとして機能している、と。魔力で、コントロールや維持が出来ない類いの特典やスキルだけがリソースで管理される事があるらしい。成る程、道理だな。

 

「それじゃぁ、《魅了》はAMFでコントロールが可能なんですね?あ、それだと自害とかするんじゃないですか!?」

 

「しないよ。出来る訳がない……」

 

師匠が言うには、先の爛れた日々の記憶がそれをさせないだろうと説明された。人間、一度でも『享楽の沼』に堕ちるとそれを切り離して生活出来ないんだそうだ。しかも、神様特典は強化特典を除いて存在しているので『今』さえ耐え凌げばまた爛れた日々を過ごせると思いがちなんだと。その結果、自ら命を断つには至れず何とかその状況から抜け出そうと足掻くのだとか……じゃ、逃げ切られたらどうするんだ!?と思わずには居られなかったけれど、管理局からの監視と師匠の監視から逃げられるとは思えず『今』以上の生活に戻れるとは言えなかった。

つか、逃れられねぇだろ?

 

「でも、対策は必要なんですよね?」

 

「高出力のAMFがあれば事足りるんだけどな?というか、ジェイルが使っていた真ん丸なガジェットで十分だと思うぞ?」

 

「ガジェットドローンType-Ⅲで、十分なんですか?」

 

「ああ。アレで、十分元が取れるレベルだ」

 

そうなると、魅了持ちの魔力ランクはBやCランク辺り?……って事は、奴の《魅了》が主人公達に効かなかった理由ってただの出力不足って事になるんですけど?効果は、それなりにあったけど出力が不足していた為に主人公達の魔力フィールドを突破出来なかったオチですか?それ、主人公補正とか関係無くない!?

 

「……………………」

 

「何も言うまい。だから、お前も知らぬ振りしておけ」

 

「…………ウッス」

 

事実は、小説よりも奇なりって事ですね?わかりました。

なら、それに関してはゴミ箱に捨てておくとして現状の管理局がどうなっているかというと……早くから、女性局員がおかしくなっている事は判明していたらしい。『らしい』って言うのは、それに気が付いた局員(正常)と執務官(正常)が密かに《魅了》スキルを持つ宿主を見付ける為に内部監査をしていたという事なんだけれど。その動きを、自分達の不正を暴く動きだと勘違いした不正局員(馬鹿)や悪高官(アホ)共が、自分達の権利を護る為と色々手を出して逆に表沙汰にしなくて良いモノを明らかにしてしまい……地獄絵図状態になっていたとのこと。お陰様で、どこからどこまでが《魅了》スキルが起こした事で、どこからどこまでが元からあった犯罪なのかわからないという。

 

「死ねば良いのに……」

 

まあ、わからないと言いながら管理局を監視している使い魔達から日々送られて来る報告書に目を通しつつ、頭を抱えている俺&師匠だったりする。とりあえず、日の浅いヤツから調べて行くと良いよ?そう、思っていた頃がありました。乱立してるやん。

 

「なんで、こう……監視の目が弱まると、悪い事をしちゃう馬鹿が多くなるんですかねぇ?」

 

「それなりの権力があると、ちょっと普通の人より出来る事が増えるからじゃ無いか?それでも、管理局の馬鹿者出現率は以上だと思うけど……」

 

「やはり、警察と裁判権力を一纏めにするのはヤバかったか……」

 

「この設定、面倒だったから纏めてみました!って感じがスゴい」

 

「わかる。つか、警察と検察に裁判所の纏め組織ってヤバいんじゃね!?不正のやりたい放題ですよね!って思ってたw」

 

「実際、一部で捏造三昧かつ冤罪が後を断たないとか……てか、自分達の罪を他の犯罪者に押し付ける馬鹿が多くてウケるぅ!」

 

「…………とりあえず、何個見付けましたか?」

 

「まだ、三桁程度。多分、もっと増える予定。情報は、使い魔経由でハラオウンと八神に送っては居るけど……あっちも、そろそろ限界ッポイ……人手的な意味合いで……」

 

