絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

365 / 591
三三九話

Re:

 

 

ま、生き返っちゃったモノは仕方がないので身体検査を入念にした後でプレシア・テスタロッサと面会させてみた。当然、プレシア・テスタロッサが決壊。その上で、暴走し自滅的な吐血しちゃったので即集中治療室に叩き込んで身体の治療をするかどうかの意思を確認してみた。当然、即答で治療する事を了承。

なので、サクッと治療して時間を置かずに再度会わせてみるとアリシア・テスタロッサが超遠慮するという状況が出来上がっていた。まあ、わかっていたからこそ時間を置かずに会わせた訳だけど……プレシア・テスタロッサが、困ってる困ってる(笑)。

それを十分に堪能して、俺は病室から外に出た。

ついでに、迷っているフェイトちゃんをプレシア・テスタロッサ達の居る病室に無理矢理叩き込んでから通信を開く。魔力が、ガンガン吸い取られるけど……これくらいしないと、【組織】の奴等と通信なんて出来ないからな。仕方のない消費だろう……やばかったら、システム・ユグドラシルと接続してそっちから魔力供給するさ。

 

「それで?誰が、何の目的でアリシア・テスタロッサを生き返らせたって?お前等の誰かなんだろう?」

 

『知らねぇよ!?』

 

『つか、エターナル・エンドがやったんじゃね!?』

 

「アイツ等が、そんな愁傷な玉か?」

 

『ちょっと、顔合わせしただけでこの理解率……誰か、わかる奴は居るか?』

 

『サッパリ……』

 

『あーサッパリ!サッパリ!!』

 

「なんのネタだ?」

 

『魔法陣ぐ〇ぐ〇。サッパ〇妖精(笑)』

 

「訳わからんし……で?誤魔化したお前が犯人か?」

 

『違うよ!?つか、犯人はサッサと名乗り出るべし!!』

 

「じゃ、いっそうの事……全員が犯人って事で、【風紀委員】には伝えて置くよ?」

 

『止めて!』

 

『止めろ!』

 

『待て、早まるな!?』

 

「通報しました」

 

『なんて、無情……』

 

『鬼か!?鬼畜か!?』

 

「何はともあれ、アリシア・テスタロッサが自然に目覚めるなんて事が起きた異常……誰かの介入かと思われるんだが……」

 

『…………介入者は、《旧・神族》で……アリシアは【天子】に侵食を受けている……とか?』

 

『『『……………………』』』

 

「……………………」

 

一瞬、それが真実の様な気もする。だが、無い事ではないと思ってしまったけど他の【真実の瞳】保有者がパッと消えてすぐ戻って来たので結果を聞けば問題ないとのこと。つまり、冗談と。

 

『あ、はい。冗談です……』

 

「後で、とっちめといて?」

 

『『『了解!!』』』

 

『……oh…………』

 

「それで、考えられる可能性は?」

 

『現在、検討中……』

 

『右に同じく』

 

『左に同じく』

 

『上?下に同じく』

 

結局の所、アリシア・テスタロッサが目を覚ました理由はわからず仕舞いで、原因と思われていた《神殺し》共の介入は確認出来なかった。なので、しばらくは要監視が必要だと判断しアリシアにはフレールくんを付けておく事になる。その後、俺がやらかした事は機動六課に丸投げにして……俺自身はというと、ヴィヴィオの子守りというか一緒に遊ぶ方向で楽しく、世界の調整で忙しく過ごす事になった。《神殺し》モドキではあるけど、エターナル・エンドが現れたんだ。ちゃんと、世界の調整はやらないと歪んでしまう。それに、死者が自然に生き返った訳だからね。

その事もあるので、調整に調整を重ねる事になった。

つか、エターナル・エンドは滅んで良いぞ?なんだ?このメトロダウン……アイツ等の使う、代償・対価の魔法が影響してるのか?

いずれにしても、これ程の歪みを放置する訳にも行かないので世界の調整をしつつヴィヴィオの御守りもしていた。すると、死者蘇生の秘密を暴こうと馬鹿な奴等がアリシア・テスタロッサを誘拐する計画を立てている場面をフレールくんが見付けたモヨウ。なんで、時空管理局って組織は直ぐにそういう面倒事を犯そうとするのかねぇ?

