絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三八ニ話

Re:

 

 

《Gravity Dead Hole》ですが……使えませんでした。

ヘタレと言いたくば、言えば良い!!だがしかーし、Retakeになるとわかって居ながら使う馬鹿は居ないんだよ!こう言うのは、使えるけど使わないからこそ抑止力になるんだ!!

という訳で、充填された膨大な魔力を発散させる為に色々振り回していたんだけど……最終的に、暴発しました。

そりゃ、そーですよね!そもそも、真名解放をする為に溜めた魔力なんだから解き放つのが通常。それを、Retakeしたくないからと留めていたら暴発しても仕方がないって話だ。ホント、師範代達には頭が上がらない。暴発したエネルギーを、海側へと逃がし街やアミューズメントパークへの被害を最小にしてくれた。その余波で、津波が発生したみたいだけどそっちは属性フレールくん達が何とかしてくれたらしい。いやー、本当に申し訳ない。まさか、あれ程のエネルギーが生じるとは思っても見なかったよ。

流石、【組織】謹製の《神殺し》専用武具である。

その結果、リンディさんからひっきりなしに連絡が来ているけど……気にしない。気にしない!

周囲の巨大ロボットは殲滅されてなのはさん達はユーリとイリスを追い掛けて行った。ソロソロ、王様やキリエを保護して拠点に戻っているくらいか?この後は、ユーリが残してくれた真実と言えるあの過去を知るのだろうが……俺は、そっちへの干渉は無しにしてもう一つの懸念事項を潰す為に動き出す。

要は、群大イリスを原作組にお任せして俺は一人衛星軌道上にあるキラー衛星を叩く!ぶっちゃけ、アレを壊せばこの後の交渉やなのはさんの負傷とか諸々なんとか出来る訳だからな。師匠や師範代達には、叱られるだろうけど……俺は、ハッピーエンドが好きなんだ。だから、悲しみも痛みも涙も要らない。

 

「重力反転……さて、空に()()ますか……」

 

イレギュラーのフォローは、凍真がやってくれるだろうから俺はこのまま衛星軌道上に上がって衛星キラーを叩く!それが、俺に出来る原作への反撃。『痛みと悲しみと最後の希望』なんて、俺が……俺達が、粉砕してやるよ!

 

「防御シールド……展開!」

 

前面に、鉄塊を展開して重力を操り空へと落ちて行く。

最初は、ゆっくり……そして、段々と加速していく。まあ、普通に物が重力に従って落ちるだけの方法だからな。その内、空気抵抗によって鉄塊が押され減速してしまうけど……許容範囲内だ。

俺に出来る飛行は、()()()()()という重力の法則に従った直線飛行のみ。故に、回避行動なんて出来ないので前面に盾となるモノを用意して落ちて行く事しか出来ない。それが、どれだけ狂気的な行為であるかは衛星キラーを守っている守護者からの攻撃を受ければわかるだろう。なんせ、ほぼ百パーセントの命中率だからな!!笑える程、ガンガン当たり捲るぜ!?

そもそも、落ちて行く以上どうしても回避するという行動は緩慢的な緩やかなモノにしかならない。そりゃ、【俺】という個人の安全を排除すれば何とか鋭利に回避出来る事は出来るんだぜ?

超重力で、超加重移動をすれば回避くらいは出来るからな。だが、それだと【俺】の内臓が持たないと思うんだよね。最終目標が、キラー衛星の排除である以上、回避行動による内臓破壊シェイクとかはしたくない。そうすると、安全圏レベルの重力操作による回避は捨ててしまうしかない訳だ。最短で、真っ直ぐ、一直線に移動した方が速く目的を達成出来る。よって、俺が取るべき行動は眼前に防御シールドを用意し、更にその先に円錐状の鉄塊を展開して攻撃を受けつつ突き進むだけだ。

鉄塊が、敵のビーム(?)兵器を妨げ……それによって、鉄塊が融けたとしても次の鉄塊が順次展開できる状況を作り出して置けば問題ない。幸い、順次展開には『王の宝物庫』を使って引っ込めたり出したりするだけなので問題はなかった。