「まあ、レティさん側の人材分も埋りましたからね……」

 

「そろそろ、こっちも出張らないとクロノんが血反吐吐きそうw」

 

そりゃ、胃に穴が開くレベルで毎日新たな不正の証拠が送られて来るんだから仕方がない。つか、先日……めでたく?レティさん側の人材が一人脱落したとのこと。元々、過労度の高ッポイ感じの人だったから《魅了》スキル持ちの存在が発覚して、その影で不正三昧していた馬鹿共の話が出た時点で限界を通り越していたみたいだけれど。普通に、三件目辺りで倒れちゃったから致し方ない。それでも、三件は処理してくれたので今はゆっくり休んで頂きたい所。まあ、それも……難しそうだけどね。

 

「こうして、同じ様なパターンに嵌まって行くのだった……」

 

「それ、他人事だから言えるヤツ……w」

 

「段々、他人事じゃなくなって来てるけど……」

 

「証拠固めして、情報だけ送るのじゃ駄目なんだろうか?」

 

「それ、後で絶対問題になるヤツですねw」

 

「知ってる。だから、面倒だと言っているだろう?」

 

「こっちで、正常か馬鹿かを見分けて仕事回せれば良いんだけれど……判別が、面倒臭そう……」

 

「【真実の瞳】を説明出来れば、楽にやれるんだろうけど……」

 

「更に、忙しくなるだけだから止めて上げて!!」

 

「うん。知ってる……そんな、レアスキル持ち出したら自爆テロやらかす奴が数人居るからな。これ以上の人材減らしは、止めて置きたい所。つか、万年人手不足なんだよね?この組織……」

 

「うわぁ……弁論出来ねぇ質問キターー(゚∀゚)ーー!!」

 

そうですね!そうなんですよね!!管理局の人手不足、実は高官の内部不正で蜥蜴の尻尾切りにあったが為に不足している説もあるんですよね!それは、俺が未だ人間だった時にもありました。

馬鹿共の巻き添えになってるまともな局員が、居ないハズがないんですよね!!事実、それで職を失った局員は数知れず……犯罪者登録されてる被害者もチラホラ居たりする。

 

「法が信じられなくなって、悪落ちした正義の味方は数知れず……馬鹿がのさばるシステムは、未だに健在、と……地獄ッスね」

 

「最悪の悪循環だな。で、今回はハーレム思考の転生者によって隠され……のさばり切っちゃった、と……」

 

「本当に悪循環ですね。転生ェ……」

 

「とりあえず、リンディさんに連絡取ってみるか?」

 

「そして、お説教が始まるんですね?」

 

「更には、八神も呼ばれて囲まれるんだろ?」

 

「「うわっ、面倒臭ぇ……」」

 

こう、何度も何度も繰り返させられると地獄以外の何モノでも無いんですよねぇ?糞、転生ェ……それと、アホを転生させる神がとてもウゼェ。それと、そんな娯楽を思い付いた元凶ぉ!!

 

「死ねば良いのに……」

 

「ああ……お前も、ついに怨嗟を吐き出してしまうか……」

 

「《旧・神族》は、死んで良いと思います!!」

 

こうして、《旧・神族》を憎む《神殺し》は増えて行くんだそうだ。それを聞いて、とてもその気持ちがわかった。こういう繰り返しは、確かにキツイ!普通に、根を上げる類いの繰り返しだ。

 

「それをわかっているから、あっちもそういう展開に持ち込むんだけど……こっちも、それをわかっているからな。意地で、やり遂げる奴もいる」

 

「意地、ですか?」

 

「負けず嫌いが、多いんだよ……」

 

「…………ああ。その気持ちも、わかります」

 

繰り返しの日々に屈して、色々を投げ出したりすると《旧・神族》の掌の上で踊っているような気分にさせられるのだろう。それが、《神殺し》達には癪に触り負けず嫌いな彼等は意地で繰り返しを続けるのだと言う。まあ、わかりますけど……なんで、根性論になるんですかね?気合いと根性&意地で、世界の平和を守りますってか?怨み怨まれ、繰り返される日々。正に、『悪夢』ッスね!

