絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三二七話

Re:

 

 

 

魔力が、残り僅かとなり……それでも、【神の加護を賜った神子】達を倒し切れそうにない状況で魔法少女&転生者達は散発的に攻撃を仕掛けていた。今は、最後の望みを高町なのはに預けて収束魔法の完成を待っている所。

されど、【神の加護を賜った神子】達の攻撃は激しさを増すばかりで防御も儘ならなくなりつつある。

既に、撃沈されて墜ちてしまった転生者&魔法少女は新生アースラに回収されているけど、現場で頑張っている者達にはまだ伝わってもいなかった。何故、そんな事になっているかと言うと新生アースラの航行設定が初期のままで現在急ピッチで再設定を行っているからである。

使い魔達が、ブリッジに溢れていたのはその為であり別に混乱を振り撒きに溢れていた訳ではない。なので、魔力パターンやデバイスの通信アドレスはわかっていても設定が終わらない限り通信一つまともにする事が出来なかった。

よって、彼女達は死んだと思っている仲間達の為に何としてでも【神の加護を賜った神子】達を倒さねばならなかったのだ。それにより、極度のプレッシャーを感じている高町なのはは本当にギリギリの精神状態で収束魔法を完成させようと躍起になっている。そのせいで、集中力が乱れ収束が上手く出来ないという焦りから悪循環に陥っていた。

その上、魔法の構築式を邪魔するフィールドが展開されてて普段通りに行かず更なる悪循環の深みにハマっている。

焦る気持ちを抑えて、魔法に集中しようとするが攻撃を防いでいる仲間が一人また一人と墜ちて行く姿を見て集中仕切れないでいた。そして、ついに最後の一人が倒されて墜ちて行くのを見た高町なのはは未完成の《スターライトブレイカー》を解き放ち……されど、片手で防がれ掻き消され狂気の笑みに息を飲み込んだ。結局、彼女も魔力が尽きてバリアジャケットを維持できずに墜ちて行く。

最後は、狂人の嘲笑いに見送られ迫り来るエネルギー砲に呑まれて消えて行くーーーハズだった。

瞬間、【神の加護を賜った神子】の放ったエネルギー砲を赤い光の柱が掻き消し、更には地面に向けて墜ちるハズだった高町なのはの運命をも書き換えて生存させる。

 

「……………………?」

 

気を失いかけていた高町なのはだったが、抱き抱えられているのに気が付いてゆっくりと目を開ける。

そして、見上げれば赤い目をした自分と同じ年頃の少年と目が合う。優しい暖かな目で、その少年は高町なのはを見ていた。

 

「…………誰?」

 

「……通りすがりの魔導師さ。後は、僕に任せてお休み……」

 

言って、高町なのはを《チェンジ・リング》で新生アースラへと送り出す。さて、面倒ではあるが……奴等と対話をしようか?ま、対話になるのかは不明だけど。

つか、そもそも対話できるのか?

見上げる様に顔を上げれば、ポカンと口を開けたまま驚いてる様子の糞ババアが棒立ちになっていた。パッと見た感じ、生前の姿そのままに若返っただけの様な容姿。

年齢からすると、ちょっと不自然な感じだけど盛りに盛りまくった胸がその存在を主張していた。つか、あの女はスレンダーじゃ無かったか?ああ、神様転生で盛って貰ったのか?ま、何れにしろ偽物みたいなので何も語らない事にする。下手に突っ込んで、逆鱗を逆撫でする必要もない。さて、それでは声でも掛けてみようかと思ったら、唐突に金切り声で罵倒が始まった。

 

「なんで、お前がここにいるの!?」

 

「そりゃ、テメェ等を排除する為に来たんじゃないか……」

 

「お前!お前のせいで!私達が、どんな目にあったと思っているの!?それなのに、オメオメと私達の前にその面を出してぇ!!」

 

「そんなん、自業自得だr」

 