後は、敵前に至るまでそれを繰り返し……敵前に至ったら、今度こそ《Gravity Dead Hole》を穿ってキラー衛星を消し飛ばして作戦終了である。俺に出来る事なんて、そんな単純な作戦だけだ。

作戦と言うのも烏滸がましい、ただの馬鹿がちょっと考えれば思い付ける突撃戦法。これ、後で絶対怒られるんだろうなぁ。

だけど、俺が出来る範囲で誰も傷付けず傷付かないハッピーエンドを向かえるにはこれくらいしか思い浮かばなかったんだ。

若干、一人だけムッチャ怒る人が居そうだけど……不老不死の人外だからこそ、取れる作戦もあるというモノだよ。

まあ、それを口にするなら問答無用でビーム兵器を回避して突撃した方が何万倍も簡単なんだろう。《超速再生》に全てを丸投げして、ただ進むだけなら重力を反転させるだけで事足りる。後は、傷付こうが頭が撃ち抜かれバラバラにされ様が気にせず空に落ちれば良い。

 

「……でも、それじゃぁ意味が無いんだよなぁ……」

 

師匠が居れば、本当に痛みも苦しみも悲しみですら存在しない未来が得られるだろうけど。

でも……今、師匠は居ない。

ガン!ゴン!と、不思議な音が聞こえて来るけど……それ程、不安に思う事は無かった。師範代達による、いつもの扱きに比べればこの程度の不安など可愛いモノだ。まあ、それなりに耐えられないと不味いので円錐状の塊にした訳だけど……正解だったのかな?それを、防御シールドで押して進む。空気抵抗によって、鉄塊が減速するのでそれを防御シールドで押しつつブースターに点火する。宝物庫から、ブースターが出て来た時は呆れたモノだったが……どこまで、先を読んでいるんッスかねぇ?あの人。

 

「ブースター、燃焼ぉおおぉぉぉ!!」

 

だから、鉄塊は俺よりも大きくても問題無し。空気抵抗を受け易く、加工も簡単に出来るそれなりの大きさを持って作られたそれは本当に善き盾だった。多少の減速は、仕方ないけど……これが、ベストだろう。そして、端末に何故か常備されていたサーモグラフィーとか……マジ、なんなんッスかね!?お陰で、引っ込めるタイミングを間違えないから良いけど……あの人外達が、怖くて仕方がないんッスけど!?どこまで、未来を見通しているんだ!?

もしかすると、そういうのではなく適当にこれくらい作って置けば何とかなるとかそういう風に作られたのかもだけど……それにしたって、重宝し過ぎっしょ!?なんで、適当に作ったモノが必要なモノになったりするんッスか!?

マジで、未来を見通しているみたいで怖い。未来予知に匹敵する、未来予測とかスゲーとは思うけど怖いので止めて欲しい。まあ、兎に角……そのお陰で、予定よりも早く衛星軌道上に着きそうだけど。

だが、まだ足りない。最終的に憂うぐらいなら、準備に余念なんて残したくはない。王の宝物庫へ、空気の取り込みを行いつつ宇宙空間へ出た際の用意を進める。宇宙線やガンマ線は、魔力を纏う事で何とか出来そうだけど空気が無いのはちょっと難しい。

そりゃ、呼吸が必要のない不老不死だけど魂まで刻まれた習慣は早々止められるモノでもない。故に、酸素ボンベもあるけど空気の予備は多い事に越した事はない。つか、入っているんだろうか?

