絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三九一話

Re:

 

 

人前と言うか、多くの見物客が居る最中で世界のネタバレをやらかしたと思っていたのだが……フェイトやクロノが、率先して避難誘導してくれていたお陰で新たな黒歴史が刻まれる事は回避されていました。ありがとう、親友!持つべきモノは、優秀で真面目な友人だよな!!

まあ、事情聴取のドナドナはあったけど……概ね、ハッピーエンドなのでOKとする。ただ、一部御通夜みたいな雰囲気を発している集団が居るけれど……気にしない。

ついでなので、師匠と使い魔の存在を明かした上で俺のハーレムが男性使い魔が変身してるだけの監視役である事も暴露したった。

そのせいで、余計に御通夜が加速してるけど……俺は、気にしないったら気にしない!!ええぃ、こちらを憐れそうな目で見るんじゃない!別に、俺がモテ無いからソイツ等を侍らしていた訳じゃねぇんだよ!?それに翼は、ソイツ等の仲間って訳でもないからお前等の同類って訳でもない。その憐れみは、お前の都合の良い解釈でしかないのだよ。ただの勘違いで、他者を憐れむな!!

とりあえず、これにより俺の平穏が戻って来るーー等と言う事は無かった。ぶっちゃけ、馬鹿共が改心した所で俺への被害は増えるだけである。その上、折角身代わりで翼が存在しない風を装っていたのに当人が師範代(外見白黒セイバー)達に連れられて来たもんだから俺へのヘイト指数がメッチャ高くなった。それはもう、俺が視界に入ると殺意の籠った視線が集まって来るくらいには。

お陰で、『翼を寄越せ!』等と言う輩は居なくなったが俺に勝負を挑んで『翼さんを解放しろ!』とか言い出す馬鹿が増えた。

なので、師匠に頼んで翼のこれまでを馬鹿共に周知させてみたら……穴と言う穴から、色んな液体を垂れ流しガチ号泣するアホゥ集団が出来上がる。そう言えば、基本的には皆純粋な奴なんだけど……転生直後は、神様特典でイキッてる状態だからなぁ。

視界が狭まっていて、周囲が見えなくなって居るので暴走状態が目立つ。そんな状態から、強制的に落ち着かせられりゃぁ茫然自失状態になるだろう。そんな状態の転生者に、翼の絶望的悪夢を刷り込んだら……そりゃ、頭を横殴りにされた様な衝撃を受けて理不尽過ぎる人生に感情移入したとしてもおかしくはない。

基本、己を転生させた神様が転生者を貶める様な事をするハズが無いと無条件で思い込んでいるからな。なのに、こんな現実を見せられただけでも衝撃的なのに更に裏特典なるモノで不幸に貶められる可能性が出て来たから余計に衝撃を受けたと思われる。

 

「お、俺等も、こんな裏特典があったりするのか!?」

 

「ちょ、え、ま、マジで!?な、なぁ、謝るからどうにか出来ねぇか!?流石に、彼女みたいな人生には成らないと思うけど……」

 

「お前等、調子良いよなぁ?あんな事をして置いて、助けを求めれば助けて貰えると思ってる訳だ」

 

「あ、や……ごめんなさい……」

 

「謝れば、どうにかして貰えると思ってる?ねぇ、思ってるのかなぁ?はぁ、これだから甘ったれた転生者は……」

 

「兄様は、物理的に改心させられてましたね」

 

「こう……蛙の足を持って、地面に叩き付ける様にビッタンビッタンと瀕死状態に持ち込まれ、そこへ現実を叩き込まれて改心したんだったの?」

 

「アレは、辛かった……」

 

「ひぇ!?」

 

「ひっ!?」

 

イキッてる馬鹿者だった俺を、唐突にフルボッコにして動けなくなった所にコンコンと現実を叩き込まれて精神的な衝撃で正気に戻されるのはそれなりに辛かった。

その点、コイツ等は言霊で優しく現実を教えられた挙げ句、精神的な横殴りで正気に戻されているのでちょっと羨ましい。俺の時は、かなり強引に戻されたんだけどな!?

まあ、先駆者の宿命と言えば仕方がない……のか?

