絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三四七話 SAO

神崎:

 

 

ーーーという訳で、転生者に黒色火薬を作らせてみました。

 

「で、ミスリルメダルは割れたか?」

 

「割れてないそうです……」

 

「そうか……」

 

『そうか……』じゃねぇよ!?爆発で割れないメダルで、どうやって高ランクモンスターを召喚しろって言うんだ!?【鮮血の】さん達に手伝って貰って、試しにミスリルメダルを割ってみよう!って段階になって判明したメダルの強度。生半可な威力では、ヒビ一つ入らないって事が判明した訳だ。それで、ミスリルメダルを割る為に実験を繰り返している訳だけど……一向に割れる気配が無いって状況に俺達は泣きそうだった。

 

「ちょっと頑張って、パイルバンカーで撃ち貫きますか?」

 

「神崎さんなら、割れたんですよね?」

 

「割れたって言うか、割ったんだよ!!」

 

結果、俺死に戻りしました。

つか、死なないんだけどさ。意識が飛んで、次に気が付いたら森が荒野になってて一瞬どこかわからなかった。

つか、転生者組は全滅。【鮮血の】さん達が、サクッと倒したらしいと報告されただけだ。どんなモンスターで、どれ程の強さだったかとかは一切報告されてねぇけど……エゲツナイ。これ、自分で確かめろとかそういう意味だよな?アハハ、死ねと?

つか、本当にこれゲーム時代になくて良かったよな?アインクラッドにしろ、妖精世界にしろ最終的にブッ壊れるのが目的だった訳だから。下手に町中で使ったら、壊れたまま放置されていたかもしれない。

アルンが、ドラゴンに薙ぎ払われていた時も思ったけど……デスペナや、ちょっとお休みとかしてたら訳もわからずに死に戻りさせれたんだろうなぁ……遠い目。

 

「ミサイルには、そういうカラクリも必要かもな……」

 

「精密機械が、必要ですね……」

 

「トマホーク的な?」

 

「トマホーク的な……」

 

と、とりあえず、一応そういうカラクリとミサイルを作りました的な記憶は必要なので形だけでも作る事になるだろう。世界の自動修正的な理由で、一応《神殺し》の痕跡は消す方向で転生者達には軽く説明してあるんだけど。

みんな、『面白そうだ(笑)』と言って快く引き受けてはくれた。だが、中々に難問だ。

 

「いっその事、パイルバンカーに炸裂魔法でも仕込むか?」

 

「一枚二枚なら、それでも良いですが……何十枚も、割れませんよ?なんなら、付与魔法で空間断裂でも付けますか?」

 

なにやら、とっても恐ろしい会話が聞こえるけど……聞かなかった事にしよう。つか、付与魔法で空間断裂とか付けられるんですか!?ミスリルメダルを割りたいが一心で、誰がそんなヤバイ魔法を付与出来るって言うんだよ!?

てか、やりたい奴は居るか!?

グリンと振り返れば、ササッと視線を逸らす奴が大半。

誰も、そんな付与魔法覚えたく無いそうだ。

 

「チートだぞ!?チート好きだよな!?」

 

「あ、もうお腹いっぱいです……」

 

「チートは、もう良いかなぁ……」

 

「俺、二次元に生きる予定なのでリアルチートはお断りします」

 

まあ、目の前でキチ〇イレベルのチート見せられ捲ったら誰でもこうなるか。つか、【鮮血の】さんの自重しないチートっプリに転生者がドン引きしてるんですが……何、やってんですか!?

 

「というか、一枚で十分じゃね?」

 

「せめて、最低でも三枚も割れれば勝てますね(笑)」

 

「…………レベル五千万のドラゴン召喚……」

 

「あ、一枚で十分かも……」

 

「つか、そんなヤツが召喚されるか?」

 

「試しますか?」

 

「「「「「試さんで良い!!!」」」」」

 

止めろ!殲滅されるだろうがよ!?俺達が、ミスリルメダル一枚で全滅しているって言うのにそれ以上のモンスター呼んで戦えると思うか!?そんなモン喚ぶなら、あのチート武器をギルド倉庫から持ち出して来るわ!つか、【ハデス】【オメガ】固定じゃねぇのかよ!?

