絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三三一話

Re:

 

 

 

事後処理を使い魔達に任せて、新生アースラに戻った俺はブリッジに入った瞬間、敵意満々で出迎えてくれた原作及び転生者に挟まれて辟易とした気分に呑まれていた。そりゃ、一応ではあるけど奴等の親族だからな。不本意ではあるけど、こういう対応にもなるだろう。

 

「あー、悪いな?()の生みの親とその親族が迷惑掛けて……」

 

()、よ!」

 

「あ、はい。()の生みの親とその親族が迷惑掛けて……」

 

「あれが、双夜の親だった奴等ね?」

 

「はい。僕の恋人と友人を殺して、僕の人生を終了させた親族であります!」

 

というか、アリサが『アリちゃママ』みたいなんですが?ああ、もしかすると絶望して上書きされたのかも(汗)。なら、正面で目が据わっているすずかも『すじゅかママ』かも知れない(汗)。

えっと……多分、なのはさんはなのはさんのままだと思うけどすずかとアリサが『ママ』と入れ替わりですかね?デスヨネー。

八神はやては、表面上はわからないけど……フェイトちゃんが、上書きされる可能性はゼロなので放って置いても大丈夫。

理由としては、あの精神状態で平行世界の壁と距離を突破するのは不可能だから。途中で、消滅してしまったか記憶が空白と化して次のフェイトちゃんに憑依したと思われる。その場合は、『フェイトちゃん』の能力的な拡張が行われるだけで人格を上書きできる程の憑依にはならない。人格が安定してて、意識がハッキリしていたら何とかなったかも知れないけど……俺の知るフェイト姉は、精神が不安定で人格が今一安定していなかった。故に、どう足掻いてもフェイトちゃんがあの『フェイト姉』になる事は断じてないと言い切れる。

 

「アリサさん、こちらの方を御存じなのですか?」

 

「あー……そのアリサは、リンディさんが知るアリサではないと思うよ?多分、僕の『アリちゃママ』が憑依したんだと思う……」

 

「『アリちゃママ』が、憑依した……?」

 

「ああ……あー、説明するね?」

 

とりあえず、状況的に説明しないとややっこしい状況になりかねないのでこれまでの経緯を出来るだけ説明した。結果、転生者達が超煩かったけれど……そのままにすると、人格崩壊や廃人化になるかも知れない話をしてやったら即行大人しくなってしまう。

ぶっちゃけ、俺の『ママ』が其々の原作人物に憑依するのはある意味救済処置の様なモノみたいだからな。基本、人が己の生を放棄したりすると肉体を維持する事が出来ずに死に至る訳だ。

そもそも、生きる気力がない訳だから食べる事も何もしなくなるが故。人格崩壊や、廃人化にしても同じでそれらが元に戻るまでその人に出来る事は栄養剤を点滴するか、周囲の者が御世話をする必要がある。だが、戦闘中や何らかの理由で強制された場合はその対応では対処出来ない可能性がある訳だ。

なので、ママの同一存在達はその救護処置として自我が強く俺に縁のある『ママ達』を呼び寄せて、自分がもう一度立ち上がれる状態になるまでお任せするという措置を行っているらしい。

即ち、主人公補正的な力が働いているモヨウ。

あくまで、救護処置なのでその肉体の本来の自我が戻ると『ママ』達は追い出されてしまうみたいだけど。それにより、物語がちゃんと続くので世界的には良い事らしい。まあ、原作が原作のままちゃんと円滑に進むのであれば奴等に文句は無いだろうけど……ちょっと、無責任過ぎやしませんか!?と思わずにはいられない。だが、世界的に見るとこれがベスト選択に思える訳だ。

ある意味、俺と契約した《神殺し》みたいなモノなので何とも言えない。しかも、転生被害で絶望しなければ補正されないという条件が付いているので本当に《神殺し》と同一視されているモヨウ。そんな処理を、した覚えも契約した記憶も事実もないんだけど……何故、そんな状態になったのやら?原因不明。

 

「てな訳で、僕とあの人達は殺し合いする事になったのでした。そして、現在。《神殺し》と敵対する勢力に呑まれたアレ等は増長に増長を重ねて自分達こそ神に選ばれた存在だと我が儘に振る舞っている。ただの、殺すべき害悪だ」