 

「それに、裏特典を消すのにはデメリットもある。例えば、実感出来るレベルだと……神様特典が、一つに絞られる」

 

「その理由として、本来特典は一つしか付けられぬからの」

 

「貴殿方の魂が、オリジナルの魂であるなら問題なく付与出来たのでしょうけど……基本的に、転生者は皆『インスタント・ソウル』と呼ばれる複製品なのです」

 

「まあ、要は新品の魂を用意し……そこに、人格や精神に記憶をコピペしてちょいっと記憶を操作。そして、『申し訳ない。我々のミスで君を殺してしまった』等と謝罪しつつ『お詫びに、物語の世界へ転生させてあげよう!』と捲し立てて転生させる」

 

「ハッキリ申しまして、詐欺の一種ですね!」

 

「そもそも、物語の世界へ転生させるその行為は【神】に取っては娯楽の一種だからの。そうして、転生させられた者があの手この手で何かを成そうとして失敗する様子を楽しむモノだ」

 

「ちょ、それ、悪辣過ぎるだろ!?本当にマジなのか!?何かの間違いとかではなくて?」

 

まあ、その疑問はわからなくもない。

だが、神様が善人だなんて誰が決めた?本当に善人であるかも確認せずに、ただ見た目が綺麗だから中身も良い人認識したのは過去の偉人。あれから、一体どれだけの時間が経ってると思っている?神様が、永遠を生きる存在だとは言え……絶対的に、善良であり続けられるとは思わない。

間違いなく、多少の成長はみられるだろうな。それが、善か悪かはわからないけど……人が、成長する様に神様も成長するもんだ。その結果がどうあれ、人生賭博の結末なんて皆似た様なモノである。まあ、勝ち組&負け組なんて言葉もあるからな!

 

「【本気】と書いて、【マジ】と読むレベルでマジだ!」

 

「マジなのかぁ……失敗するのが、前提かよ……」

 

「中には、王道を求める奴も居るが……稀少だの」

 

「ええ。ですが、転生者が失敗し後悔の果てに悶絶している姿は恒久的平和な神界では最高の娯楽になります」

 

「他人の不幸は、蜜の味というであろう?」

 

「まあ、神や人に関わらず他人の不幸は面白いモノだけどな!」

 

「「兄様が、それを言う(のですか)か!?」」

 

「リアル人生ガチャを自分で選べるのに、うっかりミスでロクデモないスキルに割り振って地獄をみるとか馬鹿のやるべぎろう?」

 

例えば、《ニコポ・ナデポ》とかな。

ホント、アレだけは俺の人生の中でも最大の汚点。

なんで、あんな特典願っちゃったかな!?

しかも、霧島と被ってて不具合起こし使えないってオチで無駄になっちゃった枠。

ハッキリ言って、あるだけの役立たずスキル。

アレだけは、ホントに人生の汚点としか言いようがなかった。

 

「まあ、俺的には()()()()()である【Fate/staynightのギルガメッシュ】は良い貰いモノだったけどな。それだけで、四次元ポケットに黄金律と金目のモノが付いて特典枠が一つとかありがたい」

 

「セット特典……」

 

「その発想は、無かった!!」

 

「セット特典か……確かに、物語のキャラクターってのはある意味『セット特典』だよなぁ……」

 

「アレェ?じゃあ、お前って踏み台じゃない?」

 

「嘘だろ!?この容姿で、踏み台じゃないとか詐欺じゃん!」

 

「いや、元踏み台だけど……アレ?踏み台なのかな?」

 

少し、第一世界で俺が行った事等を思い返してみたけど……踏み台的な行動が多かったのは、師匠に出会う前の話だけでその後は原作ヒロインと恋人になったりしていたので厳密には踏み台で無さそうではある。それでも、俺が踏み台だった事実は代わらないだろうから踏み台って事にしておこう。

 

「どっちだよ!?」

 

「ああ、いや……踏み台だったと思う。つっても、本当に最初だけの話だぞ?最初は、ガッツリ【愚王なギルガメッシュ】を演じていたからな。でも、師匠に会って強制改心させられまして……その後は、シグナムと結婚しました!!」

 

「え!?……は?シグナム!?」

 

「何故、シグナム!?そこは、はやてとかじゃ無いんかい!?」

 