 

「ああ、だから【組織】の名前が『ナイトメア』なんですか?」

 

「それもある。だが、一番は『絶望に最も近い日々を繰り返せばそれは悪夢となる』……だから、かな?日々を繰り返し、それを日常とする者達を助けたい。って、意味だな」

 

「なら、行動しましょう!Master、兄様!!」

 

そして、唐突に俺と師匠の会話に割り込んで来るリリィ。

ちょ、お前……また、部屋の鍵を外して入って来やがったな!?

入って来んなって、言ってるだろう!?何、やらかしてくれちゃってますかねぇ!?更に言えば、いつまでその……いや、なんで制服にフリルが付いてるの!?何、パワーアップさせてんだよ!?絶対に、そんな魔改造女子制服なんて試着しねぇからな!?

笑顔で、可愛らしいフリルを付けパワーアップした女子学生制服(魔改造)を手にしたリリィが迫って来る。てか、ちょっと前までは紺色だったのにいつの間にか白系のお嬢様が着る様なブレザーなんですけど……最初の設定、どこ行った!?あるぇ?さっきのは、スクール水着とセーラーを合体させたヤツじゃなかったか!?

衝撃が強過ぎて、ちょっと気が付かなかったけど完全に別物じゃ無いですか!?おま、止めろよ!?変なテコ入れするの!!

 

「それ、さっきのヤツと違うじゃないか!?」

 

「おや?先程のヤツが、よろしかったですか?」

 

「違ぇ!そうじゃねぇ!どっちにしろ、女物の制服なんて着ないからな!?俺は、男なんだ!筋肉モリモリの巨漢なんだよ!?」

 

「大丈夫です。問題ありません」

 

「ちょ、師匠!コイツ、何とかしてくださいよ!?」

 

「ゴシックドレスは、無かったのか?」

 

「クソッタレ!コイツもか!!」

 

全く、逃げ道すらない状況に俺は辟易すると同時に自害してでも離脱出来ないか考える。しかし、自害した所で生き返るし気絶なんてしようものなら着替えさせられている可能性すらあった。

ぶっちゃけ、絶体絶命な状況に俺は頭を抱えて涙を滲ませる。

アカン、詰んどるがな……いやいや、エセ関西弁で場を和ませる必要は無いから今はここから脱出する事だけを考えねばならない。

しかし、師匠が居て俺を女装させるのにノリ気な以上、出入り口を塞いでいる師範代を殴り倒して逃げなければならなかった。

だが、そんな事をしている暇があるなら一秒でも早くこの部屋から出た方が良いのだけれど……廊下側の壁を抜こうにも、俺の力じゃ傷一つ付かない材質不明の壁だ。どうしろと!?

 

「もう少し、頑張っていれば逃げ出せたかも知れぬのにな?」

 

「頑張ってって、血反吐吐くレベルの鍛練とか無理ッスよ!?」

 

「言っても、兄様は不老不死なんですからちょっとやそっとでは死ぬ事はありませんので安心して吐血して下さい」

 

「あ!?おい、止めぎゃああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

そんなこんなで、俺は一度気絶させられた上にフリルの付いた白いブレザーを着せられるハメとなった。もちろん、男のままでだ。

お陰で、筋肉が隆起した百八十センチ以上の野郎が女装した挙げ句、化粧まで施されて秘密基地の居間に放置されてるの図。当然の事ながら、皆の憩いの場に放置されていたので俺の周囲には白い目を向ける翼、すずか、アリサ、ユーリの四人が普通に居る。

ここで、『違う』と言えれば良かったんだけど……色々と混乱していた事もあって、俺は自分を抱き締める様な形で固まっていた。

 

ちゃ、ちゃうねん!これは、師匠の悪戯やねん!!

