絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三四四話

Re:

 

 

 

とりあえず、身代わり作戦は尽く失敗に終わった。

 

「八神はやてが、ウゼェ……」

 

そんなに、俺と敵対したいのならガチで敵対してやっても良いよ?って気分になって来た所だ。

既に、リンカーコアは排除して幾らでも無尽蔵で無尽蓄な魔力が使用可能になっている。

ぶっちゃけ、何時来られても対処は可能だった。

ま、【魂蔵】は予備だけど。

A.M.F.改ーー双夜の魔改造品ーーは、既に展開し終えているし例えブラスターⅢの《デイバインバスターEX》でも貫けない様にしてある。…………つーか、段々腹立って来たんですけど?

いっそうの事、まだ卒業式(機動六課の)は終わってないけどあの部隊を終了させてしまっても良いかも知れない。あんなモノがあるから、八神はやてが強気で居られるんだ。

なら、壊滅も視野に入れて薙ぎ払ってしまっても良い。

はっきり言って、とっても簡単に薙ぎ払う事が出来るんだよなぁ……最後の希望すら残らないくらいに。

だけど、それは世界的に見ると歪みに相当するので出来ない。

ここで、汚点の一つでも残せば後の物語に響いて来るだろう。

よって、手は出せないって話になるんだけど……彼女達は、遠慮なくこっちに攻撃したい放題なんだよね。

ぶっちゃけ、フェアな戦いにはならないだろう。

だからと言って、一方的に蹂躙されるとこの世界がヤバイので面倒ではあるが戦力を拮抗させた上で時間稼ぎをしなければならないという状況だ。ま……だからと言って、過剰反応で待ち構えていてはここに俺が居ますと白状している様なモノだから最初に決めたルールに従って行動する。

 

1、特定の時間になると、『塔』が出現!

 

2、『塔』出現と同時に、魔力多過による《次元振》発動。

 

3、『塔』に触れる者が現れると迎撃システムが発動。

 

闇の書の闇モドキ召喚!!必要あるならば、ヒルコクリーチャーも出撃。後は、臨機応変に対応する。

まあ、あの部隊……というか、なのはママの事だから1時間以内に倒しそうだけど。

でも、邪魔される訳には行かないので更にブッ込む!!

 

4、1時間以内に闇モドキが倒されたら、更に三体追加して様子を見る。

 

それでも駄目だったら、計六体の闇の書の闇モドキを出現させてからの物量戦に持ち込む予定。もちろん、ヒルコクリーチャーも大量放出!そうなってしまえば、流石のなのはさん達でも太刀打ち出来ないと思われる。

ついでなので、出現させる闇モドキは倒される度にパーワーアップさせても良いかも知れない。

例えば、強力なシールドを追加するとか?人形で、どこかリインフォースの面影がある闇モドキとか?

まあ、そんな事をしたら間違いなく俺の存在がバレるからしないけど。あからさまなのは出さずに、関連性が問われない類いの怪物を用意する様にしよう。等と、とりとめない計画を作るだけ作ってみた。実際問題、機動六課の面々が来ない限りはなんの意味もない計画だからな。来るとは思っているが、そんな対応をするのか?と聞かれたらちょっと戸惑ってしまう。

だが、そう対応をしなければ世界の調整なんて出来るハズもなく……時間稼ぎをしなければならないってだけで恨みとかはないんだよ?全部をぶっちゃけて、協力を仰ぐ……なんて方法もあるにはあるけど。でも、それはとても難しい。余計な横槍も入るだろうし、局に報告すれば狂喜乱舞した上に増長しそうなクズ野郎がわんさかと湧き出す気がするので協力させるのもちょっと無理そうだ。管理局に取って、極めて都合の良い世界とか作らされる気がする。

まあ、そんな事は絶対にあり得ないけれど。

そんな事を言い出されるのも、強要されるのも面倒なのでやはり管理局には協力を言い出せばしなかった。俺が、管理局程度の存在に屈したり負けたりするなんて事はないだろうけど……とても、面倒なのは違いないのでやはりこうするしかない。

 

「つか、可能性を見てみたりもしたけど……色々、面倒なのは違いないからなぁ……それなら、犯罪者になってでもやる価値は高いんだよ?」

 

