絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三三七話

Re:

 

 

そして、数時間後。俺の目の前には、過去の自分に熱烈なキッスをされた転生者達が真っ白に燃え尽きた状態で倒れ伏していた。

正に、死屍累累な状況に周囲で忙しそうに走り回っている局員がとても迷惑そうである。とは言え、海の浅い所に墜ちた聖王のゆりかごをそのまま放置しておく訳にも行かず、こうして局員総出で後処理に奔走している訳だけど……何なら、宇宙に投げ捨てようか?と提案しても良いかも知れない。まあ、休眠状態に突入しちゃってウンともキャッとも言わなくなったデカ物はこのまま観光スポットになるかも知れなかった。寧ろ、巨大な粗大ゴミ。

その遥か後方では、ヴィヴィオを助け出したなのはさん達が聖王教会系の治療施設に護送される所だった。まあ、俺の目論見が外れてヴィヴィオと最終決戦をやったらしいのだけれど……その為に、割りと無茶をやらかしたとのことで絶対安静という話だ。

今のところ、こちらがする事は何も無いので目の前に転がる馬鹿共の面倒を引き受ける名目でここに居たりする。放置すると、原作ヒロインと恋人に成るべく面倒しか起こさないからな。

 

「さて、そろそろ気分は浮上して来たか?」

 

「……………………すいません。もう少し、放って置いて下さい……」

 

「フム。なら、そのまま聞くが良い。僕の名前は、如月双夜……《神殺し》の一人だ。言うまでもないが、転生者が起こす下らない干渉で物語の根幹が歪むのを防いだり修正したりするのも俺達の仕事だな。最悪、存在そのものの排除も視野に入れて行動している。まあ、端的に言うと……殺すって事だ」

 

「…………《神殺し》ですか……」

 

「もし、『俺TUEEE』や『俺SUGEEE』を目的とするのならガチのヤバい最凶の元へ強制転移させるんだが……改心するなら早目で頼むぞ?見た目、人間と変わらないのに存在がデカ過ぎて世界という枠組みに入れなくなった本物の所へ送ってやる」

 

「……本物って……『俺強ぇ』や『俺凄ぇ』で『俺最強』の本物ですか?つか、存在がデカいってどういう事ですか!?」

 

「そうだ。本人は、すっごい困ってるけどな。存在がデカいって言うのは、文字通りだと思ってくれたら良い。前に、自分こそが全てなクズを送ったらプチッと潰れたらしいから……」

 

「潰れた!?」

 

「ウム。こう……すり鉢でだな……」

 

「あ、良いです。良くわかりました……」

 

俺がまだ、神崎と共に行動していた時に人の話を聞かない『俺TUEEE!』で『俺SUGEEE』の『俺最強!』な『俺、俺、俺!』のクズが居た。どれだけ、説得しようとしても……どれだけ、言葉を尽くしても……『俺が全て』という意見を変え様ともしなかったので【始まりの魔法使い】がいる場所に送ってみた訳だ。

現実を知るのも必要だと思ったから、俺の知る限りガチで『最強』と呼ぶに相応しい存在の元に送った訳だけど……こう、すり鉢でズリュッと擂り潰される様に殺されたと言うか死んだと言うか?

そんな報告書が届いて、それっきりである。まあ、【始まりの魔法使い】からは『ゴミを持ち込むな!』っと言うありがたくもないクレームが来ていたけど、理由を送信したら『そうか』とだけ返信があった。ま、顔を突き合わせて会話すらしてないらしいから彼の最強さんは本物を見る前に潰れてしまったのだろう。

折角、本物を見せてあげようとしたのに残念無念である。

 

「って言うか、貴方が最強なのでは無いですか?」

 

「良く言っても、中の下程度の力だな。まあ、生まれた世界でも最強の座は埋まっていたから……そんな、叶わぬ夢など持たぬがな……」

 

「はあ……最強じゃ無いんだ……」

 

