絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四〇七話

Re:

 

 

インターミドルチャンピオンシップの予選が進む中、俺達は今日も今日とて別の任務に駆り出されていた。出来る事なら、八神家に通うチビッ子達と共にヴィヴィオ達の試合を観戦していたいのだが……そういう時に限って、馬鹿が湧くんだから最悪だ。

面倒この上ないけど、ここでコイツ等を排除して置かないとヴィヴィオに迷惑が掛かってしまうから放置も出来なかった。

 

「この世界を管理してる神々、覚えとけよぉ!?」

 

とりあえず、逆恨みはシッカリ宣言しておこう!!

 

後で、無かった事にされても仕方がないって話である。

因みに、本日はハリー・トライベッカvsエルス・タスミンの試合だ。ハリーは兎も角、エルスさんの応援はしたかったなぁ……どんな戦い方をする人なんだろうね?ちょっと、気になる。

そんな事を思って、フワフワしていると痺れを切らしたのか敵対している転生者が喚き始める。

 

「こ、この【核】兵器が目に入らないのか!?」

 

「師匠、カク兵器だそうですよ?アレ……」

 

「そーかぁ。アレ、カク兵器なんだぁー……」

 

「「だから?」」

 

「へ!?あ、や、えっと……原作ヒロインは、俺のモノだ!!」

 

「……………………」

 

「今の、笑えそう?」

 

振り返り、背後に居る転生者達に評価を聞いてみる。

 

「0点。笑えない。つか、核兵器チラ付かせて『原作ヒロインは俺のモノ』って……ヤバい、俺も()()()()だったのか…」

 

「……これが、馬鹿を見て我が身を振り返るってヤツなのか!?」

 

「ヤバい!ちょっと前の自分が、とっても恥ずかしい/////」

 

本日、連れていた数人の転生者が頭を抱えてのたうち回っている。

流石に、同レベルの勘違い男を見ると自分のしてきた言動が如何に恥ずかしいモノなのかが理解出来てしまう様だ。しかも、相手が超わかりやすい力ーーー爆弾(核)を持ち出して脅して来ているのも彼等の理解を促す良い薬になっている模様。

 

「俺も、昔は()()()んだったんだぜ?」

 

「止めて!心へし折りに来ないで!恥ずい!滅茶、恥ずかしい!」

 

「いや、別に心へし折りには来てないだろ!?」

 

「いつか、お前等も俺みたいに真当な感性が生えるんだぜ?」

 

「今、ですね!アカン、恥ずかしい……」

 

「前世の黒歴史より、恥ずかしいんだけど!?」

 

「あー、わかる。拭い切れたと思ってたんだけどなぁ……」

 

「くぉっ!俺は、比べ様がない。どっちも、ヤバ過ぎる……」

 

「「マジか!?どんな事、やったよ!?」」

 

よもや、前世でも似た様な事をやってた奴が居ようとは……驚きである。一体、彼は何をやらかしたんだろうな?まあ、それはさておき……今は、目の前に居る核兵器馬鹿についてである。

なのだが、そうこうしている間に問題が問題で無くなって行く。というか、アレが【核】である事がわかった時点で俺が手を打たないハズがないだろう?もちろん、中身の無害化を実行中だ。

要は、放射能系の物質なんだから原子構成を組み換えてやれば全く別の物質に早変わり。多少の放射線は残るだろうけど、【核】に必要な放射能物質は存在しなくなるって訳だ。

 

「神崎。濃縮プルトニウムの無害化に成功した」

 

「マジッスか!?つか、何やったんッスか!?」

 

「錬金魔法を叩き込んでみた。上手く行けば、放射能そのものを別物質に出来ると思ったんだが……バッチリ?」

 

「こうして、世界の平和は守られるのだった……」

 

「「それな!」」

 

敵対しようとした転生者は、起動スイッチを連打し始めるが問題の物体は何の反応も返さない。そりゃ、中身が別物に置き換わったんだ、爆発する様なモノでもない限り何の反応も返しはしない。

 

「つか、転生者が多くなって来ましたね?」

 

「コイツ等の将来を一緒に考えてやってはいるけど。当人達の能力が、戦闘特化だったり良くわからないモノだったりするからな……それに、人数も多いから全て時空管理局預かりにしても……」