それに、人間の欲望ってのは際限も無いからな。

どんな要望が、持ち出されるかも予測出来ないので接触は避けたい所。それでなくても、違法研究所とか犯罪計画とか色々やらかしてくれちゃっているので俺の時空管理局に対する信用度は低い。

総合すると、それだけのはなしだった。

 

「今一、信用出来ないんだよねぇ……管理局……」

 

なのはさん達は、信用も信頼もしているけど……彼女達が、勤める組織の上層部がとても信用するに値しない。報告を上げられたら、面倒臭い事柄が浮上して来そうなので協力を仰ぐ気はない。

だって、本当に出来るのか?とかいちゃもんを付けられた挙げ句、『証明せよ』とか言われて彼等の都合でどうでも良い事を永遠とさせられそうじゃないか。直ぐに結果が出る訳でもない故、そんな事になったら世界の調整所か訳のわからない事を永遠とさせられた挙げ句、その果てに世界が反転して【外】に弾き出される可能性もある。

あれに、人間が関わる必要性はない。

むしろ、関わられたらロクな事には成らないのは明白。

俺が、この世界の破滅の原因になる訳にも行くまい。

因みに、どこまで出来るの?と問われたら……『どこまでも』と答えざるを得ないだろう。かつて、エターナル・エンドがやらかしたとされる例を上げるなら……彼等に取って、極めて都合の良い世界が作られたそうな。その結果は、言うまでもないだろうけど。それによって、迷惑を被った《神殺し》が告げた言葉がある。

『彼等は、《旧・神族》とそう変わらない存在だ』とのこと。

元《神殺し》だった者達に取って、それは最大の侮辱発言だろう。

だがしかし、世界を極めて自分の都合に良い様に調整するとか……その思想は、間違いなく《旧・神族》に通じるモノでしかない。

それ故に、世界の調整は()()で行う事が推奨されている。

資格を習得した、極めて有能な個人が一人で調整する様に改訂された。他者からの干渉を、皆が避けているのはその為だ。

 

「全く持って、面倒極まりないモノだよな?世界調整ってのは……つか、自然治癒で治らない歪みを発生させれるシステムがダメダメなのか……」

 

だからと言って、システム的にガチガチにすると触れ幅が無くなるので余計な面倒が生じる可能性がある。何事も、『ほどほど』が良いのだった。まあ、その『ほどほど』のせいで俺達が出庭って来る事態になっているんだけどな?全く、面倒な話である。

 

「システムに、()()がないと割れやすいし……なのに、()()があると歪みが生じる……とか、永遠の命題だな」

 

この辺りのジレンマは、生涯解決する事のないモノなので【永遠の命題】とも言える。まあ、その辺りは仕方がないモノとして受け入れざるを得ないので諦めるしかないだろう。納得出来ないけど。だからこそ、幾つかの世界を管理する【管理神】が居て……安定している世界は、女神達が管理している訳なんだけどさ。

ぶっちゃけ、使い捨ての天使ですら管理が出来る超安定系の終神世界もあるけど……そんな世界に、転生者や転移者が送られる事はないから放置でも構わない。安定している世界は、放って置いても構わないけれど……不安定で、確定仕切っていない世界への干渉が後を断たないでいる。

正確に【複製世界】っていうのは、()()()()()()()()を計測する為のシステムで使い捨ての演算世界だったりするんだなぁ……これが!

それを完結済みだからと、【娯楽】と称して大量複製し他世界の神々へ売り付ける準・犯罪行為が横行している。

まあ、それっくらいならDVD扱いで問題にも成らないんだけど……『俺が考えたストーリー!』なんてモノを組み込んで改訂し楽しもうとする馬鹿が横行した為に俺達の出番となった。しかも、売り付けている奴がその世界の管理神ではなく別の第三者が小遣い稼ぎにやっているって言うんだから話は複雑だ。

