絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三八四話

Re:

 

 

そこそこ、年期の入ったドス声を聞いた俺は我先にと跳んで行く師範代達を見送り凍真に連絡を入れた。もちろん、『高町なのは』の所在を確認する為だ。ついでなので、そのままリンディさん経由で繋いで貰った。その上で、フレールくん経由のクローン?体を見せてなのはさんのDNAマップがどうなっているのかを尋ねる。管理局関連から、流出したモノだと思われたからだ。

 

『一応、確認してみるわ。それで、クローン体のなのはさんは確保してくれるのかしら?』

 

「出来るモノならば……だが、今は泳がせている状況だからな……どうなるかは、わからないぞ?」

 

『それで、良いわ。それじゃ、私も現場に向かうから』

 

「こちらも、準備が済み次第現場へ向かうよ……」

 

まあ、リンディさんが到着する前に現地へ着任する事になるだろうけど。でも、その前にやらなければ成らない事がある。あ、翼の許可は既に貰ってるからそっちじゃねぇよ?ただ、クローンじゃ無かった場合の回収方法を用意しておくだけだから。だって、師範代達がクローンじゃ無いかも知れないとか言い出すから……。

 

『それにしても、良く師範代達が動いてくれたな?』

 

「あの人達も、《神殺し》だからな……自らを、【神】等とほざく輩には厳しいんだよ。だが……どこのヤ〇ザかw!?」

 

低いドスの入った声で、『あ゛あ゛ん!?』だもんな。

元ネタが、騎士王だったのを知っているからか違和感が凄まじい。当人達も、知っているハズなんだが……師匠と同じで、気にしなさ過ぎる様子。まあ、今更な話だけどな。

ホント、今更だった。

 

『自称、『俺が神だ!』か……僕らからすると、自殺志願者の様に感じるけど。本人は、至って本気なんだよなぁ……』

 

「それな!……つか、ホムンクルスって回答が来たんだけど!?」

 

『……掲示板?炎上してるのに、良く返答が返って来たなぁ?』

 

「メールの方に来たよ。【真実の瞳】保有者が、確認したらしいからホムンクルスで決まりだ!」

 

『……それって、高町なのはのDNA……必要?』

 

「必要。その上で、微調整があるらしいが……一応、手順も必要機材もガッツリ送られて来てるから問題無しだ」

 

『必要機材……それ、何ページで送られて来た?』

 

「凄いぞ!普通に、入門の障りだけで1ギガは有ったからな?」

 

『うわぁ、重……でも、専門知識のある人とか必要では?』

 

「後、師匠側からは専門家な使い魔が送られて来るそうだ。【外】経由なら、時間とか関係ないからな……」

 

『ははは。至れり尽くせりか……』

 

「なのは()()が、関わってるからな……至れり尽くせりだよ」

 

それでも、過剰介入には該当しないとのこと。

そもそもが、イレギュラーの起こした問題に対する処理なので原作には掠りもしないんだけど。とは言え、原作人物のDNAが使われている事もあって一応だが“介入”という事になるんだそうだ。

というか、ホムンクルスの製法を読んだんだが……18禁方向の製法だった事が懸念事項として上げられる。そう、上げられたんだが……クックックッ、スゲー!三行説明だw。ウケるぅ!てか、三行で済むホムンクルス製造説明ってスゲーな。誰だよ、この三行考えた奴は!?超、ドストレートな表現の仕方だけどわかり易くて有難い。考えるまでもなく、この製造方法を使っているのならそのホムンクルスの使用方法はそっち方面に特化しているのだろうな。

全く、どいつもこいつも直ぐ下半身に直結しやがって頭が痛い。というか、ホムンクルスの製法が通常では自分のDNAを使って精製する方法と他人のDNAを使って精製する方法があるとのこと。他にも、ホムンクルス製造法があるらしいがそっちは考慮しない。というか、そもそもDNAを使わない時点で候補から排除されるからな。

つか、植物の種子から作れるだと!?

 

「ブフッ……頭、頭に、芽が……双葉の芽が……www」

 

つか、これ……最終的にどうなんの!?

 

「花になりますよ?兄様」

 

「間抜けな感じの、デフォルメされた花が咲くの」

 

イラストまで、用意してんじゃねぇよ!?