どんな目……って、俺を殺した後か?それとも、俺達が幸せになった後かはわからないがいずれも悲惨な結末を迎えているだろうな。前者であれば、君達の更正を諦めた御先祖様達に。後者であれば、俺達を認め受け入れてくれた魔術師協会や国際魔法連盟によって裁判の後ヒッソリと処刑だったか?そんな感じだ。

 

「五月蝿い!お前の、お前のせいだ!お前のせいで!私は、私達の幸せから地獄の底に落とされた!」

 

「誰かを犠牲にしt」

 

「誰も、犠牲になんてしてないでしょ!?誰も、そう、誰も犠牲になんてしてない!私達は、良識のある善良な一般市民!そんな私達が、何かを犠牲にして幸せに浸っていたとでも言うの!?」

 

「御先祖様達を」

 

犠牲は、確かにあったんだよ?御先祖様達だけじゃない。雫さんや日向もアンタ達の我が儘にその人生を犠牲にされた人達だ。アンタ達がアンタ達だったから、雫さんは御先祖様と一緒になれなくて一人で日向を生んで育てる事になった。女一人で、子供を育てるのがどれだけ大変かアンタ達にわかるのか!?

 

「あんなモノは、犠牲なんかじゃないわ!!だって、魔導師は人間じゃないのよ!?なら、私達が首輪を付けて管理しないと駄目でしょう?だから、ちゃんと首輪を付けて管理してたのよ!?あんな化け物、自由に放し飼いになんて出来ないもの!!」

 

「僕達は、化け物じゃn」

 

「化け物よ!お前等は、化け物!!私達が、どれだけそんな化け物に怯えて生きてきたと思っているの!?どこもかしこも、化け物だらけ!人間を捕まえて、洗脳して化け物共と共存しているみたいな事を言ってたけれど……あんな嘘だらけの共存が、認められる訳がないでしょう!?私達は、騙されなかっただけだわ!!」

 

「…………矛盾してないか?」

 

本当に、俺達魔術師を化け物だと思っていたのなら何故そんなモノからお金を巻き上げて生活していたんだよ!?矛盾だらけじゃないか!?それに、どこもかしこも化け物だらけって言うのならアンタはなんで大阪の大学に通っていたんだ?

 

「どいつもこいつも、化け物に良いように利用されておかしくされて……気が付いたら、人間なんてどこにも居なくなっていた!!アンタ達化け物が、人間を同じ化け物に変えていたからよ!?だから、私達はその事実を共存していると言ってるお馬鹿さん達に教えていただけじゃないの!?」

 

言葉巧みに、ね?むしろ、アンタ達の方が詐欺師っポカったんだが……働きたくない人間って、結構多くて魔術師や魔導師から搾取しているコイツ等を妬ましく羨ましく思っているクズ共やコイツ等の言い分を本気にしちゃった奴等がーー前者はそのコツを聞き出したくて。後者はアンタ達にすがり付く様にーー群がって(信者)いただけなんだけど。

 

「お前が、大嘘を世界中に言いふらしたりしなければ私達があんな目に遇わなくても済んだのよ!!証拠なんてモノまで捏造して、そんなにも私達が疎ましかった!?ただ、幸せに生きていたいだけだったのに!?」

 

「……………………」

 

「お前のせいだ!お前のせいで!私達はーーー」

 

「狂ってるフリは止めろ。大和恭子……()の当主殿?アンタが、マトモだったから当主に祭り上げられたのだろ?()()!と糞ババアやジジイに縛られて……」

 

「!?」

 

「知ってるよ。俺は、時間を何度も繰り返したからな……アンタやあの男が、あの家から逃げ出そうとした事も……そして、一人立ちしようとした事も。それが、叶わなかった事も……その結果、魔力を持って生まれた俺を虐待しなければならなかった事も……全部、知ってる」

 

「…………っ!」

 