「いやー、師匠に唆されまして……シグナムを剣術のみで倒して……もちろん、魔法無しで!擬似的なハーレムゲットで、最初の頃に宣言していた『俺は、ハーレムを作る!』を叶えた扱いにしたかったんだよ」

 

「シグナムを魔法無しの剣術のみで……あんた、化け物か!?」

 

「…………成る程。ただ、それだけの為にシグナムか……」

 

「シャマル先生は、勘弁してくれ……命の危険伴う食卓とか、毎日は……死ぬ!!」

 

「ぶはっ!確かに、命の危険伴う食卓を毎日は嫌だな」

 

「ヴィータだと、ロリコン扱いになるだろうし……それをはやての前でとか……精神的に死にますね……」

 

「成る程、シグナムって安パイなのか……」

 

そう言われると、シグナムがとても攻略しがいのある女性に聞こえて来る。でも、攻略難易度は最高レベル。

下手にミスると、修正が大変な上にメッチャ努力が必要な攻略対象だ。しかも、剣術をガチで鍛えたかったから高町家の士朗さんを拝み倒して修行に連れ回して貰うなんて苦行も体験しなければならない。

最初が最初だったので、鍛練合宿に参加させて貰える様になるまでにも色々。その後、士朗さんの信用を勝ち取る為に走り回らされた事も少なくない。

 

「いやー、マジ大変でした……」

 

「そして、今や裏方ですか……《神殺し》とか、ちょっとカッコいいと思えてしまうんだけど。中二心が揺さぶられます」

 

中二心って……君等は、現役だよね?

ま、口にはしないけど。

 

「二度目の転生とか……それで、俺達みたいなのに平行世界を巡って真実を伝え回っているとか……マジかぁ……」

 

「魔法少女……確かに、ガッツリ題名に記載されてたよな……」

 

「まさか、少女じゃなきゃ主人公に成れないとか……」

 

「なんたる盲点……騙された感が、強い……」

 

普通は、自分達が主人公!って言うのが、ライトノベルや二次創作物語の常……にも関わらず、神様転生にそんな落とし穴があるなんて誰も考えすらしないだろう。

しかも、失敗するのが前提とかどんだけ悪辣やねん!?神様ってのは!!って言うのが現在。

とりあえず、OHANASHIを終えて改心というか正気に戻った彼等と世界の裏話をしながらお茶をシバキ、緊張感が解けて来た所で本題に入る。下手に、緊張感を保ったままだと本題を切り出しても警戒されて話を聞けない可能性があるからな。なので、そこそこの話題を提供しつつ訊きたい事を聞ける状況へ持ち込む。

 

「そう言えば、なんで翼に凸し続けていたんだ?」

 

「ん?翼……ああ。あの女神様の事か……」

 

「そりゃぁ、踏み台にはモッタイナイ美女だったからだろう?」

 

「例え、ヒロインでないモブであっても……あれだけの美女だ、ヒロイン同等に手にしたく思うのは当然だろ?」

 

「フム……神様が、何かを言った訳じゃないんだな?」

 

「ああ、そっちの心配ね。ハハ、仕事熱心だなぁ……ま、わからないでもないけど……」

 

「神様に何か言われた訳じゃないよ。ただ、スゲー美人だったからさ。愚王モドキにはモッタイナイって思って……」

 

「しかも、あんなにたくさん……まあ、俺達を誘き寄せる撒き餌だった訳だけど。それでも、悔しい……」

 

「それにしても、どこであんな美人見付けたんだ?つか、なんの物語が混線してやがるんだろうな?」

 

「残念だが、クロスオーバーとかじゃなくて彼女も転生者で神様転生の被害者だな。簡単に説明すると、とある神様が愛玩具としてあの外見の人形を手に入れた。でも、表情が乏しく面白味が無いから人間の魂を突っ込んで玩具にしようとした訳だ」

 

「…………は?なんだそりゃ?じゃあ、彼女も転生者で神様の玩具にされそうになってたってのか!?」

 

「ゲッ!3次元女性かよ……萎えるわぁ……」

 

「止めろ!俺は、キモヲタじゃ無いんだあああぁぁぁ!!!」

 

「キモくない。俺は、キモくない。キモくない。キモくない」

 

「女怖い、女怖い……女怖い……女怖い……」

 

あ、ヤベ……トラウマ抉っちまった!!

