絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三九七話

Re:

 

 

とあるカフェテリアで、ノーヴェ達と相席している俺はマッタリお茶しながら三人の話を聞いて居るだけの立場。ぶっちゃけ、迎えに行く予定だったけど……驚異の存在であった、この地区の転生者が溢れ落ちたので少し余裕を持って対応出来る様になった。

 

「ふたりとも、せっかくの休暇だろ?別に、こっちに付き合わなくてもいーのに……」

 

「あははー」

 

「アインハルトの事も気になるしね」

 

「そうそう」

 

「まー、それはありがたくもあるけど。問題はさ……」

 

ノーヴェが、振り返りもう一つのテーブルの集団に意識を向ける。

 

「なんで、お前等まで揃ってんのかって事だ!!」

 

迷惑そうな声で、顔で和気藹々とお茶してる五人の姉に文句を言うけど……彼女達は、気にした風でもなく適当にノーヴェをあしらう。というか、申し訳なさそうなのはチンクくらいで残りのお姉さん達は野次馬根性丸出しで居座る。いつ見ても、己の将来に悲観していた戦闘機人とは思えない明るさだった。

 

「ーーーヴィヴィオもアインハルトも、お前等と違って色々繊細なんだからよ」

 

「「「「はーーーーい!」」」」

 

話は、付いた模様。というか、普通に勢い負けしてるけど……大丈夫か。ノーヴェ?押しの強い姉(複数)が居ると、色々大変だな。

 

「ノーヴェ!みんなー!」

 

そして、グットタイミングでヴィヴィオ達も到着した。

学校のお友達も一緒の様子。まあ、何度かストライクアーツの練習を見た事があるけど……年齢相応程度のお子ちゃま達だ。

 

「あー、やかましくて悪ィな?」

 

「ううん。ぜんぜん!」

 

途端、賑やか?華やかになるカフェテリア。これを口にすると、要らぬ闘争が始まるので俺は黙ってレモンティーを飲む。ついでに、浮いている氷を一つ口に入れてゴリゴリ噛った。そう言えば、支局で手続きを終えたら俺要らないんじゃね?なのに、ここに居る不思議。しまった!!フェードアウトするタイミングを逃したらしい。うっかり、スバルの口車に乗って付いて来てしまった!なんとも思わなかったけど、俺の自由時間を監視付きで過ごしてしまうという失態をやらかしている。誰も、何も言わないから……普段なら、ウェンディ辺りが『何で、居るんッスか?』的な事を言い出すんだけど。今日は、そのツッコミが無かったからそのまま居着いてしまった次第だ。

 

「まあ、ヴィヴィオ座ったら?」

 

「そうそう」

 

「あ……そうですね!」

 

「じゃ、俺h「失礼します」

 

はい。逃げられませんでした!

 

つか、覇王っ娘。タイミングが悪いぞ!?せめて、俺が逃げ出した後に声を掛けてくれんかの?こんな、女性の密集地に男が一人とかどんな罰ゲームですか!?マジ、お家に帰りたい。

視線を上げたら、パチリとティアナと視線が合う。瞬間、ティアナがニヤリと意地悪く笑う。だが、居心地が悪い俺はその場から立ち去ろうと身を翻そうとするけど……何故か、チンクに止められた。

ササッと、右へ移動。すると、チンクも俺の目の前へと移動。

次に、左と見せ掛けて更に右へ移動。一瞬、引っ掛かりそうになりつつ俺の行く手を遮る様に正面へと来るチンク。ならば、頭の上にフレールくんを呼んで後ろを向かせ視界のみをリンクさせて顔は前を向きながら背後に向かってダッシュ!

 

「ちょっ!?」

 

「何それ!?」

 

「フハハハハ!我を捕まえれると思ったか!?」

 

そんな感じで、ナカジマファミリーと遊んだ後……逃げ切れたかな?と思っていたらディエチ姉に捕まる。何故だ!?もう、俺はお役御免だろう!?もう、必要無いよね!?その上、シッカリ捕まえられたまま引き摺られて区民センターのスポーツコートへと連行された。そこで、ヴィヴィオと覇王っ娘がストライクアーツの練習をするとのこと。だから、俺はもう関係ないよね?君達が居るんだから、家に帰ってマッタリさせて貰っても大丈夫だよね?

何故、ここに居なければ成らないのかがわからないんですけど!?