「上があるのを知っていると、自分が如何に弱者なのかが良くわかる。なまじ、力がある分……現実が、良く見える」

 

「マジか……」

 

「君等は、唐突に力を得た類いの人種だろ?力に溺れるのはわかるが……理性を持って、行動しないと破滅するぞ?」

 

「…………耳が痛いです……」

 

「つか、経験があるのか?」

 

「いや。そういう馬鹿を、何度も見たからな……ああは、成りたくないモノだと何度思った事か……」

 

「《神殺し》だと、そういう場数を踏んでいそうですね……」

 

「クソォ……俺が、最強だと思ったんだがなぁ……」

 

「てか、【魔法少女】の世界で男が活躍出来るとでも?」

 

「「「はあ!?」」」

 

「いや、この世界が【魔法少女】の世界だと言うのは知っているんだよな?なら、少女が主役の世界で男が活躍出来ると本気で思っていたのかなぁって……」

 

「魔法、少女の世界……」

 

「少女が、主役の世界?」

 

「マァジィかぁ……そういう、縛りがあったのかよぉ……(泣)」

 

普通は、題名を聞いた所で気が付くべきなんだけど……どうやら、彼等も気が付かなかった人達らしい。というか、ヲタクと言う人種さん達はそこら辺の定石を無視する傾向が強い。なんで、題名に【魔法少女】とあるのに男が活躍出来ると思い込んでいるのだろうか?それなら、【魔法少年】とか【魔法戦記】とかなら活躍の場もあろうけど……本当に意味不明である。

 

「つまり、少女が主役の世界で男が主役になる事はないと?」

 

「チョン切れば、主役に成れるかもね?」

 

「「「ひぃ(ノД`)ノ!?」」」

 

股間を押さえ、ドン引きする転生者達。流石に、そんな提案をされるとは思っていなかったらしく、かなり顔を青くして俺から離れようと身を引いて行く。

 

「じゃあ、俺達が活躍出来るのは『Force』以降という事か……」

 

「後、五年後……マジか……」

 

「まあ、それに至っても過去何をやらかしたかで好感度が大きくマイナスになる事も?今、どんな感じ?」

 

「「「………………」」」

 

「ま、邪魔ばかりしていた訳だから好感度は底辺なんじゃ……」

 

「止めろ!」

 

「止めて!」

 

「聞きたくありません!」

 

「で、今回の事で完全に失墜ですかね?」

 

「クソォ……クソクソクソクソっ!」

 

「俺のハーレムが……」

 

「もうダメだ……終わった……」

 

良かった。

今回も、楽に現実を直視させる事に成功したらしい。

これで駄目な時は、最悪……神崎じゃ無いけど、『きゃるうん☆♪』とか言わせないと駄目かと思ったよ。ガチムチな男が、フリフリのゴスロリッポイ服を着てブリッ娘な感じで世界を駆け巡るなんて悪夢……早々に見たいとは思えないからな。そろそろ、別の悪夢を公開する必要があるかも知れないけど……それは、また今度って事で。ええ、これ以上の心抉る悪夢は必要ない。

 

「本当に、この程度で理解して貰えて良かったよ。もし、これでわかって貰えなかったら……」

 

『きゃるーん☆♪』

 

「「「ひっ!?」」」

 

「なんて事を、君達に体験して貰う事に成りかねなかった訳だからねぇ……」

 

一瞬、ウィンドが開いて神崎のあられもない姿が映しだされると転生者達は揃って悲鳴を上げるのだった。そして、俺に畏怖の目を向けてくるんだから楽勝である。

 

「本当に残念だ……彼のギルガメッシュさんは、二度と表に出られぬ引き籠りさんになったけど……君達は……」

 

「俺、改心しました!」

 

「右に同じく!」

 

「左に同じく!!」

 

「そぉ?別に、改心しなくても良いんだよ?」

 

「いえ!もう、今後しばらくは大人しくしてます!な!?」

 

「お、おう!ちょっと、距離を置いて仕事に精を出さないと!」

 

「だよな!だよな!!」

 

「本当に良いの?」

 

「「「もちろん!!!」」」

 

いやーホント、神崎の暗黒歴史は効果絶大だな!でも、俺的にはこれ以上があっても良い気がするんだけど……こういう、悪夢を体現してくれる人材がその辺に転がってないかな?