 

今度は、管理局の財政が傾いてしまう。一応、確認はした。現在の所は、まだ全然大丈夫。問題にもならない。だが、このまま増え続けるのなら数十年後がかなりギリギリだ。今尚、転生者は送り込まれ続けているからいつか飽和してしまうだろう。

 

「これ、間違いなく【僕】対策ですよね!全く、誰だ!?妙な対策を打ち立てた馬鹿は!?」

 

「師匠対策、ですか?」

 

「そうだ。僕が、この世界軸に降りたったら先ずフレールくんを出して情報をかき集めるだろう?でも、後出しされたら集めた情報はほぼ無意味だ。故に、この世界軸みたいに後から後から転生者を送り込むとこっちが先手を打てなくなるんだよ」

 

「成る程。って、ヤバいじゃないですか!?」

 

「いや、それは問題ない。ぶっちゃけ、送り込んでいるのが問題ある【神】であるならそろそろ流入は止まるハズだ」

 

既に、【外】にいる奴等が動いているハズだからな。使い魔は、俺の周辺だけでなく【船】にも配置されている。なら、《時空石》が使えなくても使い魔経由で伝言を伝えれば事は済む。それに、【外】から世界軸を俯瞰して見下ろすのも必要だから調度良かった。まあ、タイムラグはあるけれどそこそこまともな画像も届いているから。画質的には、普通だけど……世界を【外側】から、視るなんて早々できるモノでもない。でも、【外側】に居る奴等にお願いすれば何とかなるもんだ。

 

「…………異常は、視られないんだけどなぁ?」

 

でも、それは遠目かつ肉眼で視ている訳じゃないからであって直接視ていればまた別の見解も出せただろう。一応、全体的に赤黒く染まって見えるので異常は確認出来てたんだけどね。まさか、あんなものが隠れ潜んでいるとは思ってなかったんだよ。

 

「んー……わからん。【真実の瞳】でも、わからんモノはわからんからなぁ……僕の知識が足りない、とか。まだ、視た事のない現象・事象とかだとン千万単位になるから……」

 

これが、【鮮血の】だとかならまた違って来るんだろうけど。

何たって、奴には世界の根底にアクセスしてありとあらゆる法則とか知識とかを引き摺り出すチート能力があるから自分の預かり知らぬモノでも知ってたりする。ただし、本人が科学圏の知識しか持たないので魔術系統の話になるとチンプンカンプンなんだよね。答えは出ても、本人にもそれが何なのかわからないってオチ。

【鮮血の】では、そういう事があるので答えは教えて貰えるけど説明とかはない。そういう時は、魔術系の奴が横から説明してくれるんだ。ただし、近くに魔術系が居る場合のみに限る。

 

「さてさて、見たくはないけど……見なきゃならない世界の状態は如何に!?…………デスヨネー。知ってたw」

 

最早、大波処では無くなった捻れて反転しひっくり返ってグチャグチャになった手の付けようのないグラフが目に飛び込んで来る。

こうなると、何をどうしても安定する状況には持ち込めないので諦め気分で停めてみようとするけど……無理だな。最悪、【鮮血の】でも呼んで殺っちゃった《神殺し》の【呪い】で再反転させてみたらどうかな?《神殺し》の【呪い】とは、神を殺した経験のある《神殺し》が持つ【我(神)を殺したな?】という呪いの事。

それは、【神】を殺した瞬間に【神】の最も近い場所に居た者が掛けられる呪いである。【鮮血の】は、【神】を殺した経験は少ないものの殺される【神】の近くに居た回数は最も多いから物凄い数の【呪い】をその身に受けていたりする訳で……世界の【内側】に入ると色んな影響を周囲にバラ撒いてしまう。まあ、それをワザとさせて現在グチャグチャに飛び回っている世界の安定を目指す訳だけど……下手を撃つと、より一層ヤバい事に。

 

「というか、この世界のリソースってどれくらい残ってンの?」

 

流石に、寄り親からの供給はあるだろうけど……そんなもん、微々たるモノだろう。この世界を創った神々が、現存しているのならそっちから流れて来るハズだ。まあ、ついさっきウチの外部隊が突撃して行ったけど全員を仕留めたという話は聞いていない。となれば、リソースがそこそこ残っているハズなんだけど……あ、無いなw。

この世界の管理者も、狩られたみたいだし?