なんて、疑問をぶつけた所でまともな返答が返って来た試しは無いので沈黙して様子を見る。ふぅ、フェードアウトしたい。

 

「帰りたい……」

 

「まあまあ、ちょっとだけ見て行かない?」

 

「ヴィヴィオの成長?とかなら、家でも見られるんだけど。まあ、俺は家では無茶な事をやり始める方のストッパー役だから……」

 

「無茶……ああ、うん。なんだ……頑張れ?」

 

ちょっと、困惑するナカジマファミリーと少し遠い目をするティアナとスバルの差がわかってない人とわかってる人の差ッポクてちょっと笑えた。そうだよね、スバルとティアナはなのはさんの弟子だから彼女の無茶ップリは良くご存知だろう。

 

「普通に、当たっても痛くないボールを使えば良いモノを……シューター系の魔法で、弾幕ゲーで『ボール遊び』とか?ボールじゃねぇし!魔力最小で、スタンモードあるからって魔法で玉?遊びとか……無茶過ぎるからな!?」

 

それに、シューターは似てるけど『玉』ではない!

あれば、【攻撃魔法】である。そう、()()魔法なんだ!

断じて、幼子と遊ぶ為のモノではない!!思わず、脇腹を鎧通しと共に刺しちゃうくらいには心配してしまった。バリアジャケットを抜いて、その衝撃が脇腹に入りなのはさんを悶絶させてしまうが反省も後悔もしていない。当然の報いである。

 

「ああうん……なのはさん、そんな事をしてたんだ……」

 

「知らないわよ!?でも、彼もなのはさんと一緒に住んでるんでしょ?本当なんじゃない?」

 

スバルとティアナが、何故か遠い目をした状態で何やら話し合っている。だが、その話し合い程度でどうにかなるなら世界はもっと平和的なモノになっていたに違いない。というか、この世界の住人は真っ先に手が出るイメージしかないからなぁ……これぞ、戦闘民族ってか?いやいや、戦闘民族は高町家か。

 

「えぇ……そっかー、魔法()玉遊びかぁ……」

 

そうそう、『もう、八歳なんだから……』と宣うなのはさんに拳骨を入れて黙らせる程度には腹が立った話である。まあ、ヴィヴィオは楽しそうだったし……それが、高町家流のコミュニケーションだと言われたら何も言い返せなかっただろうけど。それでも、やって良い事と悪い事はしっかり指導して行かねばなるまい。

 

「兎も角、親子のコミュニケーションで戦技教導をやらかす脳筋さんには拳骨をくれてやった。全く、下手すれば幼児虐待で通報モノだぞ?まあ、厳重注意程度で終わりそうだけど……」

 

「まあ……言っても、なのはさんだし、ね……」

 

「直ぐに、解放されそうよね……」

 

「ゴシップ誌に、『管理局のエース・オブ・エース、幼子を虐待!?』とか言って情報をリークしてやろうか?」

 

「ちょ!?止めなさい、よ!」

 

注意している最中に、そんな雑誌が出回っているイメージが脳裏を掠めたのかティアナが手で顔を覆って苦々しく言葉を切る。わかる。普通に、ゴシップ誌の一面を飾るなのはさんが頭を過ったんだね?今までの会話で、なのはさんの暴走をシッカリ印象付けたからな。そりゃ、苦々しい気分になるだろうよ。

 

「なんか、隣が不穏な話をしてるんッスけど!?」

 

「大人しく、陛下のスパーを見ていて下さい……」

 

なんか、ウェンディと双子からツッコミが飛んで来るけど……気にしない。てか、お前等……毒されてんじゃねぇか!?

まあ、ヴィヴィオのスパーを見てない点は否定出来ないので素直に謝っておく。というか、さりげなくヴィヴィオ至上主義が混じってたような気がする。てか、見た所で【真実の瞳】がウザくてまともに見られないからな?勝ち負けの結末なんて、知りたくもないのにアーダコーダと視界に上がって来る情報が、ね。

 

「あの……あのっ!!すみません。わたし、何か失礼を……?」

 

ん?おや、何か問題でも発生したかな?ヴィヴィオのスパーを見ていなかった俺は、状況が今一把握出来てなくて首を傾げる。

スパーが終わったのか、ヴィヴィオが覇王っ娘に声を掛けてすがり付いている状況に早変わりしていた。ああ、もっと仲良くしたいんだな。こういう場面を見ると、なのはさんの影響をシッカリ受けている事が良くわかる。成る程、ヴィヴィオのメガネに合ったのか?あの、覇王っ娘……うん。頑張れ、覇王っ娘!

