絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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未だに、怠惰が抜けない。とても、困っている。


三四五話

Re:

 

 

 

翌日……っと言っても、前回の調整時間が深夜だったのをかんば見てその日は何もしなかった。『塔』を出現させなかったし、飽和魔力による『次元振』も起きなかったから平穏な時間が流れる。まあ、管理局の人達は忙しそうだったけど……俺は、暇を持て余し『塔』内の改造に勤しんだ。

そもそも、世界の調整は時間が掛かるモノなので一日くらい時間を開けても問題はない。本来であるならば、一週間置きの調整でも良いくらいだ。

というか、次は一週間後にしても構わない。

《チェンジ・リング》で転移すれば、相手側に気取られる事もないから誤魔化せるかも……なので、ちょこっと因果律経由で現状を確認した後に機動六課の宿舎に戻ってみた。

そしたら、早々にユーリが俺を発見してしまう。

 

ちぃいぃぃぃぃ!!(舌打ち)

 

「双夜!どこに行っていたんですか!?」

 

「世界の調整だっつーに……全く、お陰でとても怖い思いをしたじゃないか!なんで、言っちゃうんだよ!?」

 

「それは……ごめんなさいです。でも、双夜だって悪いんですよ?何も言わずに居なくなるんですから……」

 

「仕方がないだろ……世界の調整なんて言っても、誰にも理解して貰えないだろう?例え、理解して貰えても時空管理局がでばって来て上層部の都合が良い様に弄れと言われたら……困る」

 

「あ……そうでした。それは、確かに困っちゃいますね……」

 

「だから、何も言わなかったんだ」

 

自分達が、如何に特殊な存在かを思い出して貰いユーリには納得の出来る事を告げれば黙ってヴィヴィオの面倒を見てくれるのでこれでOK。

それよりも、『塔』のある世界をどうするかである。

というか、俺が機動六課に居る状態であの『塔』を起動させるかさせないかだけど……当然、『させる』に決まっているので周囲から魔力をかき集め起動出来る状態にはしておく。その間に、家政婦スタッフであるアイナさんや食堂のおばちゃん達に挨拶でもしておこうかな?ユーリと居れば、それだけで俺が機動六課に居たというアリバイにもなるだろう。

そして、目の前で『塔』が現れれば俺とは関係のないモノだと証明出来るハズだ。例え、ユーリがこちら側の人材だからと信じられない可能性もあるけど……俺が、俺である事には変わりないしこっちでヴィヴィオと戯れて居たらそれだけで俺の癒しにもなる。という訳で、なのはママ達の部屋に行くとヴィヴィオが俺を見て駆けて来た。

 

「やっぱり、わかるんですね」

 

「?何が?」

 

「ヴィヴィオ、身代わりの双夜には警戒して近付かなかったんです。なので、バレたって事もあったんですけど……」

 

ありゃ?そうなんだ。飛び込んで来たヴィヴィオを受け止めて、目を合わせればニパッと笑顔を見せる。

ヴィヴィオは、俺の見た目ではなく別の何かで判別できる能力があるのかも知れない。だから、俺が居なくなった事に気が付かれたのかと……バレた理由がわかったのだった。

ずっと、疑問ではあったんだ。ユーリが、積極的に俺が偽物だってバラすハズが無いから……ヴィヴィオによるモノであるなら、それはそれで仕方のない事なのかも知れない。

まあ、それはそれとして……。

 

「ユーリは、お仕置きするけど……」

 

「え!?お、お仕置きですか!?」

 

「そりゃ、やもう得ない状況だったのはわかるけど……速攻で裏切られたんじゃぁねぇ?」

 

「え、えっと……し、仕方がなかったんです!」

 

「その気になれば、機動六課なんて敵でも無いだろう?模擬戦で、勝てたら教えてあげる的な感じで蹴散らせば良かったんだ」

 

「え、えぇ!?」

 