なんで、そんな事がまかり通ったかと言うと……神世界・第〇次流行言動に【家族旅行】なんてモノが混じったからである。

それによって、家族経営をしている管理神達が休暇と称して百年程管理世界を放置して他世界へ旅行に出るなんて行為が多発した訳だ。初期の頃は、一つ二つのモノだったので然程大きな問題にも成らなかったんだけど……ある時、数万単位の世界が放置されて犯罪者が大暴落なんてしてくれちゃったモンだから大問題となった。しかも、留守中の守人としてアルバイト(非合法)を雇い家族旅行へ行く奴等まで出現する始末。

その結果、行方不明者が大量に出て対応したら複製世界が大量放出された訳だ。こういう、ルールの穴を突いた犯罪行為が横行した結果……現在の状況が生まれる要因になったのは否めない。

それで、取り締まりを強化したら『人間は良くて、なんで神は駄目なんだ!?』とクレームが殺到。そこから生じた反発心で、アルバイトを雇わずに旅行に行く馬鹿も続出で……急遽それに対応したシステムの構築を余儀無くされたとのこと。まあ、俺は知らないんだけれど……それを体験したセイビアが、『大変』だったと口にしていたからマジで忙しかったのだと予測される。

そんなこんなで、急遽増設された部署が派遣系の部署で……それでも、予約制だったからか非合法のアルバイトで旅行に行く馬鹿も居て中々に困る話だったそうな。

それが、行われなくなったのは非合法のアルバイトに世界を乗っ取られて帰るべき管理世界を失った神々が出ちゃった結果らしい。なんで、そんな事が可能だったかと言うと……その世界で、生きている人間を使って小遣い稼ぎを始めた野心家の非合法アルバイトがやらかしてくれたからである。お陰で、正規の留守番を使う方向にシフトした訳だが……そのせいで、少なくない家族経営神が犠牲になったのは言うまでもない。

以前にも、触れたと思うのだが……Aの世界からBの世界へ人を転移させる際、神々の間でとある取引が行われる。

その取引と言うのが、複数の纏まった命を担保とした借金モドキだ。

内容は、命を担保として差し出し特定の人物(複数)を借り受けるという借金モドキシステムが存在すると紹介した記憶がある。

確か、神が関わる勇者召喚システムの内訳だったハズだ。

世界を乗っ取っちゃった非合法アルバイトは、そのシステムを悪用して大量の命をプールし現存する世界を一度更地に戻して己のみを崇め奉る世界を創造を企てた。その結果、非合法アルバイトを雇った家族経営神達は帰るべき世界を失い路頭に迷う事になる。

これが、アルバイト派遣の部署を設置する前であれば何とかしてやる事も出来たハズなんだけど……設置された後の話なので、完全な自己責任扱いとなり『神格の剥奪』と『数万年の無料奉仕』を言い渡されたモノだから周囲が大騒ぎする事になった訳だ。

そりゃ、明日は我が身だからな。家族旅行には行きたいが、それによって帰るべき世界を失うとなれば自粛する方向へとシフトするのは避けられないだろう。要は、家族旅行よりも管理世界を奪われる事に怯えちゃったんだよ。

まあ、奪われたら神格も無くなって無料奉仕まで強要されるのだからメリットとデメリットの割合が合わなくなったのも原因だが……それによって、もっと大きな問題も浮上したけど。その大きな問題ってのが、複製世界の違法売買って言うんだからさあ大変だ(笑)。表沙汰になった、その違法売買は別の問題を無料奉仕中の元神々にもたらした。

それは、無責任な管理実態への追求である。まあ、非合法アルバイトを雇って家族旅行に行っちゃうくらいには無責任なので更に追加で罪状が数え役満化して《神殺し》出動!断罪!!なんて話に……お陰様で、非合法アルバイトを雇っての家族旅行は一気に縮小したね(笑)。それでも、派遣が待ち切れずにやっちゃう奴は居るけど……非合法アルバイトを雇ったりはしなくなったので問題にはなっていない。え?なんで、問題になっていないかって?

そりゃ、現存する他世界の神々と交渉して旅行期間中の間だけ片手間に見て貰うなんて友人経営が横行しているからだろう?