 

「いいえ」

 

「じゃ、じゃあ、あの、わたし……弱すぎました?」

 

「いえ。()()()()()()()()()でしたら充分すぎるほどに」

 

趣味と遊びの範囲内……ね。そりゃ、そこそこの実力を持ってる覇王っ娘にとっちゃそんなモンだろうよ。だがな、覇王っ娘が9歳だった頃とか何してたのかな?普通に、修行中な挙げ句に現在よりも雑魚だったろうに……年齢を考えて発言しろよ?

 

「申し訳ありません。私の身勝手です」

 

「あのっ!すみません……いまのスパーが不真面目に感じたなら謝ります!今度は、もっと真剣にやります。だから、もう一度やらせてもらえませんか?今日じゃなくてもいいです!明日でも……来週でも!」

 

必死に、追い縋るヴィヴィオ。覇王っ娘に、どれだけの価値があるのかはわからないけど……ヴィヴィオが、こんなにも必死になっているんだ。覇王っ娘は、ヴィヴィオに取って余程傍に居て欲しい存在なのだろう。そんな様子を、ボゥと眺めていると覇王っ娘と目が合った。そして、何故かとんでもない事を口走る。

 

「出来れば、そちらの方との試合を望みたいのですが……」

 

覇王っ娘が、俺の方をジッと見詰めて試合を申し込んで来た。

瞬間、ヴィヴィオの泣きそうな顔と全員の視線が逸らされる。

ヴィヴィオのは、好敵手を俺に取られた的な反応だろうけど……ティアナ含む、ナカジマファミリーの反応は何なんですかねぇ?

また、俺vsみんなで模擬戦でもやりますか?まあ、殺るとしても一方的な蹂躙戦になると思いますけど?

 

「前回は、不覚を取りましたが……」

 

「不覚というか……覇王っ娘と、ノーヴェの戦いに水を差しただけだと思うぞ?あれは、完全にただの横槍だったからな」

 

「……そう、ですね。ですが、もう一度再戦の機会を設けて頂きたいです」

 

フム。あの時は、完全にただの横槍だった。

だが、正面から戦えば必ず勝てると思っている訳だ。

残念ながら、あの時は戦いらしい戦いを俺はしていない。

ぶっちゃけ、ただ覇王っ娘の意識を刈り取っただけに過ぎない。

故に、正面から戦えば彼女は必ず負けるだろう。

 

「別に構わないが……今、直ぐか?」

 

「ああ、いえ……今直ぐという訳では……」

 

そうだな……ヴィヴィオの事もあるし、ここは俺と視線を合わせようとしないノーヴェに決めて貰おうか?つか、こっちを見やがれ!

……OK。そんなに、蹂躙がお好みとは知らなかった。

後で、後悔しても許さねぇからな?テメェ等……(怒)。

 

「一応、名乗っておくな?我は、【魔王】如月双夜。絶望と言う名の悪夢を運ぶ黒き風。死と恐怖を撒き散らす最悪であると知れ」

 

「ま、魔『王』、ですか。貴方も、『王』の一人なのですね?」

 

フッ……見よ!この華麗なる誤解の招き方!!完璧だろ?嘘は、付いてないぞ?嘘はw。これで、『王』に執着するお馬鹿さんは俺にも興味を抱いたハズだ。とりあえず、自己紹介も終わったので覇王っ娘の意識の隙間に《瞬動術》と《気配遮断》を使って背後に回りポンと肩を叩く。その上で、『ヴィヴィオの後で良いぞ?』と告げて更に前へ。視線というか、後ろを向いているノーヴェにローキックを入れてスケジュールを問う。

 

「いい加減に、次のスパー日を決めやがれ!」

 

「うぇ!?……あー、そんじゃ、まあ、来週またやっか?今度は、スパーじゃなくてちゃんとした練習試合でさ……」

 

「ああ!そりゃ、いいッスねぇ」

 

俺のせい?で、微妙な空気になっていたのを吹き飛ばす様にウェンディがノーヴェにのし掛かりながら明るく賛同する。それに引っ張られる形で、周囲の者達も雰囲気を盛り上げ様と空元気に振る舞う。いやー、申し訳ないねぇ?経験者は、現状の空気を変えたいのか必死なんだけど……俺には、まとわり付く恐怖を拭っているようにしか見えない。まあ、【アレ】を体験したらまあこんな感じだろう。ちょっと、魑魅魍魎を呼んだだけなんだがなぁ?