ああ、そう言えばあのチート武器はギルド倉庫の肥やしになっている。だってなぁ、一撃で相手を殲滅できる武器だぞ?

大富豪クエストか、ラフコフ殲滅でしか使えねぇよ。

アレ使うと、訓練にすらならないので普段は武器屋で購入したロングソード?ブレードソード?で戦っている訳だ。

なので、普段はギルド倉庫に突っ込んだまま放置している。

そうでなければ、持ち歩くのも不便だからな。

アレ、プレイヤーにも有効なんだぜ?俺なんか、指プツで死に掛けたわ!?ふざけたチート武器だったよ!!

てか、自爆しそうなのでクリティカル率は五十パーセントでも怖過ぎる。今は、百パーセントなので少しでも刺したり切ったりすると死にそうだ。

 

「こう、持ってる人にも優しいチート武器が良いよね?」

 

「…………刺さりましたか?」

 

「指チョンで、死に掛けたわ!誰だよ、あんなモン考えた馬鹿は!?メッチャ、恐ろしいチート武器だよ!?」

 

「因みに、アレで死んだら永遠に目覚めませんよ?()()は……」

 

「は?」

 

「この世界から、解放されるので……」

 

「そういう秘密は、もっと早く話せ!!」

 

「その為の武器です。死の無い世界なので、唯一の救いとして作ったそうです。俺は、そう聞きました」

 

そう、告げるのはギルガメッシュ。

師匠の予測通り、この世界では死が救いにはならないとのこと。世界樹に、『転生システム』なるモノが組み込まれているのを見る限りそんな事だろうと思ってはいた。

なら、もう一つの懸念事項も聞いてみるべきだろう。

 

「SAO関係者も、あのチート武器で死ねるのか?」

 

「…………ああ、死ねる。つか、アレ以外で死ぬ方法はない」

 

多少、迷いがあったのは見えたが割りとアッサリ答えるギルガメッシュ。色々と、秘密を抱えているみたいだけど……これ以上、抱えるのは不利だと思ったみたいだ。

だが、成る程ね。そりゃ、ドラゴンが幾らでもレベルアップする訳だ。向さんも、あのチート武器を得ようと必死だろうし、穴蔵に潜むドラゴンは力を蓄える為にコッソリしているんだろう。つーか、最初はレベル50からのスタートだって聞いているんだが……レベル五千万は、育て過ぎだ。なんだよ、レベル五千万って!?舐めてんのかよ!?

 

「色々と、歪な世界だねぇ……そりゃ、《神殺し》が介入して来ても仕方がねぇわ……」

 

「……………………バレないと、思ってました」

 

「あ?なんだって!?」

 

「我々は、上手くやっているつもりだったんです……」

 

「神様達にも、調整者側には気が付かれてないって言われてたんで……」

 

「ほぉ……連絡が、取れるって事かい?」

 

また、色々と介入されているみたいだな?クソ面倒な。

 

「いや、信託スキル持ちが一方的に受け取る程度のモノです」

 

それ、受けるヤツが嘘言ったら同じ事だよね?

つー事は、信託スキル持ちは複数居るんだろうな?

でなきゃ、嘘付きたい放題だ。

 

「それによれば、そちら側には気が付かれるハズがないと……」

 

「だが、師匠が依頼を受けた時……大分、放置されてた的な事を言ってたぞ?面白味がないから、誰も受けてくれないとか……」

 

「「え!?」」

 

「だってなぁ、レベル二千万に至ったドラゴン討伐の依頼だったからな?ちょこっと、SAOモドキ世界に侵入して、サクッとドラゴンを倒す程度の話……だ?…………んん!?」

 

「「えぇ!?」」

 