 

「酷い……何が、酷いかって親子で殺し合いをしなきゃならないのが酷過ぎる……」

 

「親子つっても、あっちは僕を捨てた……というか、廃棄したい奴等なんだけどね?だって、僕、奴等の嫌いな魔導師な訳だし」

 

「そんなのって、ないよ!!」

 

「まあ、奴等の後ろに居る奴は大成出来なかった魔導師なんだけどな。だから、魔力が高く知性のある他人を妬み憎んで羨むのが奴等の根っこだ。知性なんざ、努力で得られるモノだろうに……性根が腐ってるんで、努力をしないんだよ。でなきゃ、成功者の脛を噛って生きていたりはしない……」

 

「えっと……どういう事だ?」

 

「俺が「僕、ね?」……僕が、生まれたのは西暦2635年だってのは言ったな?この世界軸ではなく、魔法方向へ傾倒した地球のパラレルワールドで世界人口の九割が魔導師の世界だってのも。そんな場所で、ちょっとしたモノで大成出来ると思うか?」

 

「一度、滅び掛けてるとは言え技術は高かったんだろ?」

 

「思わないが……それに、大抵のモノはあったんだろう?」

 

「ああ。高いかどうかはわからないがそれなりだったろうし、大抵のモノはあったとも……まあ、俺の「僕、ね?」……僕の着眼点は、宇宙開発で生態系と技術躍進が主だったんだけど……それが、奴の勘に触って殺され掛けた訳だ」

 

「自分が、大成出来なかったからって……己の血脈に、嫉妬するかぁ?放って置いときゃ、上手い汁飲めたんじゃないか?」

 

「普通は、そう考えるんだけど……僕が、色々奴等の後ろ暗い所を暴露してやったから指名手配になってたんだよ(笑)」

 

「報復したんかい!!」

 

「そりゃ、するだろう?普通は……」

 

そもそも、あのババアは魔力の研鑽すらせずに魔力が低いと言い努力も勉強もしないで他者を羨むクズゴミだった。大体、初期魔力がランクBなのだから魔力を高める鍛練をしてランク二~三程上昇させれば良い。上手くやれば、ランクを四つ上げられるかも知れなかったのにそれを怠った愚者である。その上、策謀と謀略の主なんて言われるレベルの後ろ暗い噂……というか事実を抱えるゴミクズ共だ。

それはそれは、他人を貶め悪逆の限りを尽くしていた。

そして、その悪逆さはこの世界でも発揮されてしまった訳だ。ぶっちゃけ、この世界の復興はかなり長い時間が掛かりそうである。PTSD所の話じゃ無いからなぁ……面倒臭い。

 

「日本は……いや、世界的に見ても復興は時間が掛かりそうだ。その上、精神的外傷やら何やら面倒な感じになってるし……」

 

「サクッとは、行かないか……」

 

「それと、君達はミッドチルダに移住した方が良いよ?」

 

「なんで!?」

 

「そりゃ、異能者は迫害されるだろうからねぇ。この世界には、超能力というか異能を持つ存在が多数見受けられる。ニュースにだってなっていた訳だから、世界的にも有名な話だろう?それに似た存在が、今回の事件をやらかした訳だからなぁ……間違いなく、排斥的な迫害が始まるだろうね」

 

確か、体外に【羽】が生えてくるとか何とかいった症状の異能持ちが居たハズだ。例え、ソレ等が今回の事件を引き起こした輩と関係が無かったとしても……人は、その異能者と神様特典を同一視し迫害するだろう。最も、その存在を危険視する者が現れれば排斥は免れないと思われる。

しかし、それが人間という生き物だ。

 

「完全な、とばっちり……」

 

「何、他人事にしてるんだ?お前等、魔導師も同類だろ?」

 

身バレしたら、速攻で手の平返しされるんだぞ?なら、今回の騒ぎで死んだ事にしてミッドチルダに移住してしまった方が良い。

 

「それは、なんか逃げるみたいで嫌!」

 

「アリちゃママは、強情だね。すじゅかママの意見は?」

 

「迫害レベルにもよるかな?」

 

