絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三三四話 SAO

神崎:

 

 

 

「どうやら、俺の目は汚れているらしい……」

 

「安心しろ。俺の目も、似た様なモノだった……」

 

というか、誰だよ!?こんな、モンスターをSAOモドキ世界に移植しやがった奴は!?『パンチラビット』なんて、ネタモンスターは止めろ!!うっかり、『パンチラ』と誤認したじゃないか!?『パンチ ラビット』と言うなら、最初から『パンチ・ラビット』と書いておけば良いモノを……全く、うっかり口にしていたら女性陣からどんな目で見られるかわかったモノではない。

そんな、厄介なネタモンスターをリュックに突っ込み俺は周囲を見渡した。今日は、【鮮血の】さん同伴で大富豪クエストに参加させて貰っている。目的は、ラグーラビット祭り&大富豪攻略の足掛かりを掴む為。その為に、その一歩としてラグーラビットを捕まえたハズだったのだが……見ての通り、見掛けだけ似ているだけのラビット違いだった訳だ。つか、この姿でパンチ・ラビットとか……手にグローブ着けておいてよ!?そしたら、見分けが付くからさ!!と願った所で、仕様は変わらないんだけど。

 

「レベル五千万のドラゴンと戦う為には、この大富豪クエストを攻略しないとイケないんですよね?」

 

「んー……ああ。ガンバレー……」

 

【鮮血の】さんの、微妙に気のない返事が帰ってきたが……こっちは、師匠の助けになる為に出来るだけレベルを上げて挑む必要がある。まあ、この世界のレベル上げは余り意味がないらしい。

なので、純粋に師範代達と訓練をした方が身になるんだけど……HPだけは別口なのでレベル上げは必須だった。だからこその、レベル上げなのだが……大富豪クエストで、現れるモンスターは防御力が高過ぎて、倒せれば美味しい経験値になるけれど戦闘が大変だった。なので、【鮮血の】さんとパーティーを結んで俺がキリト達の護衛をするって方針でパワーレベリングを実行。

【鮮血の】さんが、ガンガンモンスターを切り捨ててくれるので割りと良い経験値稼ぎになっていた。こっちも、剣より打撃の方が楽に殺せるから問答無用で《鎧通し》を叩き込んでいる。

つか、システム外スキルがメッチャ役に立つ件。ミニドラゴンが、サクサク屠れるのはとても楽しいです(笑)!それに、俺の剣は例のアレなのでついつい抜くという行為を避けてしまうのである。

また、意識を奪われて『きゃるん♪』なんて言い出したらSAOモドキ世界で生きていけない!そりゃ、もう暴走はしないと言われたけれど……『精神が弱まったら、わからない』と開発者な爆乳に注意されたからなぁ。それが、気になって恐くて鞘から抜くのを戸惑ってしまう。また、乗っ取られたらどうしよう……と放置している状態だ。

完全に、トラウマである。

そうこうしている内に、ラグーラビットを囮にして誘き寄せるモンスターとの戦闘になった。この時だけは、キリト達の護衛を止めて俺も全力戦闘を開始する。何故なら、それがキリト達を守る最大限の方法だから。魔力身体強化最大!全力全開、インパクトの瞬間に《瞬動術》で大地を踏み抜く!!《神速》発動!!

一発目は外れたけど、二発目で成功して敵の頭を木端微塵に吹き飛ばす事に成功する。まだまだ、成功率が低いけどそれなりにモノに出来始めてはいるみたいだ。もっと、熟練度を上げて何度でも打てる様にはしたいけど……これが、中々上手く行かない。

《神速》を使って、何とかかち合いはしているけど本当に難易度が高い技術である。こうして、俺達は大富豪の好感度をソロで受けられるくらいには引き上げる事に成功したのだった。

 

閑話休題。

 

 

 

アインクラッド10階層、転移門がある首都部に戻って来た俺達は休憩を取りつつ酒場で雑談をしていた。本当なら、素早く転移門でアルンに戻るんだけど。この辺には、ラフコフの尖兵すら居ないのでのんびりしてしまっていた。奴等が現れるのは、15階層より上の階層だ。ここら辺は、原作?を基準にしているらしい。