そこまで言って、俺は『あるぇ?』と疑問に感じた。ドラゴンの討伐依頼程度なら、《神殺し》には割りと美味しい依頼のハズなのに……まさか、違うのか?誰も受けて無かったって事は、ドラゴンとは別にあの依頼には別の話があったって事になる。それも、《神殺し》の誰もが面倒だと投げ出したくなる様なとても面倒臭い類いの話が。

だが、師匠は何も言ってなかったし……あ、依頼者がセイビアさんだったわ!あの人、超の付くトラブルメーカーじゃん!!そんな人が持って来た依頼が、ただのドラゴン討伐依頼なハズもなく……それだけで、終了する訳もなかった。

《神殺し》側に入ったばかりの初期当時なら、誰がどんな性格でどんな人物なのかとかわからないけど……この短期間で、あの人達と交流してあの人達がどんな人物であるかはある程度把握し始めている。そうだ。初期なら兎も角、今の状況下であの依頼がただの討伐依頼だったなんて誰が考えるんだよ!?

エゲツねぇ……セイビアさんは、そこら辺も踏まえてあの依頼を師匠に持って来やがったのか!?だとすると、コイツ等の馬鹿騒ぎは【組織】に筒抜けだった事になる。

じゃあ、【組織】はなんの目的でそんな偽造討伐依頼を?

ハハハ、考えるまでもねぇ。

《神殺し》の仇敵である、《旧・神族》共に悟られない為だ。

つまり、この世界のバックには《旧・神族》が控えているって事か!?しかも、【魔法少女】の世界みたく別の第三者を通してではなく……直接的に、この世界の問題に関わっている、と?

でも……それなら、【鮮血の】さん達がここに常駐しているのはどういう事だ?アレ、敵対している中でも最も重要な存在だろう?

なのに、なんのアプローチもして来ないってどういう状況?

 

「神崎さん?」

 

「あ?ああ、うん……中々、厄介な話だよな……」

 

まさかとは思うけど、既に《旧・神族》がこの世界から手を引いた状態……だって事か?もしくは、【鮮血の】さん達が居る事で《旧・神族》が再度手を出して来るのを防いでいるとか?って事は、師匠がこの世界に介入した辺りで《旧・神族》は手を引かざるを得ない状態になった?

で、【鮮血の】さん達は休暇を利用して《旧・神族》の再介入を阻止してるって事?ハハハ、可能性大だな。

つか、マジか……この世界って、そんなにヤバイ状況なの!?てか、この世界ってそんなに重要な世界な訳!?なんでさ!?

とりあえず、疑問顔のギルガメッシュ達と別れて【鮮血の】さん達の元へ近付いて行く。ギルガメッシュ達は、そんな俺に遠慮?したのかこちらへは近付いて来ない。

いや、遠慮じゃねぇな。怖いんだな?【鮮血の】さんが、超怖いんだな!?俺も、出来れば近付きたくねぇよ!?

だが、疑問を解消する為には仕方がないんだよ!?

 

チ ク シ ョ ウ が !!

 

「【鮮血の】さん……」

 

「ん?実験台になってくれるのか?」

 

「いえ、そうではなくてですね?この世界、ヤバイんですか?」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

「あ、気が付いちゃった?」

 

「気が付いたみたいですね?」

 

「まだ、ヤバくはないよ……」

 

「『まだ』ってだけだけどな……」

 

「えっと、どこら辺が?って聞いても良いですが?」

 

「フム。双夜の引きの良さは、羨ましいね……」

 

「我らみたいに、手当たり次第じゃ無いからな……」

 

「この世界は、《旧・神族》の力作です」

 

「ゲーム世界をそのまま、形にしただけですが……それ故に、歪み易く壊れ易い。中と外から、固定して何とか……という感じです。ええ、我々だけでなく他にも協力者が居るとだけ言っておきましょう」

 

「…………うわ、マジですか……」

 

世界の安定状況って、師匠の話から推察するに……()()、どこにある世界なの?って感じなのだろうか?いや、つーか、()()、マジどこに付属する世界?SAO?それとも……。

 

()()、どこッスか!?」

 

「ほぇ!?」

 

「マジか!?」

 

「君、アレだけでその結論に至るの!?」

 