「排斥だから、殺されるんじゃない?ああ、見目の良い女の子だから鎖に繋がれて性的な虐待でもされるんじゃね?」

 

「「双夜(君)が、グレた……」」

 

「グレてねぇよ!?これが、本来の性格なんだよ!?」

 

「アリサとすずかが、【ママ】ァ?」

 

「転生者は、ちょっと黙ってろ。どうせ、何を言った所で理解は出来んだろ?つか、僕的理想の親が高町なのはだったって事だけだ。養母である【雫】さんは、可愛いモノが大好きで希に動物園やペットショップで問題を起こす人だったからなぁ……」

 

「何だろう……物凄く、苦労人のオーラを感じる……」

 

「お前等にわかるか!?実の両親は、ゴミクズの傀儡で俺を「僕、よ!」……僕を実家から、誘拐して養母に収まった人は問題児と来たもんだ!まともな大人の居ない人生とか、苦労して当然だろ!?」

 

「「「ああ、うん。理解した」」」

 

「つか、誘拐……」

 

「まともな大人が居ない件」

 

「嫌な人生だ。幻想にすがりたい気持ちが良くわかる……」

 

ハーレム!ハーレム!言ってる奴等に、同情される今日この頃……ライバルに成らないと判断されたらしく、嫌に物分かりの良い転生者がとても気持ち悪い。性的欲求を抜くと、コイツ等もマトモな人間になれるんだ……と思うも、それ以外がアレなので評価は据え置きとなる。とは言え、コイツ等が俺の親族に抵抗しててくれたからこの世界は未だ少しマシだった訳だけど……今後も、このままで済むという事はないと思われ。よって、当人達の意向を問いつつ特典を一つにしてデメリットを削除する方向で調整をしたい所。そして、複製魂の事も告げて本来の人生についてもお話しておかないとイケないだろう。そういう訳で、リンディさんの許可を得てブリッジから出た俺は三人を個室へと連れてきた。

 

「何の用だよ?」

 

「あー、誠に申し訳ないんだが特典を一つに絞って貰えないだろうか?というか、デメリット特典って知ってる?」

 

「「「デメリット特典!?」」」

 

「本来、神様特典って一つだけなんだ。だけど、二つのデメリット特典を付けると更に二つ特典を与える事が出来る……っていう話だな。後、デメリット特典を持つ転生者は自分が持つ願いを達成できないってデメリットを持つ事にもなる」

 

「え?ちょ、ちょっと待って……つー事は何か?デメリット特典がある限り、俺はハーレムを作る事が出来ないって事か!?」

 

「な、何ぃ!?」

 

「いや、そのハーレムっていう願いも作られたモノじゃねぇなかぁ……って思うんだけど」

 

「「「へ!?」」」

 

「というか、俺の弟子にお前等と同じハーレムを望む転生者が居るけど……ソイツは、願いを捏造されていたよ。特に意味もなく、原作人物に執着して『ハーレム!ハーレム!!』言ってる奴は、妄執していること事態が洗脳かも?」

 

「…………因みに、ソイツの本来の願いは?」

 

「原作人物を助けたい。手伝いたいっていう願いだったかな?」

 

「「「………………oh……」」」

 

目元を手で覆い、天井を仰ぎ見る転生者達。暫く固まって、『暫し待て!』と言って転生者三人で円陣を組ヒソヒソ話を始める。

声を潜めてはいるものの、聞こえなくもない音量でボソボソと話し合いを開始した。内容は、生前生きていた頃の話で原作見てどう思った?という感じ。その中で、ハーレムと関連はあっただろうか?と問うコイツ等は中々状況把握が上手な方だろう。

 

「リインフォースが、可哀想だった。出来れば、救ってやりたいと思って……イノセントが出た時は、それはもう萌えたモノだ」

 

「わかる!俺は、フェイトだったな……幸薄く大人ッポイ容姿に萌えた!支えてやりたいとか、傍に居て慰めたいって何度思った事か……」

 

「俺は、全体的に悲しみとか痛みを除いてやりたいと思ってたんだが……ああ、出来れば【まどマギ】の方も……」

 

『まどマギ』とは、何ぞ?良くわからないが、【リリなの】みたく何か別のアニメに関するモノだというのは理解した。だが、そっちもこの世界みたいに【魔法少女】を題材にした世界なのだろうか?下手をすると、また介入話に成りかねないのでスルーする事とする。そして、記憶領域から削除もした!!