その為のユーリであり、その為のロストロギアなんだから速攻で情報売り渡しているんじゃねぇよ!?ってな訳で、逃げるユーリを捕まえてお尻ペンペンしてやった。

もちろん、身体魔力強化をしてのお尻ペンペンなので酷く痛がってるけど気にしない。

 

「うぅ……酷いですぅ……」

 

「酷いのは、どっちだ……とりあえず、八神はやてには連絡をしない方向で。のんびりマッタリしようか?」

 

「あ、連絡しないんですね……」

 

「しないよ?普通に(笑)」

 

ここで、連絡なんてしようものなら何か後ろめたいモノがあると言っている様なモノなのでしない。

向こうから、何かしらのアクションがあるまで動かない事が証明にもなる訳だ。なので、ここはいつも通りチクチクと裁縫を始めるのが吉だろう。

つか、この世界軸のヴィヴィオに着ぐるみというかパジャマ?を作ってやらねばなるまい。そうして、なのはママに見せて現状を撹乱させるのが俺の役割だ。

ついでに、現在のヴィヴィオと同サイズのぬいぐるみを渡すのを忘れない。まあ、普通にウサギさんだけど……ちょっと、ヴィヴィオには大きかったモヨウ。

大喜びのヴィヴィオが、巨大なウサギさんを抱っこ?してヨタヨタ……いや、むしろ引き摺ってる様な?足取り怪しく部屋の中へ。

アイナさんに戻って来た事を報告して、白く大きな布を広げシャキシャキと型紙を当てつつ裁ち鋏で切って行く様子を見せるのだった。こうして、夜になればなのはママ達から連絡が入り俺の所在が明らかになるのだが……俺がパジャマ?を作成している間にも、『塔』のある世界で『次元振』が観測されて出動となっていたのは言うまでもない。

 

『つうか、なんやそのぬいぐるみは!?メッチャ、大きいやろ!?どこから、持っ来よったんや!?』

 

「はぁ?売ってる訳、無いだろう?……作ったんだよ!」

 

『作ったぁ!?じゃ、今まで居らんかったんは……』

 

「プレゼントを目の前で作る馬鹿は居ない」

 

『言うてから出てけ!!』

 

「はっ(笑)。サプライズってのは、周囲に伏せておくものだろう?全く、エンターテイナーの気持ちを知らぬ役人だな……」

 

『うっさいわ!!で、今は何を作っとんのや!?』

 

「着ぐるみならぬ、パジャマだが?」

 

『そっちは、隠れて作らんのか?』

 

「アハハハ、サイズもわからんのに作れるか!?それに、ヴィヴィオがぬいぐるみを抱いているのを見て思い付いたんだから仕方がない」

 

『ほぉか……ってか、そっちもウサギかいな!?』

 

「なのはママへの報復だからな。ほぉら、可愛いヴィヴィオだぞぉ(笑)。これを着たヴィヴィオ(クリオ)を想像してみ?」

 

『はやてちゃん、はやてちゃん!帰ろ?早く、帰ろ?』

 

『はやて、はやて!アレを着てるヴィヴィオが見たいんだけど!?』

 

『……どないしてくれる気や!?』

 

使い物にならなくなった、なのはママとフェイトちゃんが画面越しにヴィヴィオを見てはやてに抗議中。そのせいで、八神はやてが青筋浮かべて逆ギレしていた。

 

「え?普通に、煽るけど?」

 

『くっ……このっ……!!』

 

「ほぉらぁ、ヴィヴィうさぎだぞぉ?」

 

まだ、完成はしてないけどウサミミフードは出来ているのでヴィヴィオに被せて画面越しに煽ってみる。

すると、画面の向こうでは黄色い悲鳴を上げたなのはママが更に宿舎への帰投を熱望するのであった。

クックックッ、俺の策を悉く足蹴にした報いだ。

特と受けとるが良い!因みに、巨大なぬいぐるみは余った時間で縫い上げたモノ。一日一時間の世界調整だったので、二十三時間程余ってたんだ。それを有効活用した結果、この巨大なウサギぬいぐるみが出来上がったという訳だ。決して、どこかで買って来た訳じゃない。