「才能、あるんですね?神崎さんって……」

 

「うわぁ……ガチで、双夜の引きの強さを呪いたい……」

 

「こんなの、掘り出して来るなよ……」

 

「え!?えっと……」

 

「どこでもねぇよ……敢えて言うなら、【狭間】か?」

 

「ハザマ?……え、【狭間】!?…………それって、【外】と【内】の間って事ですか!?じゃ、この世界の付属世界はどこです!?SAOじゃ、無いんですか!?」

 

「「「「……………………」」」」

 

「双夜、殺したい……」

 

「俺達の十万年、返しやがれ!?」

 

「あり得ないよ……こんな子、あり得ないよ!?」

 

「嫉妬で、人を殺せるならば……」

 

なんか、とっても衝撃を受けられているんですが……師匠と師範代達の教育によるモノなので、そんな風に言われても俺には何も言えない。えっと、見なかった事にしてギルガメッシュ達の元へ戻ろうかと思ったけど……振り返ったら、誰も居ねぇよ!?逃げやがったな!?アイツ等、こういう時だけ勘が良くなりやがるんだからウゼぇ。ってな訳で、俺は衝撃から立ち直った【鮮血の】さん達に捕まって人材確保の闇をひたすら聞かされるのだった。

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

「助けろよ!?」

 

「嫌です!」

 

「無理です」

 

そんなこんなで、愚痴を聞かされる悪夢から解放された俺は直で師範代達に文句を言ってみた。

すると、即答で拒絶される。

いやいや、即答で拒絶されても困るんですが……是非、師範代達にも永遠と愚痴を語る方々の相手をするという苦痛を体験して欲しい。アレには、とても参った。

師匠の引きの良さに続いて、人材確保の辛さと問題をひたすら語られる方の身にもなって欲しい。

そもそも、俺の場合は師匠と師範代の教育(非常識なスパルタ)が良かっただけで別段俺が優秀とかそういう訳ではない。なのに、如何にも俺が優秀な人材であるかの様に語られて……【鮮血の】さん達がスカウトした人材が、エターナル・エンドへと堕ちて行くのかを語られた時は肩身が縮こまる思いだった。つか、スカウトした人が教育するんじゃねぇんだな。俺は、普通に師匠が担当してくれたので問題無かったが……というか、教育方針が違うのか?まあ、いずれにしろ今の俺があるのは師匠や師範代のお陰なので合掌しておく。なんまいだぶつ、なんまいだぶつ。

 

「……あ、べしっ!!」

 

「何やら、不穏な空気を感じたのですが……」

 

「そんな事あるはずがないでしょう!?」

( ・`д・´)+キリ

 

「そういう顔が、一番胡散臭いです」

 

「ウムゥ!」

 

「ひ、酷い!?」

 

つか、心の声にまでツッコミを入れないで欲しい。

良いじゃん!心の中で、何を思おうとも自由じゃん!!

だって言うのに、この人達と来たら……重箱の隅を突つくみたいにネチネチとウザったいたらありゃしんない。

 

「兎も角、パンチラビットの件とチート武器の件は以上になります。それで、師範代や守護者さんが調べていた件はどうなりました?」

 

「…………まあ、良いだろう。私達の方は、まだまだ掛かりそうだ。だが、守護者の方は終わったみたいだぞ?」

 

「世界樹から『砦』までの距離を算出した所、地表面の大きさは……未だに、拡張が続いているそうですが予測できるとのことです。予測としますが、大体【恒星】規模になるのでは?という事でした」

 

「コウセイって……太陽と同じくらいの表面積って事ですか!?」

 

それは、また……大きいというか、広過ぎるというか滅茶苦茶だな?つーか、その拡張によって新たな問題が出て来そうだ。例えば……そう、例えばモンスターのスタンビードとか起きた時とか発見が遅れたとりするとか都市間の移動に多大な不利益をもたらしたりすると考えられる。