 

「ちょぉ……カハッ!?……!!」(爆笑)

 

 

閑話休題。

 

 

 

今回は、他人のDNAを使って精製する方法が使われた模様。

ただ、ホムンクルスには存在を維持するのに己の【精気】を与え続けなければならないそうだ。これを見た時、ホムンクルスがサキュバスと似た種族なんじゃね!?とか、思ったけどそうではないらしい。詳しくは、専門的過ぎて今一わからないんだけど……ある意味、師匠の使い魔システムと似通っている気がする。使い魔の場合は、【精気】の部分が【魔力】に変換されているだけで魔力供給さえされ続ければ半永久的に存続が可能。

魔力供給が追い付かず、途中で供給が途切れたら使い魔は己を維持出来ずに消滅。ホムンクルスの場合も同様。

ただ、ホムンクルスの場合は人間から血を吸血する事で存在の維持が可能なんだとか。まるで、吸血鬼みたいだけど……ほぼ、代わらないと思われ。

つーか、サキュバスとか吸血鬼とか18禁ネタだとほぼ間違いなくそういう行為を好んで行うキャラクターですよね!ありがとうございます!!下手をすると、サキュバスや吸血鬼はホムンクルスが進化した結果に生まれた種族なのかも知れない。

話が逸れたが、いずれにしろホムンクルスは危険な人口生命体だという事だ。造ったのは、下半身の欲望に塗れた人間だけどな!俺?もちろん、大変興味深いけれど……今は、潰される可能性の方が高いから我慢している。

いや、我慢というか恐怖で押さえ付けられているって感じか?まあ、世の中ってのはそんなモンだ。

とりあえず、ホムンクルスを製造した転生者は俺がその顔を拝む前に消されてしまった事を報告する。まあ、俺が焚き付けた手前そういう事を口にするのは憚れるんだが……イケメンでしたか!?

 

「知らぬよ。兄様」

 

「そうッスか……」

 

簡単な返答で、ある程度の予想はしていたけど……まあ、予想通り師範代達は怒り浸透のままイレギュラーを屠った模様。いやぁ、わかっていた事ではあったんだけどね?

それでも、少しだけ期待していた分落胆は隠せない。

それでも、消滅させられたイレギュラーの経歴やら能力の報告書は上がって来るので気分的には狐に摘ままれた感じ。サクッと消滅させた癖に、こういう所はちゃんと情報収集しているので色々と疑問は多い。まあ、顔合わせはしてないけど一方的に相手の情報だけは知れるので楽だ。

もし、今後も現れるのであればこの手の報告書は重宝する事になるだろう。流出しているかどうかはわからないが、流出データを元にして浅上兄妹みたく強制的に登場人物にされるなんて事が無い様にしたい。ほぼ、間に合わせみたいな扱いとなっていたからな。そういう理由で、転生させられる方は堪ったもんじゃないから【組織】のサルベージには超期待している。

特に、善良で真面目な奴ほど使われるケースが高いみたいなので浅上兄妹は是非にも早々に回収して欲しい所。

何なら、霧島や来栖川辺りならバンバン使ってくれて構わないから彼等のデータだけは使わないで欲しい。

まあ、霧島はヲタクだし有栖川は自由人なので使い勝手は最悪かも知れないけど。だから、真っ先に浅上兄妹のデータをサルベージして欲しかった。何よりも、利用されやすい彼等のデータをサルベージして欲しい。

 

「……神様の欲ってのは、人間のそれよりも深いんだな……」

 

「ファ!?兄様が、人間より神が劣っている発言しておるぞ!?」

 

「まあ、人間の上位互換が神ですからね……ある意味、真理です」

 

「つか、悪魔より酷くね?比較対象とか、あるの?」

 

「「最大の侮辱!!」」

 

「流石です!兄様。それ、頂きますね?」

 

「フハハハ!掲示板が、荒れるぞ!!」

 

「止めろ。師匠に迷惑が掛かる……」

 

「「むしろ、喜(ぶ)びます!!」」

 

そうッスか。なら、どうぞお好きになさって下さい。

一応、確認の為に俺も端末開いて覗いていたが師匠が率先して炎上を煽っている様子が伺えたので諦めてウィンドを消した。

何故、貴方が率先して要るんですかねぇ!?止める側じゃ無いんですか?何はともあれ、俺達は平穏を謳歌しつつ師匠の待つ未来へと向かうのだった。

 

そしてーーー。

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

『聖王のゆりかご』が、衛生軌道上に至る前に墜ちる光景を眺めている。師匠とユーリが、ビット無双で聖王のゆりかごをフルボッコにして今撃沈した所だ。

つか、虚数空間からの攻撃とかやらかし過ぎなんですが!?イレギュラーが、関わっているとは言え……これ、介入のし過ぎじゃね!?マジ、原作どこ行った!?