超、面倒臭いんですけど?なので、八神はやてにその情報をリークしたら直ぐに処理すると確約してくれた。そのついでに、何故か俺もお説教される流れに……解せぬ。

 

「情報収集に、プライバシーなんて抜かしてたら未然に犯罪を潰せないじゃないか!?」

 

「そやけど、他人のプライバシーを覗くのはアカン!」

 

「大丈夫。個人の所有スペースには侵入してないから!僕が、フレールくんを侵入させるのは公の所有スペースであって……個人のプライバシーには、一切関わっていない。まあ、見える分には仕方がないとしても堂々と中まで覗きには行かないよ?」

 

「つまり、ギリギリの範囲までっちゅうことか!?」

 

「それに、犯罪者に人権はない!」

 

「あるわ!メッチャ、あるわ!!」

 

「大丈夫。明確な犯罪を犯さない限り、プライバシーは守る方向で情報収集してるから!!」

 

「アカン。それ、メッチャアカンヤツですわ……」

 

「問題ない。まだ、バレた事はないから(笑)」

 

「せやから、何で犯罪者思考で犯罪者的言い訳するん!?」

 

「フッ……己が、信念の為に敢えて悪を名乗るのが我等が【悪の組織・ナイトメア】の流儀!故に、問題ない」

 

「悪の組織って……」

 

「正義を成す為には、悪を名乗る必要がある世界から来たからな。いやー、【正義の味方】さんが金持ち共に買収された挙げ句、人身売買すら見逃すクレイジーで犯罪者パラダイスな世界から来たモノで……真の正義を成す為には、法律すら無視しないと成せない世界だったんだよ。政治家も、警察機関も、軍さえも……金持ち共の私兵に成り下がっていたので……」

 

「…………oh……」

 

「しかもですよ?そこに、神モドキの皮を被った悪魔まで関わっているのでウザくてウザくて……見た目は、キラキラした慈悲溢れる天使……の癖に、中身は極悪非道の鬼畜な糞ゴミクズな奴等が【神の御名に置いて全てを許す】とかほざくんで金持ち共がやりたい放題のしたい放題で、【神の威】を借りた状態なのを良い事に欲望の限りを尽くすし弱者を奴隷以下の扱い。一般市民は奴隷で、暗殺、誘拐、洗脳……もう、手に負えない状態だ」

 

「マジか……」

 

「見る?人権なんて、『何それ?美味しいの?』状態だよ?」

 

「………………いや、止めとくわ……」

 

「うん、胸糞画像で動画だもんね。良くわかるよ……」

 

「…………そうか。せやけど、犯罪者にも人権はあるんよ……」

 

「知ってる。知ってるけど、奴等が、人権を守る事はないよ?」

 

「ぐっ……」

 

「なのに、君達はそれを守り……奴等は、それを溝に捨てるんだよね。それで、本当に誰かを守る事になるの?てか、守れるの?」

 

「…………せやけど、それが人道ってもんや……」

 

「あ、ごめん。僕、人間辞めちゃった♥」

 

そもそも、俺は人間辞めて高次元精神生命体へと昇化した存在だ。

今更、人間の人権云々を考慮する必要はない。というか、それを守って弱者を護ろうとしても守り切れるモノではなかったんだ。

 

「申し訳ないが……僕達は、それを守りながら弱者を救えなかった者だ。だから、そんなモノを守って要られない。誰かを助け様と思ったら、法律も何もかもを無視しないと守れない。僕達は、一度その法律によって惨敗した者。それに、法律ってその時の権力者が都合の良い様に作れば権力者を守るモノだけに成り下がるんだよ?だって、政治家も買収されていた訳だし?」

 

「……………………」

 

その為に、まととな法律なんて存在しなかった。全部、権力者と金持ちを守る為だけの法だったんだ。そんなモノを守っていては、当然弱者や一般市民を守れる訳がないじゃないか……故に、我等は敢えて悪を名乗っていたんだ。