そりゃ、都市間の移動なんて現在は転移門で一っ飛びだけど。それ以外では、馬車か徒歩か空を飛ぶくらいしか方法がない。そうすると、年単位での移動となる訳だ。

ぶっちゃけ、人里離れて何日何ヵ月と移動をするなんて正気の沙汰では無い様な気がしないでもないが……モンスターの生息状況を確認するには、それくらいはしないと駄目だろう。

 

「人が、足りなさ過ぎる……」

 

「モンスターらしき姿は確認されてないが……スタンビードが、起きないと楽観視するよりも起きるものだと警戒する方が良いだろうな……」

 

「モンスターの発生率と、生殖率はどうですか?」

 

「それも、調査中という事にしておいて下さい」

 

「マジですか……」

 

何もわからない、無い無い尽くしの無い物ねだりじゃないですか……やだぁw。草が、いっぱい生えそう……そして、頭が痛い。

特に、転生者が来る度に現在までに積み重なった未確認の問題と新たな特典が複重していくので、ドンドン増えて行く様な状況に精神が悲鳴を上げてしまう。

これが、現在までに存在する未確認の問題が全て明るみになっていれば話は違うのだろうけど。

現実は、未確認のままなのでとっても辛かった。

 

「せめて、『僕だけが知っている世界の秘密』が明るみになってくれれば精神的にも軽くなるんだけどなぁ……」

 

ここら辺は、『僕が考えた~』的自己中な転生者が死んでも口を割らないので未知のままになっている。これ等は、自分だけが知っていれば良いチートや性癖アイテム?イベント?に起因するので中々教えてはくれない。特に後者に至っては、己の性癖を暴露する事になるので死んでも言わないだろう。

パッと思い付く辺りで……例えば、ピンク色をした媚薬スライムとかティムが可能な触手とかが上げられる。

どちらにしても、女性を玩具にする目的だとしか思われないし、それ以外で使用出来る存在でもないので周囲に己の性癖を暴露している様なモノだ。

それと、自分がDで性的な行為に自信が無いっていうのも言ってる様なモノだしなぁ……色々と口に出来ない類いの話だろう。

 

「まあ、俺も記憶がないからDのままなんだけどさぁ……」

 

これで、あの時の記憶さえあればDではないと断言できるのに……師匠の悪戯好きメェ(凹)。何はともあれ、そう言った色々な理由から個人が保有する知識が表に出て来ない事が現在の問題だった。なので、その辺りの事情はギルガメッシュに丸投げしてある。アイツなら、それとなく酒の席で馬鹿共から聞き出してくれるだろうという期待もあるからな。

そうして、俺達は出て来た問題の検証と出来うる限りの情報を集めて纏めるだけだ。

その結果、例のチート武器を会得するクエストがグランドクエストに分類されるモノだという事が判明する。

 

「アレって、グランドクエストだったんだ……」

 

「そうッスよ……一応、グランドクエストの一つとだけ言っておくッス……」

 

「その結果、《神殺し》を引き込む事になった訳だけどな?」

 

「つーか、既に三本目が【鮮血の】さんの手で回収されている事にこっちはビックリなんですけどね……」

 

「最初は、『不壊』と『クリティカル50%×2』なスキルが付いた両手剣が持ち込まれて……次が【鮮血の】さんが得意な刀?」

 

SAOには、太刀しか無かった気がするけど?

 

「現在は、槍を手に入れたんだっけ?」

 

「槍……つーか、外見は大剣みたいだったけどな……」

 

ハルバードの中程まで、少し広目の剣が組み込まれた槍……というか斧?ぶっちゃけ、剣槍と呼ばれる種類の槍と思われる。

 

「カスタムツールの自由にデザインを変えられるヤツッスね」

 

「そんな事も出来たんだな……」

 

「ええ。誰だって、地味な武器より派手なモノを持ちたがるモノで……色々と、五月蝿いんですよ……」

 

まあ、わからないでもないが……それにしたって、自由過ぎやしませんか?とは言え、攻撃力やステータスに変化をもたらす訳ではないので問題ないそうだ。

それどころか、『俺の考えたカッコイイ武器展』なんてモノもあるらしいので需要はそれなりに高かった。

つか、実用性は全く一切皆無。本当に、観賞用として作られるって言うんだから頭がおかしい。

流石、中n(ブーメラン)。

 