そりゃ、俺も『Reflection』をちょこっと改編しましたが……これは、過剰でしょ!?と思わずには要られない。

大丈夫?これ、ホントに大丈夫!?

まあ、今更の話だけどね。

さて、聖王のゆりかごが落とされて半泣きなのは原作の犯人さん達なんですが……彼女等は、聖王のゆりかごを飛ばす前に皆捕まってるので問題外。じゃぁ、誰が聖王のゆりかごを飛ばしたかと言うとイレギュラーさん達しか居ない訳で……だからと言って、師匠がヴィヴィオを奪われるハズもなく。彼等は、適合者を使って聖王のゆりかごを飛ばしたという事だった。つか、戦姫〇唱シン〇ォギア系の能力者が居たんですが……これ、マジ大丈夫?

しかも、ガン〇ニールとかシル〇ャガナみたいなギアであればマトモだったのに……ソイツが、使っていたモノってのが【ネフィリム】だぞ!?【ネフィリム】!!それで、聖王のゆりかごを侵食して思うがままに動かせる様にしてたとか……頭が、おかしいとしか言えない。そりゃ、唯一男が使えるギアモドキではあるけど。だからと言って、そんなモノを使って聖王のゆりかごを動かすとか……メッチャ、ヤバく無いですか!?デメリットが、神様特典で消されているとは言え……それでも、使い方によっては超危険なロストロギアッスよね!?

結局、【ネフィリム】に関しては師匠が処理しました。

ええ、《ルール・ブレイカー》でアッサリと完全消去してくれましたよ?全く、後の事を考えて欲しい。

とりあえず、そんな感じで生き残っちゃった脳ミソやレジアス達の暴露を進めつつ、そんなヤヴァイ報告書を読んでツッコミしてる神崎大悟です。事件が終われば、平穏な日々に突入しますが……平穏?何それ、美味しいの?な日々を凍真を巻き込んで過ごしているよ。つか、原作は師匠にお任せです。高町なのはが、師匠の『ママ』で無くなってるとか、いつ入れ代わったとか知らねぇよ?

ただ、気が付いた時には師匠の知る『なのはさん』では無くなってて、ヴィヴィオを保護した時には原作の『なのはさん』になってたけど。まあ、師匠のお母さんの記憶と原作の『なのはさん』の記憶が混じってて気付くのが遅れた訳だけど……『なのはさん』の話では、17・8の時に入れ代わったそうだ。そして、なんで『なのはさん』が【なのはママ】になっていたのかも判明。

まあ、言うまでもなくイレギュラーが関わっていたんだけどね。ぶっちゃけると、アリシアを生き返らせる為に神様特典で『一度だけ死者を蘇らせれる能力を持った者』が『なのはさん』を誤って殺したからという事らしい。

意識が薄れ、死に行く中で絶望した『なのはさん』が蘇生された事で【なのはママ】に上書きされたのが始まりとのこと。

そして、今現在……その時に受けたダメージが、長き時間を掛けて塞がり完治した事で本来の自分が戻って来たらしい。成る程、成る程。死に至る程の傷でも、完治するならば本来の人格に書き変わるんですね?まあ、死んでるハズなのに生きている訳だからその矛盾を正す為に死に至る傷を自然治癒能力&世界の修正力で少しずつ治療。完治に至ると、上書きしていた人格から本来の人格に入れ代わったと……ハハハ。わか、るか!そんなもん!

結果、【なのはママ】に会えると思っていた師匠が大荒れです。あ、シャマル先生は普通に回収されましたよ?一応、師匠の知る『シャマル先生』でしたから。シャマルさんが、『シャマル先生』に成った切っ掛けは……一度『幻想殺し』によって、消滅させられていたかららしい。

ええ、『幻想殺し』によって!

その、能力者に消滅させられていた事が判明してる。

ただ、その能力を持っていた転生者が居ないんだよねぇ。

他のイレギュラーに殺されましたかねぇ?いずれにしろ、我々が来る前にそう言った能力者がいた事には驚きを隠せませんでした。

と言うか、居たって事は殺した奴が居るって事だよね?

