絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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生活が苦しい転生者達を差し置いて、テスタロッタ家に居候の身の如月双夜。なんていうか……鬼畜だなぁ……。

踏み台システムについて捕捉説明。
双夜出現までは、停止状態になってます。
双夜が出現すると、起動しますので原作中はちゃんとした人間関係を作らないと……嫌われます!下手に勘違いしてたり、都合主義よろしく省略したりすると普通の反応が返ってきます。不信がられたりとか、怖がられたりとかw

踏み台くん名募集中!!
踏み台くんの名前だけでも良いのでくださいませんか?
踏み台もだけど……サブ登場人物の名前も募集中です!


ニ六話

双夜

 

 

 

「で?どうだい……慣れてきたかい?」

 

 

テスタロッサ家での夕食時、俺はフェイトちゃんに記憶が安定してきたかを聞いてみた。

 

 

「???」

 

 

「いや、だから……姉と母親のいる生活にだよ……TAKE1やTAKE2上書き組は、結構大変じゃないかなぁと思って……」

 

 

とは言え、なのはママはTAKE1からTAKE3への上書きで……TAKE2のなのはママは上書きされてない。

神崎には、二股疑惑を周りに印象付ける為に上書きされた風に言ったけど……。あれは、捏造話しだ。

 

 

「そうだね……まだ、混乱する事もあるけど……大分慣れてきたかな?」

 

 

「神崎への感情は?」

 

 

「……ああ、それはもう無いかな……」

 

 

なのはママの精神・記憶比例が、TAKE1が8に対しTAKE3が2程度。フェイトちゃんも似たようなモノで、この世界での神崎に対する感情は友達レベルで完結している。

プレシアちゃんが、無言でガシッ!とガッツポースをしているが無視。それを見て、呆れているアリシアちゃんにちょっと同情してしまう。

今後あるであろう、彼氏紹介イベントは大変になりそうだ。

 

 

「そうか。なら、アリシアちゃんには……イイ人いないの?」

 

 

「ええっ!?い、いないよっ!!」

 

 

矛先が自分に向いて、驚きつつも慌てて否定するアリシアちゃん。さっきまで微笑んでいたプレシアちゃんが、俺の質問後グリン!とアリシアちゃんに向き直り目を妖しく光らせている。

 

 

「今、どもった!?……本当にいないのぉ?」←意地悪

 

 

「いないっ!!いないからっ!!」

 

 

アリシアちゃんの全力否定に、怪しさが爆発しているプレシアちゃんが面白過ぎる。何を想像したのか、顔を真っ赤にして怒ったり、真っ青にして悲しんだり……そして今は、アリシアちゃんが自分から離れていく時を想像して、その恐怖に怯えているのだ。なんて、弄りやすい人達なんだろう。

このネタでなら、いつまででも弄っていられそうだけど……耐性を持たれても困るので、微々たる程度で終わらせる。

 

 

「双夜には、いないの?イイ人!!」

 

 

話しの流れを変えようと、アリシアちゃんが俺の恋人話を振ってくる。それに、微妙な笑みで応えて「ノーコメント」とだけ答えた。

 

 

「ええっ!?教えてくれたって良いじゃない!」

 

 

「僕の力及ばず……死なせてしまった……」

 

 

『……………………』

 

 

アリシアちゃんが、目を見開いて固まってしまっている。

プレシアちゃんは、微妙な困り顔で額に手を当てて無言。

フェイトちゃんは、アリシアちゃんと同じだけど……TAKE2で聞いていたので、それ程大きなショックにはなっていないみたいだった。

 

 

「ご、ごめん!」

 

 

「別に良いよ……ほら、ご飯が冷めちゃうよ?」

 

 

「う、うん……」

 

 