そうしないと、誰も守れないのがお決まりの世界だったからな?だからって、この世界にまでそれを押し付けるつもりはないけど……でも、この世界も法律は公平だけど、悪人は人権すら守る気はないらしい。でなければ、クローンなんてモノを作ろうとする馬鹿は少なかったハズだ。

一体、どれだけの糞野郎共がその技術を使っていると思っているのかわかって要るのだろうか?それも、時空管理局の高官共が己の利子私欲の為にバンバン使っておられるのですが……それをどうするおつもりで?という訳で、八神はやてには管理局の高官が()()()()()いる情報を伝えてみた。結果、頭を抱えてリンディさんに泣き付く場面を見る事になる。ついでに、クロノんにも泣き付いて……つか、それ泣き付くのはフリで相手を泣かすヤツだろう?

故に、通信を切った後の清々しい笑顔が忘れられなくなった。まあ、そのお陰で八神はやての弱みGETしたけど……酷い女だな、八神はやて。

 

「お主も、悪よのぉ?」

 

「クックックッ、人聞きの悪い事言わんといて。適材適所ってヤツや(笑)。後、情報ありがとう♪」

 

全力で、悪人の顔をしている奴に言われたくもない。

まあ、リンディさん達にはいつも通り頑張って貰うしかないだろう。なので、こっちで調べ上げた資金源だったりお金の流れだったり違法施設の座標等を提供しておいた。

それを見た八神はやてが、頭を再度抱えるハメになったのは御愛嬌。さあ、馬車馬の如く働け(笑)。

 

「丸投げって、良いなぁ……」

 

「五月蝿い!出てって!!」

 

「にゃははは!」

 

一人勝ちですよ?ざまぁ!!ってな訳で、俺はヴィヴィオが待つなのはさん達の部屋へと戻った。ヴィヴィオには、フレールくんやにゃんこモードの使い魔等を与えて楽しく遊んで貰っているのでそこそこ大人しい。

楽しんでいれば、時間なんてあっという間に過ぎて行くし……ウチの使い魔達なら、ボケとツッコミのバリエーションは豊富だから飽きる事はないだろう。案の定、にゃんこの姿で酔っ払いの真似をするアホ共が千鳥足でフラフラ踊っている最中だった。つか、なんで酔っ払いの真似をしているんですかね?まあ、にゃんこにマタタビは危険って教えれば問題ないだろうけど……ヴィヴィオが、爆笑中なので良しとする。

 

「あ、アイナさん。お疲れ様です……」

 

「ふふふ。お疲れ様です。双夜くんの使い魔は、とても面白い子達ばかりね?」

 

「情操教育に悪いので、笑ってばかりでは要られませんが……」

 

「あらあら、難しい言葉を知ってるのね……」

 

「全く、後で注意するか……マタタビ酒で、本当に酔っ払って貰いましょう……」

 

「……………………」

 

アイナさんが、苦笑いした所でヴィヴィオ達がこっちに気が付いた。だが、なのはママの時の様にこちらへ駆けて来る事は無いので手を振るだけであるが……最初の頃みたく、警戒されるよりかはかなりマシに成りつつある。最初の頃は、ママ達を奪う敵認識でそれなりに大変だったからな。まあ、しばらくすれば大丈夫になるだろうから気にはしなかったけれど……フレールくんを出した辺りで、無警戒状態になって使い魔を呼び出して遊ばせたら懐かれたので現金なモノである。とりあえず、にゃんこな使い魔に魔力を与えて大型の獣モードにして乗せて走らせてみた。

最初、大きくなったにゃんこ(猛獣?)に怯える様子はあったけれど。乗って、走れるってわかった辺りからお馬さん扱いに変わって……フェイトちゃんに見付かり叱られる場面もあった。それでも、ヴィヴィオは苦笑い程度で……その後も、度々六課施設内を走り回るにゃんこ(大)とヴィヴィオの姿が目撃されている。ビーストは、見た目が怖いので論外だろう。なので、ビーストは子犬モードでヴィヴィオにじゃれる役所に収まったままだ。犬、猫、蜥蜴が、大丈夫そうなのでにゃんこ達に他の動物へ変化させてみたりもしている。流石に、巨大な生物にすると部屋が壊れるのでライオンレベルの大型種以上にはしていないけど……そろそろ、動物園とかに連れて行って常識を学ばせた方が良いかも知れない。手の平サイズのキリンや象は居ません……とか?