そうだよね!リアル女性に心抉られた日々とか、思い出しちゃいますよね。そして、翼は彼等に取ってリアル女性に該当し、トラウマ再発の鍵となった。ぶっちゃけ、現実の女性って見た目が劣る男性がちょっと趣味にのめり込んだだけで『キモヲタ』と罵るんだよな。何が気にくわないのか、放って置けば良いのに己の趣味に熱くなってる奴をまるで見下すかの様に貶めるんだよ。

その癖、似た様なモノなのにジャンルが違うだけで崇高だとか清潔だとか言いやがるんだぜ?例えば、アニメや漫画やゲームは否定するのに音楽や車やスポーツにのめり込み奴は肯定するから意味不明。いずれも、同じ様なモノだろう?規模は、漫画やアニメやゲーム等よりも圧倒的に大きくなるのにさ。ただ、インドアかアウトドアかの違いで『キモい』や『キモくない』が決められているのはちょっと違う気がする。どちらも、似た様なモノなんだけどな。実際に、話せばわかる趣味の深淵。話を聞けば、いずれも深淵を覗き込んでいる様な気分になるからな?

趣味ってのは、基本的に闇深いモノなのである。

それに加えて、お金の掛かる趣味はガチで底無し沼レベルの奈落だったり。楽器やタイヤ一本分の金額で、どれだけのヲタクグッズが買えると思っているのやら……スポーツに至っては、日々数万円のお金が泡と消えて行くけどプラスにはならない。

しかも、オリンピックや大会等に出なければプラスにすら成らないんだぜ?趣味でスポーツをやってる人達は、それ自体が楽しいからやっている訳だからプラマイ零だろうけど、自己満足の為に何万使う気なんでしょうね?

まあ、ブーメランになってる時点でインドアジャンルと同レベルな訳だけど。それは良くて、インドアジャンルを『キモい』と言う女性はアウトドアジャンルも『キモい』と言うべきである。

 

「まあ、掛かるお金はインドアジャンルの数十倍なんだけどね」

 

楽器なんて、最たるモノで突き詰めれば数億掛かるヤバい趣味と化す。プロの音楽家なら兎も角、アレを個人で自己満足の為にやっている奴はガチでヤバい。

そりゃ、ストラルバリウスが欲しいって言うコレクターも居るから、あの辺りへ行くと目も当てられないけど。

車なんて、部品一つでかなりブッ飛んだ金額になるからな?その癖、中古で売ろうとすると二束三文で買われてバラされる。

そして、バラされた各部品一つ一つで売り捌かれるのだった。全く持って、何の意味も価値もない。完成させられているモノでも、次に買う人には気に入られる可能性は低いからなんだけど……それでも、酷い事この上ない。

手は、出さない事をオススメしよう!!

この様に、趣味としてはそこそこお手軽な面のあるインドアジャンルなんだけど、これが女性に今一ウケが悪い。

故に、それにのめり込む男共は突き放される訳だけど。

 

「因みに、神崎さんもキモヲタですか?」

 

「うん?さて、どうだっただろうか?まあ、そこそこのヲタクではあったとは思うけど……普通に大学出てて、幼馴染み共とキャンプとか旅行とかしてたから健全なヲタクだったと思うぞ?」

 

「健全なヲタクって、なんだそりゃw」

 

「引き籠りじゃないヲタクだよ。まあ、在宅ワークしてたから引き籠りっちゃぁ引き籠りだったかもだけどな。でも、遊びに行く余裕もあったし……金もあったぞ?」

 

「チッ!」

 

「ケッ!」

 

「カー……( ・ω・)、ペッ」

 

「リア充が!爆発しろ!!」

 

成る程。リア充判断ですか……つか、遊びに行けるだけの金を持ってただけでリア充判断とかありえないだろ!?そこは、仲間とまでは言わないけど同類扱いして欲しかった。

 

「兄様。皆様は、『幼馴染み共』の中に姉様も含めた認識でおっしゃっている様です」

 

「と言うか、間違いなく姉様も含めた意味での『幼馴染み共』と取っておるの。そこを訂正すれば、仲間になれるぞ?」

 

「ナチュラルに心を読んだ挙げ句、訂正まで入れられるんですが……リア充とは、一体……」

 

嘆きたくなりつつも、俺の『幼馴染み共』に翼が含まれない事を告げる。そのついでに、翼が一人立ちをしそうになったから検査入院させた後、神の都合により小学生の低学年で殺された事を告げると彼等はマジギレした。

まあ、彼等も似た様な被害者だからな……ムカ付く事は、ムカ付くのだと思われる。

つーか、そういう感性はマトモなのな?