 

「ふたりの試合、楽しみだ」

 

「はいっ!」

 

「…………わかりました。時間と場所は、お任せします」

 

「ありがとうございます!」

 

その後、ヴィヴィオの着替えを待って外に出たらノーヴェ達とは別れた。というか、今日の用事は支局で終ってたよね?なんで、アイツ等の用に付き合わされたのか今一不明だけど……まあ、ディエチ姉と会えたので良しとする。あのファミリーの中で、一番良識的だからな。後、ティアナ。スバルは、ノーヴェを与えておけば大人しいので放置したけど……一人で居ると、構われるので要警戒人物だ。

薄着だし!!←これ、重要。

 

「お疲れ様~♪」

 

「うぅ……そーや、なんであんな事言ったの!?」

 

怨めしそうに、上目遣いで俺を責めて来るヴィヴィオ。ぶっちゃけ、可愛いだけなので怖くはない。もうちょっと、凄味のある威嚇を覚えれば様になるのに……チミッ子だなw。

 

「なんか、『王様』ってのに執着しているみたいだから【魔王】でもイケるんじゃないかなぁ……って。釣れたしw」

 

「ムー……」

 

剥れるヴィヴィオの頭をグリグリして、他のチビッ子達とも別れて帰宅。その間も、ヴィヴィオの様子は暗いままで先程の覇王っ娘を気にしている模様。何を主軸に、悩んでいるのかがわからなかったので黙っていたら普通に聞いて来た。

 

「わたしーーあの人からしたら、レベル低いのに不真面目で……」

 

「不真面目って、訳じゃねぇだろう?レベルが低いのは、否定しないけど……」

 

「もう!ソーヤに比べたら、雑魚ですよーだ!」

 

「僕は、別格だからな。それに、ヴィヴィが弱いからアイツは不機嫌になった訳じゃねぇよ」

 

「じゃあ、何がダメだったの!?」

 

「あー……アイツは……死合いが、したいんだよ」

 

「試合?じゃあ、次を頑張れば良いんだね!」

 

「あー……違う違う。スポーツの試合じゃなくて、殺し合いの死合いだ。要は、命を賭けた戦争的な死合い、だな」

 

「え、戦争!?」

 

「そうそう。ま、ガチの真剣勝負だな。生きるか死ぬか、殺すか殺されるかの戦いで勝ち抜きたいんだろ?」

 

「……………………」

 

「己の限界と向き合って、それを越えた先に生を見出だす……そういう戦いを、望んでるんだよ。まあ、実際にそういう戦いに遭遇すると動けなく成りそうだけどな?」

 

「……なんで?だって、それを望んでいるんでしょ?」

 

「望んでいるからと言って、実際にそれに遭遇したから直ぐに人を殺せるかというと……そうでもない。僕だって、初めての殺人は中々出来ないモノだったからなぁ……」

 

自分の命が、狙われていたからってその一線を踏み出すのはかなりの勇気が必要だった。最終的には、俺の周囲の人々が巻き込まれたからこその殺人だったけど……そうなるまで、俺は人を殺せなかったからな。ぶっちゃけ、追い詰められた結果の成れの果てだ。

今でこそ、息をするかの様に殺しているけど……最初は、難しい事だった。それをあの覇王っ娘に当て嵌めたら、彼女がそれを実行出来るとは思えない。多分、無理だと思われる。

 

「彼女の言葉は、なんて言うか……TVを見てる様な感じ?」

 

そこに居るのに、どこか違う世界に思いを寄せている様な……そんな印象を覚えた。後、【真実の瞳】がウザイ。知りたくもない事まで、事細かに表示される情報がとても目障りである。

はいはい、前世の記憶があるんですね!

覇王っ娘は、転生者?で生前は男性だったとか上にヴィヴィオの御先祖様に惚れてた?とかゴチャゴチャうるせぇっての!!