つまり、現在は既存の世界と転生者によってガリゴリと残ったリソースの食い合いをしている訳だ。

 

「ぁ……あぉう……マジか……」

 

特典、消さないと……はぁ。

 

「そう言えば師匠。なんで、【御都合主義】って無いんですか?」

 

「んあ?そりゃ、【御都合主義】を持つ奴の為に()に世界の改編を行い続けなければ成らないからだろう?」

 

神崎の質問に、答えてはいるけれど殆ど理解してはいないだろう。

要は、リソースの食い合いである。リソースさえ、潤沢にあるのならば【御都合主義】は簡単に使用可能になるんだろうけど……それを維持出来るだけのリソースが無いんだ。ぶっちゃけ、世界を運用する為のリソースと、【御都合主義】を維持出来るだけのリソースがあるのならば、新たに世界を創った方が賢いというモノ。即ち、【御都合主義】という特典は創世よりもリソースを多く無駄に使ってしまう特典だという事だ。ハッキリ、断言するのなら【御都合主義(普)】は約五十年程度の使用で世界創造を2~3回は出来る様になるレベルのリソースを使う。【微】でも、それなりのリソースを使うって言うのに最高ランクの【高】になんぞしてしまうと【普】で使う約五十年分のリソースを僅か半年程で使い切るレベルと言えばわかるだろうか?【御都合主義】っと呼ばれるモノは、兎に角リソースをガツガツ食らう燃費の悪い補正である。よって、狂ってる神であろうとも【御都合主義】を転生者に使う馬鹿は早々居ない。

もし、そんなモノを転生者に使っている神が居るとしたら余程頭のおかしい変態神だという事だ。

 

「常に、ですか?」

 

「当たり前だろう?ソイツに取って、最も都合の良い状況が何度も訪れるんだぞ!?ということはだ、ソイツに取って世界その物が都合の良い様に改編され続けているって事だろう?」

 

「……………………」

 

「それでなくても、世界改編には膨大なエネルギーが必要だと言うのに……たった、一人の為に世界をチューニングしている様なモノだぞ!?」

 

ぶっちゃけ、どれだけのリソースを使えばたった一人の為の世界が出来上がるんだろうな?最早、底無し&無限な穴を埋める様なモノである。海以外……人の住まう地表を、どれだけ削ればその穴は埋め立てられるのだろう?丸っと、惑星を貫通する様な穴なら“地上”の大半を削っても埋められないと思うぞ?

 

「下手にリソースを使い過ぎると、愛する者との間に子供すら作れなくなるからな?お前等の最終的な目標って、そういうモノだろう?原作ヒロインと、結婚して子供を作る事じゃないのか?」

 

「え!?リソースって、そういう事にも使われるんですか!?」

 

「というか、リソース無いと文明とかも衰退して行くぞ?」

 

「「「「まじで!?」」」」

 

核兵器の少年も交えて、驚愕の表情を浮かべているけど……現在進行形で、この世界のリソースは消費され続けている。しかも、補充される事は複製世界なのでほぼ無いと来たもんだ。ハッキリ言って、もう先は見えていたりするのだけれど。まあ、やろうと思えば出来る事は山程ある。だけど、それを転生者達が許容出来るかは不明だ。簡単に説明するなら、神様特典で追加されたリソースを消費し続ける特典を排除してやれば良い。

 

「あ、でも!神様が、殺されなければ問題ないんですよね!?」

 

「まあ、そうだが……残念なお知らせが、三つある。一つは、この世界を維持するリソースがもう無いって事だ」

 

「うわっ、聞きたくねぇ……」

 

「でも、聞かないと問題解決も出来ないんだなぁ……」

 

「「「デスヨネー!!チクショウ!!」」」

 

「理由としては……君達、転生者を送り込み過ぎた事だ」

 

この世界の転生者は、異常な程に数が多い。それ故に、大量のリソースが消費されて現在はカツカツ状態が続いている。というか、今後の事を考えるとこのリソース量では数年も持ちはしないだろう。一応、無駄に消費する系の特典は消したハズなんだけどね?