今一、王の宝物庫は仕様が不明な所があるからなぁ……空気のストックが、可能なのかわからない部分である。

 

「あ、ブースターの燃料が切れた……?」

 

とりあえず、もう役立たずに成り果てたので宝物庫の方へ収納してしまう。というか、燃費悪いんじゃね!?何かの、試作機だったのかな?でも、SAOモドキ世界で何の試作機を作るってんだろう?【鮮血の】さんの考える事が、全くわからなくて疑問しか湧いて来ないんだが……てか、良くあんな何も無い世界でこんな物作れたなぁ!?そっちの方が、スゲーと思えるわ!!そうこうしている内に、目的地である衛星軌道上に到着した。そして、ちょっと無茶ではあったが魔力噴射や重力操作でキラー衛星を守っている守護者の攻撃を回避して正面へと移動する。

原作では、ここでなのはさんが対話を求めるけど相手が応じない事はわかっているので剣への魔力供給を最大にした。それにより、追加された真名解放システムが起動して《Gravity Dead Hole》を使える状態へと移行する。

それと、魔力飽和によりフワッと剣の精霊が俺に寄り添う様に現れ……剣の形状が大きく変化して行く。これが、いずれ俺が自分の意思で変化させれる様にならなければならないのかと思うと気が遠くなる。そもそも、専用武具の形状は第一封印状態でロングソードみたいな状態で固定されていた。なんでも、最初からバーストモードだと周囲に与える被害が洒落に成らないんだそうだ。だから、常に封印状態にされていて精霊の成長と担い手の技量。それから、闘争心によって本来の姿を解放するのだとか……そこそこ、難易度高けぇ。

 

「魔力、充填……完了!」

 

眼前に、鉄塊を複数展開してバリケードを厚くしていく。

宝物庫から供給される空気も有限だ。浄化系の魔法で、空気を浄化するのにも限界はあるから何としてでもこの一撃で終わらせたいけど……微妙に遠いし、敵からの猛攻に少し押され気味だ。

だが、負ける気はしねぇ!ただ、問題は……手加減が効かないという所だろう。どれだけの被害になるか、全く予測が付かないが……ここが、衛星軌道上で敵が居る方向が外宇宙である事が幸いした。何も無い空間に向かってなら、何も気にする事なく吹き飛ばせる!!行け、《神殺し》が創り神造武具!!

 

「……《神滅・重力崩壊(ホール・ダウン)》!!」

 

解き放たれたエネルギーが、周囲に散って一瞬の間が空いて失敗したかと思った。だが、直ぐに守護者とその背後にあった衛星砲に黒い穴の様なモノが生じ次の瞬間……ゴバァ!!っと、ブラックホールの様なモノが広がって一気に収束して行く。

 

「おや、小規模?」

 

予想とは違った状況に、首を傾げたけれどそんな事は無かった。最初こそ、小規模なモノだったけど……その後に始まった、鬼畜とも思える大暴走にドン引きです。それは、ブラックホールなんて目じゃない。つか、空間が反転して行く。世界に孔が空いて、そこからひっくり返えされて行くかの様に広がって行った。

流石、神を殺す者が造った咎人の武具。超常現象とか、物理外法則を遥かに越えた現象が目の前で起きているのはわかるのだが……何が起こっているのか、それは全くわからない。だが、俺の直感が最大レベルで警告してくるのである。それによって、本能が全力で逃げ出そうとするのを何とか理性で抑えてはいるけど……これ、ヤバ過ぎだ!!捩れてる。捻れて、捩れた歪みが引き伸ばされて行く。それに捕らわれたモノが、グチャグチャに潰され壊されて行くのをただ見ている事しか出来ない。これでは、どんな存在でもどんな絶対的防御を持っていたとしても助かるハズがない。そう、思わせるレベルの崩壊だった。

 

「おいおい……そりゃ、神を殺す為の武具だからこれくらいはしなきゃ成らないんだろうけど。ヤバ過ぎだろ!?」

 

そして、何もかも破壊尽くした後は元から何事も起きて無かったかの様に全ての状態を元に戻して消失して行った。え……ちょ、全く影響とか残らないのか!?マジで!?あんな歪みを発生させたと言うのに、その影響を残さず消滅した!?あり得ねぇ!!

普通なら、空間の歪みは数ヶ月は残って当然なのに全然影響が見られないなんて……最早、流石としか言いようがない。これが、《神殺し》が造った神を殺す為の武具!!

 

「ん?……お?」

 

そう言えば、衛星砲を守っていた守護者はどこ行った!?