全く、下手に封印しても失明状態に戻るだけなので封印も出来ない。【真実の瞳】が、覚醒して普通に見える様になった時はそれはもう大喜びしたものだが……今は、ただウザいだけと来たもんだ。

ホント、人間ってのは身勝手なモンだな。

まあ、我慢出来ないレベルでも無いのでヨシとするけど。

 

「TVを見てる様な感じ……って?」

 

「要は、他人の記憶を覗いている様な……んん?あれ、じゃあ転生者って訳じゃねぇのか。でも、記憶があるんだよな?乖離性の記憶障害?だったら、人格は?あの感じ、年相応の様に見えたけど……後で、ノーヴェに確認するか……」

 

俺よりも、ノーヴェの方が知っていそうだもんな。その内、向こうから情報を開示してくれるかも知れないし……直ぐ、知りたいって訳でも無いので放置する。

 

「何はともあれ、彼女が死合いたいのは事実だよ。まあ、僕が出るまでも無いとは思うけど……って訳で、頑張れヴィヴィオ。そして、僕との死合いを有耶無耶にしてしまうんだ!!」

 

「え!?有耶無耶にって……やらないのー!?」

 

「お前……僕が、彼女とやったら相手が潰れるぞ?わかってるだろう!?管理局夢の共演隊vs僕&ユーリで、一方的な蹂躙戦をされたあの試合を思い出せ。あの後、どうなった!?」

 

「あー……しばらく、みんな部屋に籠ってた、ね……」

 

どんな戦術も、如何なる奇策も通用せず一方的に蹂躙するだけの試合をやった事があるけど……アレは、とても酷い自信喪失でしたね。こっちも、手加減と称して【バトルモード】も【接続】も使わなかったけど……それを抜いても、有り余る程の差を叩き出して蹂躙する事となった。バスター・ビット一万機による《デイバインバスター》の雨霰で陣形が崩壊し、ガトリング・ビットでのオールレンジ攻撃で各個撃破すれば……《スターライトブレイカー》で殲滅されるハメとなる。正に、【蹂躙】と言わんばかりの戦いに心へし折れたはやてが部屋に籠って出て来ないなんて場面もあった。

で、実際にはバスター・ビット十万機に無限の魔力でフルバーストを連発出来ると知って全員がドン引き。本当に、星を軽く粉砕出来ると知って恐怖に震えていたんだよなぁw。

 

「恐怖の対象ですね?わかります……」

 

「アレは……本当に、怖かったんだよ?」

 

「その後、ナカジマファミリーにも情報が伝わって……『そんなバカなw』と信じなかったお姉さん達と模擬戦する事になって……ガチ蹂躙して見せたらマジ泣きされたんだよなぁ……」

 

その後、まあ色々ありまして……現在の俺は、彼女達にとって恐怖の対象だったりする。

 

「まあ、あれは、ね?信じないウェンディが悪いんだよ!」

 

「チンク姉も、信じて無かった様に見えたけど?」

 

「あ、アハハハ……はぁ……」

 

一度は、体験してみないとわからない俺の超戦力。これがもし、JS事件の時に俺も参戦していたら……と言ったら、顔を真っ白にしてガタガタ震えていたよ。頭を抱えるノーヴェ達と、部屋の隅でガタガタ震えるウェンディ達。居なくて良かったぁと安心する双子。

いやー、本人を前に清々しい程の自爆でしたね。

もちろん、その後で無茶苦茶模擬戦をしましたが……アレで、彼女達から絶大な信頼を勝ち取りましたね。ええ、医療関係も折り紙付きだ。むしろ、そっちの方が被害甚大かも知れない。

 

「ああ、そうだ。ヴィヴィオ、彼女と戦うのは良いけど。身体を壊す様な戦いなんてしたら……わかってるよね?」

 

「ひぃ!?わ、わかってるよ!うん。絶対、無理はしないから!」

 

ヴィヴィオでも、この通りである。ちょっと、やり過ぎた感はあるけど……病気や怪我で、身体を壊したら元も子もないのでこういう関係はちょっと行き過ぎたくらいで調度良い。

それに、『おや?病気(怪我)かい?』とかで相手の動きを鈍らせれるのなら逃げ出そうとする患者を捕まえるのにも役に立つ。

 

「ただいまー!」

 

「おや?不養生かい?」

 

「おか、元気だよ!?」

 

家に入り、リビングで俺達を迎えたなのはさんにニヤリと邪悪な笑顔を浮かべそう聞いてみたら即そんな返答が返って来た。

 

「もう!ソーヤ、ママをイジメちゃダメだよ!」

 

「わかってるよ。でも、なのはさんとフェイトちゃんは特にその辺りを気にしない人達だからね。特にフェイトちゃんは、仕事にかまけて不養生してそうだ……」

 

最近では……と、言葉の先に主語が付くけれど。

ちょっと前までは、なのはさんがその筆頭だった。

 