ハハハ、イレギュラー殺しをやった転生者が隠れ潜んでいる模様。若干、可能性があるとすると行方不明者かも知れないけど……見当たらないんだなぁ。

どこにも……どの次元世界にも。

イレギュラー共に聞こうにも、奴等は絶対に教えてはくれないだろうし……教えるにしても、司法取引だ!と留置所から出せとか要求して来そうなので放置中。一瞬、大荒れの師匠に引き渡そうかと思ったけど……それは、流石にねぇ?どんな目に遇うか、わかり切って居るのに渡すと俺の睡眠が気持ち良くなくなるわ。更正させる分には、それで構わないんだよ?更正させる分には。

でも、廃人にするのは頂けないので今の師匠には預けられないんだよね。そりゃさ、お願いすれば今の師匠でも馬鹿共を壊さずにやってくれると思うよ?だが、イレギュラーが師匠に対して文句を言い出すのはわかっているし、更正の始まりなんて相手の事をわかってないから幼児だと油断して突っ掛かって行くのも予測が出来るんだ。

その結果、馬鹿共が()()()地雷を踏み抜くかが予測出来ないんだよね。下手に、ヤバイのを踏み抜かれるとこっちにまで被害が及ぶので困るんだよ。導火線とかなら、まだマシな分類だけど……その先に、繋がっているモノを踏み抜かれると俺も師範代達もとても困っちゃうよね。しかも、何が地雷に成っているのかが使い魔にすらわからない現実。核(本命)じゃなけりゃ、何でも良いけど今一奴等を信じる事が出来ない。

よって、奴等を更正施設に再度叩き込んで放置する事になった。というか、奴等は大人しくしている事が出来ないらしい。事ある毎に、脱獄しようとして来るんですが……どうしたもんかなっと。

気持ちは、わからないでもないんだよ?凍真や俺が居るせいで、ヒロインが俺等に惚れて忘れられるんじゃないかと焦ってる。でも、基本的に俺はヒロイン達には近付かないし恋愛なんかに発展する余地もない。だが、奴等の頭は常時発情状態なのでこっちの事情なぞは聞き入れない。

そして、彼等の耳は自分達に都合の良い事は聞こえ、悪い事は聞こえない都合の良いモノだ。しかも、基本的に奴等は己に取って極めて都合の良い様にしか物事を解釈しない。最悪、何を言っても『俺の事を気にしてる』とか『俺の事が好きなんだな』という風に取ってしまうのだ。

 

「自分考察ですか?兄様」

 

「違っ……わねぇけど。もう、過去の話だよ!!」

 

「……過去のぉ?過去に成っておると良いの?兄様」

 

「過去、だよな!?過去に成ってるよな!?」

 

「大悟君……手の平の上で、転がされてるわよ?」

 

不安を煽られて、更に不安を掻き立てられる俺。翼の言う通り、手の平の上で転がされてます。そう、わかってても俺が過去に行った馬鹿が消える事もなく……今尚、俺を蝕む黒歴史だったりする。糞っ!何で俺は、中二病なんて拗らせていたんだ!?本当に、抜け出せない黒歴史になってるじゃないか!!

 

「と、とりあえず、『幻想殺し』が居た事を証明出来ないかなぁ?あ、師匠のアカシックレコードとか記録されてね?」

 

「兄様。アカシックレコードは、Masterのではなく()()の記憶ですよ?それに、転生者が記録されているとでも?」

 

「え!?記録、されてねぇの!?」

 

「元より、存在せぬ者よ。そりゃ、今も生きておるなら記録としてはあるだろうけどの。だが、存在せぬなら……」

 

記憶そのものが、存在しない……と?

転生者ェ……イレギュラーだからって、世界の記憶にすら残らないとか存在の定義があやふやだ。まあ、元より追加で生まれた存在だからな。しかも、神様の能力で存在している生き物?……生き物なのか?てか、生き物の枠に納まってるかさえわからない。

夢か幻か……下手をすると、ロストロギア扱いになっている可能性も否定できない。いや、ロストロギアならまだワンチャンあるかも知れないけど……世界の記憶に残らないんだろ?やはり、夢か幻か……かなり、あやふやな存在なのだろう。

 

「というか、『幻想殺し』の話なのに転生者の存在定義に思考が逸れているのは何故!?」

 

「「現実逃避(だの)ですね。兄様」」

 

「むしろ、直視してるんじゃない?」

 

「言われてみれば、確かに直視の方かもの?姉様」

 

「現実問題。神様が居なくても、転生者って存続出来ますよね?」

 

「出来ますね。余剰、神通力を使ってですが……」

 