 

「つーかよ、人間らしい人格を求めて置きながら離れて行かれそうになったら引き戻すとか……頭おかしいんじゃね?」

 

「原作ヒロインにも、個々の意志があるんだけど……そこら辺について、もうちょっと詳しく話を聞かせて欲しいんだけど?」

 

「…………それはほら、お約束だから……」

 

おい!お約束って……。

 

「裏話からして、彼女達がちゃんとした人間だと言うのはわかったから……これからは、ちゃんと個人として見るからさ!」

 

「てか、リアル女と認識した時点で無理じゃね?」

 

「下手したら、生前の二の舞か……」

 

「うわあああぁぁぁぁ!!」

 

あ、頭抱えて悲鳴を上げる馬鹿が出たど!?

 

「俺は、キモヲタじゃ無いんだよおおおぉぉぉぉ!!」

 

「あのフィギュアは、預かり物なんだよおおぉぉぉ!!」

 

「フィギュアとか、飾ってたけど……アレは、景品なんだよおおぉぉぉ!!」

 

うっかり、生前の二の舞とか言っちゃったら誤爆した。

しかも、良くある誤解系のキモヲタが二人程いるみたいなんですが……これは、同情を禁じ得ない。その誤解の結果、周囲にキモヲタだと言い触らされて孤立したらしい奴も居た。

 

「キモヲタ系の誤解は、根が深過ぎるからなぁ……」

 

ちょっとした気紛れで、景品とかを飾ってたら遊びに来た友人が誤解したり、面白ネタとして呟いただけで周囲はキモヲタ扱いである。結果、それが虐めを呼んだり孤立させられたりして引き籠りになる奴は多い。見た目からしても、ちょっとした事でハブられるから気を休ませる暇がない。つか、勘弁してやれよ。

なんで女ってのは、そういう不幸な男に優しくしてやれないかねぇ?そりゃ、真性のヲタクが気持ち悪いのはわかるけど軽度なヲタクくらいは容認してやれば良いじゃん。

ま、生理的に受け付けないんだろうけど……だからって、排除するのは頂けない。

 

「因みに、その景品を愛でたりしたりしてないよな?」

 

「当たり前だろ?つか、箱に入ったまま埃を被ってたよ!」

 

「あ、俺も箱に入ったままだった。てか、預かり物を開封したりしない。ただ、ちょっと数が多かったけどな……」

 

「物置にされてたのか……お前の部屋……」

 

「まあ……従兄弟の部屋は、もう何も入らない状態だったからな。ぶっちゃけ、寝るスペースだけが空いてる状態だった」

 

「空いてないスペースには、何があったのかちょっと気になる」

 

「フィギュアケースとか、大型テレビにゲーム機と……ゴミ?」

 

「汚部屋か!?」

 

「否定はしない!!」

 

「それで、お前の部屋に置かせて欲しいと?」

 

「フッ……弱味を握られた者の定め。今となっては、意味も無いけど……それでも、あの時は仕方なかったんやぁ!!」

 

「なんだ?その従兄弟君には、姉でも居たのか?」

 

「なっ!?何故、それを!?」

 

「え?ちょ、どういう事なん!?それで、何がわかるん!?」

 

語るに落ちたな。とは言え、お姉さん不在中に部屋に忍び込んで下着漁りでもやったのかと思ったら……その通りだった模様。

つか、引き籠り君がコイツの弱味を握れるシチュエーションなんて限られているだろう!?コイツ自体が、その引き籠り君の家に居なければ弱味を見せる事すら出来ないんだから。それ故、その引き籠り君に姉か妹が居るんじゃないかと思った訳よ。もしくは、あり得ない事じゃないけど叔母の部屋に忍び込んで……とかな。