 

「フムフム。なら、過去の自分がヒロインを落としちゃったルートは見せなくても良いかな?」

 

「は?」

 

「要は、外見じゃなくて中身の問題でした!的な?」

 

「おい……」

 

「実際は、過去の自分でも十分ヒロインと仲良く出来たなんて……フッ。今の君達には、理解できない事柄なんだろうね……」

 

「マジで!?」

 

「マジマジ……」

 

というか、コイツ等も普通に引きこもりを卒業した後……数年内に結婚しちゃった奴等である。しかも、この内の一人は幼馴染みラブロマンスを展開してゴールインしちゃった強者だ。つーか、幼馴染みに改心させられたモテモテのリア充さんである。

 

「転生なんて、下らない事になってなければ数年内に結婚している奴がチラホラ。インスタント・ソウルで、コピペされて無ければ幼馴染みラブロマンスまであったのにね?」

 

「え!?マジで!?誰だ、裏切り者は!?」

 

「幼馴染み……ああ、アイツか……」

 

「貴様かぁ!?って、俺等死んだんだけど…」

 

「死んでないよ?人格と記憶に性格をコピーして、新たに用意した魂にコピペ♥。んで、記憶を弄って転生させられれば……ほら、何の問題もないよね?」

 

「「「マジか……」」」

 

「全知全能でなくても、【神】ならそれくらいは出来るよ?」

 

「デスヨネー。神様ですもんねー……そうか、マジかぁ……」

 

頭を抱えてしまった転生者達を放置して、俺は次なる転生者を求めてフレールくん達を放つ。まさか、この程度でこの世界軸の問題が解決したとするなら俺で無くて使い魔でも良かったハズだ。

なら、世界の根幹を揺るがすレベルで何かが起こっている可能性もあるので第一世界だけでなく周辺世界も見て回る。転生者達から離れ、ヒョッコヒョッコと歩いているとガジェットが現れたと慌てている局員が居たのでヒョイっと砲撃魔法で吹き飛ばしておいた。とても感謝されたけど、こんな危ない場所に居る事を注意された上にガッシリと手を握られて何故か聖王教会行きのヘリに乗せられる。あの、俺……転生者共の監視を頼まれて居るんですが?と、ちゃんと言ったのにニッコリ笑われただけでアレヨアレヨという間にヘリに押し込められてそのまま運ばれてしまった。

 

 

 

……………………。

 

 

 

「と、言う訳で連れて来られたんですが……」

 

「まあ、ええわ。調度、事情聴取もしたかったし……」

 

「ユーリは、こっちに居たんだな」

 

「ええ。大丈夫と言ったのですが、連れて来られました」

 

「成る程。そりゃ、見なかった訳だ……」

 

転生者達を監視する傍ら、ユーリを目線で探していたんだけど何処にも居なくておかしいとは思っていた。だけど、見付からないのでどうしようかなぁって迷ってはいたんだよ。探しに行くか、放置するかで……7:3の割合で放置が有効だったんだけどなぁ。

見付かった以上、仕方がないので一緒に居る事にする。

 

「それでや、聞きたいんやけど……なんで、なのはちゃんと同じデバイスを持ってるんや?」

 

「来たれ、【蒼天の書】!出でよ、リインフォース・ツヴァイ!」

 

「呼びましたか?…………はやてちゃん?」

 

「わわっ!?私が、居るですぅ!?」

 

「と、まあ……こんなもんで、どうでっしゃろ?」

 

「……………………」

 

八神はやてが、思考停止から復帰するまでかなりの時間を要したとだけ言っておこう。本人の名誉を保護する名目で、その間にあった事とその後に起こった事も黙っておく。とりあえず、真面目モードの八神はやてをからかうのは止めた方が良いかも知れない。

その後、なのはさんやフェイトちゃんに機動六課の面々と色々お話をする事になったけど……まあ、あれだ。何故か、高町家に引き取られる事になりました。なんでだ!?