アリシアちゃんが、ショボーンと落ち込んでしまう。

その様子を見ていて、急に『どうしてくれるのよ!?』的な視線を向けてくるプレシアちゃん。

ちょっと今、落ち込む娘に「萌え~♡」していたくせに……唐突に、こっちへ矛先を向けないで欲しい。

それに対して、〔僕が何を言っても落ち込ませるだけだろう!?〕と念話を送ると納得した顔で頷き、自分でなんとかしようと頑張り始めた。まあ、それは良いとして……今は、フェイトちゃんの話しである。

上書き組は、それぞれのTAKEと現在のTAKEの混合された記憶と人格がある訳だが……日が経つにつれて、ごちゃごちゃになっていくって訳じゃない。当然、日々の色々な想いや記憶も積み重なって行く訳で……TAKE1・2(2・3)が、完全な形では継承されないのだ。

その辺りの事を聞きたかったのだが、周りに聞かれたくなかったのか……当人すら、ソレに気が付いていないのか……どちらにせよ、後でハッキリさせなければならない。

【悠久】のメールは……専門用語が多くて、単語を解析しつつ読み続けてはいる。だが、内容……というか、容量的に見る限り、専門書レベルのページ数だ。単語一つを上げても、調べるのに【組織】のデータベースに一々アクセスしないといけないから時間が掛かってる。

だから、早々簡単に読み切れるモノでは無い。

それと同時に、世界の調整もしなければならないし……俺は今、とても忙しかった。だって言うのに、神崎には拉致られるわ(転生者会議)……食べなくても問題無いのに、夕食に連れて来られるわ……踏んだり蹴ったりである。

 

 

「そういえば、プレシアちゃんはフェイトちゃんに謝ったのかい?」

 

 

「え?何をかしら?」

 

 

「……未来での知識で悪いんだけど……フェイトちゃん、虐待されてたって聞いたから……」

 

 

「ーーーーー」

 

 

「…………わ、私は気にしてないよ!?」

 

 

「……………………ママ?」

 

 

「はいっ!!」

 

 

アリシアちゃんの呼び掛けに、ビクゥッ!!と反応して即返事までしているプレシアちゃん。

 

 

「どういうこと?」

 

 

「あ、いえ……その……………………」

 

 

しどろもどろになるプレシアちゃん。

とりあえず、煽ってみることにした。

 

 

「確か……『貴女なんて、生まれてきた時から【大嫌い】だったのよ!!』だっけ?」

 

 

「ーーーーー」

 

 

「へぇ……そうなんだ……」

 

 

「ひぃいぃぃっ!!」

 

 

アリシアちゃんの周囲の温度が下がって行く。

それと同時に、アリシアちゃんの口からドスの入った低い声が漏れて来た。

 

 

「アリシアちゃん、アリシアちゃん。大丈夫だよ!きっと、覚悟はあるはずだから!!」

 

 

「……覚悟って?」

 

 

「にゃはは。当然、【大嫌い】って言われる覚悟だよ。それが言えるって事は、自分も言われる覚悟をしているって事だからね。そうでないなら、そんなこと口にするはずがないさ……」

 

 

「ーーーーー」

 

 

「そうなんだ……」

 

 

真っ青を通り越して、蒼白……いや、白いプレシアちゃんがギギギッと錆び付いた様な動きでアリシアちゃんの方を向いた。アリシアちゃんの表情は、俯いているのでわからないが……滲み出てくる気配から伺う限り、怒っている様子だ。

フェイトちゃんが、隣であわあわ状態になっているが無視。

黙って様子を見る。

 

 

「ねえ、ママ?」

 

 

「は、はいっ!」

 

 

顔を上げたアリシアちゃんは、意外な事に笑顔だった。

それを見たプレシアちゃんは、ホッと息を吐く。

フェイトちゃんも同じだった様で、ホッと安堵の息を吐いた。しかし、俺の感情感知能力からは怒りの気配が消えていない事が告げられている。ああ、言うなぁ……と、思った時……アリシアちゃんが、ハッキリと告げた。

 

 

「ママなんて、大っ嫌いっ!!」

 

 