「全ては、あの家が阻んでた事も、な……理由は、魔導師である大和本家から見放されない為。あの家からの支援が、断たれない様に。他の親族共は、一人でも独立する者が現れれば援助を切られると思っていたみたいだけど……それこそが、妄言だったって知ってたか?御先祖様達はな、お前等全員が独立するまで援助するつもりだったんだよ!?それを、アンタ達は無下にした挙げ句あの優しい人達を貶めて蔑み化け物と罵っていたんだぞ!?それがどれだけ、罪深いかわかっているのか!?」

 

「ーーーーーそ、そんなの言われn」

 

「問わなかっただろう!?」

 

「っ!?」

 

「問われなきゃ、答えられねぇだろ!?」

 

「……………………」

 

「ただの逆恨みだ!アンタ達がやってた事は、あの人達の優しさをドブに捨ててその優しさに漬け込んで……幸せだと!?どこに、そんな幸せがあるって言うんだ!!どこにもねぇよ!誰も彼も、不幸で救われてない悪循環のループだ!!だから、俺がそれを全部ブッタ切ってやったんだろうがよ!?ふざけんな!!」

 

「そんなの……そんなの、聞いてない!だって、私は……私達は……そんな事、聞いてもないし教えられても、ないっ!!」

 

「歩み寄ろうともしなかった癖に、何甘えた事を言っているんだ!?疑心暗鬼になる前に、歩み寄ろうと思えばいつだって行動出来たハズだ!!それをしようともしなかった者が、幸せを語ろうとするんじゃねぇよ!?そして、今回も、だ。アンタ等、【神様】に選ばれたからって天狗になってんじゃねぇよ。ま、発案者まで復活させられているんじゃぁ発言権はゴミ扱いだろうけど……」

 

かつて、御先祖様の妹が残した【遺言】を歪曲して捉え半永久に支援を引き出そうと策を労したクズがいた。

そいつ等も、《旧・神族》は復活させて親族を一纏めに管理しているみたいだけど。そのせいで、この女とあの男は発言権が無くただ流され続けているそうだ。

なんたって、発案者は偉人扱いらしいからな。

そして、この世界に落とされたのはこの二人とそんな狂気に染まったゴミクズ共だけと来たら……そりゃ、何も出来ねぇだろうよ。だが、だからって全く一切関係ない者に八つ当たりをするのは駄目だろう?

例えば、この世界の者とかに、なぁ?

 

「本当に、狂ってる。それがわかっていながら、流されてるアンタも暴走する親族も完全に狂ってるよ。だから!!」

 

狂気の渦に呑まれた、憐れで可哀想な自分とでも酔っているんだろうけど……だからって、何もしない者を擁護する気は俺には起きない。悪いけど、ここで完全消滅は無理でも全員殲滅はさせて貰う。これ以上、お前等の狂気を振り撒いて貰っては困るんだよ!

 

「狂いし者に断罪を!破滅誘う者に制裁を!我等、《神殺し》の名に懸けて!!滅びよ、大和分家!!」

 

言って、硬直したままな女の首を跳ねた。俺を生んだ女は、諦めた様な顔をして何もしないまま首を跳ねられる。本当に、『狂ってる』としか言い様のない一族だ。

どいつもこいつも、一度失敗したからって何もかも諦めるのが早過ぎるんだよ。何度でも、幾らでも足掻き続けろよ!?頑張って、頑張って、頑張り続けたその先に変革ってモノは存在する。なのに、一度失敗したからってそこで諦めたら今までの抵抗すら無駄になるじゃないか!?