まあ、外見は俺が縫い上げたが中身の綿は使い魔達が育てた綿だったりする。最近は、綿一つそんなに売ってないし……売っていてもめっさ高いから自作する他無かった。

(マジな話。めっちゃ、高いんだよ?綿って……)

とりあえず、ヴィヴィオを抱っこしてスリスリと頬擦りをして見せたりフードを被るヴィヴィオを『ここまで!』と言って隠してみたりと煽れるだけ煽って見せる。結果、なのはママが超羨ましがってフェイトちゃんが写真を送ってくれとせがんで来たりと面白い状況になった。

クックックッ……完成してないからと断ったけどな!あれは、完成した後でたっぷり堪能するから楽しいのだよ。

クリオは、この世界でも大人気だった。

 

「じゃ、お仕事頑張ってね?」

 

『くっ……ぉ……覚えときぃや!?』

 

「知らぬな(笑)」

 

左右から、振り回される八神はやての苦悶の表情を見れたので良しとする。いやー、敢えてなのはママ達を使って八神はやてに報復するのは楽しい。だが、奴がどれだけ俺の行動を信じるかは不明だ。あれだけの事をしても、俺が『塔』に関わって居ると思って居るみたいだし……なら、疑う余地のない状況に追い込むまでだ。

とりあえず、次の『塔』は一日挟んでの出現としよう。

俺が、機動六課の宿舎に居る限りはあちらも『塔』の出現と俺を結び付ける事は難しいだろう。まあ、消費される魔力はモッタイナイが……全ては、八神はやての目を眩ませる為である。

ある程度、余裕が出来た俺としてはそう急いで調整をしなければならない訳じゃないので時たま『塔』に行って世界の調整を行えば良いだけだ。そうこうしている内に、大きく歪んでいた波紋も落ち着いて行く事だろう。

実際、確認をした時はそこそこ乱れてはいたけれど……直ぐ様、どうこうしなければならない様な状態でもなかったので様子を見る事にした。

 

「とりあえず、着ぐるみが完成するまでは居るから……」

 

「また、どっか行っちゃうの?」

 

「うん。ウサギさん、一人じゃ可哀想だからいっぱい仲間を集めてあげないと……ね?」

 

「わぁ……うん!」

 

ぬいぐるみをいっぱいというと、目をキラキラさせて大きく頷くヴィヴィオ。それをヨシヨシと、撫でてまた俺は着ぐるみ作成へと戻った。クックックッ、なのはママ達が帰って来たら部屋中ぬいぐるみだらけにして驚かせてやるんだぁ(笑)。そして、ぬいぐるみが独りでに動き出す的な怪談話をして怯えさせてやろう!!

 

「双夜。邪悪な顔をしてますが、何を考えているんですか?」

 

「怪談。フランス人形、ゴーレム操作(笑)」

 

「なのはさんですか……ホドホドにしてくださいね?」

 

「わかってる。でも、中に入れる綿はそんなに売ってないんだよねぇ……そこそこ、たっぷり入れようとすると次元世界をちょこっと渡り歩くハメになるんだよ?」

 

「…………そうなんですか?」

 

「それに、高い……綿は、特に色々使えるから品薄なんだ……」

 

「世知辛い時代ですね……」

 

アイナさんが、俺とユーリの話を聞いて笑っているけど……マジな話なんだよ?だが、これで俺が居なくなったとしても綿や材料を探して世界を渡って居ると勘違いしてくれるだろう。まあ、質とか事細かに厳急して行くと地球の日本当たりが一番良いモノが手に入るんだけどね。