「余剰?余ってるのか、神通力って……」

 

「そういうモノでは無いんだがのぉ?」

 

「上役から、存続の為の神通力が供給されるイメージです」

 

「上役?神様に、上役が存在するのか!?」

 

「上役と言っても、『チーフ』みたいなモノだの」

 

師範代の説明によると、寄り親という下っぱをまとめる班長の様な神様が居るらしい。まあ、師匠に言わせると悪習には該当しないけど消滅させたい古きーー特定の存在にはーー善き因習なのだとか。

とりあえず、下っぱを纏めているリーダーモドキが居て……最初は、新人の教育だとか面倒を見たりするらしい。

でも、その内『みかじめ料』と称して世界のリソースをピン跳ねする様な行為に走り……寄り子達も、お世話になったが故に強く拒否る事も出来ず言いなりになっているとか。

まあ、行き過ぎると《神殺し》がヒョッコリこんにちは!『断罪しに来ました♥』なんて、現れる事になるそうだけど……嫌過ぎる。なんだよ!?ヒョッコリ、『こんにちはぁ!』って……下手なホラーよりも怖い話じゃん!?

つか、語尾にハートや音符を付けるのも恐怖を引き立てているんですが!?完全に、パニックホラーを意識してますよね!?こりゃ、行き過ぎた行為も早々出来ない。

下手にやらかすと、寄り親だけでなく寄り子も大パニックなホラー映画に早変わりだ。なので、大体は寄り親ではなく寄り子の方がやらかす率が高いとのこと。

つーか、良く良く考えると寄り親がリソースをピン跳ねしてても異常ではないんじゃね?だって、寄り子がやらかしたら自分にも跳ね返って来るんだぜ?

例えば、寄り子が世界をコピーして転生者遊戯を始めたとしよう。それで、ヘマをやらかして《神殺し》に断罪された場合、後始末は寄り親がやらなければならないんッスよ!?己の寄り子が、やらかした事とは言え……その後見人をしている寄り親は、寄り子がコピーした世界を調整しなければならない上に転生者を存続する為に世界のリソースを分けてやる必要がある。ぶっちゃけ、寄り子にやらかされたら割に合わない労力を背負い込むハメになるんだけど!?仕事量、一世界分増えるからな?嫌過ぎる。

 

「なんで、師匠は……そこまでして、寄り親寄り子システムを終らせ様とするんですかねぇ?そりゃ、寄り子が増えれば増えるだけリソースは増えますけど……無駄じゃね?」

 

「やらかさねば、リソースが増え続けるがの?」

 

「まあ、それはそうですが……それが、どんな問題になるのかがわからないんッスけど?」

 

「ああ。それはですね、リソースが一定量を越すと新たな世界を構築出来るんですよ。そして、それを成した者は本物に成れるんですよ。兄様」

 

「本物?って、本物の【神】って事か?」

 

「ええ。そして、本物に成った【神】は《旧・神族》にスカウトされてそちらに流れて行きます」

 

「えーえぇ……そっちに、流れちゃうの!?どんな、雇用形態をしているんでしょうね?つか、特権ですか?」

 

「ええ。まあ……流れない方も、居るには居ますが少ないですね」

 

特権と言っても、『俺は神なんだぜ?』と威張る事とか?ああ、いや……それをやると、嬉々と飛んで来る人達がいますねw。断罪だ!死だ!と、狂った馬鹿を刈る狩人達がワラワラ現れて突撃して来るだろう。彼等は、何故か【神】を名乗る者に厳しい。

それじゃ、何を特権にしてどんな特別待遇を求めるのかな?人間社会だと、アルバイト=【神(仮)】から正社員=【真・神】に成るとして得られる特別待遇と言えば給料UPと社会福祉関連だけど……神々の世界に、そんなシステムがあったとしても世界(支配世界?)を捨ててまで《旧・神族》に流れる理由にはならない。動機が、弱すぎるからだ。

それだと、別に何かがあると思った方がシックリ来る。

しかし、神々の社会に詳しくないので正社員化が良い事だと思えないのは……師匠の邪悪な笑顔が、頭を過るせいだろうか?視線を、師範代達へと投げ掛ける。

 

「……特権ですか?それなら、《旧・神族》が今まで行って来た事を思い出して下さい。それが、答えになりますから……」

 

「はぁ?それだと、神々が人間を下に見ていると言ってる様なモノだろう?つか、むしろ玩具にしてましたね……」

 