 

「ハーレムは?」

 

「そりゃ、みんな美少女だし『俺嫁』とか言ってたけど……冷静に考えたら、人数絞りたいなぁ……フェイトだけとか!」

 

「俺は、フェイトとリインフォースの様な爆乳が良い……イノセントにもあった、『我が儘ボディ』はとても興味がある!」

 

「それなら、すずかも……だろ?」

 

「まあ、みんなそれなりにあるから『みんな好き』で良いんだけど……俺は、出来ればヴィータが良いなぁ……」

 

「「ロリコンか!?」」

 

「ツンデレが、好きなだけだ!」

 

「なら、アリサも、だろ?」

 

「金髪碧眼()()は、ちょっと……」

 

「金髪碧眼()()は外せない!」

 

「そうそう!」

 

「で、ハーレムは?」

 

再度、問う。さっきから、話を別の方向へと変えようとする馬鹿共に発破を掛けているが中々進まない。何となく、現実逃避的な行動に見えたので再度問い掛けた。

 

「「「……………………」」」

 

「望んだの?望まなかったの?」

 

「…………憧れは、した……」

 

「男には、儚い夢だったからな……」

 

「でも……自分には、無理だろうなぁ……って……」

 

「イケメンでもなけりゃ、お金もない。しかも、引き籠りだからって事で最初から諦めた訳だ?別に、不能でもなけりゃ賢者って訳でも無かったんだろう?なら、引き籠り辞めて外に出れば良かったのに……」

 

「リア充には、わからないよ!」

 

「そうだ!俺達だって、出来る事ならそうしたさ!」

 

「だが、出来なかったんだ!!」

 

「何故?」

 

「い、良いだろ!?別に……」

 

「もう、終わった事だ……」

 

「俺達は、既に死んで新たな人生を送っているんだからな!!」

 

「お前等、揃いも揃って【インスタント・ソウル】だ。そして、現実のお前等は……ほぼ、無理矢理引き籠りを辞めさせられている。家の老朽化や引っ越し等、様々な理由があったが……何れも、強制的な一人立ちを強行されて引き籠りを卒業。この内の二人は、結婚して……お?最後の奴は、物価の低い国に移住。三人の女性と付き合っている……と。一応、重婚が可能な国だな」

 

「誰だ!?裏切り者は!?」

 

「いやいや、俺達が結婚!?てか、死んでなかった!?」

 

「ハーレムを現実にした奴が居た、だと!?誰だ!?」

 

なんでコイツ等は、頑張った奴を祝う事もせず全力で貶めに行こうとするんだろうなぁ?というか、みんなちゃんと結婚できているんだからな裏切り者も糞もないだろうに……。

 

「引き籠りのヲタクで、政治家になった奴もいるって言うのに……コイツ等と来たら、他者を羨むだけで反省しないとか……」

 

「いや、リアルハーレムッスよ!?」

 

「普通は、呪い殺す所でしょ!?」

 

「そうか……じゃ、誰かは黙っていよう。さて、本来の神様特典は一つだけだ。他の二つは切り捨てるんで、残したいモノだけを答えよ。拒絶するなら、全損だ!!」

 

「横暴!横暴!!」

 

「拒絶したら、全損とか横暴過ぎる!!」

 

「再習得を望む!!」

 

「え?賢者に成りたいの?」

 

「「「OK。選ぶから、暫し待て!!」」」

 

その後、半日掛けて彼等は己の神様特典を選び己の得た特典から選べない場合は持ち得る神様特典を対価に別の特典をGETするに至った。後は、ランダムで彼等のステータスを上昇させて終了。

一段落付いた所で、何故か【鮮血の】から連絡が来た。メールを開いて見てみると、大富豪クエストをクリアしたという報告だ。

 

「大富豪クエストをクリア……速いなぁ(笑)。追伸、ドラゴン発見。そうか、【鮮血の】が見付けたか……魔法陣は()()()()()と。了解」

 