その他では、今一な所があるので安全性やその他を考えると日本をウロウロした方が良いって事になる。

そして、翌朝……出来ちゃいました!ウサギさんな着ぐるみパジャマです。即、ヴィヴィオに着せて記念撮影。

ちょこっと、デコってなのはママへメール送信したら通信が帰ってきた。

 

『もっと、いっぱい送って!!』

 

「寝ぼけてるのか?なのはさん……」

 

割りと、早い時間だったからなぁ……完全に覚醒する前に、写メしたから錯乱してしまったのだろう。

決して、素ではないと思われる。というか、暴走してない?だからと言って、なのはママの要望に応える俺ではないので、ちょっとホラー風のフランス人形写メをドアップで送ってみたら悲鳴が上がった。

ついでなので、そのメールを送るのと同時に通信系電子サーバーにフレール(雷)くんを添えるのも忘れない。

結果、フレールくんを通じてなのはママが居る次元航行艦にこちらの手を紛れ込ませる事に成功する。

さあ、ホラーな日々の始まりだ!悲鳴、迸る恐怖の日々。

その為にも、フランス人形を送り込まなきゃ(笑)。

そう、部屋いっぱいのフランス人形を……クックッ。

あ、そう言えば……顔が、唐突にホラー方面へ変化するカラクリ人形があったなぁ?良し、フランス人形とカラクリ人形を掛け合わせて送り込めばとても楽しい恐怖のホラーナイトがおこなえるんじゃねぇ?って訳で、恐怖のカラクリフランス人形をなのはママのお仕事に合わせて次元航行艦で宛てられている部屋のベットの下へと隠していく。

流石にそのままでは、見付かってしまうので生活魔導の一つ《スモー(縮む)》で少し縮めてベットの裏側に貼り付かせた。さぁ、仕込みはバッチリだぜ!!それじゃあ、俺はヴィヴィオと遊んで来るかな?いやー、夜が楽しみだ。

 

 

 

……………………。

 

 

 

暗くなって、ボォ……とフレールくんを通し部屋の中で待っていると大体19時くらいになのはママとが部屋に入って来た。

多分、仕事を終えた後に食堂でご飯でも食べていたのか?

もし、この時間まで働いていたとするなら大分遅い時間に戻って来た事になる。まさか!?と思ったけど、なのはママは鞄からバスタオルを取り出してシャワールームの方へ。

 

「……………………」

 

フレールくんは、そのままの状態で待機。下手に突っ込もう物なら、先に俺がホラー体験をするハメになるので待機!超待機で!もしくは、今の内にフランス人形を並べて置くべきかも知れない。

だが、今並べてしまうとなのはママが身体にバスタオルを巻いた状態で廊下へと逃げ出してしまう可能性があるので我慢。パジャマで出て……いや、俺の記憶からしてなのはママが風呂上がりでパジャマを着ていたモノは少ない。

むしろ、バスタオル姿多目の気がするので寝静まった後に叩き起こす方向で調整をする。

つか、パジャマ姿で出て来るよね?まさか、本当にバスタオルを巻いただけの姿で出て来ないよね!?そう、考えた所で『ガチャッ』とバスルームへの扉が開いた。

ゴキュリ……恐怖の瞬間です!!現れたなのはママは、最悪な方の姿をしていた。

つまり、バスタオルを巻いただけの姿である。

 

「ヒィィィィ……( ̄□ ̄;)!!」(恐慌状態)

 

は……ハレンチなっ!!風呂上がりで、暑いのはわかるけど……だからって、痴女みたいな裸バスタオルとは何処の露出狂だ!?出て来るにしたって、ちゃんとパジャマを着ていても大丈夫だろう!?そりゃ、肌が湿ってパジャマが張り付き易いとは言え……だからって、裸バスタオルはない。

一部、特殊な業界の奴等には御褒美かも知れないけど!俺には、拷問だ。つか、恐怖しか感じねぇよ!?そのままの格好で、なのはママは備え付けの冷蔵庫に直行。冷蔵庫から取り出されたのは、キンキンに冷えた果実水だった。