非合法アルバイトの管理世界乗っ取りなんて問題が発生するまでは、普通に交流があった訳だからな?なら、そういう代理管理業務をやってくれる奇特な神々も居て当然だろう?まあ、それを商売にしている奴等も居るから完全な白い合法ではないけれど……それで、円滑に世界運営が出来るのであれば問題にもならない。

 

「そう、問題ではない。問題では……でも、それはそれでグレイな商法だから、その内取り締まりになる可能性もあるんだよね」

 

何はともあれ、ガッチガチに縛ると反動も大きくなるのである程度の()()は必要な措置である。それくらいは、大目に見ようと《神殺し》の間では暗黙の了解となっていた。突ついた……ソイツ等の旅先で、ヒャッハーしたけど(笑)。今尚、友人代行が無くならないのはそういう事である。残念無念。

 

閑話休題。

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

さて、気が付いたら夜になっていた。

そんなに、ボォッとしていたつもりはないけど……眠っていたらしい。つか、いつ意識を失ったのかもわからないんだが?状況把握の為に、アレコレしていたら意識消失の原因が判明した。

何故かはわからないが、【本体】が起きて活動しているらしい。

結局の所、俺は【端末】用の疑似人格なので違和感がない様に複製されてはいるが……【本体】が意識を取り戻せば、【端末】の意識が消失するのは仕方がない。今は、再起動させられて目覚めているけれど……あちらに引っ張られているのは否めないだろう。

つか、怖い。以前も、使い魔の再起動ネタで恐怖がある云々言ってた通り唐突に意識を奪われるのはとても恐ろしい事柄でしかない。流石に、本体を殺したら俺も消失するので出来ないけれど……なんでアイツ等は、これが平気なのか訳がわからない。

しばらく怯えていたら、本体から謝罪のメールが送られて来た。

内容は、【始まりの魔法使い】に叩き起こされたとのこと(怒)。

何、やってくれちゃってるんでしょうね!?アイツは……マジ、ムカつくんですけど!?その直ぐ後に、叩き起こされた理由も書いてあった。なんでも、お見合いで相手に逃げられ傷心中とのこと。はあ!?ふざけてるんですかね?【始まりの魔法使い】みたいな存在が、お見合い相手に逃げられたくらいで一々こっちにまで影響を出さないで欲しいんですが!?怒りを顕に憤りつつ、メールを読み進めて行くと何故か禍焔凍真の名前が出てきて……奴が原因?詳しく読み上げると、転生させられた恨みをそれで晴らしたという事らしいが……え?アイツ、そんな事を提案したの?

マジで!?原因を知って、驚きで怒りが吹っ飛んだ。マジで!?アイツ、そんな面白い提案したの!?ちょ、一体どんな心境の変化があったんですかね?とりあえず、【本体】にはもっと詳しい内容を求める事にして今回の意識消失現象は無かった事にする。

つか、マジですか!アイツ、そんな事言って無かったけれど……そうかそうか(笑)。良くぞ、【始まりの魔法使い】にそんな悪戯を仕掛けたモノである。

後で、誉めて使わしてやろう!!

監視者云々で、毛嫌いしていた事もあったけれど……こういう事をしでかすのなら、拾い物だったのかも知れないので好感度は高い。そうか、ほぉか……上司に牙を剥けるのなら、アイツはアイツで使い物になるかも知れない。

その気があるなら、【始まりの魔法使い】が契約した術式を乗っ取って俺の配下にしても問題はないな。

むしろ、『もっとやれぇ!』って感じで本格的にこっちで引き取っても良いと思い始めていた。というか、【本体】からの報告を待っていては時間の無駄なので直接セイビアに連絡を入れて詳細を求める。直ぐに、詳細を記録したメールが届いて俺はワックワクしながら内容を確認していく。

 

 

 

……………………。

 

 

 

先に感想だけ言おう。酷ぇ(笑)!!。

何がって、お見合いを申し込んだのはあちらなのに元彼が奪って行ったとか超ウケるんですが!?つか、細部がやたらと細かいんですが!?実在する人物に、お見合いを持ち掛けて申し込まさせ……その人物からと偽って、【始まりの魔法使い】に話を通す。

その後、お見合い当日になってドタキャン。【始まりの魔法使い】が、詳細を求めたら元彼に連れ去られたと報告。実際に、そのお見合いの相手は元彼と逃げたって言うんだから恐ろしい。