 

「てな訳で、外出許可を貰いたいのだが……」

 

「無理や」

 

「地球で良いから、外出許可して?」

 

「駄目や」

 

「OK。なのはさんに、泣き付いてやる……」

 

「やってみぃや!?」

 

「今の所、ヴィヴィオにチョッカイ掛け様とする馬鹿は居ないよ?だから、1日くらい外に出ても大丈夫なハズだよ?」

 

「そりゃ、どこかのどなたさんが潰して回っているみたいやからな!?お陰で、こっちは大忙しや!!」

 

「ソウナンダ?ヘェ……」

 

そんな引っ掛けに乗る程、俺は馬鹿ではないよ?そりゃ、ヴィヴィオの情報を掴んでチョッカイを掛け様とした馬鹿共は居たけど。

ウチの優秀な使い魔達が、それを許すハズもなく……こっちには、報告が上がって来ないけど問題は無いハズだ。報告が上がって来ないのは、転性者関係の話ではないからだし……俺は、把握してないからマジで知らないよ?

 

「なんか、言う事はあらへんか?」

 

「無いなぁ。そういう、報告もないし……知らないよ?」

 

「え……そうなん!?てか、報告!?」

 

「僕の使い魔は、百万程いるので何をしているかまでは知らない。でも、必要な報告は上がって来るし……必要のない報告は、そもそも上がって来ないから全体図までは把握してない」

 

「ちょ!?報告させてぇな!ってか、どんだけ使い魔が居るねん!?百万!?百万っつうたか!?」

 

「言った。だから、報告がない奴に関しては僕の命令じゃないって事だよ。まあ、ヴィヴィオを拐おうとする糞野郎には容赦しない奴等なんで気にもならないけど……」

 

「気にして!!そして、把握して!!今すぐに!!」

 

ええー!?超面倒臭い。

なので、知らんプリする事にした。

 

「ウチのルールに、自由時間まで拘束しないっていうホワイトなルールがあるんだ。だから、プライベートな事までは知る必要はないかな?」

 

「ちょ!?なんで、そこを緩くするんや!?」

 

「犯罪者は撃滅。ウチは、ホワイト企業なのでプライベートまで仕事を強要してないんだ……その点、管理局はブラックだよね?」

 

「おぉう……くっ。そんな事、今はええ。使い魔の行動の把握を……」

 

「プライベートだって言ったろ?ウチの使い魔は、基本的に従業員扱いでちゃんと給料も出してる。労働基準法は守るんだよ?そうでなければ、ウチの子達はストライキするから大変なんだ。それに僕達は【悪】で、正義の味方とは違うからね……」

 

「ぐっ……ご、郷に入れば郷に従えって言うやろ!?」

 

「保護は受けるけど、局員になるとは言ってないよ?」

 

「なら、報酬を払うわ!」

 

「既に、一億クレジット稼いだから要らん!」

 

「ちょ!?経済力あり過ぎやろ!?」

 

「にゃははは!我には、【黄金律】というお金を集めるのに最適なレアスキルがあるのだよ?金儲けは、任せとけ!」

 

「ふざけんなや!?」

 

「我が、鉄壁の布陣。崩せるモノなら、崩してみよ!!」

 

「もうええ!出てって!!」

 

売り言葉に買い言葉で、俺と八神はやての相性は最悪である。

さて、次はどんな方法でイジメてやろうかな?……まあ、フェイトちゃんがアリシアを連れて地球に行けばもっと楽しい事になりそうだけどな(笑)。アリちゃとすずかが、フェイトちゃんの娘と勘違いしてくれそうだ。ついでに、そのアリシアをネタにして転生者達の信用性も失墜させる事だって出来る。まあ、信用されてないだろうけど……今以上に落とす事は出来るので楽しみだ。

それで、アリちゃやすずかが信じたら転生者をからかうネタにもなる。いやー、弱みって色んな所に落ちているモノなんだよ?