まあ、プーの活動はもっと早かったハズなんだけどな。

 

「この後、どうするんだ?」

 

「22層の『森の家』には行けませんよ?」

 

「だが、あちらに忘れ物とかは無いのか?」

 

「忘れ物……というか、大切な思い出がありますが……」

 

「守護者と行って、《邪悪避け》でも展開して貰ったら?」

 

「邪悪避け……ですか?」

 

「悪意や敵意を持つ者を退ける結界だよ。転移門は、基本的に使えるモノじゃないから階層と階層を行き来するのは迷宮頼りだろう?なら、階層の出入口を塞いで殲滅してしまえば良い」

 

「そんな方法が……」

 

「だけどよぉ、奴等リポップ?するって話じゃねぇか……そんな奴等を階層の出入口を塞ぐだけで大丈夫なのかよ!?」

 

「フレールくんからの報告では、奴等は55階層にしかポップしないらしいよ?そこから、階層迷宮を降りて来るんだって」

 

「マジっすか!?」

 

「ああ。本当だよ……だから、階層迷宮の出入口を塞げば増える事もないらしい。殲滅は、大変だろうけど……必要事項かな?」

 

「でも、それが真実かどうかなんて断言出来ないですよね……」

 

「【鮮血の】さん、それ……」

 

「もちろん、【真実の瞳】で確認してるよ。問題なく、事実だ」

 

「あ、断言出来るんですね(苦笑)」

 

リーファ達が、引きつった様な苦笑いをしているけど、これでラフコフ問題に光明が見えた感じだな。まあ、完全な問題解決ではないけれど。俺達が、懸念している事はなんとかなりそうだ。

 

「というか、初期の段階で15階層の出入口を塞いでみたから……問題はないだろう?」

 

『『『『って、アンタ等の仕業か!?』』』』

 

つか、いつの間にそんなモン仕掛けていやがったんだ!?

ある意味、とんでもない告白にほぼ全員がツッコミを入れた。

その後は、【鮮血の】さんのグループにラフコフの殲滅依頼をお願いしてみるが断られてしまう。殲滅は、俺達が行わないと色々問題になるそうだ。それでなくても、アインクラッドの攻略に支障が出ているのに……これ以上、延期させる理由もない。

 

「じゃあ、転生者を中心に討伐隊を組む必要があるか……」

 

「なんで、転生者!?別に、SAO関係者でも良いんじゃね?」

 

「彼等では、ラフコフに怯え過ぎる。怯えは、負けフラグになるんだぞ?まあ、自信満々でも同じだけれど……」

 

「……成る程……」

 

それでも、その恐怖を克服するならラフコフ討伐にSAO関係者が参加するのは賛成だ。だがしかし、あの狂気は早々に克服出来るモノじゃない。だからこそ、戦闘系の転生者で討伐隊を組む必要があると言ったのだ。奴等なら、情け容赦なくラフコフを殲滅出来るだろうからな。それに、その討伐隊には鉄も参加出来る。

ちょぉぉっと、討伐戦までに師範代達で扱き上げればそれなりの戦士になるだろう。それで、【鮮血の】さん特製ヤバいオーバーでテクノロジーな武具を持たせれば完璧だ!まあ、それは冗談だとしても転生者達の汚名返上にラフコフ討伐戦は調度良い。

 

「それじゃぁ、【守護者】さん。各階層に、それを展開して貰えますか?各階層でなくても、40階層くらいまでは平穏な場であって欲しいです」

 

「では、5階層ずつ区切ってもよろしいですか?」

 

「あー……」

 

まあ、それくらいならある程度殲滅出来て居なくてもまだマシかなぁ?という事で、【守護者】さんに5階層置きに迷宮出入口に《邪悪避け》を展開して貰える事になった。これで、師匠が退けられたら大笑いな話だけど……師匠の場合、すり抜ける手段を持っていそうなので怖い。しかも、退けられる場面を心待にしていたなんて知られたら殺されるだろう。まあ、死にはしないけど。