聖剣エクスカリバーが、プレシアちゃんのハートにザックリと突き刺さるのを幻視する。

そのまま、剣の重みでハートが真っ二つに切り裂かれて行った。プレシアちゃんは、無言のまま固まって目元からダバーと滝の様な涙を流し始める。

一瞬、死んだ!?とか思ったのは内緒。

下手をすれば、心臓も止まっているんじゃ無いかと心配するほどのダメージだった……とだけ、付け加えておこう。

アリシアちゃんは、プンスカ怒りながらリビングを出て行ってしまう。それを見ていた、フェイトちゃんがアリシアちゃんを追いかけて行く。

 

 

「……貴方、うちの家庭を壊す気なのかしら?」

 

 

酷く低く、怒気を孕んだ声が聞こえる。

思考が再起動して、今の状況を正確に把握したらしい。

その上で、元凶である俺に八つ当たりをしようという魂胆だろう。だがしかし、そんなことをしている暇はない。

 

 

「どうなの……?」

 

 

まるで、地獄の底から響いてくる閻魔の叫びの様だ。

 

 

「別に……気になったから聞いてみただけだけど?その様子だと、ハッピーエンドになったから放置しちゃってたみたいたね……でも、フェイトちゃんにはちゃんと謝って上げた方が良い。それでなくても、彼女はTAKE2の……君達を失った経験を持つフェイトちゃんなのだから……」

 

 

「…………言われなくても、わかっているわっ!!」

 

 

「いや、わかってなかったから、だから今まで通りだったんじゃないか!!」

 

 

「そ、それは…………」

 

 

「フェイトちゃんに、遠慮していたとでも!?ふざけんなっ!!遠慮してて、本当の家族って言えるのかよっ!!」

 

 

「貴方に何がわかるっていうの!?」

 

 

「知らねぇよ!!俺はそもそも、血の繋がった家族なんて持ってねぇんだからっ!!だけど、あんたは違うだろ!?今そこに、本当の家族がいるんだろ!?だったら、俺に見せろっ!!本当の家族ってヤツを!!こんな所まで来て、欺瞞に満ちた家族なんて見たくねぇよ!!」

 

 

「ーーーーー」

 

 

【真実の瞳】があるせいで、プレシアちゃんの気持ちやらなんやらが見えてしまうが……だけど、それ以上に俺は悲しかったんだと思う。どこまで行っても、どんなに遠くまで離れても似たようなモノしか見られない事がどうしようもなく自分と重なってしまうから……。

 

 

「……………………そうね。そうするわ……」

 

 

そう言って、プレシアちゃんはリビングを出て行った。

しばらくすると、ズガンッ!!と雷が落ちた様な爆音が聞こえる。その直後、悲鳴と怒声が聞こえ始めた。

 

 

「……防音結界展開!」

 

 

後、修復術式と防護術式を展開。

暴れるなら、暴れるって言っておいて欲しい。

ちゃんと言っておいてくれたら、最初から完璧にサポートできたのに……全く、母親も大変だね。

 

 

「煽った僕の台詞でも無いけど……」

 

 

だからと言って、家族ごっこを見に来た訳じゃないので煽って煽って爆発させてみた。当たり障りのない関係って、凄く上っ面的な関係にしか見えないので鬱陶しくてかなわない。

さて、仕事に戻りますか……とは言え、分割&マルチタスク的にはフル回転で仕事中だけどな。

 

 

「全く、死者蘇生なんて……普通なら、数十年かかる修正だぞ……死を回避するなら兎も角……蘇生って……」

 

 

既に、プレシアちゃんと夜天の魔導書に関しては修正完了している。だけど、アリシアちゃんに関しては……まだ半分にも満たない。できるなら、サックリ終らせて【転生者】の方をなんとかしたいのだが……なんとも、予定通りには行かないモノだ。

 

 

「嫌になるね。どんなに力を得ても……現実ってヤツは……」

 

 

例え、【組織】の上層の奴等だったとしても、現実ってヤツには勝てない。【神】すら、早々簡単に殺せる訳でもないし……ましてや、世界を滅ぼせる訳じゃない。

世界の中に入れば、こうして弄ばれる始末。この運命を掌の上で弄んでいる【神】を見付け出し、無力化しない限り……この時間稼ぎは続くだろう。全く、面倒臭い話だ。

 

 

ーーー……おや?静かになったみたいだが……プレシアちゃん、返り討ちになってないよね?