なのに、この消費量となると……もう数人は、転生者が隠れ潜んでいるか新たに生まれたという事なのだろう。

しかも、世界を改編する系の特典持ち。

 

「そんなに、リソースがないんですか?」

 

「無いな。まあ、原因を排除して【組織】に申請を出せば天地創造系の能力持ちが補充してくれるけど……」

 

とは言え、彼等に出来るのは一時しのぎ程度の補充のみだ。

リソースなんてモノは、永続的に補充し続けられる訳じゃない。

それでは、問題を先送りにしているだけで根本的な解決にはならないからな?根本的に解決すると言うのなら、先ずはリソースの確保をするべきだろう。もしくは、断罪された神の代わりを連れてくれば良い。まあ、どちらも難しい事なんだけど。

 

「誰か、空いている奴は居たかなぁ?」

 

言って、自身の内面へと意識を向ける。確か、浄化済みの神々が俺の中に封印されていたハズだ。流石に、浄化終了後直ぐに世界の管理を任せるのは鬼畜な行為なので出来ないけど……彼等が保有するリソースを分けて貰う事は出来る。

最悪、幾つかの世界をブッ壊してリソースに変換しても良い。

もしくは、現在生きている生き物を殺して回収するのも良しだ。

 

「殺人ウィルスをバラ撒くのも手だな……」

 

要は、存在するモノを殺すか壊すなりすればリソースは増えるのである。だからと言って、俺が世界を壊すのは筋違いなのでそれは転生者達にやって貰った方が良いだろう。まあ、拒否られるんだけどw。そりゃ、更正しようとしているのに世界を破壊するのは【更正】とは真逆の事柄に『断るだろうなぁ』とは思っていた。

 

「嫌ッスよ!それに、俺等……改心してる所なんッスけど?」

 

そして、案の定断られてしまった。

 

「じゃ、神様特典全消しだよ?常時、リソース食ってるんだから構わないんだよね?改心しているなら、構わないよね?」

 

だから、その代わりの案を提示してみる。

 

「……………………」

 

ついこの間、問答無用で神様特典を三つから一つにされて、今度は世界の未来の為と全て奪われようとしているとわかり彼等は無言となった。まあ、その気持ちもわからない事もない。

だって、彼等からしてみれば理不尽以外の何物でもないからね。

でも、このままではこの世界の未来が続かない。未来が続かないって事は、彼等にも未来が無いって事にもなる。

ハッキリ告げるなら、愛する人との間に子供すら作れなくなる。

故に、特典の削除要請を断るという事はそれを容認して貰わなければならない。まあ、断る奴は当初の目的と同じ様に女性を軽視する様になるだろう。つまり、性的な玩具の様に扱うって事だな?

 

「断るなら、死んで貰うけどw」

 

「おい!ちょっと、待て!?何故、そうなる!?」

 

「え?……だって、断るって事は女性を性的な玩具みたいに見ているって事だよな?なら、殺さないと……」

 

「いやいやいやいや、なんで断ったら女性軽視になるんだよ!?おかしい事言ってるぞ!?」

 

「…………んん?リソース無い。って事は、子供が作れない。だから、特典削除を要請する。でも、断られた。じゃ、君達は何を目的に生きて行くの?」

 

「あ……それは」

 

「しかも、君達は未来が続かないって事を知っている。それを知っていながら恋人とか作るんだよね?でも、子供が出来ない事がわかってる訳だ。じゃ、何を目的として交配するの?ぶっちゃけ、快楽を求めるだけなら女性軽視と変わらないよね?」

 

「いや!いやいや、いやいやいやいや!!違うだろ!?女性軽視じゃねぇよ!!愛だよ、愛!!愛を確かめる為にヤるんだよ!!」

 

「そうなの?でも、交配をする事が愛を確かめる事になるの?」

 

「うっ……。ちょ、ちょっと待ってくれ……どうなんだ!?俺だけじゃ、何も思い付かないんだが!?」

 

そう言って、俺の質問に答えていた転生者は他の転生者達を集めて相談を初めてしまった。それを俺は、白けた目で眺めている。

 