「とりあえず、疑問を一つ解消しておこうと思う。チート武器は、なんでドラゴンを倒すと普通に使える様になるんだ?」

 

「あれ?気が付きませんでした?『???の欠片』をある程度集めて固めると、インゴットと宝玉になりますよね?」

 

「ああ。二つのアイテムになるな……」

 

「宝玉は、ドラゴンの魂と魔力を封じるアイテムで……それを、インゴットから加工して武器にしたモノと融合させると耐久値が『100』になるんです。インゴットから武器にしただけでは、耐久値が『1』でひび割れた武器で使い捨てでしたが……宝玉を合成する事によって、()()()()()事で本当のチート武器になる訳ですよ(笑)」

 

「誰だよ。そんな面倒な事を考えたヤツは……」

 

「そりゃ、ドラゴンを倒しただけで手に入ってはグランドクエストの意味が無いじゃないですか(笑)。やっぱり、グランドクエストと銘打ってあるんですから苦労しないと……」

 

「しょうもねぇ……」

 

「それはそうなんですが……ギミックが多ければ多い程、中二病共のウケが良いんです。なので、黒いモンスターを倒して『???の欠片』を千から一万個集め……宝玉とインゴットを作成。で、宝玉を持って大富豪クエストをクリアし、その先にいるドラゴンを倒し、その魂を封じた宝玉を。そして、インゴットから作った武器と宝玉を融合してチート武器をGET……というのがグランドクエストです」

 

「面倒臭いな……もう、ドラゴンを討伐するだけで良いじゃん。もう、千から一万個の時点でクソゲーだよ!!」

 

ぶっちゃけ、『???の欠片』にしろ大富豪クエストしろクソゲーでしかない。なんで、千個や一万個なんて数にするんだ!?面倒臭いじゃないか!その上で、大富豪の好感度を滅茶苦茶上げなければならないって言うのも頭がおかしい。

これが、ボンキュッボンな妖艶美女の好感度であるならばまだ頑張れるモノを……何が悲しくて、小太りなおっさんの好感度を上なければならんのだ!?その上、レベル二千万なドラゴンを討伐しなきゃならないとか……もう、諦めろって言われている様なモノだ。まあ、実際にはレベル50程度らしいけど……それでも、とても面倒でクソ複雑なグランドクエストだった。

 

「疑問は、解消されましたか?」

 

「うっせぇ!この、中二病共があああぁぁぁぁ!!!!!」

(ブーメラン)

 

 

 

 

 




神崎くんが、とても、優秀な訳じゃないよ?双夜の教育方針と【組織】の教育方針が違うだけだから(笑)。双夜の場合は、肉体言語で頭……というか、肉体に刻むスパルタ教育で【組織】は座学と実技に別けた勉強という括り故に、『勉強』という言葉に苦手意識を持つ者には受け入れがたいってだけの話だから。後、資格とか規則とか山程あるけど……要点のみに絞って叩き込めば神崎くんレベルは幾らでも生産が可能。まあ、それ以外の資格云々や規則云々はほぼ余分なモノ扱いだからな(笑)。

このSAOモドキ世界は、【堕ち神】に成れない転生者が送り込まれる俗に【吹き溜まり世界】と呼ばれる世界である。故に、我が強く転生させたら『自己中の極み』を全力疾走。まあ、我が強かろうが自己中だろうが一線を越えられないのであればゴミ扱い。そんな奴等の集まりがこの世界の転生者である。故に、ほぼ神様特典の投げ売りで適当に追加に次ぐ追加が起きているけど……そんな理由で、一ヶ所に集めて例題とし監視と研究&検証を行う為の世界って言うのがこの【SAOモドキ世界】の存在理由。
だからこそ、問題がドンドン多発して行きます(笑)。

後、メダルモンスターは固定じゃない。

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m(_ _)m

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いつも、読んでくれてありがとうございます。

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