物語では、衛星砲が破壊された後に自爆攻撃でなのはさんと共に爆発してたけど。周囲を見回すが、衛星砲の残骸も無ければ守護者の姿形すらない。つか、残骸も残らなかったのか!?え……まさか、全部あの歪みに呑み込まれた!?……そうか、異相空間に呑み込んで破壊する系の効果だった訳だ。剣に視線を向ければ、封印状態に戻っていてどこからどう見てもロングソードにしか見えなかった。こっちもこっちで、あれだけの魔力を充填したにも関わらず全く影響が残っている様にも見えない。

 

「はぁ……物理外、理知外、ありとあらゆる法則を越えた攻撃か……これでも、十分小規模な扱いになるんだろうなぁ……」

 

多分、俺が武具に込めた魔力が少なかったからこの程度なんだろう。もし、魂倉一つ分の魔力を使った場合なら、次元一つくらい簡単に消滅させる事が出来るだろう。だが、今回俺が使った魔力量は俺自身が一日で生成できる魔力の半分程度。それで、この威力だと言うのだから恐ろしい。込める魔力量で、どこまでも破壊力が増すこの武具の力を考えるとおいそれと使えるモノではない。

 

「マジ、宝物庫の奥で眠らせて置きたい……」

 

こんな、超危険武具もう二度と使うモノか!と、封印指定遺物扱いでまたも俺は王の宝物庫の奥へと剣を押し込んだ。まあ、神との対峙であれば使っても良いだろうけど……対人戦闘には向かない事がヨークわかったからな。

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

さて、今から戻れば最終決戦に間に合うだろうけど……どうしたモノか?戻らなくても、彼女達なら黒幕を捕まえ事件を解決に導けるだろう。だが、幼い少女に丸投げするのも気が引ける。それに、俺はまだ《アクセラレーター》を実戦で使ってはいない。

もう少し、使用データが欲しい所だが……と、またリンディさんからの連絡が入って来た。あ……着信履歴を見れば、数十件単位でリンディさんの名前が並んでいる。まるで、すt……いや、病n……兎に角、状況を確認したい事はわかるので出てみた。

 

『……漸く、出たわね!貴方、今、何処にいるの!?』

 

「衛星軌道上で、あちら側の『保険』を処理してました」

 

『保険?』

 

「衛星砲ですよ。鳴海市周辺諸とも、消し飛ばせるレベルの兵器があったんです。それを破壊しました」

 

『なんですって!?』

 

「もう、大丈夫です。それより、黒幕は捕まえれそうですか?」

 

『黒幕……神崎くん?貴方、色々知っていそうね?』

 

「知っていますが、まだ黒幕は出て来てないんですか?」

 

『割り込み失礼する。神崎、黒幕とは誰の事だ!?』

 

「ふむ……イリスを造った人物。惑星再生委員会所長……フィル・マスクウェルですが……?」

 

成る程、まだ当人が出て来てないのか……なら、仕方がない。等と、ウィンドの向こう側で様々な人々が騒いでいる中……現実逃避した俺は、ゆっくりと生身での大気圏突入を実行する。つか、敵側にも衛星砲をブッ壊した事は伝わって居るだろうから警戒して欲しかったんだけど……無理そうなので、俺も地上に降りて黒幕捕縛に協力する事にした。というか、今どのチャプター辺り?

出来れば、皆出撃した後だとありがたいのだけれど……色々、すっ飛ばしているからなぁ。もう、『原作どこ行った!?』状態なのは否めない。その上で、彼等はこの戦いに勝たねば成らないんだけど……勝ち目は、無くなってしまいましたよ?