 

「という訳で、はやてが頭を抱えているので慰めてあげて?」

 

部隊長室を出た後、直で訓練をしているシミュレーション場に来た俺は経緯を話してヴィータに丸投げしてみた。

 

「なんで、お前等は喧嘩ばかりするんだよ!?」

 

「だって、からかい易いんでつい?」

 

「からかい易いからって、頭抱えさせるなって言ってんだよ!?」

 

「まあまあ。アルカ!」

 

「はっ。ここに……」

 

「情報、まとめてくれた?」

 

「はい。こちらになります……」

 

「ゴメンねぇ?休日手当ては出すから……ってな訳で、これ持ってはやての所に行ってくれる?」

 

「…………出せるのかよ!?」

 

「把握しろって言われても、一秒二秒で出来る訳ないだろう?」

 

「~~~~~っ!わかったよ!!」

 

引ったくる様にファイルを奪うと、ヴィータは八神はやての元へと去って行く。それを見送って、アルカに八神はやてが把握してないモノも入れたのか聞いてみたらYESと言うのでニタつと嗤う。多分、余計な仕事が増えて悲鳴を上げるんだろうなぁ(笑)。

 

「もう、双夜くん。はやてちゃんをイジメちゃ駄目だよ?」

 

「把握しろって言うから、把握しただけだろう?なのに、はやての知らない事実まで出て来たとしても把握しろって言ったのははやてだよ?」

 

「それは、そうかも知れないけど……」

 

「それに、僕は『趣味』で仕事をしているんだ。使い魔のプライベートはちゃんと確保してやらないと……疲れないからって、永遠と仕事をするのが使い魔なんだよ?そこら辺は、ちゃんと確保して休ませないと、ねぇ?」

 

「趣味で、仕事?」

 

「うん。暇潰しなんだよ?」

 

「………………そっかぁ……」

 

なのはさん、撃沈。何も、言い返せなくなりましたとさ。

というか、俺がしているこのお仕事は元が休暇中で暇していた俺が暇潰しに始めた愚行。なので、本来であれば現状は休暇中なんだよね。なので、使い魔達に仕事を強要する事は出来ないんだけど……俺の使い魔システムは、現在五つ程稼働が可能な状態だ。

通常でも、二つは稼働しているので現在の二倍の人員を使う事が出来ると言う事になる。即ち、何が言いたいかというと……フレールくんは、Mk-Ⅱの子達でMk-Ⅰの人形(ヒトガタ)が出庭って来てるけど入れ替えが可能だったりする。

 

「フレールくんが、二兆。ビーストが、二千万。人形に至っては、二百万の人材を派遣出来ます!!」

 

「いっぱいだね?」

 

「うん!時空管理局、落とせるぜ?」

 

「止めてね?働く所、無くなっちゃうから!」

 

「大丈夫、大丈夫。その気になれば、フレールくん五兆。ビースト五千万。人形、五百万は固いから!!」

 

「増えたよ!?」

 

「現在、稼働している使い魔システムは三台。一台に付き、一兆一千五百万は動かせるから……人材が使いたい放題だよ!?」

 

「えっと……双夜くんは、それで魔力持ったりするのかな?」

 

「持たないよ?だから、魔力動力炉を搭載して膨大な魔力を作ってたりするよ?足りない分は、別の所から供給中」

 

魔術師は、足りないモノを他から集めるモノなんだと神崎が言っていたが……あの魔術知識は、どこから来たのかな?と思うモノばかりだった。と言うか、英霊を呼び出して聖杯に注ぐとか……高潔な魂を純粋な魔力に変換とか……聞けば、アニメや物語の知識だって言うんだから恐ろしい。

なんて、非効率で血生臭い知識オンリーなのか……意味がわからない。普通に、空を見上げれば半永久的にエネルギーを生み出す太陽があって、何故それを使おうと思わないのか……とか?太陽電池知らねえの?と聞いてみたく思わずには要られなかった。いや、まあ……わからないでも無いんだよ?でも、そんな悪魔に生け贄を捧げて力を得る的な事をしなくても現代人は効率の良い技術を産み出している。

なら、それを使ったり模倣したりした方が効率的だし無駄な犠牲も出ない。

なのに、古き悪辣な伝統的なモノを守ろうとは……頭が湧いていると言わざるを得ない。電気エネルギーを、魔力エネルギーに変換する技術もある訳だからな?最早、そんな犠牲ありきの術式は古いんだよ?現代魔術と、進化した錬金技術を舐めんなよ?

