絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四〇三話

Re:

 

 

ー第27回インターミドルチャンピオンシップー

ーミッドチルダ地区選考会 第1会場ー

 

多くの人が集う会場で、ヴィヴィオ達がキョロキョロしているのを背後から眺めつつノーヴェの説明を流し聞く。参加選手は、セレモニーがあるらしいので俺はディエチ姉と客席の方に向かう事にした。つか、ホントに女しか居ない選考会なんだな。ある意味、恐怖の空間なんだが……どうしたモノか。等と、考えている内にエルス・タスミンがマイクを持って登場し開会の挨拶を始める。

そう言えば、転生者共の襲撃の後で彼女達と一度顔合わせはしたけど。それ以上の干渉は、控えている状態なんだよな。まあ、彼女達の近くには護衛と称して使い魔が何人か周囲をそれとなく巡回しているんだけどね。それに、この会場で会う約束もしてある。

まあ、その約束をしたのは使い魔達だけど……俺を連れて行く的な事を言っていたし、了承もしてしまったので行かざるを得ない。

暫くして、ヴィヴィオ達の試合が順調に始まったので俺は其々の試合の一試合だけを見て席を立った。

 

「どこ行くの?」

 

「使い魔が、勝手に約束を取り付けやがったんでその相手と会って来る。ああ、着いて来ても良いけど面倒事だから時間が掛かるぞ?来るか?」

 

「うぅん。時間が、掛かるなら良いよ。それにこの会場からは出ないんでしょ?」

 

「出ないよ。ヴィヴィの試合も気になるし……直ぐ、戻ってくる」

 

言って、ディエチ姉達と別れ約束を交わした人物を探しつつ会場をウロウロし始める。つか、フレールくんを通して居場所はわかって居るけど……この会場ってば、それなりに広いんだよな。というか……ここ、どこだよ!?相手の位置がわかるのに、自分の居る場所がわからないとか……まあ、良くある事だ。つか、フレールくんの視界を借りてたから余計に迷ったってのもある。だから、フレールくんと《チェンジ・リング》で位置を入れ替えて相手の居る場所へと転移した。まあ、当人達の目の前に転移すると更に面倒事になるので近くの人気の無い場所への転移だ。

とりあえず、誰にも見られて無い事を確認してダールグリュンが待つ観客席の方へと進むと何やら取り込み中だった。というか、ハリーとお嬢様が暴れているんだけど……止めた方が良い?そう、考えていたらいつの間にか現れていたエルスが二人を拘束する。

 

「よぉ。取り込み中かい?なら、後にするけど?」

 

「え?あら、ごきげんよう。今日は、早目の到着ね?」

 

「早目って言うか……ん、ポップコーン?フム。オーソドックスに薄塩味か。キャラメルとか、チョコ味ってねぇの?」

 

ヒョイっと、黒ジャージの持つ巨大なカップからポップコーンを一粒摘まんで口に放り込む。それにより、ポップコーンの味が判明したけど……塩味だけで、満足出来るのかな?俺は、無理だね。

故に、その他の味も思い出す。だが、そこそこ数が多くて迷う。

だって、バター醤油も捨てがたいけど……時々は、キャラメルやチョコ味も食いたくなるんだよな。まあ、ジャンクフード縛りでやるなら【おでん缶】が至宝であるけど。隠し味のパイナップルやイチゴは、ダースで買っても損した気分にはならない。

 

「な、なぁ……それって、どこ行ったら売っとるん!?」

 

「お?興味あるか……確か、サンプル程度ならアイテムBOXに入ってたと思うぞ?」

 

言って、空間の狭間に手を突っ込んでゴソゴソ。目的の物を手にして、取り出したら……何故か、凄く驚かれた。あ、そう言えば、この世界には《アイテムBOX》なんてスキルありませんでしたね。

うっかりしていたよ。だが、当然の様にニッコリ笑顔で差し出したら割りとアッサリ受け取ってくれたので有耶無耶にする。

その有耶無耶に乗じて、エルス・タスミンのバインドを解除してみたが誰も気が付かない様子なので放置とした。気が付いたら、気が付いた時に解除した事を宣告すれば良い。

 

「待ちなさい!そんな、どこから取り出したかもわからないモノを食べようとしないでくださいません!?」

 