もし、これが八神はやてだったらキンキンに冷えたビールとかが飛び出して来るんだろうけど……流石、なのはママ!まだ、未成年だもんね!ビールは、二十歳を越えてからが常識だ。だがしかし、果実水を飲んだ後にバスタオルを外すのは頂けない。

唐突な女性の裸体に、恐慌状態になってしまった俺はうっかりベット下に隠してあった恐怖のホラーカラクリフランス人形を放出してしまう所だった。流石にまだ、ホラーな時間には早いのでもう少し様子見をしていたい所。

電気を切る役割は、侵入しているフレール(雷)くんがしてくれるので後はカラクリフランス人形に陣を展開させて絶望と恐怖の一夜を演出するのみ!そうだな、まず電灯をチカチカさせてある程度したら一瞬真っ暗に……そんで、電灯が灯った時にはカラクリフランス人形が部屋いっぱいに!?とか楽しそうだ。慌てて、外に出ようとしてもフレール(雷)くんが扉をロックしててくれるから出られない。

もちろん、扉の表示はオープンのままにして更に恐怖を煽る。最後には、カラクリフランス人形達の顔が恐怖を撒き散らす恐ろしいモノに変化してからの一斉強襲……ってのはどうだろう?

 

「間違いなく、泣くね。もしくは、借りてる次元航行艦に大穴を開ける事になるだろうね(笑)」

 

その結果、調査は一時中断で帰投しなければならないってオチに……まあ、俺の予想としてはなのはママが恐慌状態に陥って次元艦の主要エンジンを大破。そのまま、問題の世界に残留って感じに落ち着くと予測される。即ち、次元艦を墜落させる訳だね!なのはママが!!…………借金だね。

次元艦一隻分の借金が出来るね(笑)。なので、位置取りは細心の注意を持って中破レベルで落ち着く様に…………と自重しつつ、いざ!!

 

 

 

……………………。

 

 

 

『キィヤアアアァァァァァ!!!!』

 

『《DIVINE……》』

 

絹を裂く様な悲鳴が、画面越しに聞こえて来る。

錯乱状態に陥ったなのはママが、カラクリフランス人形の出現に驚いて悲鳴を上げているのだが……割りと、早期にセットアップしちゃって大暴れ中だ。なので、ちょいと頑張ってなのはママの攻撃を回避しつつ表情を変えたフランス人形達を順次突撃させているのだが……中々に、高難易度である。

 

『イィヤアアアァァァァァ!!!!』

 

『《Buster!!》』

 

「チッ……早いなぁ……」

 

もう、部屋から逃げ出されてしまった。

だが、これで終わりになるなんて俺は言ってない。

暴走状態のなのはママを追い掛け回して被害を拡大しないと次元艦が本局に帰投してくれないのでちょっとした幻影魔法を使用してなのはママを追い掛けさせた。

特殊術式《血統縁魔法》。その名の通り、血の繋がりか縁のある者にしか使えない(見えない)魔法である。これには、必ず手に入れなければならない物があるんだけど……問題はない。幾らでも、手に入れるチャンスはあったからな?その物と言うのが、高町なのはの血液。一滴以下でも、手に入れればOK。これで、他の局員達にフランス人形は見えないし触る事も出来なくなるという悪戯用の魔法だ。

元々は、貴族共が己の血統を証明する為に使っていた魔法らしいけど。それを回収して、妖精魔法と混ぜてみたら面白い効果になったので重宝している。

オラオラ!フランス人形様のお通りだ!道を開けなくても良いが、恐怖に怯えて悲鳴を上げるが良い!!

その後、八神はやてやフェイトちゃんも合流してフランス人形を何とか倒そうとしたけど……物理も魔法も効かない無敵な人形にドン引きしつつ逃げ惑っている。

つか、物理も魔法も効かないよ?