兎に角、ラフコフはこれによってその行動を大幅に縮小される事になる。まあ、40階層以上であれば自由に行動出来るんだけどね。それっくらいなら、レベルの低い生産職の奴等でも十分下層で活躍出来るだろう。ただ、現状からするとアインクラッドの15階層以上、55階層未満のNPCは全滅しているとのこと。

プレイヤー以外も、殺せると知ったラフコフの幹部外メンバーに虐殺されたモヨウ。本当に、ロクな事しないよなラフコフ・モンスターズ。というか、何故モンスター化したのかが謎過ぎる。これも、神様特典なのだろうか!?まさか、この世界を管理している神々がモンスター認識しちゃったのか!?

だが、それならレッドプレイヤーであるラフコフモンスターは街や転移門を利用出来ないハズだ。一体、どういう分類なのだろう?

 

「何はともあれ、討伐隊を組まないとな……」

 

言って、重い腰を上げ転移門を通ってアルンへ行き一度拠点にしている民宿に寄ってから虎の巻へと向かう。一度、民宿に寄ったのはラグーラビット祭りをやる手筈になっている女子さんとクラインを置いて来る為だ。エギルとキリトは、付いて来ているので大まかな事は今回で決まるだろう。つか、エギルとキリトはメッチャ民宿に残りたそうだった。まだ、食べたりないらしい。

 

「いつから、腹ペコキャラに転職したんだ?」

 

「おいおい、俺までbattle junkieにしないでくれよ!?」

 

「エギルは、ぼったくり商人だろ?」

 

「どっちも、自覚あるとか……笑い話だな(笑)」

 

「「笑い話じゃねぇ!?」」

 

因みに、鉄は師範代達にドナドナされて行ってしまった。

今頃は、本気の死に物狂いで師範代達の扱きに抵抗しているだろう。奴には、本気で強くなって貰わねばならないので涙を飲んで見守らせていただく。決して、俺の苦労を分かちあえる人材を増やしたい訳ではない。まあ、お酒くらいは奢ってやろう。例のスナックでな(笑)。つか、誰か魅了装備持ってないか?奴のお気に入りをNTRから、ちょっと俺に魅了装備を寄越してくれ(笑)。

 

「ま、この世界でそんな事をしたらハプシエルの刑になるんだけどな。うん、止めよう。妄想で、終わらせよう」

 

一瞬、冥土服でコスプレしたハプシエルが見えた様な気がしたのでバッサリ妄想で済ませる事にした。つか、臓物アニマルが二匹程悲鳴を上げて暴れていた様な気もしないでもないので忘れる事にする。本当に平和になったよなぁ(笑)。

 

「なんで、メイド服!?」

 

「しかも、ミニスカ工口メイド服だったぞ!?」

 

「止めろ!聞きたくない!!」

 

見たくもないし、存在すら認めたくはないんだから止めろ!!

つーか、ミニスカ工口メイド服だったとしてもマッチョな変態がムキムキ姿で着てたら嬉しくも何ともないだろう!?むしろ、男達の幼い少年の様な純情が汚されるだけだから止めて欲しい。

エギル達を促して、一歩虎の巻通りに足を踏み入れると……そこは、倒れ伏した屍が乱舞する通りに変貌していた。良く見れば、全ての屍に紫色のキスマークが付いている。その上、誰も彼も蒼白い顔色で白目を剥いていた。

 

「逃げるぞ!!」

 

「「おう!!」」

 

危険地帯と化している虎の巻通りから、俺達は全力で逃げ出した。

何故、あんな危険地帯になってしまっていたのかはわからないがハプシエルが檻から解放されている様なので暫く近付かない方が良いだろう。つか、今あんな事をされたら俺の……俺達の心が死ぬ!確実に、死ぬ!!つか、誰だよ!?あんな危険物、解き放ったのは!?ちゃんと、首輪付けて牢屋に閉じ込めて置けよ!?