その結果、このバカはその引き籠り君からフィギュアを預かる事になり女の子達から『キモい』と言われる事に成った訳だ。

ある意味、本末転倒だが……社会的に抹殺されるのと比べれば、幾ばくかはマシ!って判断だったんだろう。

 

「で、イジメられて引き籠りになったと?」

 

「い、イジメられてねぇし!ちょっと、トラウマになっただけだし!!大体、アンタは俺が何をしたと思ってんだよ!?」

 

「引き籠り君の姉の部屋に忍び込んで下着を漁ったと思ったんだが?まさか、その下着で自家発電でもしてたのか?」

 

「ゴハッ…………プルプル……」

 

「え゛!?マジで!?」

 

「図星の様ですね。兄様」

 

「まさか、そこまでとは……モテぬ男と言うのは、そこまで堕ちれるのだの?兄様よ……」

 

「うわぁ……流石にそれは、引くわぁ……」

 

「マジかよ、コイツ……社会的に死んだのか……」

 

「し、し、死んでねぇよ!!そう成りたくないから、ヲタクなんて汚名を受け入れたんだよ!!畜生!!」

 

「絵に描いた様な転落人生だ……つか、現実にやる奴が居るんだな?一瞬、叔母の部屋か!?と思ったけど……流石に其処へは行かなかった模様。つか、弱味を握られるシチュエーションが思い浮かばねぇよ!他に、引き籠り君が弱味を握れるシチュエーションってあるか?引き籠りだから、家の中だけの弱味だぞ?」

 

「フム……成る程。条件を纏めたら、確かにシチュエーションが限られるな。そこまで言われたら、俺でも想像付くわ」

 

「そして、社会的抹殺かヲタクと言う汚名か……って選択で、汚名の方を選んだ訳だ。イジメ一直線ですね……」

 

「むしろ……そこは、正直に言うべきでは?」

 

「んー……そうだな。そこは、正直に従兄弟の部屋がいっぱいで置かしてやっているんだよ……と言うべきだったな」

 

つーか、社会的な死を前に思い付かなかったんだろうけど……そこは、正直に従兄弟の部屋の状況を告げて棄てられないお古を置いてやっているんだとでも言うべきだろう。それだけで、自分のイメージアップにも繋がるし……何より、己の長所をアピール出来たのでは?と思わずにはいられない。それだけで、ヲタクと言う汚名よりも良いイメージを相手に与えられたと思われる。

 

「…………策士か!?」

 

「いやいや、追い詰められなきゃ誰でも思い付くレベルの話だよ。まあ、コミュ障には難しい話かも知れないけどな?」

 

まあ、そう成らなかったんだから今更の話ではあるんだけどな。というか、翼への凸行為を辞めさせたかっただけなのに……転生者の人生相談に発展するとは俺も思って無かったよ。全く、本題は翼に関してなのにままならないモノだな。

 

 

 

 

 




割りと、鬼畜ネタをブッ込んだんですが……どうだったでしょう?まあ、こんな絵に描いた様な転落人生をやった人は居ないと思いたいですが……社会的な死か、汚名かと問われたら作者でも後者を選びそうです。
因みに、作者の親戚には母姉の兄・兄と母姉の姉・姉と母兄の姉・兄が居ましたが……年が離れ過ぎていて余り構って貰えなかった記憶があります。まあ、母姉の兄様(長男)には家庭教師とかして貰ったんですけどね。父親の親戚とは疎遠でした。今も疎遠だけど。ハッキリ言って、作者は一緒に遊ぶのではなく遊ばれて居たんですよね。しかもですね?事もあろうに姉達に興味を示さず母姉の姉・姉の家に遊びに行けば『アニメイトに連れてって!』とねだって居たんですよw。ええ、全く一切女という生き物に興味すら持って無かったんですよね。なので、転落人生なんてモノがそもそも選択肢に無かったというオチです。それよりも、アニメイトに行きたかった!!結局、その欲望を叶えられたのは高校を卒業してからですね。全く、性への目覚めが遅いとこういう事になるんですよw。それでも、多分自分はアニメイトに行きたがったと思いますけどw。

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m(_ _)m

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