とは言え、そうなる様に幼い頃から教育されているんだから仕方がないちゃぁ仕方がない。

しかも、全くの失敗知らずで味わう最初で最後の失敗だ。

持ち直しは、難しいかも知れない。おおよそ、()の当主に据えられる奴はまともな人材。

だけど、それを束ねるのは長年狂い続けている()当主引きいる欲望に忠実な年寄りな老害共だ。

あの家では、そいつ等の発言が最も強く表向きな顔役を表の当主に押し付けて暴利を貪るのはいつだって裏の当主達だった。妄執と、妄言に取り憑かれた欲望の化身。

そんな奴等に育てられる子供達は、普通であるならば同じように狂い切っていてもおかしくはないのだけれど……何故か、一部にマトモな感性と常識を育み真当な人生を歩もうと頑張る者が現れる事がある。多分、親族が狂い過ぎているからなのだろうけど……それを反面教師として、マトモな感性や常識を育てる者が出る事があるのだ。

そういう奴は、家を離れようとする者が多い。

だがしかし、そんなマトモな感性を持つが故に成人して家から離れ様とすると徹底的に自立しようとする気持ちを叩き折られて連れ戻される。その上で、当主に祭り上げられて家の『顔役』として表舞台に立たされてしまうのだ。

本当に下らない因習だと思う。

そして、逃げ出そうとした者には常に監視が置かれて狂う事を強要され続ける。それで、狂えれば良いが狂う事が出来ぬ者はいつまでも苦しみ続ける事になる訳だ。

その内、何が正しく何が間違いなのかがわからなくなって精根が歪みすれて歪んで行く。結局、マトモな者だった者も長い年月によって歪められて狂って行くのである。

全く、本気でブッ飛んでいるね!あの家も、老害共も。

ガチで、狂ってるよ……それに、乗せられている者にしても。それ以上に狂ってるのは、マトモな癖に狂っているフリをするあの女と男だろう。俺を殺した後……あの女は自害に至る訳だが、そんな結末を迎える前に逃げれば良かったんだ。もしくは、御先祖様に助けを求めたって良い。

まあ、後者は長年の因習から選択し辛いのはわかるが背に腹は変えられないだろう。

 

「現状を変えられぬのなら、逃げ出せば良いものを……その為に、外の男と結婚したのだろう?変革を求めて、さぁ?」

 

本当に、クズ過ぎるんだよ……生みの親殿。

さて、『糞ババア』を殺しに行きますか。どうせ、ジジイも居るんだろうし……それに、狂気に沈むクズ共も切り伏せないと、な?

一振り、剣に付いた血を払い俺は次の標的に視線を向ける。

 

「我、【群大】の魔術師が命ずる。我に従いし、百万の使い魔達よ我が呼び声に応え顕現せよ!《ミリオネア・アガシオ》!そして、行け。我等が、仇敵を殲滅せよ!!」

 

宣誓を上げた次の瞬間、俺の周囲に大量の魔法陣が出現しそこから人形の使い魔達が次から次へと溢れ出てくる。

殆どの使い魔が武装していて、まるで幽鬼の様におおよそ人間とは思えぬユラユラとした動きで一歩ずつ大地を踏み締める様に進んで行く。

 

「コイツ等……ノリノリだな!?」

 

多分、気分はゾンビプレイなんだろうけど……そんな、ホラー的進群は求めていないんだよ!?だが、相手は狂気に身を沈めた狂人共と傀儡魔法でマリオネットと化したこの世界の人間達。そして、狂人共に魔改造された被害者なのでホラー的進軍はそこそこ有効的かも知れない。

ただ、なんであの狂人共がこんな事をやらかしているかと言うと……アホ過ぎる理由からであった。

なんでも、『この世に存在する全ての人類種は【神の加護を賜った神子】である自分達にかしずくのが常識だから!』なんだそうだ。つまり、時空管理局の支配者バージョンと言えば良いだろうか?魔力を持たない人間は、狂人共の前に膝ま付き……魔力を持つ人間は、自分達が管理運営するという馬鹿な思想がアイツ等の結論である。

ぶっちゃけると、次元世界に喧嘩を売ろう!って話。

 

「この世界を支配した後で……とか、アルカンシェルを撃ち込まれて終了って話ですよね(笑)」

 

本当に、本物の糞馬鹿野郎である。

とりあえず、向かってくるマリオネットモドキを《ルール・ブレイカー》の虹色に輝く剣で斬り伏せて傀儡魔法を無効化してしまう。ついてに、クリーチャーが居たので時間逆行の魔法で元に戻してやった。もしかすると、若返っちゃってたりするかもだけど副作用って事にして気にしない事にする。つか、ちょっと年輩の奥様とかなら『ラッキー♪』って思う程度だろう。

大丈夫、大丈夫。OKOK、なんくるないさぁ!!