 

「あれ?戻っt「「「ぎぃゃああああぁぁぁぁ!!!?」」」

 

悲鳴を上げて、壊れたブリキ人形の如くゆっくり振り返るとリーファがキョトンとした顔で佇んでいた。

 

「……なんだ、リーファか。脅かすなよ……」

 

「なんだって、何なんですか?」

 

「気を付けろ、ハプシエルが解き放たれてるから!!」

 

「ええ!?」

 

「この辺には、居ないみたいだな……」

 

「虎の巻通りは、全滅している!!」

 

「兎に角、アルンから出ないと紫なキッスマークだらけにされるぞ!?ラグーラビット祭りは、何時でも出来る!!」

 

「で、でも、首輪が付いているんですよね!?」

 

「奴は、ミニスカ工口メイド服を装備していた!つまり、首輪を外している可能性がある!!」

 

「そ、そんな……」

 

そう、ハプシエルの行動と思考を制御抑制する首輪が外れている可能性がある。あれは、苦肉の策で【鮮血の】さんが【守護者】さんにお願いして作って貰った最高の拘束具だ。それがあると、奴の暴虐が制限された上に収まるハズだった。なのに、それが外されているとなれば奴の暴虐は留まる所を知らない。

 

「ここは……ここは、もう駄目かも知れないんだ……」

 

「えっと、えっと……スイルベーンへ行きますか?」

 

「ああ、その方が良いかも知れない!」

 

という訳で、俺達はアルンから一時的に離れてスイルベーンへと移動した。そして、サクヤの居るシルフ領館へと雪崩れ込む様に転がり込む。いやー、恐ろしい限りだな。ハプシエルの驚異は、居るってだけでここまで転生者やSAO関係者をビビらせるんだから。それにしても、何とか無事にスイルベーンへ来られたな?

拠点から、転移門までがとても緊張……というか、生きた心地がしなかったが何とか辿り着けた。

 

「リーファ?それに、君達までも……何か、あったのか?」

 

「ハプシエルが、解き放たれていて……」

 

「…………そ、そうか。それは、大変だったな……」

 

サクヤが、かなりドン引きしているけど……気迫溢れるリーファ達の様子を見て、黙る事にした様だ。まあ、彼女もアレの驚異を知っているが故の判断だろうが……有名になったモノである。

その内、アルンにありとあらゆるアニメの変態が集まって来たりしないよね?ああ、いや……なんでもありません。

 

「とりあえず、炊事場貸してくれない?」

 

「炊事場?」

 

「これから、ラグーラビット祭りをするから」

 

「…………ほぉ……もちろん、参加させて貰えるんだろうな?」

 

「まあ、良いんじゃない?一人くらい……」

 

「私も居るよぉー!」

 

一人と言ってるのに、唐突に現れるアリーシャ。その顔を見れば、もう食べる気満々の笑顔で尻尾もフリフリしている。これで、参加を拒絶したらどんな絶望顔が見られるかちょっと気になる所。

 

「断る!」

 

「ガーン!!」

 

キリトが、やりやがった!!

 

口をポカーン、そのままorzへと落ちて行ったアリーシャは顔を蒼白にして涙を流している。いやー、この人ノリが良いっていうより感情で生きてる人なんじゃね?と思わずにはいられない。

 

「もう!ダメだよ、キリト君。十分あるんだから、アリーシャさんもノリノリで乗らないでくれるかな?」

 

「じゃあ良いの!?」

 

「ええ。どうぞ?」

 

「嘘泣きじゃんか!!」

 

「もう……そんな事いうなら、キリト君を仲間外れね?」

 

「え!?ちょ、待って……」

 

「待ちません!」

 

その後、キリトがアスナに平謝りして参加権を再取得くしてたけど……奴は、そのお約束をしないとラグーラビットを食べる事も出来ないのか!?つか、ただイチャコラしたいだけな色ボケの様な気もしてきた感じだ。そして、この場に居ない鉄はハプシエルに捕まったかなぁ?っと(笑)。師範代に連れられて、修行にドナられた奴はきっと間違いなくハプシエルと遭遇しているに違いない。そして、師範代達に盾にされハプシエルのホールドを受けて大人なキッスを散々されているのだろう。御愁傷様である。