これじゃ、【真実の瞳】を使ったとしても首謀者までたどり着けないんじゃねぇ?良くぞ、ここまで【真実の瞳】を全力回避して見せたなぁ。尊敬するわ(笑)。元ネタが、凍真と妖精の適当な会話からだって言うんだから恐ろしい。

これ、かなり大掛かりな根回しをしてないと失敗するぞ!?【真実の瞳】で、事細かに調べたとしても事実関係上は問題ないと出て来るだけだろうな。

 

「ネタを提供したのは、凍真だとして……細部を考えたのは、セイビア達みたいな無神経野郎組だろうな?」

 

でなければ、俺の【本体】が目を覚ましたりはしないだろう。

もう少し、周囲への影響とかもかんば見て欲しい所だが……贅沢な悩みになるだろうか?何はともあれ、いつの間にか【本体】の方はサッサと棺へと戻り眠ってしまったモヨウ。まあ、端末に影響が出ない様にしたんだろうと予測出来るので見なかった事にする。

つか、いつも通りマイペースだな……【本体】。

余りにも、いつも通りだったからか……つい、苦笑いが漏れた。

 

「さて、割りと深夜な状況ですが……」

 

世界の調整は、ちゃんと毎日やらねばならない事柄なので、ちょおぉっと遅れ気味の様な感じだけれど……やるっきゃ、ないよね?って訳で、俺は術式を起動して『塔』を亜空間から引きずり出し魔力をガンガン【真実の瞳】へと流す。結果、しばらくすると魔力が飽和して《次元振》へと変化して行った。それと同時に、目の前には因果律を経由して世界の状態を示す仮想インターフェースが展開される。じゃ、面倒だけど……一丁、頑張りますか!

 

 

 

……………………。

 

 

 

結論を言おう。

いや、結論というか感想?

まあ、なんでも良いや。

メチャクチャ、怖かったです(泣)。

世界の調整開始から、二十分程して管理局の武装隊が現れたまでは良かったんだけど。その後に、真打ち登場とばかりに機動六課のフォワード達が現れて攻撃を仕掛けて来た。もちろん、『塔』に触れるまでは何もしてないよ?してないのに、《ディバインバスター》が『塔』をカスって行ったのはマジ怖かった。それによって、第一の条件をクリアしたとし【闇の書の闇】モドキを召喚。

ヒルコクリーチャーを放出して、戦闘開始とした。というか、ワザト!?ワザトなの!?って、思いたくなる程に機動六課面々の魔法が流れ弾として『塔』に向かって来るんですが!?マジ、洒落にならないくらい恐ろしかった。『塔』を掠める度に、振動がこっちにまで伝わって来て手元を狂わせようとしてくる。

いやー、あれは肝が冷えたね。あれで、数字を打ち間違えたら今よりもっと酷い事になっていただろう。

現状、彼女等は敵だ。

もう、容赦はしないぞ!ブヨブヨ攻撃をしてみたり、幽霊モドキを召喚してなのはママに殺到させてみたりと色々してみた。幽霊モドキの殺到攻撃は、なのはママが敵味方関係なく暴走攻撃してくれるので楽しかったけど。『塔』が、揺れたのはとても困ったので次からは自粛する。

ただ、それによりAMFでは余程強化された魔法までは無効化出来ない事がわかったので闇モドキには『塔』を中心に正三角形の陣形を取らせる事にした。割りと簡単に、一匹目が屠られたので次からは三体出現させる時はそういう陣形を取らせて防御力を上げようと策を講じる。倒された場合は、細長い菱形の柱へと変化させ大地に突き刺せばベルカ式ッポイ防御魔法にする予定。これっくらいなら、まだ大丈夫だよね?そもそも、三体を出現させた所で時間切れになっていたから今から仕様を変更した所でバレる危険性はないハズだ。……多分。

つか、全ての封印が解除されているからってハッチャケ過ぎななのはママ達は亜空間へと消えて行く『塔』を見送ってから次元艦へと戻って行く。

イヨッシャァ!

これで、後三日……後、三日耐えれば俺は平穏を勝ち取れる!!

後、三日……持つかな?持たなかったら、ど、どうしよう!?

後、三日……三日も、あるよ!?