「ウム。それが、理由じゃの。正規神へ至った者は、下界の者を見下し玩具にする事を常に願っているからの」

 

「何故ですか!?そりゃ、それが《旧・神族》だからと言われれば納得するけど……ちょっと前まで、アルバイトだったんだぞ!?何故、そんな心理状態になっているんですか!?」

 

「兄様は、一つ大きな勘違いをしておるの」

 

「【神】は、確かにアルバイトではありますがそのアルバイトをしているのは()【神見習い】なのです。そして、《神殺し》により【神見習い】の【神】への昇格は制限されているのですよ」

 

「【神】への昇格を制限?」

 

「はい。この制限が無ければ、世界を納め続けるだけで【神見習い】は【神】へと昇格します。まあ、大半は心半ばで心折れたり闇堕ちして《神殺し》に断罪されたりしますけど」

 

【神】に成るって、そこそこ大変な事だったんだな。

まあ、俺はそんなモノには成りたく無いけど。

つか、師匠と敵対フラグとか嫌過ぎるし……それに【神】=最強とか、【神】=全知全能ってのは何か違う気もするからなぁ。努力もしない最強とか、舐めてるんですかねぇ?

ああ、いや……それなりの努力は、してるんだろうけど基本的に至れば【最強】と称される存在には成りたく無いだけだ。それに、卑怯者には成りたくもないからな。

 

「………………ずず……うま!?」

 

冷たくなった、お茶を啜り喉を潤してペロッと唇を舐める。あるぇ?このお茶、いつからここに置いてあったのかな?なんか、凄まじく味雷に突き刺さるんですけど?

ハッとして、振り返れば師匠とユーリが居て……何故か、ティーポット片手にニヤリと嗤っている悪魔が一人。止めて!!この場で、師匠の料理中毒再発とか洒落に成らないんですが!?つか、湯飲みをペロペロとかしたくないんだけど!?と思ったのもつかの間、翼が一心不乱に湯飲みをペロペロしているのが視界に入って来た。ああ……既に、時遅し。翼は一足先に師匠の魔の手に堕ちていたみたいだ。

そして、理由が不明だけれど……俺も翼も、師範代達が見守る中湯飲みをペロペロするハメとなる。マジ、シリアス話の後にこういう絵面の悪い状況を作り出した挙げ句、放置するのは止めて頂きたい。

つか、ペロペロは止めろ!!

 

 

 

 

 




最後、唐突に双夜が現れて悪戯されて終わったけど……意味的には、シリアスブレイカーをやっただけです。短縮している分、ずっとシリアスなのは辛いと感じたので話が一段落した所で差し込みました。ハハハ( ´∀`)。

とりあえず、次は保護したホムンクルスのお話ッスね。彼女を造った転生者は、テオルグ達が消滅させてしまったのでややっこしくなっています。因みに、ベースは高町なのはとなっているので翼が……ああ、詳しくは省いとこうかw。何はともあれ、次からは荒れるんじゃね?wwwww


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【鮮血の】が作った、例のVRMMORPGについての捕捉?
というか、PK&PKKの仕様説明?

一応、出来る事は出来ますね。そういうと、何やら不穏な気配が漂って来る感じになりますけど。ええ、不穏真っ只中の仕様……というか、説明になります。
VRゲーじゃ、お馴染みのPKですが……【組織】のVRゲーで、そんな事をするとリアルで反撃されるので誰もやりません。顔バレな上に居場所までわかってる状況ですよ?誰がPKなんてやるんですか!?普通に、殺されるし……最悪、悪質に付け狙ったりしたらその《神殺し》の奴隷へ昇格しますよ!?ぶっちゃけ、ゲーム内PK=リアル奴隷ですが、何か?特に、女性《神殺し》を付け狙うと……最悪、人生の墓場に没入します。女性《神殺し》……付け狙うPK(ストーカー)=私の事、好きなのね!!って話になるので……。
つか、乙女ゲーがそういう場になってるって言ったじゃないか!!何故、ストーカープレイなんてやったんだよ!?勘違いされた上に、能力が上だと逃げられまてん(震え声)。
なので、みんなPKはヤらないんですよ。割に合わないプレイですからね。ええ、リアル的に!女性《神殺し》は、基本強い(能力的に)からリアルが死滅します。振り回されて、色々と面倒な話になるので誰もPKはしません。PKが居ないので、当然PKKも居ません。以上、【鮮血の】が作ったVRMMORPGのPK仕様についてでした!!

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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