「大丈夫だよ。僕のアイテムBOXは、時間停止の魔法が掛かってるから腐ったりはしないよ?」

 

「さも、当然の様に仰ってますがおかしい事だらけですからね!?って、ジーク!?ちょっと、食べないで下さいませ!?」

 

「あ、おでん缶もあるよ?」

 

「おでん!?って、缶詰!?」

 

「僕のオススメは、こっちのイチゴを使ったおでん缶かな?ふんわり、イチゴ風味のおでんが食欲をそそってくれるよ?」

 

「って、またぁ!?」

 

「ぷっ!あははははは!お嬢も、大変だなw!!」

 

「五月蝿いですわよ!?」

 

黒ジャージを餌付けしていると、それを見たダールグリュンが怒り出し更にジャンクフードを取り出して見せたらハリーが大爆笑を始めた。その様子を、ポカーンと見ているエルスは棒立ちでいつの間にか解除されたバインドとか色々あるんだけど……誰も気が付かない。このまま、忘れ去ってくれる事を期待して更にハンバーガーやポテトを取り出した辺りで黒ジャージの目がキラキラして来た。

なので、フリーズドライで水分を飛ばしサクサク感覚の野菜スティックとマヨネーズを粉末状にした粉末マヨを差し出してみる。一応、これらもジャンクフードなんだぜ?

 

「ああ、野菜の栄養も必要だろう?こっちは、水分を飛ばした乾燥野菜。で、こっちは粉末化させたマヨネーズ。これを、乾燥野菜のカップに入れてフリフリすれば……ほい、ジャンクフード・野菜スティックの完成だ。野菜嫌いな餓鬼共に、美味しく楽しく食べさせる為に開発されたジャンクフードだな。まあ、女性も好んで食ってる奴が多いけど……」

 

「わあ!こんなんも、ジャンクフードになるんやね!!」

 

「そうだな。ただ、ポテトみたく油で揚げればなんでもジャンクフードだぜ!!とか言った奴が、思い切っり女性に殴られた話もあるけど。つか、塩と油を出来うる限り排除したいモノを求めてるのに油で揚げるとか……太れと言ってる様なモンだし……」

 

「アハハハハ!それは、そうやろうな……」

 

「なんで、凍らせて乾燥させて日持ちする野菜としても活躍しているお菓子感覚の野菜……だな」

 

ただ、ジャンクフードの提議としては微妙な一品。

ジャンクフードは、『栄養価のバランスを著しく欠いた食品』っていう提議を前提とした加工食品。故に、野菜としての面がガッツリ残っているこの乾燥野菜スティックは食べれば栄養になるからジャンクフードとは別物の可能性もある。だが、開発した奴が『これはジャンクフードだ』と頑なに主張し続けたのでジャンクフード分類に登録されていた。

 

「これ、ジャンクフードなんですの?」

 

「開発者が、ジャンクフードだと言い張ったからジャンクフードって扱いになってはいるよ?」

 

「…………その方、大丈夫なんですの?」

 

「さあ?でも、お菓子である事は否定しない。ポップコーンと似た様なモノさ。まあ、塩は振ってないけど」

 

ポップコーン……レタス一個分の食物繊維を取れるらしいけどね?

 

「青汁飲まなきゃ……」

 

「…………あお、じる……?なんですの!?その、危険そうなワードは……」

 

「味は、お茶ッポイけど……一日に必要な、野菜系の栄養をコップ一杯飲むだけで摂取出来るアイテム。販売元は、管理外第97世界地球は日本で青麦若葉で検索すると良いよ?」

 

昔は、凄まじく不味かったけど……今は、抹茶が配合されてお茶ッポクなった。しかも、粉末で水に溶かすタイプ。

 

「…………アレも、乾燥させて粉末にしただけの代物か……」

 

きっと、あの野菜スティックも青汁レベルを目指したモノだったんだろうなぁ。ただ、栄養というパラメーターで規定値に届かなかったかな?あー……あり得そうだ。だとしたら、アイツがジャンクフードと言い張った理由もわかる。そっか、足りなかったか。

 

「……まあ、良いですわ。それで、貴方が言っていた方々はどうなりましたの?それと、被害報告もまだですわ」

 