「……交配は、生物の本能であって子供が出来ないならしなくて良いのでは?なのに、交配が相手との愛を確かめる事っていうのはおかしいと思われるぞ!?」

 

「だよな!でも、コミュ障な俺等じゃどうしたら愛を確かめられるのかわからないんだが……」

 

「それな!でも、交配は無いって事はわかる」

 

「デスヨネー。じゃ、何て言えば良かったんだ!?」

 

「そもそも、リソースが足りないって話だっただろう?なら、リソースを神様特典が無駄にするって言うなら俺は別に特典を失っても構わないと思うんだが……」

 

「あー……そう、だな。俺も、消しちゃっても良いかも?」

 

「俺は、嫌だぞ!?何の為に、この世界へ転生したと思っているんだ!?神様特典で、他者を見下して悦に浸る為だろ!?」

 

「「「……………………」」」

 

「な、なんだよ!?お前等だって、他人に馬鹿にされてたんだろ!?なら、見返してヤりたいと思わないのか!?」

 

「……思わんな。だって、当人達が居ないんだから見返す事も出来ないし悦にも浸れないだろ?」

 

「デスヨネー。自分だけが居ても、見返す相手や苛めてた相手が居ないなら意味が無いだろ?それなら、スパッと全消しして貰った方が良くないか?」

 

「そもそも、生前の柵って転生した時点で消えちゃってるよなw」

 

「相手も転生してるなら、見返す云々は俺も賛成だけど……居ないんじゃ、何の意味も価値もない」

 

「うぅ……だけど、他人に見下されるのはもう嫌だ……」

 

「それは……わかる。でも、まだ時間はあるよな?」

 

「それな!つか、俺等子供に戻ってるんだからもう一度やり直せば良くね?成人するまで、10年はあるんだろ?」

 

「成人した後で、後悔するのとは違うんだから未来をより良いモノにする為に頑張ってみたら良いじゃねぇか……」

 

「そうだよな。転生したら、本気出す!で、良いじゃねぇかw」

 

「それ、ネタだろ!?」

 

「ネタだよ。でも、そういう事なんじゃね?つか、アイツは神様転生じゃ無かったのに滅茶苦茶頑張って成功を掴んでたよな?」

 

「…………それは、物語だからっ!!」

 

「そして、この世界も元は物語の世界だ、よな?」

 

「だな。流石に、魔法少女の世界だとは思って無かったけど……でも、魔法に関係ない所でなら俺でも主役に成れるんじゃね?」

 

「あ……そうか。【魔法】少女の世界だもんなw。魔法にさえ、関わらなければ男でも主役になれるかも知れない訳か……」

 

「流石に、どこまで可能なのかはわからないけどな?」

 

「つー事は、他の奴等も説得しないと駄目だって事か……」

 

「あー……大変そうだな?」

 

「でも、本気出すんでしょ?」

 

「ははは、違ぇねぇw。転生したら、本気出す!!って言った以上、ガチで頑張らないとな……失敗したら、顔が良いから地球に行ってホストになるんだぁ」

 

「「「ブッ、ハッハハハ!!」」」

 

「ちょ、おまっ、いきなり、笑かすなや!?」

 

「や、ま、ちょ、ツボ、ツボったっ!!」

 

「ゲホゲホ、おま、止めーや!いきなり、失敗なんて言い出しやがって……でも、そうだな。ホストも良いかもな……」

 

「「「え!?マジで!?」」」

 

「失敗したら、だからな!?失敗したら!!」

 

「って訳で、俺等四人は全消しを望んで良いッスか?」

 

「前向きな意見、ありがとう。でも、不安じゃねぇの?」

 

途中から、前向きな意見を言ってる奴が一番不安を抱えているのがわかったから聞いてみた。いや、コイツだけじゃ無くて他にも不安を抱えている奴は多い。

 

「まあ、不安っちゃぁ不安なんですけど……神様特典持ってたからって、人生に都合の良いって話でも無い訳ですし?未来も無くなるんでしょ?なら、あっても無くても一緒じゃ無いですか……それに……男の意地は、俺にもありますから……」

 

「そうか、男の意地、か。それなら、最初から魅せてくれていれば関わる事も無かっただろうに……」

 

「それは……言いっこ無しですよ」

 