うん。とりあえず、あっちの問題は丸投げにして糞馬鹿野郎共の処理を進めて行く事にする。いずれにしろ、やらかしちゃったモノに関しては何も出来ないからな。

それに、腰を据えてやるのなら精密な調整が可能だが、別の処理をしながらのついでなので精度はこのレベルでも仕方がない。なので、副作用は諦めて貰うしかないが……間違いなく、喜ばれるだろうから気にしない。

 

「Master。先駆けが、糞ババアと接触しました!!」

 

「あ。やっぱり、居たんだ……」

 

全ての元凶にして、大和分家最大の歪み。【裏当主】と呼ばれる、大和分家最初独立者。ただし、『働きたくない』それだけの為に分家の状況を全力で利用して御先祖様達からお金を絞り取っているBランク魔導師だ。

そう、この糞ババアってば一度は大和分家から出て自立してるんだよね。なのに、自立する前の援助いっぱいな生活が忘れられなくて出戻っちゃったオバサンだ。

そして、分家の状況を最大限に利用し()()()()()()()()()脛噛り。その後、この糞ババアの弟が御先祖様達からお金を絞り取るアイディアを出して発案者となり今尚分家に居座り続けているって訳。だから、ギリギリ生活できる程度の金額にしておけって言ってたらしい撥春の案を採用しておけば良いのに自分達は使わないからって半分程渡した結果……もっと寄越せ!等と言って、散財するゴミが出来上がってしまったらしい。

 

「そして、今や見た目神様な《旧・神族》に選ばれたと天狗になって異世界に迷惑を掛けまくるクズと化すんだから最悪だ」

 

もう、いっそうの事……俺の死んだ世界軸の御先祖様達と連絡を取って、その後の分家についてを徹底的に報告してやろうか!?等と思わずには居られない。あの世界から退けたからと、丸投げで他人事にして貰ってはこっちも迷惑なんだ。その内、マジで報告書にまとめて送り付けてやる!と心に誓って俺は糞ババアが居る場所へと向かった。

因みに、ガチギレした俺が本気で報告書を纏めて送り付けてやったら【組織】で御先祖様達と再会する事になるんだけど……それは、また別のお話。

 

 

 

…………閑話休題…………。

 

 

 

 

「よぉ!糞ババア、久しぶりだな?また、邪魔しに来てやったぜ?テメェの覇道も、ここまでだ!!」

 

「……ま、魔王・如月双夜だとっ!?」

 

「どうだ?一度、処刑された気分は?」

 

「き、きぃさぁまあああぁぁぁぁ!おぉのぉれぇえええぇぇぇ!貴様のせいで、我等がどんな目にあったと思っているんだ!」

 

「財産没収!無期懲役の禁固刑!しかるべく後に死刑だが?」

 

「ふざけるなっ!このクズ魔王めぇ!!今度こそ、ブチ倒して我等が英雄への礎にしてくれるわ!!」

 

「あ、ごめぇん。それ、もう無理(笑)。だって、不老不死になっちゃったからねぇ(笑)。僕を殺したかったら《神殺し》連れて来な?ああ、神様に選ばれたから《神殺し》の元へ行くと殺されちゃうかもねぇ?」

 

「殺す!必ず、殺して我等は英雄となるのだ!」

 

えっと……言いたい事はわからないでもないんだけど。

会話が、合っていそうで全く噛み合わないのは何時もの事。そして、何を言いたいのか意味不明だけど何度も繰り返したお陰でその思想だけは判明している。

要は、御先祖様みたく世界中から尊敬される存在になりたいって事なんだ。御先祖様は、戦争を一人で解決した人だから【英雄】って呼ばれて多くの人々から慕われていた。

だから、彼等もそうなりたいらしいんだけど……俺を殺したとしても、そうはならないと思うんだけどなぁ?