「被害者?なら、ここに居るよ?トライベッカに、タスミンに、シェベルに、エレミアに、ダールグリュン。後、そこの三人と現在試合中のリナルディ、高町、ウェズリー、ティミル……覇王娘。後は、聖王教会シスターシャンテ?ルールーは、ノーヴェと一緒だから……あ、居た居た。うん、みんなここに居るよ?」

 

ただ、数人は護衛というより攻撃させない様にするので大変だったけどね。特に、エレミアとか……マジ、ヤバかったらしい。

 

「……そうですの。という事は、選手という事ですわね?」

 

「正確には、君達が美少女だから。恋人が無理なら、無理矢理拉致って監禁して自分のモノにしてしまえば良い……だって。とりあえず、要観察保護で更正プログラムを受けさせて更正する様なら更正させて一般常識を教えて行く感じかな?」

 

「拉致!?」

 

「監禁!?」

 

「おいおい、穏やかな話じゃねぇな……」

 

「…………そうですわね。それで、どういう集団ですの?私達なら、わかりますけど……まだ、選手にすらなって居ない様な子供達まで対象でしたの?」

 

「まあ、君等は良くも悪くも有名人だからな。そもそもは、このインターミドルチャンピオンシップが男女共同じゃ無かったから起きた暴動だったんだよ。本当なら、この大会で出会い競技を通して近付いて恋人ないし友人になる予定だったらしいけど。でも、違って……知り合えないと判断した馬鹿共が、短絡的思考の元行動した結果が拉致で監禁で暴漢って選択だった……って訳」

 

「ふーん……そうなんや……」

 

何故か、とても不本意そうな顔をするエレミア。トライベッカなんて、自分が美少女と評価された事が嬉しかったのかヒャッホー!っと喜んでいるというのにな?まあ、タスミンも控えめではあるが嬉しく思っているみたいだし……ダールグリュンは除く。

 

「これだから、自覚のない美少女ってヤツは……わかるか?ダールグリュン。エレミアは、自分が美少女である自覚がないみたいだぞ?」

 

「び、美少女ちゃうし!!」

 

「ええ、とても良くわかりますわ!」

 

「ちょ、ヴィクターぁ!!」

 

「そういやぁ、お前は参加しないのか?」

 

「年齢的には、参加出来そうですけど……」

 

「参加は……やろうと思えば出来る。でも、確実に優勝出来るし……下手したら、面倒事になるのはわかり切っているからやらない。ああ、別に傲っている訳じゃねぇぞ?これでも、奥義継承を果たしたプロの武道家だからね」

 

『『『え゛!?』』』

 

「へぇ……じゃ、ちょっと、試しーーー」

 

ニヤリと、闘士を燃やして戦闘態勢に入るトライベッカだが……その意識の隙間を狙って近付き、トン、と喉に手刀の先を当ててやる。それだけで、トライベッカが驚いてバックステップを踏むが一瞬で背後に回った俺が足払いをして倒れて来た所を抱き止めた。

それだけで、自分が何をされたのかが一瞬判別出来なかったトライベッカは驚愕の顔で俺を見上げている。まあ、反応は十分だけど動きが遅く……この程度が、上位ランカーだと言うのなら俺の障害にすら成らなかったり。

 

「うん。反応は、まあまあ。でも、圧倒的に遅い。僕の動き、見えた人は居るかな?見えなかったのなら、この世界の選手は皆……僕の足元にも及ばない存在だね?」

 

『『『……………………』』』

 

はい、論破。いや、論破じゃないけど……実力行使で、自分達が何に喧嘩を売ろうとしたのかをわからせて上げた。なので、彼女達が今後俺に喧嘩を売って来る事は無いだろう。

 

「てな訳で、僕の参加は見送りだ。不意討ちだったからって、それを言い訳に向かって来ないでくれよ?首トンの後、完全に僕の姿を見失った君じゃ手も足も出ないから……あ、泣くなよ?」

 

「……な、泣いてねぇし!!」

 

「トライベッカは、泣き虫だからなぁ……悔し涙で、目元が腫れて人前に出られず不戦勝とか止めてね?」

 

「そ、そんな事しねぇし!つか、泣かねぇよ!!」

 

「はいはい。後は、あの集団が何かという質問だけど……ここで、話すべき事じゃねぇしタイミング的にはミカヤ・シェベルが居ないから二度手間を避けたいので、みんなが一同に介する時に……と思っているかな?なんで、それについてはまた今度」

 