 

「キリの字は、あの下りをやらないと気が済まないのか?」

 

「ただ、イチャ付きたいだけだろう?ホットケ」

 

「それで、誰があの化け物を解放したんだと思う?」

 

「死滅武器を試したかったんだ」

 

「「「うわぁ!?」」」

 

気が付けば、何故か【鮮血の】さんが居て俺達と同じ様に通された応接室でお茶を啜っている始末。つか、いつ湧いた!?そして、何時から居た!?サクヤに視線を向けても、首を横に振るだけで何時から現れたのかはわからず終い。本当に、神出鬼没な存在である。というか、今おかしな事を言わなかったか!?

 

「えっと……何を試したかったんですか?」

 

「これだ」

 

言って、ガランとテーブルの上に投げ捨てられたのはいつかどこかで見た事のある武器。だけど、ヒビ割れが無くなっていてスッキリして赤黒く輝いている。つか、これ例のレベル五千万ドラゴンを倒したら得られる武器じゃね?

えっと、倒せないって言ってなかったか?つか、なんでひび割れが無くなっているんですかねぇ?

 

「これって……転生者が、こぞって得ようとしていた武具なのでは?」

 

「そうだ」

 

「なんで、【鮮血の】さんがこれを持ってるんですかね!?」

 

「別サーバーで、手に入れた」

 

「サーバー!?別ルートで、手に入れたのかよ!?つか、別のサーバーにアクセス出来たんかい!?って事は、転生者達でも手に入れられるんじゃね!?」

 

「ボクは、正規ルートから入ったからな。奴等は、チートアイテムで入って居るんだろう?」

 

そんな話だったのかよ!?つか、通常のドラゴンなら【鮮血の】さんでも十分倒せるんだ!?てか、何気にとんでもないモノを持ち込んで来た気がするんですが……これ、どうしたら良いんですかね!?

 

「てか、刀じゃなくて……何故、両手剣なんですか?」

 

「作るなら、神崎の専用武器にしろ……と、双夜に言われた」

 

「師匠の指示ですか……」

 

「未だ、抜けないんだろ?」

 

くっ……俺のトラウマも、折り込み済みで【鮮血の】さんにこれを取らせたのか!?本当に、頭が上がらないんですが……どうしよう!?つか、俺の武器にしろって事なんですかね!?

 

「えっと、これ……別の世界にも持ち込めるんですか?」

 

「……持ち込めるだろうな。ただ、持ち込むには双夜と合流しなければならないと思うけど……」

 

「あ……やっぱ、師匠の調整待ちですか……」

 

そんなこったろうと思ってたよ!つか、『死の根源』を形にしたモノなんだろう?コレ。なら、普通にヤバいモノなんじゃねぇか?

とりあえず、エギルに鑑定して貰ってどんな効能があるのか確認して貰う。すると、既にチートツールでチート性能にしてあったらしく『不壊』と『クリティカル50%UP』が二個付いていたらしい。『不壊』と『クリティカル50%UP』×2って、クリティカルが百パーセント出るって事じゃないッスか!?

 

「さて、神崎にはボクからの依頼だ。ラフコフ討伐戦に参加して、その武器の性能を確かめて来い。ただし、あくまでこの武器の性能確認だからこの武器以外の攻撃は認められない」

 

「うへぇ!?マジッスか!?」

 

つまり、俺が剣以外の手段を持ってラフコフを討伐したらクエスト失敗って事だ。この、格闘技に慣れ切った俺に剣以外の攻撃をするな!とか鬼ですか!?そりゃ、最近剣の修行もサボり気味だったのでそろそろ本格的に剣の修行をしようとは思っていたけど。