 

『神崎くん!?彼は、今どこに!?』

 

「まだ、イリスの中か……ロールアウト寸前じゃね?」

 

『イリスの中とは、どういう意味だ!?』

 

「えー……脳髄に高出力スキャンして、人格プログラム化してるんじゃ無かったっけ?現在、ダウンロード中?」

 

『…………何故、もっと早く言わないんだ!?』

 

「干渉する気が無いからな。小出しにするよ?もちろん……」

 

『干渉?それって、どういう意味かしら……』

 

さあ、どういう意味かなぁ?っと惚けつつ、俺はディアーチェ達が戦うアクアブリッジに来ていた。街の中心部は、管理局の白い悪魔&武装隊にお任せして俺はユーリを確保するべく動く。

まあ、一番確保したい人物はユーリでは無いんだけどね。

出来れば、フィル・マスクウェルを確保したい所。

だがしかーし、何故か一歩遅くユーリを連れ去られた後と来たもんだ。これが、世界の修正力というヤツか!!何が何でも、痛みと悲しみを強制したいらしい。とりあえず、ディアーチェ達を回収してシャマル先生に押し付けた後、慌てて東京駅に直行したけど誰も居なかった。本来なら、ここで黒幕の正体が暴かれて戦闘へと発展するのだが……本当に、後手後手に回っちゃってるんだよね。

まあ、衛星砲はもう存在すらしてないけど。でも、それだけしか先回りが出来て居ない。チクショウ!!兎に角、誰でも良いから見付けないと介入すら出来ないのでマジ困るんですけど!?

とりあえず、近場で戦闘をしていると思われる方へ向かって行く。

すると、機動兵器に乗っていると思われるユーリと逃げ回るフェイトを発見した。更に、スカイタワー方面にはやても発見。一瞬、迷いはしたけど……はやての方へ行っても、俺が手伝える事は無いのでフェイトとユーリの間に割り込んで蹴り飛ばしてみました。

うん。ほとんど、ダメージは無さそうである。蹴った感覚も、何かしらの手応えも無くただ行動を阻害しただけに終わった模様。

まあ、ユーリを倒すのは俺の役割じゃないのでフェイトになのはさんの方へ行く様に言ってユーリは俺が引き受ける。フェイトの後ろ姿を見送って、適当にユーリの相手をしていたらカラフルな翼を展開したディアーチェが来たので後は任せてフェイトの後を追う。流石に、フィル・マスクウェル側に荷担している転生者は居ないだろうから、イレギュラーな展開を気にする必要はないのでゆったり進んでいると……何故か、《ブラストカラミティ》を耐えきったフィル・マスクウェルの姿があった。

ちょっと、イレギュラー過ぎるだろ!?

理由は不明だが、原作よりも強化されていたらしいフィル・マスクウェルが、ニタリと邪悪な笑みを浮かべ慌てるなのはさん達の元へと突っ込んで行く。ぶっちゃけ、そんな改変はノーサンキュウなので俺も《アクセラレーター》を発動させた上に《神速》と《瞬動術》も上乗せして割り込みカウンターで木端微塵にしてやった。ザマァ!!つか、これ……俺が、衛星砲を先に潰した結果の強化とかじゃねぇだろうな!?だとすると、世界の修正&強制力ってのは中々侮れないモノに成りうる。

師匠なら、それももっとスマートに抑えてくれるけど……俺には無理だ。ただ、今回は尻拭いが間に合ったので良しとするが中々気の抜けない因果である。何はともあれ、これにて一件落着なので額の汗を拭う様な仕草をして終わりとした。

その後、衛星砲を材料に交渉を持ち掛けて来たフィル・マスクウェルだったが……既に、衛星砲自体が無くなっていたので交渉は成立せず。なのはさんもアミティエも、宇宙に上がる事なく平穏無事に事件は解決した。俺は、それを見届けた後コッソリ拠点へと戻ろうとしたのだけれど……何故か、武装隊の皆様に囲まれ時空管理局へ御招待される事になる。しかも、逃げ様にも右腕にシグナムが絡んでいて、左腕にはリンディさんが絡んでいるので抜け出せそうも無かった。だが、少し待って欲しい。こんな状況を、とある仲間に見られると俺の明日が来ない可能性があるんですが……勘弁して貰えないッスかねぇ!?いや、割りと本気で!!

そりゃ、俺から色々と事情を聞きたいのはわかるんですが……この状況は、色々とヤヴァイんです!!ほら、師範代達が嬉々として翼さんを呼びに行ったではありませんか!?マジ、放してぇ!