未だ、世界の調整は終わってないけどドラゴンのレベルが五千万に昇っているのなら討伐は早い方が良い。なので、《神殺し》()()を使って【鮮血の】が置いてきてくれた魔法陣の元へと転移した。

 

 

 

《時空石》を使わない、《時渡り》ですらない転移。普通は、こんな裏技を使えるハズもないんだけど……《ルール・ブレイカー》を持つ、俺だけが出来るちょっと便利な裏技。

これを知る者は、【鮮血の】を含めてもかなり少数だ。

彼の、【始まりの魔法使い】ですら知らない事実でもある。

まさか、《時渡り》を使わない転移が存在する等……誰も思わないが故に、俺が《ルール・ブレイカー》を使って創った魔法だ。

これならば、【門】を通らないので人々の記憶が消える事もない。

 

「さて、【真実の瞳】よ。我に、【死】の根源を視せよ……」

 

神崎が言う所の、所謂【直死の魔眼】を発動させる。視界の色が反転して、植物の根が根付く様なひび割れが世界に満ちた。所々に収束する『点』があり、きっとそれが【死点】と呼ばれる急所なのだろう。アレを穿てば、ありとあらゆるモノは死を迎える。

一歩、前に出るとこちらに気が付いたのかドラゴンが首を持ち上げた。その様子と、ドラゴンの歪に濁った目を見て俺は辟易とした感情を得る。それは、完全に『この世で己が最も強い存在だ!』と傲っている者の目だった。

 

「にゃははは。傲慢な目だなぁ……」

 

言って、俺は薙刀モドキーー普通の細剣に少し重めの棒をからくりで嵌め付けただけのモノーーを取り出し《加速術式》と《補正術式》を展開。狙うは、ドラゴンの首元にある『死点』。展開される帯状の《加速術式》は、二百七十帯!最大に魔力を込めたから、計算上はMach百はイケるハズ。最後に《ルール・ブレイカー》を《加速術式》に仕込んで限界値から解放したので光の速度の半分位には届くだろう。流石に、《ルール・ブレイカー》で法則をねじ曲げてないから光を越える事は出来ないけれど……これで、十分だ。自分を、対象にする訳でもないからな。それで、ロックオンし薙刀モドキを身体魔力強化した肉体で投げた。

投げると同時に、薙刀モドキは掻き消える様に飛んで行ってドラゴンの遥か先にある壁へとめり込む。あ、ヤベ!?めり込むと言うより、完全に壁の中へ入っちまったみたいだ。放置する訳にも行かないので、後で掘り出さなきゃならない。面倒臭いなぁ。

ドラゴンの方は、『死点』を貫かれた事により己が死んだ事にも気が付かないままゆっくりと倒れて行く。高々、レベル五千万程度で傲慢になっていること事態がおかしいって言うのに……流石、井の中の蛙。大海を知らないゴミクズだな?【始まりの魔法使い】を見てみろ!あの化け物は、レベルが一兆を越えてる怪物だぞ?高々、五千万くらいで傲って貰っては困るんだけど?

 

「いや、本当に……レベル五千万なんて、神域に足を掛けただけの雑魚だぞ?如何に、ステータスが高かろうが何も学ばないのであれば餓鬼と一緒だ」

 

所詮は、井の中の蛙。大海に出なければ、世界の広さはわからないモノである。さて、それじゃぁ()()の管轄権限を俺に書き換えて()()()()()()()()()以外の出入りを禁じた。

これにて、SAOモドキ世界の依頼は終了。それを、【組織】にフレールくん経由で提出してセイビアに渡されたもう一枚の依頼へとシフトする。そっちは、SAOモドキ世界の転生者とSAO関係者との間を取り持つという依頼だ。はぁ……本当に面倒臭い。

 

「じゃ、【魔法少女】の世界へ戻りますかねぇ?」

 

 

 

言って、一瞬の暗転後【魔法少女】の世界に戻る。

周囲を見回せば、先程まで転生者達が悩み続けていた部屋に戻っていた。今は、誰もいないけど……ホンの少し前には、ここで頭を文字通り捻って神様特典を選んでいた部屋だ。

目を閉じて、フレールくん経由で世界を視る。間違いなく、俺の親族が大暴れしていた世界軸である事を確認した。まあ、奴等を排除した今となってはここに戻る理由はないんだけど。世界の調整さえ終わってなければ、直ぐに出て行く程度のモノである。

まあ、絶対にこの世界軸を経由しなければならないので戻るのは確定事項だった訳だけど。じゃないと、色々と面倒が付きまとうのでそこら辺は諦めた。《旧・神族》が居なくなったら、ジャンジャン使うから待ってろよぉ、未来!!それじゃあ、世界の調整を始めますかねぇ?