今日で、都合四日目だけど……まだ、安定したとは言えないレベル。せめて、二日後に機動六課が来ていれば逃げても問題なかっただろうに……最悪、二日程調整して一日分を残して逃げるのもありかも知れない。

それでも、二日……?

一日で、闇の書の闇モドキ(一体)は倒されてしまった。

このまま、三体や六体も倒されたら……い、いや、高々一時間だ。一時間程度なら、なんとか……まあ、戦闘に一時間も掛からないけどね。うふふふ……『塔』内部を迷宮にしておくべきかな?

『塔』内部を魔改造する時間もあるし……中に入ったら、飛翔系の魔法を使えなくしてしまえば進みも悪くなるだろうし?

そして、時間になったら強制排除で『塔』の外に吐き出しちゃえば良い。以前、【鮮血の】や飛龍にロック・ウォー達と作った《神殺し》専用初心者ダンジョンをコピーするば何とか時間稼ぎ出来るかも知れない。(混乱中)

 

「…………あれは、ある意味凶悪な鬼畜ダンジョンになっちゃったんだよなぁ……」

 

そもそも、《神殺し》専用の初心者ダンジョンを作るにあたって最初は真っ当に作る予定だったんだ。だけど、ある程度作った所で飛龍や【鮮血の】が『普通のダンジョンでは、《旧・神族》の悪辣さが伝わらない』とか言い出して心をへし折る方向へとシフトした。それはもう、飛龍と【鮮血の】がノリノリで悪乗りを始めて……俺、このダンジョンをクリア出来る奴は居ないんじゃないかと思い始める。だが、上には上が居て……ロック・ウォーが、『もっと、突き詰めるべきだ!』とか言い出して更に凶悪化。

最終的には、誰にもクリアさせる気のないダンジョンになったのでラスボスは《堕ち神》を突っ込む事にした。

ついでだったので、突っ込んだ《堕ち神》を《古き神々》レベルにした所……【鮮血の】達から、クレームが上がったので通常の《堕ち神》を弱体化させて《隠鬼》でも倒せるレベルにさせられる。なんで、突き詰めよう!とか言ってた癖にそこで生易しい設定にすとるかねぇ?等と思ったけど、このダンジョンのコンセプトは《旧・神族》の悪辣さを後輩に伝える為のダンジョンなのでこれで良いそうだ。

つか、ラスボスまで凶悪にすると誰も遊んでくれないから駄目なんだと。いやいや、ラスボスまで辿り着けないだろ!?って思ったが奴等の様子を見るに問題ないと告げられた。

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

因みに、試運転で【鮮血の】達がダンジョンに突撃したんだけど……奴等は、ダンジョン半ばでリタイアした。

なんでも、キレてダンジョンに大穴を開けたそうだ。

全く、バカだねぇ(笑)。

 

 

 

 

 




《神殺し》専用初心者ダンジョン誕生秘話が、チョロッと出て来ましたね?ぶっちゃけ、弱体化しているとは言え初見殺しなラスボスではあります。つまり、トーマ逃げてぇ!!なダンジョンだったり(笑)。しかも、悪ノリしてたのは飛龍や【鮮血の】であって双夜ではないというオチ。双夜が悪ノリしたのはラスボスだけで、しかも却下されたネタだけというダンジョンでした。でも、初見殺しは採用されているので凶悪かつ鬼畜なダンジョンである事に代わりは無かったりする。因みに、最後まで到達出来た《神殺し》は数名だけだ。なんたって、途中最強の女剣士が参加しちゃってみんな逃げちゃったからねぇ(笑)。通常よりも、トラップに引っ掛かり易いダンジョンから……人を馬鹿にするダンジョンへシフトし、最終的に心をへし折り精神的に殺しに来るダンジョンへ移行する訳だから途中の心をへし折る段階で最強の女剣士がブチギレ。情け容赦ねぇ憤怒の女剣士が、全てを斬り捨てながら迫ってくるって恐怖は永遠に語られる恐怖となる。双夜は、この時『ラスボス担当です!』と言って逃れたけど……本当に、怖かったらしい。

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m(_ _)m

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いつも、読んでくれてありがとうございます。

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