「ヴィヴィオが居るからって事で、最近は自分でも調整している様だけど……長年に渡り染み付いた癖って、中々拭えないモノだよ?ねぇ、なのはさん?」

 

「気を付けてるよ!?」

 

「ほぉう……確認(足裏マッサージ)させて貰っても?」

 

「うぅ……(涙目)」

 

「我は、【魔王】如月双夜。汝の健康状態を知るまで逃げられぬと知れ!それに、ゲーム等では『魔王からは、逃げられない』らしいからな?さあ、今日もタップリマッサージをするとしよう!」

 

「なんだろう……マッサージが、目的のハズなのにとっても不穏な会話が成されてる気がする……」

 

「クックックッ、フハハハハハハ、ハーハッハッハッハッ!!」

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

「フッ……他愛もない」

 

ベッドの端に腰掛けて、適当な事を呟く俺。

ベッドの上には、マッサージを受けた後遺症?でピクピクしているなのはさんがいるけど気にしない。まるで、見る人が見れば事後現場に見えるかも知れないけど……ただのマッサージ後である。

 

「やっぱり、肩と目の疲れが目立つね……」

 

長時間、画面を見ながら報告書を入力している訳だから目と首から肩に掛けて疲労が溜まるのは仕方がない事ではある。これが、フェイトちゃんだと……ちょこっと、出張に出て帰って来るだけで酷い凝り様だ。ええ、面白おかしく徹底的にマッサージをしてやるのが俺の日課になりつつある。ただ、フェイトちゃんの場合は仕事があるからと逃げる傾向があるけど……ちょいと、間接を決めて合気の要領でベッドに投げてやるだけでマッサージを受けられる体勢には出来た。つか、フェイトちゃんってば合気道を知らないんですかねぇ?割りと、簡単に投げ飛ばせるんですけど?

まあ、ベッドの上へ俯せに倒れるのならこっちのモンだぜ!!

サクッとマウント取って、背中にのし掛かると筋肉に力が入らなくなるになるツボを押して素早く筋弛緩剤を投与。そうなれば、こっちのやりたい放題のしたい放題だ!ヘロヘロになるまで、タップリマッサージをして《回復魔法》を掛ければおしまい!!

翌朝には、弛緩剤の効果が切れて出勤が出来る上腿へと早変わり。

 

「フムフム……ウム……上出来上出来!」

 

言って、疲れ果ててそのままスヤスヤと眠り始める。

ここは、悪戯をして叩き起こすか……そのまま、眠らせてあげるかだな。ここは、素直に寝かして置いて上げるのが大人かな?

 

 

 

 

 




とりあえず、原作通りに進んでみる。まあ、ちょいちょい違う話が混じるけど……一応、原作通り。さて、どっから『原作!原作、どこ行った!?』状態にしようかなぁ?ハハハ。楽しみだなぁw。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

双夜とは、別の双夜の話でちょっと気になる文面を見付ける。こんな設定、考えたかなぁ?みたいな本人すら覚えてない話だったんだけど……インベトリというか、アイテムBOXの容量に関する設定。
見付けた文面が、『地球規模の惑星三つ分の容量』という何とも微妙な容量の設定だった。まあ、十分ちゃぁ十分な容量なんだけど……何故か、あちらの双夜さんはそれをイッパイにしてチロルチョコさえ入らない状態にしたそうな……何入れてんの!?そんで、そのアイテムBOXに入ってるであろう内容物の記実を探したけど……一つを除いて、不明扱いになってたよ。で、その出て来た一つについては……『宇宙戦艦ヤマト一分の一スケール波動砲完備』が入ってるらしい。何を考えてそんなモン作ったし!?いや、そもそもアイテムBOXに宇宙戦艦を入れる意味は!?ネタ!?ネタなのか!?って、ツッコミ所満載な話が出て来たんだよ。だから何?って話でもあるんだけど……そんな設定が、発掘されましたって報告。
つか、インベトリにしろアイテムBOXにしろ何故無限に入るって設定のモノに容量を設定したのかが不明。とりあえず、それくらい入れば良いなぁと思ったらしいのだけれど……死んだら、アイテムBOXの中身をブチ撒ける設定は要らないと思うんだよね。地球規模の惑星三つ分の物質が、主人公死亡でブチ撒け…………何故、そんな設定にしてあるんだ!?昔の自分が、何を考えていたのかわからないよ。

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m(_ _)m

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いつも、読んでくれてありがとうございます。

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