まあ、無粋なのはわかったのでこれ以上は追及しないけど……全く、面倒しか起こさない餓鬼共だ。だが、その結論は悪くない。

四人の意思を確認した俺は、ダラダラ引き延ばしても良い事はないだろうからとその場で四人の特典を削除した。それによって、最後まで残っていた神通力も消失。それと同時に、彼等を巣くっていた【呪い】も消滅した。その為、不安を抱えていた転生者から一瞬不安の原因まで消えた様に見えて二度見する。でも、勘違いだったらしく次に視た時には普通に不安を抱えたままだった。

 

ーーーもしくは、別の【不安】に変化したのかも知れないけど。

 

その内情までは、【真実の瞳】でも見切れないので俺にはわからない。でも、彼の顔を見たら何か憑き物が落ちた彼の様にスッキリとした顔をしていた。あながち、先程までの【不安】と今持ってる【不安】が別物なのは間違いではないのかも知れない。

 

「じゃ、本気で他の転生者達を説得してくれよな?」

 

「ちょ!?それは、貴方の仕事なのでは!?」

 

「まあ、そうだが……本気出すんだろ?なら、先ず最初の試練だと思って頑張ってみたらどうだ?」

 

「おぉう……また、無茶振りブッ込んで来たぞ?この、《神殺し》は。おーい、誰かぁ助けてぇーw」

 

「「「ガンバレェーw」」」

 

「ちょ、助けろよ!?」

 

「やる気顔で、助けろって言われても、なぁ?」

 

「ちょっと、助け難いんだけど?」

 

「超、やる気じゃん。むしろ、助けたら殴られるんじゃね?」

 

「「それな!」」

 

「クソォ……コイツ等、マジ殴りてぇ……!!」

 

「「「ギャハハハハ!!」」」

 

そんな風にじゃれ会う彼等を眺めていると、いつの間にか隣に移動して来ていた神崎が『もう、大丈夫そうですね?』と声を掛けて来た。それに、小さく頷いて今後の彼等を想う。

 

「これからが、彼等の本当の始まり、かな?」

 

「スタートライン、ですか。青春ですねぇ……」

 

「兄様が、おっさん臭い事を……」

 

「見た目は、まだ二十歳くらいなのに……」

 

「うっせぇ!!」

 

でも、まあ……神崎の言う通りだったりする。

さて、転生者達の説得……頑張ってみますか、ねぇ?

 

 

 

 

 




どんな寝相だったのか……全消しした上に保存まで……orz。
ブツは、体の下から見付かった。内容を見れば、全消しな上に保存ってオチ。悩むわ!!

さてはて、今回はリソースのお話だ。リソースってのは、世界を運用維持していく上で無くてはならないエネルギーだと思ってくれれば良い。それが無いと、新たに生命が生まれて来る事は無く、文明も発展しない……そういうモノだって、ね?で、本来なら寄り子達が興じる娯楽に寄り親が参加したらどうなるのかをブッ込んでみた感じだ。その結果、神様特典を全消しして限りなくリソースの消費を抑えなければその世界に未来がないって状況を作ってみた。
その様子が、まるで現在の世界情勢に重なったけど……この世界まで、リソース不足に陥ってるんじゃねぇだろうな!?だから、新型コロナで無差別に……?そして、どっかの国でまた人工爆発が起こるんですね?わかります。ーーーってな事になったりしてなw?ありえそうで怖い。とりあえず、件の【堕ち神】を出現させる為に地盤固めをしております。今回は、多かったからねぇ?【堕ち神の章】で、《堕ち神》を出さないのは間違っているからな!《堕ち神》を出して行くぜwww!!というか、これっくらいの台詞量を維持したいのに……説明文がががが……。違うんだ。そうじゃ無いんだ。俺が書きたいのは、説明文オンリーの物語では無いんだ!!なのに、上手く行かない。という、深みに嵌まってます。這い上がれない(泣)。

因みに、作者は課金ですぐ強くなれるゲームはしてません。
まあ、街とか農地とかの拡張課金はしますけどねw。
それ以外、特にキャラクターが強くなる系の課金はしないなぁw。
ただ、それを強要するゲームは知ってますがw。
ログレスとかw。でも、1ヶ月程で弱体化しますけどw。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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