そんな風に思った時には、既に遅かった。

 

「かぁんざぁきぃいいぃぃぃぃ……」

 

ほら!地の底から、響いて来るかの様な声が聞こえて来るではありませんか!!糞。思わせ振りな事を言ったが為に、まさかこんな状況に貶められるとは……考えても無かったよ!!しかし、両隣から与えられるムニュ、モニュっという感覚は俺を拘束するのに絶対的な強制力を与えて来る。わかってはいるのだ。

早くしないと、俺の両隣に居る人達にとんでもないトラウマを植え付ける事になる事は。だが、この魅惑的な誘惑を振り払ってまで逃げたいかというと……そうでも無かったりする。このまま行けば、翼によって暫くの間お肉が食べられなくなるトラウマを得るだろうけど……今後、また拘束されて尋問を受ける事になる前にこんな事をすると地獄を見る事になる事を教えねばなるまい。

 

「ウェルカーム♪」

 

ゴッブシャッ!!

 

「ひっ!?」

 

「…………!?」

 

強制離脱!!翼の一撃により、上半身を木端微塵にされた俺は臓物を撒き散らしながら辺りに散らばる。目の前で起きた惨劇に、手を放してしまったリンディさんとシグナムだったが、翼の更なる強行に唖然とするしかない様子。まあ、上半身が木端微塵になっているのにマウントを取って更に肉体破壊をする翼が狂人に見えて近付けないのだろう。まあ、俺でもそんな場面に出くわしたら逃げる。グロい上に、狂気じみていてマトモな人間なら近付こうとも思わないだろう。暫くして、翼の気が済んだのか解放されて再生が終わった俺は惨劇の後始末を始める。多くの人達が、遠巻きに俺を眺める中……高町なのはが、チョコチョコと近付いて来て話し掛けて来た。話の内容は、少し見なかった内に人間辞めてたんだね?というモノ。だから、兼ねてから企んでいたネタを披露してみた。まあ、『師匠と御揃いだぜ!』っていうおかしなネタだったけれど……暫く、笑顔で固まっていた彼女はかなり微妙な表情で『そう』と視線を逸らす。それは、どんな感情?

きっと、師匠の不老不死をネタにした爆散でも思い出してしまったのだろう。希に、使い魔と戯れて爆散ネタをやらかして周囲に人外である事をアピールする事があるんだよなぁ……師匠ってば。

今回の俺みたいに、爆散して再生して復活!ほら、俺化け物だろ?みたいな流れで人外アピール。それに、どんな意味があるのかわからないけど……割りと波紋を広げて周囲を寄せ付けない様にしたりする。まあ、原作人物達は物怖じしないのでガンガン来るけどね。お陰で、師匠の方がタジタジである。もしくは、不老不死になりたい馬鹿を炙り出す切っ掛けにもなるんだが……直ぐに殲滅されるんだよなぁ。真っ向から、悪者を排除する者が原作人物達で……裏から手を回し、行方不明とか暗殺とかは使い魔達がコッソリやらかしている。一応、行方不明になった者を探す事はあるけれど……基本的に見付からない。見付かったとしても、記憶が無くなっててズタボロになってるとか、物ごいとしてスラム堕ちしてたりするのでわからない事も良くある。一番ヤバい時は、犯罪者が収容される使われていない隔離牢に入れられている時もあった。ぶっちゃけ、施設の設備に電源が入っていないから食事もさせて貰えず死に掛けている事がある訳だ。せめて、稼働している牢屋に入れてくれませんかねぇ!?と思わずにはいられない。

 

「あ、師匠は未来で待ってるッスよ?」

 

「…………そう、なの?」

 

「もう、過去編に関わり合いたくないそうで……俺達が、使い回されてるよ。文句は、桃子さんに言ってね?」

 

「にゃははは。それ、今のママに言っても意味が無くない?」

 

「そッスね。でも、幼児の疑似人格が消し飛んで裸の女性に追い詰められても幼児化はしなくなったぞ?まあ、ひたすら怯えてはいるからトラウマは消えてないみたいだが……」

 

「あー……そっかぁ……それじゃぁ、仕方がないかなぁ?」

 