「…………教えては、くれますのね?」

 

「被害者全員と、関係者各員が集まった時にでも、ね。それまで、楽しみにしておくと良い。それくらいまでは、僕もこの世界に居ると思うし……調整を後に回せばイケるか?」

 

まあ、何とかなるでしょう。そうこうしている内に、ヴィヴィ達の視線がこっちに集まっているのに気が付く。それは、上位ランカー達がチビッ子達の視線を引き受けてくれたので転生者達の説明は後回しに出来たけど……何か、問題を棚の上に上げただけになった感じがする。とりあえず、ダールグリュンと会う約束は果たしたので解散という事になった。

 

 

閑話休題。

 

 

 

はぁ……気が重い。後で、ヴィヴィオからなんであの場(上位ランカー達と一緒)に居たのか質問責めにされる気がするよ。

ただ、その前にディエチ姉達に質問責めにされるんだけどね。

それに加えて、トライベッカとの戦闘行為とかの詰問も受けるハメになる。そこら辺は、『僕TUEE』やったらそうなったのでお試しをしただけと説明はしたけど……観客席での戦闘行為は禁止だからと説教された。だが、ディエチ姉よ……俺が、観客席で暴れたとして観客に掠り傷が出来る様な事をやると思うかい?

むしろ、試合を観る前以上に健康になってると思うぞ?

 

「はいはい。ちゃんと見ないと、後でヴィヴィを誉められないよ?……まあ、質問責めが決定してる僕はヴィヴィとO☆HA☆NA☆SHI確定だけど……」

 

「……………………」

 

視線を逸らす、ウェンディ。ヴィヴィオのそれが、なのはさんのアレと同じだと悟ったのだろう。ふふふ、そうだよ!なのはさんのアレと同じだよ!!チクショウ!!

 

「結局、なんだったの?」

 

「全ては、襲撃者共が悪いんだ。アイツ等が、襲って来なけりゃ上位ランカー達と知り合う事も無かったのに……」

 

「ああ……アレか。ん?という事は、あの者達は上位ランカー達も襲っていたのか!?」

 

今、気が付いたらしいチンク姉がこちらを振り返って質問してくる。あるぇ?ちゃんと、報告したハズなんだけどなぁ……まさか、チンク姉ってばヴィヴィオが心配過ぎて聞き逃したとか?

 

「言ったよ?……アレ、言ったよね?うん、言った言った。チンク姉、知ってるハズだよ?彼女達の元にも、襲撃があったって僕は報告したよ?」

 

サッと、ウィンドを開いて報告&報告書を出したと思われる宛先を確認する。すると、ちゃんとチンク姉に報告書を送った上に詳細を教えて欲しいと請われ出頭した記録があった。内容まではわからないけど、ちゃんと転生者の襲撃があった事を報告した事に成っている。それが、上位ランカー達についてかは不明だけど……言ったって事にしておこう。もしかしたら、言ってないかも知れないけど。書面では、ちゃんと出してるから嘘は言ってない。

 

「ヴィヴィオが心配過ぎて、聞き逃したッスか?」

 

「全く、チンク姉は心配性だね?」

 

「え!?そ、そうだったか?……そ、そうか???」

 

「ハッ!まさか、若ボケか!?ついに、チンク姉がポンコツに……「おい……」まあ、戦闘機人がポンコツなのはわかり切っていた事だけど「こら!」だって、あのジェイルだぞ!?作ったの……絶対、ポンコツだよなぁ……」

 

狂人と名高いジェイル・スカリエッティ……だが、俺は知っている。彼の者が、割りとポンコツマッドサイエンティストだという事を。だって、あの人……本編以外では、かなりの高確率でポンコツなんだぜ?って神崎が言っていた。【真実の瞳】も、ポンコツだと告げていたから間違いないハズだ。ただ、やる事の規模がでかいから凄い犯罪者扱いされてるけど……ぶっちゃけ、俺からするとポンコツな上に残念な科学者でしかない。

 

「比較対象が、【鮮血の】だからかも知れんけどな……」

 

アレはアレで、別の見方をするとポンコツになるんだけど……ジェイル程では無いので除外しておく。

 

「ああ、無能ではないよ?無能では……でも、ジェイルはポンコツだよ?ハッキリ言うとさ……もし、あのテロ行為が成功したとしても詰んでたからな?」

 