 

 

アリシアちゃんに、「嫌い嫌い大ッ嫌い!口も聞きたくないわ!」とか言われたら燃え尽きてしまいそうだ。

まあ、そんなことを言う様な子では無いけど。

そんなことを思いながら、用意された部屋に引き込む。

部屋に戻り扉を閉めると、視界が……世界が、変化した。

どこぞのマンションの一室ではなく、世界を調整する遺跡の様な場所に変化する。ゲノムツリーに世界の基礎・規律・基板……神秘の術式に魔法の方式やら何やらが直立し、それぞれが反応しあって世界が鼓動していた。

そう、ここにある全てが世界を構築しているモノなのだ。

一つでも狂えば、世界は成立しなくなってしまう。

PC的にいうなら、エラーまみれになってフリーズするようなものだ。リセットしたところで、原因を排除しない限り同じ事の繰り返しである。

なら、調整してエラーではなかった事にしてしまえば良い。

そうすれば、原因を排除しなくても問題無いって訳だ。

人間一人分の調整だ。普通なら、自動修復で何とかなっただろう。だが、26年間も死んでいた事になっていて……その上で、蘇生されたとなれば話は別だ。

世界との齟齬は、自動修復ではどうにもならず……そのエラーは世界すら蝕むモノとなるだろう。

 

 

「面倒だ……凄まじく、面倒臭いっ!!」

 

 

神々の時間稼ぎ。

俺の事は、TAKE2を繰り返した事でバレているから……蘇生されても、アリシアちゃんの修正はされていなかった。

このまま、放置していればいずれ世界の構築式にまでエラーが及び、この世界は終っていただろう。

因みに、『終わる』というのは比喩であって本当に終わる訳じゃない。世界が、壊れて無くなるなら問題はないのだ。

まあ、簡単に言うと……《旧神族》のいる世界と繋がって、玩具にされてしまう。世界がちゃんと動いているならば、【蓋】が閉まっていると【あの組織】の彼等が言っていた。【蓋】というのが、どういうモノで何なのかはわからない。ただ、それが閉まってないと《旧神族》に見付かってしまうらしいのだ。

見付かると、奴等と気が付いた【彼等】との泥沼試合の始まりだ。殺るか殺られるか……ガチンコバトルの戦争である。次元が消滅しても終わらない、どちらかを殲滅するまでが遠足……じゃなくて、戦争!!!

笑顔で、戦争♪、戦争♡と言いながら武器を持って戦場に出撃していく【彼等】が目に浮かぶ。

 

 

「ヤバイ……《旧神族》が、殲滅されていく光景しか思い浮かばない……」

 

 

実際、笑顔の【彼等】が《旧神族》を殲滅する戦争しか経験が無かったりする訳で……ガチンコバトルのはずなのに、弱者をいたぶる悪魔……もとい、悪人達の姿しか思い浮かばなかった。

 

 

「双夜。夕食、再開しよ?」

 

 

「……栄養剤で済ましました……」

 

 

「ダメだよ!?ちゃんと、食べないと!!」

 

 

いつの間にか、俺を探しに来たフェイトちゃんが隣にいた。ちょっと、驚いたけど適当な事を言ってかわそうとして……部屋の外へと引き摺られて行く。

 

 

「これ以上は、太るからっ!!マジ、太るぅ!!」

 

 

「運動すれば、大丈夫だよ!私も付き合うからっ!!」

 

 

「フェイトちゃん、太ったの?」

 

 

「…………違うよ!?私じゃなくて、双夜がでしょ!?」

 

 

「ゴメン、僕太らない体質なので……」

 

 

「え…………」

 

 