とりあえず、その為に地球のどこかに拠点を作らないと……ねぇ?

 

 

 

 




ドラゴンが……ドラゴンがぁ!たった、数十行で終わったという現実。本当に、ついでの存在だからねぇ。そもそも、このドラゴンさんは発見されるまでの【表】の理由だったから本依頼は転生者が織り成す問題とSAO関係者との間を取り持つ事なので割りとサックリ終わりました!!
しかも、光の速度の半分で大丈夫だったのも訳があります。本来なら、光の速度の五条くらいは必要なんだけど……ステータス的に(笑)。でも、ドラゴンが相手をしていたのが転生者というオチなので、油断に油断を重ねて傲慢化してた訳ですよ。故に、一人現れた双夜を見て超油断しちゃったもんだから問題すら無かった。だってなぁ……転生者なら、何百人居てもブレス一つで凪ぎ払えるんだよ?
そりゃ、油断して傲慢になってもおかしくはない。

ドラゴン:『我、世界最強!!』←井の中の蛙状態。

そもそも、全ては《旧・神族》が目を付けない様にする為の措置なので目立つモノを紹介するのがセイビアの役割。
まさか、依頼書が二枚あって表と裏があるなんて普通は考えない。考えたとしても、使い魔が本依頼を受け取っているなんて《旧・神族》にはわからないからねぇ(笑)。
何の為の兆単位使い魔か!?内にも外にもわからない様にする為の使い魔だからね?流石に、全てに監視を付ける事は出来ないのでこんな手段になっちゃう訳よ(笑)。

あ、薙刀モドキはちゃんと回収したよ!地属性のフレールくんが!壁の中へ、『どんぶらこ』と沈む様に入って行ってアーンと口を開けつつ石つぶてから矛先までを一息に飲み込みました(笑)。フレールくんの口……というか、フレールくんが食べたモノはインベトリイを経由して双夜へと戻っていきます。なので、フレールくんさえ傍に居れば誰でも双夜のインベトリイからアイテムを取り出せます。ただ、双夜のインベトリイの中身がわからないので取り出せませんけどね(笑)。

因みに、双夜じゃない双夜はインベトリイに戦艦ヤマトが入ってます。あっちは、趣味に走った生産職だからね。後は、ゴーレム(ガンダム)とか船(アークエンジェル)とかが入ってて、最近はチロルチョコすら入らないと嘆いていた。
いや…もう、それらを全部吐き出せば良いんじゃね!?と思わずには要られない。しかも、16メートルのゴーレムじゃなくて、一メートルから二メートル程のゴーレムだから!!いやー、趣味に走るのは【鮮血の】だけで良いと思うんだけど生産職になってしまったら作らねば!と邁進する奴は多い。あっちの双夜も、そういう奴だ。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

もし、作者が異世界に転移する事になったら……多分、こんな一言から始まるんだろう。

『……インスタント・ソウルになってしまったらしい……』

なんの理由もなく、転移する奴はみんなコレかと思われ。
神様が、関わっているのも関わっていないのもこれが全てかと思われる。だってなぁ……死ぬ記憶ですら、捏造出来るのが神様だぞ?世界のシステムだぞ!?なんで、その記憶を信じられると言うんだ!?間違いなく、記憶と人格をコピーされて異世界に放り出されたに決まってるだろう!?
肉体跳ばしたら、膨大なエネルギーが必要だけどインスタント・ソウルならやりたい放題出来るじゃん!何人でも、跳ばし放題となればまず間違いない。夢の無い話だけどな。

次回から、暫く【残業】です!!

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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