 

「解せぬ」

 

「双夜が、リンカーコアを治せるなんて言うから……」

 

「だって、僕のなにょはママはリンカーコアが割れて魔法が使えなくなった世界軸のママだって説明する事になるから……」

 

「だからって、前世界軸で問題になってるのに……」

 

こことは違う、平行世界の子供って話になったら引き取られる前提で話がトントン拍子に進む事になったんだよ!?俺は、活動拠点が欲しかっただけなのに……出来れば、聖王教会の軒先でも借りれれば良いって言ったのに、フェイトちゃんの子になるかなのはさんの子になるかで話が進んじゃって止められなかった。

 

「解せぬ……」

 

「諦めぇ。ああなったら、止められぇへんわ」

 

「カリ姉やシャ姉、シャマルって選択もあったんだよ!?」

 

「カリ姉?って、カリムの事か?って事は、シャ姉ってシャッハ!?シャマルは、家の子やけど……ホンマに、恐ろしい未来があったんやなぁ……」

 

「アリちゃとか、すじゅかとかでもOK?」

 

「アリサちゃんや、すずかちゃんもか!?」

 

「八神はやては……守護騎士の大半を失って気が狂ってたし……」

 

「……oh…………」

 

そんなこんなで、八神はやての気が狂っちゃった後の話を永遠としていた。段々、顔を赤く青く白くする八神はやてが面白くてなのはさんやフェイトちゃんにした禁止ワードまで持ち出して面白おかしく告げ口中。偶々、ヴィヴィオと病室に来たシャ姉の暴露話で符合しちゃったネタがあったのか一時、背筋の寒くなる場面もあったけど概ね楽しい時間となった。その際、エリオのキャロに対するラッキースケベの話題が出て、エリオがキャロに謝り捲っていたけど本人が気にしていないので意味はないかと。

なので、からかいついでに責任を追求したら求婚話になってまた寒い時間となった。なので、八神はやてには幼馴染みズをオススメしたけど色好い返事は無かった上に、少々殺気を滲ませた彼女が『結婚なんてしない!』宣言をして終了した。其々の病室に戻って、皆が寝静まった頃……使い魔達の報告書を受けて、世界の状況を確認していた俺はいつの間にか眠っていたらしい。

 

 

 

……………………。

 

 

 

翌朝、何故かフェイトちゃんに抱っこされて移動している如月双夜です。ついさっきまで、太陽の光をサンサンと浴びて食事ならぬ日光浴をしていたハズなんですが……フェイトちゃんに抱き上げられた挙げ句、屋内に連れて来られてしまいました。うーん、やはり万歳をしての日光浴がイケなかったのかな???端から見たら、抱っこをねだる幼児に見えなくも無いかも知れない。

だが、何も言ってないのに抱き上げるのは如何なモノか?

まあ、だからと言ってそれほど嫌でもないんだなぁ、これが。女の子特有の柔らかさや、母性という名のふくよかさがとても気持ちいいので抱っこして貰ったままマッタリとしている。すると、ラウンジに到着した。

当然、ラウンジにはなのはさん達も居てみんなでワイワイ朝食を食べているのだが……一度、幻想殺しでリセットされているからなぁ何も食べなくても問題ない。無いけど、この様子からして食わされる模様。思っている通り、俺を一つのテーブル席に降ろすとフェイトちゃんは何を食べたいか聞いて来た。とりあえず、ヨーグルトとミルクを頼んだら八神はやての糞タレが案の定横槍を入れて来て御子様ランチを食べる事に。

ぶっちゃけ、何も食べなくても存在していられる者としてはこういう余計な気遣いが一番面倒臭い。

 

「フン。いっぱい食べてる割には、成長してないよね?」

 

「ほほぉ……喧嘩売って来るんか……」

 