フェイトちゃんが、僕の発言に固まった。

ブツブツと「太らない体質……」を繰り返しているけど、夕食には連れて行かれてしまう。「太らない体質なら、食べられるでしょ?」とアリシアちゃんに言われてしまったからだ。

 

 

「……チッ……」

 

 

うっかり、舌打ちが出た。

 

 

「お、美味しくない!?」

 

 

プレシアちゃんが、慌てた様に聞いてくる。

 

 

「いや、家庭的な良い味だと思うよ?ただ、僕食べなくても数百年は生きられるんだけど……」

 

 

『ええっ!?』

 

 

「一応、人外の化け物だからね……食べなくても、問題はないんだけど……フェイトちゃん、食べないといけない?」

 

 

「食べよ?」

 

 

首を傾げて、フェイトちゃんの悲しげな懇願。

なんか、とっても断り辛いのですが……ここで、黒いの発言をしたところでフェイトちゃんは納得しないだろう。

ついでに言うなれば、食べなくても良いならTAKE2の食料店廃棄コース巡りはなんだったのだと聞かれそうだ。

アレはアレで、大切な事なのだが……まあ、フェイトちゃん本人は不思議がっていながら聞いてこない。

切り札扱いなのかはわからないが、黙っていてくれるなら黙っていてもらおう。

 

 

「ね?食べよ?」

 

 

念押しまでされた。

そういうのは、プレシアちゃんにした方が良い。

きっと、嬉しすぎて萌えて悶えて絶するだろう。だから俺ではなく、アリシアちゃんとかもっと踏み込んで上げて欲しい。そうすれば、もっと仲良くなれるはずだ。

あまり、俺と関わろうとするのは良くない。本来、俺は存在しないから関わりを得てもなんの徳にもならない。

なのに、なのはママ達は俺と関わろうとする。

まあ、俺がなのはさんを『ママ』と呼んだのがいけなかったのだろうけど……本来の役割の【囮】としては、【原作組】であるなのはさん達の近くをチョロチョロしてないといけないから助かってはいる。

だけど、それはソレでこれはコレでなければならない。

今すぐには無理だろうけど、いずれは……関わらなくても良いようにしたい。

 

 

閑話休題。

 

 

 

 

今の問題は、テスタロッサ家の夕飯である。

プレシアちゃんの料理は美味しい。それは、認めよう。

しかしだ、繰り返すが俺は人外で化け物であるが故に食べなくても存在していられる。にも関わらず、フェイトちゃんは一緒に食べようと持ち掛けて来た。100歩譲って、同じ家に住んでいるのだから朝昼晩のご飯を一緒にするのは構わない。構わないんだけど……強制されるのは何故か挑戦されているみたいで嫌だ。燃え上がる対抗心。

いっそ、料理対決にでも持ち込んでやろうか……と思ったりもするんだが……ん千年単位の暇人、舐めてもらっては困る。

仕事が無い時は無いから、暇な時は徹底的に暇なんだ。

そんな時は、武術を鍛えるか料理くらいしかやることが無い。鍛練に鍛練を重ねて、それでも暇なら料理をする……もしくは、勉強をだけど……勉強もやり過ぎると、面白味はない。まあ、やり尽くした感が出て来たらショボい仕事をやって時間潰し……とか。

 

 

「ダメだ。……仕事が、暇潰しになってる……」

 

 

「はあ!?仕事で、暇潰し……」

 

 

「えっと……なんで、そんな話に?」

 

 

「……って、仕事は暇潰しじゃ無いでしょう?」

 

 

「長く生きてると、仕事が暇潰しになるんだよ!!メインの仕事が無くて、暇になったら……勉強するか……鍛練するか……料理するか……ゴロゴロするかで、最終的にそれ等にすら飽きてやることが無いとショボい仕事に手を出して、暇潰しを……」

 

 

「……何、このワーカーホリック……仕事が、暇潰しって……」

 

 

「勉強に鍛練に料理……ああ、料理繋がりなんだね」

 