 

周囲からの視線がキツくて、声には成らなかったけれど……弱々しく、首を振っていたら呆れた様子の翼が大きな溜め息を吐き出して俺の腕を取った。

 

「この玩具、どうしたら良いと思う?」

 

「「玩具……ああ……」」

 

「これ、双夜の悪戯だったんですね?なんだ……神崎さんが、そういう道に目覚めたのかと思いました!」

 

ユーリの一言に、グサッ!と何かが刺さった様な気がしたけど、それ以上に現状が最悪過ぎて何も言えなかった。つか、ありがとう、勇者様!貴女のお陰で、俺は救われました!ええ、それが地獄への招待状であったとしても俺は翼を称えずには居られない。

 

「というか、もう少し抵抗した方が良いんじゃ無いかな?」

 

「アンタ、それなりに強いんでしょ?」

 

「無理だと思いますよ?多分、リリィさんやオルタさんに双夜の三人がイジメた結果だと思うので……」

 

「あ、そっか!あのチビッ子に、化粧を施す事は出来ないか……」

 

いえ、師匠は普通に化粧を施せる人ですよ?昔の恋人さんの支度とか、手伝っていたらしいのでメイクとかコーディネートとか得意だと言ってました。まあ、自分の好みを押し付けていたらしいですけど。それでも、TPOは弁えておられたのでコスプレとかエッチな衣服は着せなかったそうですけど。

 

「そう、三人がかりで玩具にされたの……」

 

「ごめんね?ウチの子、とっても悪戯好きだから……」

 

「ちょっと!どさくさに紛れて、双夜を自分の子みたいに言うの止めなさい!!」

 

「えー……でも、双夜くんはウチの子だよ?」

 

「だからっ!」

 

「お義母様、双夜を私に下さい!!」

 

「「は?」」

 

どさくさに紛れて、ユーリが爆弾発言をやらかした。

当然、二人の反応は氷点下で……そんな、塩対応されたユーリは『もちろん、冗談ですよー?』と言葉を濁す。つか、その爆弾は時と場合を見極めてから投下して欲しかった。切に!!例え、冗談だったとしても病んデレとガチ勢に言ってはイケない。

 

「もう……ホントに、何やってるのよ……」

 

知らんがな。

 

 

 

 

 




まだ、続くんだな……神崎イジメ。まあ、先が決まって無いので足踏み中?つか、日々が忙しいんだよ……管理局じゃねぇけど人材不足でw。少子高齢化の波が……ってな訳で、暫くはカツカツなお話作りになると思うよ?ハハハ。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

作者が、神嫌いな理由……みたいなモノ?つーか、思想?

どこの宗教も、基本的に創作された神様なんだよね。
そりゃ、神の子云々言ったって無から生まれた訳じゃねぇし?人間の腹から生まれた以上、どう足掻いても人間である事に代わりはない。となるとだな、人々が捧げている祈りや信仰ってどこ行くの?と思ったのが最初。ぶっちゃけ、どっかの哲学兵装みたいなモンだろうから元が創作だろうが歴史を重ねたら事実なんだよ!って話になるのはわかるんだけど……なら、そこまで行くまでに捧げられた祈りや信仰はどこ行ったんでしょうね?って話になった訳よ。
まあ、そう思った理由が……何かの物語で、人々の祈りや信仰を己の欲望を叶える為に使っている的な話を読んだ?見た?からかな?
アニメだったのか、小説だったのかは忘れたけど……人々の祈りや信仰をエネルギー換算して使ってた話があったんだよ。それを見て?読んで?元から、信仰対象が創作物だと思ってた作者は現在進行形で祈りや信仰ってどこ行くんだろう?と疑問に思ったのが始まり。
そもそも、イジメを神様頼みで解消しようとしてたのが原因なんだけどねw。だって、先生に言っても親に言ってもどーにもならんかったから神様頼みになったんだよね。結局、どーにもならんかったけどwww。そこに、創作や思想云々が加わって……結論、神は居なかった!!もしくは、『鬱陶しい!目障りだ!!』的な?所に納まったんで『神よ、滅びろ!』って結論に至ったんだよwww。
つか、そもそも他者を迫害する様な風潮を作ったのって宗教からでしたねw?そら、神様に祈っても解消される訳が無かったわwww。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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