「まあ、『闇の書』の影響なんだろうけどさ……それに、夜更かしとかいっぱいしてたんじゃないか?」

 

「…………なんで、夜更かししとったら成長しない事になるんや!?まあ、寝る子は育つって言うけど……」

 

「知らね?夜九時に就寝すると、夜十一時位に体内で女性ホルモンの生産が活発になるから胸が大きく成長するらしいよ?」

 

「なんやて!?」

 

「大体、7、8歳から15歳前後まではしっかり眠っていると……ああ、もう無駄だったね?」

 

「くっ……確かに、夜更かししまくってたわ……」

 

「身長は、男性ホルモン。女性的成長は、女性ホルモンだから平均的な分泌だったみたいだね?」

 

「平均……平均……」

 

「その点、僕は必要以上に成長する気がないのでこのままでも十分だけど……いやー、貧乳さんは大変だねぇ?」

 

「…………なんで、そんな事に異様に詳しいねん!?変態か!?」

 

「生態学を学べば、自然と知る事になるよ?そもそも、僕の専攻は『宇宙空間で人間が如何なる方法で生きられるか』っていうモノだったからねぇ……生態学は、基本知識だよ?」

 

「こ、子供の癖にもう生態学なんてモノを学んどんかいな!?」

 

「将来の夢は、宇宙開発!故に、生態学と宇宙基本学は学んで当然だろ?つか、何の目標もなくただ漠然とした未来に生きる訳がないだろう?」

 

「くっ……何も言い返せぇへん……」

 

「へぇ、双夜は宇宙開発に興味があるんだね?」

 

「ま、無駄になった知識だがな……」

 

「無駄?無駄なんかじゃないよ?」

 

「もう、僕は死んだ元・人間だ。高次元精神生命体になった時点で全て無駄でしかないんだよ」

 

言って、腕を一旦エネルギー状に変化させた上で全く異なる物質へと変換して見せた。それから、またエネルギー状にしてから元の腕に戻す。それによって、自分が如何に人間とは違う存在なのかを理解させ様とする訳だが微妙に納得の行かない顔で八神はやては俺を見詰めていた。

 

「ま、僕を殺したのは実の親なんだけどさ……」

 

「は?何を……」

 

「それが原因で、僕は高次元精神生命体になる事になったんだ」

 

「待って、双夜はまだ死んでないよね?」

 

「死んでるよ?人としては、完全に終わってるし?」

 

「何、アンタ……人間じゃない訳?」

 

「うん。不老不死の化け物だよ?こう見えて、一万二千年存在している高次の存在だよ?」

 

ヴィヴィオが、近くに居るので使い魔達も遠慮しているのか、俺の首を飛ばして証明しようとする者は現れない。だからこそ、彼女達の理解は遅いだろう。これだけ、人間ではない者達に囲まれながらそれを理解出来ないのは珍しい。だが、彼女達からすると彼の者達も自分達と同じで家族なのだという意識が強いのだと思われる。

全く、羨ましい限りだが……現状では、致命的な障害となっているので面倒な話であった。

 

「本当なら、ここで俺の首を跳ねて人間じゃないって事を証明して見せるんだが……今、それをやるとヴィヴィオに悪影響なのでパスな?後は、簡単に証明する方法としてさっきやって見せた肉体のエネルギー化と物質変換くらいなモンだ」

 

「つまり、私の守護騎士達と同じ存在やと言いたいんか!?」

 

「まあ、存在的には比べようのないモノだけど……似た様なモノではあるかな?故に、人造魔導兵器とでも名乗っておこうか?」

 

ただ、嘘は言ってないから偽りではない。だが、正解でもないから突っ込まれると何も言い返せなくなるけど。

端的に言うのであれば、生態ロストロギアと言っておいた方が近いだろう。

 

「稼働時間は、比べようが無いから若輩共よりかは経験豊富だな。つー訳で、よろしくな?後輩(笑)」

 