 

「料理、出きるの?」

 

 

「ん千年の経験があるけど……対決する?」

 

 

「ん千年……止めておくわ……」

 

 

「おやおや、勝てないと見たら即尻尾を巻きましたよ?このお嬢さんと来たら……」

 

 

「くっ……私は、無謀じゃ無いのよ……」

 

 

「まあ、良いや。シャマル先生のポイズンクッキングを、マシに出きる腕前とだけ言っておこうか……」

 

 

『え?あれを!?』

 

 

「アレとか言われてますよ?シャマル先生ェ……」

 

 

「あら?やだぁ……」とか、口元を押さえて笑うテスタロッサ家の皆さん。というか……シャマル先生のアレを知っておられるんですね……口にした経験があるんですか?

あるなら、もう一度騙されて見ません?

ポイズンクッキング&マジカルクッキングで、夢の様な世界にご招待しますよ?ええ。本当の夢の世界に行けます。

下手をすると、帰って来られ無いですが……楽しいかもですよ。まあ、ポイズンクッキングをまともな食料に変えるのは容易いだろう。しかし、それでは面白くはないんだな……。

 

 

「じゃあ……次の模擬戦の罰ゲームは、シャマル先生の手料理でやろうか?勝者には、僕の手料理……っていうか、スイーツでどうよ?ああ、フェイトちゃんは食べちゃダメだよ?」

 

 

「え?ええっ!?」

 

 

「太ったって言ってたじゃないか!!」

 

 

「だ、大丈夫!なのはに手伝って貰うから!!」

 

 

「ほほぅ……最初から、他力本願とは情けない……」

 

 

「ううっ……双夜の意地悪!」

 

 

「へっ。意地悪で結構!ジックリ、料理してやるよ!……料理で思い出したけど……(捏造中)クロノ・ハラオウンは、どうしているのかねぇ……?フェイトちゃんの下着に興味津々だったらしいのに……」

 

 

「へえぇ……そうなの?それは、問題ね……」

 

 

プレシアちゃんの目が怪しく輝く。

それは、見逃さない。クロノ・ハラオウンを危険人物と認識したようなので、この話は警告方向で一旦終了する。

 

 

「あれ?それって、リンディ母さんの下着の話じゃ……」

 

 

「…………TAKE2は、どうなっていたのかしらね?」

 

 

「疑惑!クロノ・ハラオウンの興味は、フェイトちゃん?エイミィさん?それとも、リンディさん!?さて、誰でしょう?」

 

 

ジャジャン!!とクイズ番組風にお題を出してみる。

フェイトちゃん含む、テスタロッサ家全員が眉間にシワを寄せて考えていた。

 

 

「……クロノ・ハラオウン本人に聞いてみたら?」

 

 

「そうだね!」

 

 

「できる訳無いじゃん……」

 

 

「それが、できるなら……こんな風に悩んでないわよ……」

 

 

「あ、クロノ?あのね……」

 

 

『ここに、強者がいたぁ!?』

 

 

慌ててプレシアちゃんとアリシアちゃんが、クロノ・ハラオウンに通信を入れているフェイトちゃんを止めに行く。

 

 

ーー天然さんって怖いなぁ……。

 




【蓋】については、『永遠の○セリア』を参照。
あれに出てくる、【蓋】と似たようなモノです。
でもって、だいたい見えてきた掌の上で命を弄ぶ神様が、実は……(笑)

【転生者】が、物語の世界に送られた訳は……おまけ♡
双夜が、必死こいて解決しようとしている事に関係してます。

そして、如月双夜がワーカーホリックな事実。
仕事を暇潰しとか言ってる時点で、かなりの中毒っプリ。
まあ、時間があるってことはこういうことなんだろうなぁ……的な感覚で書いているので、「ああ、こういうことか……」的な認識で間違いはない。

そして、捏造話をまるで本当のように語る双夜。
クロノ・ハラオウンの苦労が、目にみえて笑えてくる。

次の更新は……25日

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