物体を、透過出来る時点で気が付くべきだったね?

そこら辺は、空間をチョイずらしているので当たりもしない。シグナムが、斬って捨ててたけど……燃えもしなければ、潰れもしないのでガチ無敵なカラクリ人形である。

 

『クケケケケケケケ!!』

 

『ひぃ!?イィヤアアアァァァァァ!!!』

 

いやー、なのはママ……すっごく、良い反応してくれるね?とっても、楽しい気持ちになれるよ。これなら、次元艦を航行不能にしなくても本局に帰投させる事が出来そうだ。

 

『うわあああぁぁぁぁぁ!!!?!?』

 

ついでに、ヴィータも巻き添えで恐慌状態に……フランス人形では、怖がって居なかったのでうっすら透けたフランス人形顔のお姉さんを登場させたら一発だった。

ま、ある意味クリーチャーみたいなモノだけどね。長身の女性ッポイ、顔だけフランス人形な幽霊モドキはヴィータに大ウケ(恐怖)だった。

因みに、八神はやてには外見ハプシエルなマッチョ風の幽霊モドキでノックアウトしちゃったよ。三体で気絶とか……中々、弱々しいマインドだな?ティアナとスバルは、ティアナ兄のストーカー幽霊モドキに追い回されているし……フェイトちゃんは、いつの間にか気絶していた。

なので、現状暴れているのはなのはママと守護騎士のみと来たもんだ。エリオとキャロは、トラウマにするのも可哀想なので結界と睡眠魔法でグッスリ寝ている。

そろそろ、暴走する機動六課の面々が何と戦っているのかを他の局員にもネタバラしするべきだろう。って訳で、《血統縁魔法》を解除してみんなで恐慌状態になって貰おうか?ついでなので、生物の本能に働き掛けて恐怖心を増大させつつ混乱の魔法を展開。リンカーコアを通してないから、彼等にはこちらの魔法を気が付かれる事なく阿鼻叫喚な時間を楽しく過ごして貰えてる。

 

「魔力隠蔽術式は、ちゃんと機能しているから魔力の流れも辿れまい?にゃははは。さあ、恐怖と絶望に悲鳴を上げるが良い!!」

 

とりあえず、午前4時くらいまで徹底的に俺は局員達で遊んだのだった。いやー、久々のお楽しみでしたとも!!

 

 

 

……………………。

 

 

 

そして、数時間後……次元艦内で、死屍累々とした局員達がそこかしこに倒れている。もはや、誰も彼もが呻き声しか出せず艦内に溢れるのは疲れ切った局員のみであった。

気絶していた八神はやてやフェイトちゃんも、漸く起き出してはいたが色々に蹂躙された爪痕が大きく残っている様子だ。

艦自体は、所々穴が開いていたりはするけど……航行は、そこそこ可能で今も次元の海を漂っている。とは言え、任務を遂行できるか?と言われたら微妙な所だろう。小破程度ではあるけれど、任務遂行には支障をきたすレベルの壊れ方……と言った所か?いずれにしろ、任務を遂行するにはちょっと難しい感じだ。

さて、そんな状況下でも『塔』の活動は待ったなしで『次元振』と共に出現して一時間活動したらまた亜空間へと消えて行く。

流石の彼等でも、あの夜の後に『次元振』の原因攻略へ乗り出すのは無理だったらしく……『次元振』を感じながらも、『あー』とか『うー』とか呻いているだけで出撃すらしなかった。

 

「わかっていた事ではあるが、体力が無限にある訳じゃないからなぁ。使命感だけでは、動けなかったか……」

 

寝食忘れる使命感……とかあれば、あの夜を越えてもイケるんじゃないかと思ったのだが無理だった模様。なら、ちょっと難易度を上げて小規模な『次元断層』を……とも思ったけど、それによってアルカンシェルを撃ち込まれても困るので止めておく。