俺に至っては、古&現在魔術プラス錬金科学技術の融合で魔工技術を専講中だ。ついでに、魔法や術式等も取り込んで魔法科学なんて技術に発展してる。それでも、足りない時は科学オンリーで膨大なエネルギーを作って魔力変換。バッテリーならぬ、魔力バッテリーまで作って聖杯モドキを量産していると言うのに今更な話なんですが!?

つか、あの魔力バッテリー……電気まで、蓄積出来る優れものなんですけど?しかも、【原子炉】何十個分の電気エネルギーをですよ?【鮮血の】が、超大喜びで五月蝿いから仕方がなく差し出した。すると、あのバカ分割にして事細かに使おうとしたらしく真っ二つに割った結果……起爆。

魔力バッテリーは、割ると蓄積したエネルギー量を増大させて爆散する事が判明した。ええ、それはもう超新星レベルの爆発だったそうだ。

てか、あのバカ……エネルギーの塊みたいなそれを割るとかアホなんじゃね!?普通に考えて、超エネルギーを内包した高純度の魔力バッテリーだよ?これだけ聞いただけでも、割るのはヤバイって気が付きそうなモノじゃないか。それを割ったら、どうなるかくらい想像出来そうなのに……【組織】の施設、約半数を消し飛ばしたとのこと。

俺、悪くないよ?普通に、わかる事を一々説明しなきゃならないの!?って訊いたら、納得して貰えたけど注意はされたので予想できる事でも説明は必須らしい。

 

「超納得行かない!!」

 

「何が?」

 

「魔力バッテリー。中に膨大なエネルギーが、蓄積されていると知っていながら割ったバカが居たんだよ。なのに、説明不足だって叱られたんだけど……高々、超新星レベルの爆発が起きたからって愚痴愚痴言い過ぎなんだよ!!」

 

「チョウシンセイ?」

 

「星が、最後の時を迎えて爆発した感じ?その規模の爆発を、人為的に起こした馬鹿が居たって話」

 

「……………………」

 

フェイトちゃんが、笑顔のまま固まっている。

 

「因みに、これがその原因物だけど……」

 

「「「ひぃ!?」」」

 

「大丈夫だよ。普通に、割れるモノじゃないから……つか、これを割った?どれだけの力を加えたって言うんだ?隕石の直撃受けたってひび割れすら入るモノじゃ無いのに……」

 

「え!?そんなレベル!?」

 

「隕石の直撃……」

 

「とても、固いんだね……」

 

「つか、それを割ったバカが居るんだが……」

 

「なんか、とてつもない話を聞いている様な気がするわ……」

 

「ホントダネ……」

 

何にせよ、彼女達のいる場所で話す様な事でもない。

 

 

 

 

 




原因究明と考察からの御馬鹿な話。魔力バッテリーの話は、【鮮血の】ストーリーであった宇宙の何処かにある連鎖崩壊型のエネルギー増幅鉱石から来てます。それも、ビーム兵器を撃ち込んだらとんでもない規模で戻って来た!!的なギャグネタ。ああ、確かグリーン・ブラッドが本拠点にしている惑星の周囲に漂う天然のバリケードだったかな?あれがあるから、滅ぼせなかったっていう設定だった(笑)。まあ、《旧・神族》の置き土産。ホント、録な事しないよな!それを、双夜が錬金術で魔改造した結果……魔力バッテリーに生まれ変わる。で、結局【鮮血の】はまたそれに泣かされる(ここ、大事!!)のだったって話(笑)。
つか、割れない様にしてあるのに割ったバカがいたんだよ(笑)。態々、割れない様に加工してあったのにね?
【鮮血の】のコンセプトは、『馬鹿と天才は紙一重』なので仕方がないと言えば仕方がないんだけど……なんでだろうね?こうも、使い易いキャラになるとは(笑)。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。