最終的に、どうやって戦闘機人となった人類を維持する予定だったんだか……どう考えても、最初の走り出しは良くても後が続かなかった可能性がある。レリックを複製したとしても、適合する者が居なければ戦闘機人は造れない。ミッドチルダ全域を探したとして、その適合者が何人居るかもわからない状態だ。ぶっちゃけ、生まれて来る戦闘機人がピーキー過ぎて汎用性な方向に走ったとしても彼が望んだ世界になったかは……不明だ。むしろ、次から次に問題が浮上して解決に奔走する事に成りかねない。

 

「それに、人間の体を機械に変えなくてもナノマテリアルの無限修復機能で身体の壊れない人間が出来ると言うのに……」

 

他にも、生態強化や遺伝子組み換えで化け物を量産するボケが居るんだから、戦闘機人なんてコストが掛かるだけの意味の無い兵器は開発するだけ無駄だ。というか、ナノマテリアルの無限修復機能は棚ぼただったらしいけど。アレって確か……医療用ナノマテリアルに、無限修復機能をそのまま付けて体内に取り込んだらいつの間にか肉体をナノマテリアルが乗っ取ってたって話らしい。

なんで、そんな事になったのかはわからないけど……ナノマテリアルの保管モードの一つである、無限修復機能を放置した結果らしい。鍛練中、たまたま避け切れなかった剣で大怪我をしたら治療する前に時間を巻き戻すかの様に治って発覚した。それはもう、その場に居た者達は大混乱に陥ったそうな。その後、【鮮血の】が必死に調べて原因を特定したら医療用ナノマテリアルの暴走である事が判明する。しかも、【鮮血の】が予測していた働きとは違う結果だったらしい。原因は、無限修復機能。本来であるならば、ナノマテリアルのみを対象とした機能だったんだけど……それが、注入された肉体にまで影響を及ぼしてしまったとのこと。

この機能、元々はナノマテリアルを維持する為のモノでその機能を残したまま体内に注入する予定は無かったらしいのだが……偶々、【鮮血の】が停止させ忘れて医療用ナノマテリアルとして使ったのが原因だった。その結果、普通の人間に無限再生能力が備わったとして話題となったんだけど……最終的に、致命的な欠陥が発覚して停止させる事が常識となって行く。何故かというと、その機能を残したままだと注入された人のテロメアが消費されて再生する事が判明したからだ。命のカウントダウンを、勝手に使用された上に補充も聞かないと言うんだから致命的な欠陥だと言えるだろう。しかも、ガッツリ最短で消費されるって言うんだから洒落にもならない。更には、ガン細胞をキープしてテロメアの量産に使うって言うんだから目も当てられない。異常のあるテロメアを、血管を通して全身の細胞に運ぶっていうんだから頭がおかしい。そんな事をしても、全身に癌が転移するだけだからな?

 

「非効率過ぎて笑い話にも成らなかった……」

 

「効率的な戦力を集める方法があるんッスか?」

 

「……一般から、徴兵して生態強化を施すかもしくはナノマテリアルを注入して1ヶ月程の鍛練をしたら順次出荷だな……」

 

ナノマテリアルの方は、無限修復機能を残した状態で注入し肉体を【半ナノマテリアル化】させて性能を向上させるというもの。

 

その後は、ある一定の訓練を受けさせて……出荷よー!!

 

「えっと……強いんッスか?」

 

「誰でも使えるからなぁ……大量生産された、劣化戦闘機人バーサスって所かな?流石のお前等でも、一人で自分よりも劣るとは言え何千何万の敵と戦うなんて事出来るか?」

 

「あー……無理ッスね」

 

「数の暴力ってのは、いつの時代でも強いんだよなぁ……」

 

ただし、俺達は除外する。というか、どっかの馬鹿が『国が駄目なら惑星を。惑星が駄目なら銀河を。銀河が駄目なら世界をポシャッちまえば問題無しだ!』なんてボケた事を言ったからな。

要は、国を襲って反撃されてどうしようも無くなるのなら惑星を粉砕すれば良い。惑星でも足りないのなら銀河を……銀河でも足りないのなら次元そのものを消し飛ばせば良い。とか、どこの破壊神だ!?と言わんばかりな事を言っていた。誰とは言わないけど……はぁ。しかも、それが可能だって言うんだから頭が痛い。