「フム。我等が、後輩、か……では、先輩と呼べば良いか?」

 

「シグナムは、ノリが良いねぇ。まあ、見た目がアレだから普通に名で呼んでくれて構わないよ。こっちも、そうするし……」

 

「そうか。では、この後……模擬戦でもしないか?」

 

「にゃはは。良いだろう……胸を貸してやる!せいぜい、瞬殺される事の無いように頑張るんだな?」

 

ギラギラした目をこちらに向けながら、シグナムは脳まで筋肉で出来ているかの様な事を言い出した。まあ、シグナムがそんな事を言い出すのはわかっていた事だけど……もう少し、ユーモアと捻りのある事を言い出してくれれば笑い話で終了したのになぁ。

 

「ん?今、何か変な気配が……?」

 

ピリッとした緊張巡る平和なこの場所で、大きく空間が歪んだ気配がした。その歪みから、大きな器具と人がヌルッと吐き出された様な?振り返っても、誰も居ないので気のせいかも知れないけどフレールくんに調査をお願いしてみる。だが、それよりも早くその異常はこの場に紛れ込んでいたみたいだ。

 

「フェイト……」

 

「……え!?」

 

「フェイト、お願いがあるの……」

 

声が聞こえるのに、周囲には誰もいない。なのはさん達にも、それは聞こえている様で皆辺りをキョロキョロと見回している。

だが、姿は見えずただ一人フェイトちゃんだけがその姿を捉えている様だった。その一点に向けられた瞳が、そこに誰かが居ると語っている。そして、フェイトちゃんが呟く様に告げたのは記憶にある一言だった。

 

「母さん……」

 

「プレシア・テスタロッサが居るのか!?」

 

「え!?でも、プレシアさんは……」

 

「知ってる。ジュエルシード事件の報告書は確認した!」

 

「なんで、そんなモノを確認してるねん!?」

 

「情報収集は、基本だろう!?だが、プレシア・テスタロッサは大分前に虚数空間に落ちて行方不明になっているハズだ!」

 

そう、この世界ではプレシア・テスタロッサは救われなかった。

 

当然、アリシア・テスタロッサも救われては居ない。

だが、何故今になってプレシア・テスタロッサが現れたかである。まあ、俺もなのはさん達も全く見えてはいない訳なんだが……糞、【真実の瞳】が使えていれば直ぐにわかるモノを!!

 

「貴女の言葉で、アリシアに()()()()()()()()って言ってくれるだけで良いの……」

 

「駄目だ!フェイトちゃん。死者の言葉は、呪いの言葉!下手に口にしたら死に呑まれるぞ!?」

 

「お黙りっ!」

 

瞬間、俺は何らかの力で吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 




説明回?からの急展開!!正にそんな感じのお話に(笑)。まあ、ラウンジに居るから調度良いやって思って突っ込んだよ(笑)。本当は、部隊の最終日。卒業式に来る予定だったけど……今でも、問題ないのでブッ込んでみた。はてさて、どうなる事やら(笑)。ま、要はフラグ回収ですね。随分前に建てたフラグだけど……そろそろ回収しないとイケないかなぁって……例の奴等、出現です♥まあ、次回即退治されますが(笑)。とりあえず、こういうのも居るっていう紹介?みたいなヤツ。双夜に取っては、初めての会遇だけど……対処法が、えげつない(笑)。今回は、出現のみだけど……次は、鬼畜の対処法になる(笑)。



本日を持って、作者は魔法使いになりました(笑)。


ドーテーで、30だか40で魔法使いだろぉ?うん。


作者、魔法使いにーーーえっと?


あー……


先日、病院からの宣告もあるから…………



作者は





魔法使いを差し置いて



☆※。.:*:・'°賢者※。.:*:・'°☆



になりました!!

うん。3月辺りから、あるぇ?とは思って居たんだよ。
でも、中々鬱な話だったので病院で確認してからと……結果、不能になってたよ!アハハハ!(泣)
あー……名実共に、賢者です!!やったね!(泣)

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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