という訳で、機動六課には悪いけど……初の黒星を上げ、帰投となった。まあ、怪奇現象に負けたとなるならば問題ないんだろうけど。実際には、機動六課の面々が暴走を始めた結果で任務が遂行不可になった訳だからペナルティも大きい。

とは言え、初動捜査に当たっていた部隊の奴等も暴れに暴れたので同罪だ。これにて、彼等は他の部隊と交代となる……これにより、闇モドキを倒せる者は去り次に来るのは能力の低い奴等となるだろう。

 

「にゃはは。『悪』と後ろ指さしたきゃ、指せば良い。卑怯者と罵りたきゃ、罵れば良い。俺は、『魔王』だ。魔王ってのは、悪の親玉だろう?なら、最高の誉め言葉だ」

 

悪と後ろ指を射されようが、卑怯者と罵られようが世界を救えるなら幾らでも『魔王』と名乗ってやるよ!!

 

 

ーーさあ、絶望を払いに行こうか?

 

 

 

 

 




あるぇ?なんで、最後が最終決戦前風で終わってるの?今一、必要ない様式なんだけど……ふむぅ?とりまー、悪戯回です。なんか、色々策を立てまくってた癖に機動六課を戦闘不能にしゃうとか……何をやってるんでしょうね?まあ、策は幾らあっても構わないけどね。つか、用意できるだけして後は放置が基本。策が、多ければ多い程『要塞』になるからねぇ?『塔』の最深部に到達できなけりゃOKな双夜でした。というか、守りを強化するなら要塞化は普通だよね?

因みに、フランス人形はフレールくんが変身したモノ。
じゃねぇと、動かねぇよ(笑)。一瞬で、部屋いっぱいに並べるのもそんな理由。魔法陣が描かれた紙を、一定感間隔で並べて数字を割り振っとけば《チェンジ・リング》で最初から並べられていた様に見せかけれるんだよ(笑)。そんな奴等が、表情を変えて集って来る訳だ。それでなくても、フランス人形は見た目が怖いって言うのに……それが、奇形に表情を歪めて襲って来たら誰だって悲鳴を上げて逃げるって(笑)。西洋人形、マジコエー(笑)。ホラーな悪戯、元々は別の奴の十八番だったんだけどなぁ……双夜が、もっと怖くしてやらかすから双夜の十八番になったよ(笑)。

とりあえず、双夜の物語は一旦お休みにして神崎の物語にチェンジさせます。もっと、早くこうしておけば良かった気がする。たらい待ちしてたら、いつになるかわからんからな。たらい?たらいは、たらいだよ?ほら、何かが降りて来た的な?神が降臨したら、生け贄にしちゃうので作者は『たらいが落ちて来た』と言ってます。神は、逝って良し!!つか、何の生け贄にするかは内緒(笑)。
で、話の続きね?世界の調整だけでは話が持たないので諦めたとも言うがね(笑)。あっちは、エターナル・エンドが出たせいで世界の調整が入ったけど……それが無ければ、もっとスローライフ?モドキが始まってたよ(笑)。つか、巻きたいのにSAOを進めなきゃならんとか面倒な話でなぁ。神崎をあの世界から、叩き出さねばならんのだわ……てか、奴は何をしているんでしょうね?ハーレムゲームしに行くんじゃねぇのかよ!?何、鉄と共に遊んでいるんだ!?と思わずには居られない。サッサと、魔法少女の世界でギャルゲー始めれば良いのに……面倒掛けんじゃねぇよ!?って訳で、神崎をSAO世界から叩き出すまでをやります。まあ、目標なんだけどね。【鮮血の】や【女装巫女】に邪魔されんようにしないと面倒な事になる。奴等は、性格やら人格のイメージが固まってる奴等なので勝手に動いて喋るんですわ。
暗躍までしてくれるんで、その影響を外すのが面倒臭い。

何はともあれ、神崎をSAOモドキ世界から追い出すぞ!!
エイエイ、オー!!

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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