 

「汎用性な戦闘機人と、突出した特化戦闘機人。そりゃ、特化型の方が優秀だけど……優秀なだけだからなぁ。それに比べて、汎用型の戦闘機人は大量生産が可能だ。最終的に、ジェイルの理論は大量生産品によって駆逐されたんじゃね?」

 

「だが、その汎用型の戦闘機人は作れぬのでは無かったか?」

 

「この世界が、この世界で生まれる人民だけであるならばな。だけど、君達は知っているだろう?この世界には、この世界で生まれた人民だけが暮らす世界ではない事を……」

 

転生者云々ではなく、他の他世界からもこのミッドチルダに人民が流入している。それはつまり、技術の流入や流出もあるという事だ。それならば、ジェイルの技術を手にした者が自世界にそれを持ち帰ればその技術は広く広まるだろう。例えば、ジェイルがプロジェクトFで生を繋げるとするなら余計に崩壊は進んで行く。

ジェイルは、基本的に自分の造るモノにしか興味を持たないマッドサイエンティストだ。そりゃ、興味を引かれるモノに執着する所はあるだろうけど……興味の無いモノには、徹底的に放置する傾向が強い。という事は、だ……究極的な結論ではあるけど、想定外に己の技術が流出した場合とか放置する可能性がある。だからこそ、ウーノを造って施設の管理とか任せていた訳だけど、ぶっちゃけ……ウーノでも、手が足りない可能性がある訳だ。

その場合は、追跡はするだろうけど……基本は放置となるだろう。

それが、どれだけ先の話になるかはわからないけど彼の管理体制でも絶対はない。例え、護り切れたとしてもこの世界は複製世界で幾度となく【転生者】と呼ばれる存在がチョイチョイ出現するんだぜ?中には、ジェイルを超える技術を持つ転生者も居るんだから遠くない未來に彼の理想は崩壊していただろう。

 

きっと、()()から……ね。

 

ジェイル・スカリエッティに、【憑依】転生するヤツも居るだろうからねぇ?そうなれば、技術を奪われ更には神様特典で己の技術を超える技術を造られて彼の理想郷は崩壊しただろう。

 

「そもそも、転生者の流入を止めない限りジェイルの理想は決して叶わない。クローンで、命を繋ぐんだぁ……とか言ってたら、いつの間にか自分のクローンに転生者が憑依してて技術の流出に技術の売り渡しにと内側から崩壊待った無しだっただろうな……」

 

「「「「あー……」」」」

 

局員含む、戦闘機人勢がみんな死んだ様な顔をして理解を示してくれるが……転生者が、ジェイルのクローンを乗っ取ってたらもっと酷い未来が待っていたからな?わかってるのかな?

 

「あれ?なんで、こんな話になったんだっけ?」

 

「君が、戦闘機人なんて大量生産出来るとか言い出すからだよ!」

 

「あー……戦闘機人がポンコツ過ぎて、思考が逸れたか……」

 

『『ちょっと!?』』

 

え、そういう結論だろ!?

 

 

 

 

 




きっと、ジェイルの野望が叶っていたとしてもクワットロのお腹にいたジェイルによって崩壊していただろうねw。絶対、あのクワットロのお腹にいた奴は転生者だと思われる。憑依型の転生者って、見た目ではわからないからねぇ……理想崩壊待った無し。
転生者が出現する世界で、そういう野望的なモノは乗っ取られるのがテンプレだよね!だから、最初の世界があんな風になっていたんじゃ無いかな?最終的に、聖王のゆりかごは悪玉転生者の拠点にしか成らない見たいだし?こういう物語で、野望を抱けば乗っ取られるだけなんだよ?とジェイルに教えてやりたいねw。

はてさて、そんな感じの考察で終わった今回は途中から作者が迷子になった結果です。本当は、もっと違う話をしたかったのに道を踏み外したんだよ!!終わった後、こんなハズじゃ無かったのに……と後悔したのはホント。なら、書き直せば良いのに……と思うだろうけど面倒になった。それに、この終わり方でも次回に続く訳じゃないから良ーやってなったからねぇ。とりあえず、書きたい部分は終わったからこのまま進めるよ。書きたい部分……ポップコーン、青汁、おでん缶辺りw。おでん缶をジークにススメてみたかったんだよぉ!!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