「あれ?師匠のアレが、疑似人格だった事に驚かないのか?」

 

()()に来る前、アリサちゃんと別の軸で再会したんだよ。それで、色々教えて貰ったの」

 

「こっちが、把握してない所で再会したりしてるのか!?」

 

「してるよ?双夜とは、再会してないけど……アリサちゃんやシャッハさん、カリムさんにも会ったかな?」

 

「八神はやては!?ユニゾン状態な外見で、王様みたいな喋り方をする八神はやてに会わなかったか!?」

 

「………そう、君の差し金だったんだね?」(ニッコリ)

 

「違います。師匠が、見分けが付かないからとやらせました!」

 

ニッコリスマイルで、額に青筋を浮き上がらせるなのはさんが怖いので正直にチクって置きました。

つか、『なのはさん』だぞ!?『なのはさん』!!犯罪者達も真っ青なエース・オブ・エースにして管理局の白い悪魔!!そんな方が、額に青筋を浮かべニッコリスマイルを向けて来たら正直に話した方が得策だろう。悪意が無かったとは言わないが、『なのはさん』に睨まれて話さない者はいない。後で、師匠に爆散させられる事になっても俺はこう言うチクリを止めないだろう。

 

 

 

 

 




とりあえず、サラッと原作扱いの劇場版『Reflection』と『Detonation』をお送りました。多少、結末だけがちょっと違うけど概ね原作と変わらない感じですかねぇ?まあ、YouTubeでやってたのでそれを見ながら書いたので流れは違わないパズ。最後、なのはが傷付くシーンはガチ泣きしました。なので、衛星砲は先に破壊。ついでに、真名解放も御試ししました。一応、神を殺す為の武具で人造兵器排除をさせましたが……二度と使わないぞ!!と言っておられるので神崎君が練習などで使われる事は無いかと思われる。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

作者の~どうでも良い話(笑)。

死亡フラは、見る度にopで泣き本編で号泣するので視るのを諦めた。面白いけど、作者には無理そうです。録画して、大丈夫になった頃に視ます。今は、ムリ!

さて……話は変わりますが、もし本気で異世界に転生するならVRがある未来世界に転生したい!!もちろん、得られる特典があるなら【健康】で!その上で、VRMMOというジャンルのゲームがある世界に転生したい!!つか、VRがやりたいです。下手くそでも良いので、VRを体験したいという欲望いっぱいな転生がしたい!!皆さんは、どうですか?近未来世界より、バリバリのファンタジー世界に転生したいですか?作者は、そういう世界はノーサンキュウです。そりゃ、魔法というモノにはとても興味が引かれますが……死な安な世界よりも、近未来世界で安全?に異世界体験がしたいですねw。ええ、運動苦手だし……そりゃ、【健康】というスキルが得られるなら行っても良いかもだけど、得られないなら近未来世界を選びますね。いや、得られても近未来世界の方が良いかもしれません。男のアレが、使い物に成らなくなる前に死にたくはないですね。まあ、そういう望みを持ってる時点で叶わないのはわかり切ってるんですけどね。この物語の設定に当てハメると……問答無用で消滅か、運良く転生できたとしてもノー特典でファンタジー世界行きかなぁ?もしくは、ノー特典で人外転生とか?
いずれにしても、望んだ通りにはならないだろう……という結論w。一番、可能性があるのは人間以外に転生するってヤツだな。そして、記憶を取り戻せるかはわからないけど……戻った場合、『そんな、奇妙な扉(性癖)は開けてないのぉー!!』と悶絶してるかもw。良くて、ケモナー(未開封)。最悪、虫(未開封)&魚類(未開封)。ギリ、爬虫類(未開封)って可能性も!?植物に知性はないとして……微れ存があるのは、未発達であっても脳髄がある生物か。モンスターの可能性も捨て切れないのでかなり不安だなw。でも、『〇〇の扉は、開けてないのおおぉぉぉー!!』と悶絶する可能性は大。つか、そんな性癖あるのか?ありそうだなぁ……(遠目)。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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