まさかここで、【鮮血の】さんからダメ出し的なクエストを与えられ様とは思ってもいなかった。つか、それも師匠の指示デスヨネ?訊かずとも、わかります。

 

「まあ、承りますが……」

 

「ああ、剣撃と《瞬動術》の併せ技は格闘術よりも難易度高いからな?なんたって、インパクトに加えて【返し】があるから力の浸透力が阻害されやすい」

 

「【返し】って、何ですか?」

 

「反動だ。ほら、棒で何かを叩くと手が痺れたりするだろう?アレが、【返し】だよ。だから、拳で相手を殴るのと剣で相手を斬るのは思いっきり違うからそろそろ剣で戦えって、さ」

 

「……Oh……了解です」

 

そうなんですね?了解であります。まさか、そんな反動があるなんて思ってもなかったので、拳と剣はイコールだと思ってました。

言われてみれば、確かに戻ってくる衝撃があるんですよねぇ……剣って。言われるまで、思いっ切り忘れてましたが剣と拳では大きく異なっていたのだった。もしかすると、一からやり直しになりかねないけど……指示通り、拳から剣に持ち帰る事にする。

とりあえず、【鮮血の】さんから渡されたそれを手に取ってラフコフ討伐に挑む事となった。だが、その前にある程度武器に慣れる必要がある。致し方ない事であるが、ここは行きたくないけどアルン経由でアインクラッドへ行かねばならないだろう。

何はともあれ、アスナが作ってくれたラグーラビットのシチューを腹一杯食べた後、翼達をサクヤにお任せして俺はアルンに戻る事となった。

 

……………………。

 

そして、転移門で転移した瞬間ーー待ち構えていたハプシエルに捕まり、大人なキッスを迫られるという状況に陥る。つか、なんで待ち構えていやがりますか!?ふざけてんじゃねぇよ!?ちょ、や、止めーーーあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……。

 

 

閑話休題?

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

幸せが……幸せが、リバースして地獄に早変わり。

何故、腹一杯食べちゃったりしたのか……目に見えていたじゃないか!?こうなるフラグは、山程立てていたのだから俺がハプシエルに捕まる未来は確定だったハズだ。見れば、ハプシエルの傍に死んでいる鉄の姿がある。そうか、お前もこの絶望を体感したのか……そして、お前が犯人なんだな!?ハプシエルが、待ち構えていたのはお前が誘導した結果か!?

 

「フッ……一人で、死ねよ!?」

 

 

 

 

 




パンチラビット……誰もが、パンチラ ビットと読むかもしれない。そして、作者の目も汚れていたよ。
まあ、ラグーラビットの偽物扱いなんだけどさ。
それでも、ラグーラビット祭りは開催されるのだった。

そして、ハプシエルの話題である!!
最近、マンネリ化してるけどミニスカエロメイド服はどこから持ち出されたのか作者にもわかりません。でも、転生者な紳士の変態なら作りそうなので作ったんだろうなぁと考えています。それを、ハプシエルが奪って……【鮮血の】が、牢屋と首輪から解放した?端的に言うと、訳がわからないですね。ここら辺は、あやふやです(笑)。

そして、本題は【鮮血の】が持ち込んだあの武具について。ヒビ割れが無くなり……そう、ひび割れが無くなったのである!!大事な事なので二度言いました!!耐久性が100になった死滅武器を神崎が手に入れた!!両手剣です!!片手剣汎用ではありません。まあ、神崎の筋力なら片手で使う事は出来る。何故、耐久性能力にこんなにも差がついているのか……訳わからん。

そして、サーバー云々は【鮮血の】の方便です。まさか、ドラゴンが死んでるなんて言えませんもんね?双夜が、裏技使って倒しただなんて教えられません。なので、その場しのぎの嘘で誤魔化しました。正規ルートで、アイテムチートルートとは違うサーバーに入ったなんて……何故、信じたし!?変な所で、素直な神崎君は【組織】では生き抜けそうに無いですねぇ……ま、何事も経験ですけど。

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m(_ _)m

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いつも、読んでくれてありがとうございます。

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