作者のどうでも良い話w。
もちろん、何時ものVR系ゲームの考察だったりします。
まあ、作者はどちっかというとプレイするより作る側でありたいですけど……作者にゲームを作る能力はない!!だから、考察くらいしか出来ません。残念無念。

そして、今回は『こんなんあったら良いなぁ……』って話。

『カウンターストップチケット〇〇〇』

【〇〇〇】には、STRとかVITとかステータス項目が入ります。因みに、ALLは無い。で、枚数はアカウント事にではなく回線単位で一枚。好きなステータスに使ってね?と言いつつ全部の項目チケットがプレゼントされます。ログインボーナス(初回のみ)でも良いかもしれません。後は、スキルLVカンストチケット?×10とか。
STR、VIT、AGI、DEX、LUK、INT、MID、CHA、HP、MPの十枚。
それを使って、最強を名乗るも良し使わずに過ごすも良しです。
で、そのチケットを鑑定すると『ステータスが、カンストする』とか『上手く使って下さい』という説明書きが……まあ、大抵の人は何も考えないで使うんだろうけどwww。というか、そんなプレゼントを鑑定する奴は滅多にいないだろうけどなw。余程、慎重な奴でないとカンストチケットを鑑定はしないんじゃね?
だって、『俺tueee』したい人は普通に多いからなw。脊髄反射で、何も考えずに使うんじゃないか?まあ、言うまでもないけど『そのチケットは、運営の罠』だw。

どんな罠かと言うと……プレイするまでわからないw。

プレイし始めて、直ぐにわかるか暫くしてわかるかのどっちかw。
わからないままってのはありません。何故なら、スタートダッシュで一歩を踏み出した瞬間……周囲の建物を巻き込みながら前方に顔面スライディング!!AGI999やSTR999の弊害ですねw。
何故か、始まりの町の建物が崩壊して振り返ったら怒り顔のNPC。衛兵もいるかも知れない。で、捕まってみれば借金地獄w!!
建物が、破壊不能オブジェクトになってないゲームとかありそうで無いのが普通。だけど、やりそうな奴は割りと多そうだw。つか、そういうゲームを作りたいw!!耐久値とか、ありそうだけど……STR999に意味があるとでも?無いなwww。
ゲームスタートで、早々に捕まりたい奴は居ないから逃げると犯罪者扱いで指名手配されてセーフティエリアが使えなくなるんですね?ついでに、ショップやギルド&町施設等も使えなくなるんですね?わかります。ハハハ( ´∀`)!!
下手に町に入ろうモノなら、直ぐに捕まって裁判の後に借金地獄。
逃げた事も加味されて、更に重罪人扱いにw。故に、最初からレッドプレイヤーとして活動を余儀なくされるってオチ。
これはこれで楽しそうだけどねwww!!まあ、嵌められた方は予定が狂ってブチギレしてそうですけど……罠に引っ掛かった者の定めだから仕方ないw。諦めて、キャラリセしてください。もしくは、借金を返済して罪を償い更正ルートへ。前科は付くけど、スキルLVが高い状態から再スタートできるとかそういう特典はあるかもです。因みに、LVは上がらない。更正は、町の中だけでする事になるだろうから。モンスターと戦う事がないからLVはそのまま。

他には、顔面スライディングした時にNPCをうっかり殺して殺人者として捕まる&逃げるをした場合。言うまでもないけど、殺人をやらかすとプレイヤーに対するNPCの好感度がマイナス状態になって敵対フラグが立つ。それにより、他のプレイヤーにも迷惑を掛ける事となりギスギスオンラインとなる訳ですね!?わかります!!
どちらも、地獄ゲーでしか無くなるので続ける人は皆苦労するんですね?もしくは、クレームの嵐www。
で、それをやらかした馬鹿はキャラリセして別サーバーで楽しく過ごすんだぜ?( ´∀`)ハハハ。知ってるwww。良くある事www。

因みに、作者ならそんな感じのシステムにしておいてキャラリセするには作ったキャラクターを一週間は使わないと消去でいないなんてシステムにしておくねwww。リセマラー潰しw。ただの嫌がらせとも言う。まあ、建前や言い訳は考えてあるけど……基本的には、ただの嫌がらせです♥。それに、一週間も使えば不遇キャラでも愛着が湧いてキャラリセ出来なくなるかも?だから。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

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