だって、あの世界で生きていた頃の俺が何をしたって言うんだい?今の俺に成るまでは、悪い事なんてぶっちゃけ何もしてないんだよね。なのに、称号が【魔王】だからって俺を倒せれば英雄になれるって妄想を信じているらしい。

だが、無い無い。むしろ、逆に犯罪者扱いになるからな?

まあ、【今】はその限りではないけれど……そうなる前は、普通の一般市民だったんだよ?記憶にないだろうけど。

 

「つか、【徳】の高い奴を殺すと呪われるぞ?」

 

「魔王の貴様が、徳高い坊主だとでも言うか!?くははは!そんな妄言、聞いて呆れてモノが言えぬわ!!神を殺す、咎人風情が神に選ばれ加護を賜った我等に勝てるとでも思ったか!?」

 

いや、殺せるけど?つか、加護を賜ったからって《神殺し》のスキルはそれを弱体化もしくは無効化するんですけど!?

 

「……僕、《神殺し》ではあるけど……神を殺した事は一度も無いんですが!?つか、魔王ではあるけど《神殺し》見習いだよ?」

 

「滅びよ!神に仇なす咎人よ!!死ねえぇぇぇぇ!!!!」

 

「いや。だから、死ねんて(笑)」

 

言って、一歩下がれば糞ババアと俺の間に体を滑り込ませた使い魔がババアの攻撃をいなし代わりに戦ってくれる。

ビバっ!不老不死!!

どう足掻いても、何をしても死ねません!

因みに、不老不死は不老不死でも《不老不死Lv1~3》くらいまでなら死ぬ事も出来ます。なんたって、不老不死Lv1では『年を取り難く死に難い』ってだけなので頑張れば死ねるらしい。と言うか、『頑張らないと死ねない』ってのは何か間違っている気がするのだが……説明文には、そう書いてあるので()()()()()()()んだなぁと他人事の如く放置している。

 

「くっ、どけぇえええぇぇぇぇ!!!」

 

「退きません。斬り伏せます!」

 

「どんな気持ち?後少しで、英雄になれるかもなのに手も足も出せないってどんな気持ち?ねぇねぇ、どんな気持ち?」

 

「Master、邪魔です!」

 

「きいぃえぇえええぇぇぇぇいぃぃぃぃぇあ!!!!!」

 

気合いの入った奇声が響き渡る。見れば、鬼の形相をした糞ババアが使い魔の猛攻を猛攻で防いでいる所だった。

まあ、気合いだけを言うのであれば十二分にあっただろうけど……残念ながら、力も技能も圧倒的に足りないのでこっちまで届く事はないみたいだ。まさかとは思うが、気合いやその場の勢いとかで勝てるとでも思っているのだろうか?もし、そうなら思考が幼稚過ぎて笑えて来る。

え、マジで!?気合いや勢いで、押し込めると思ってたのかい?マジかぁ(笑)。それが可能なのは、敵も味方も未熟な若者達くらいで、大人になったらそれが如何に不効率な行動なのか良くわかる。そんなモノは、経験を積んだ熟練者には通用しない。

 

「きぃさぁまあああぁぁぁぁ!!!!」

 

そうこうしている内に、使い魔の相手が面倒になったのか唐突に間合いを開けて奴は黒々としたエネルギーを胸の前で集め始めた。つか、アレ……魔力とかじゃねぇぞ!?なのに、あんな???

 

「……神に賜りし、我が力を見よ!!」

 

言って、解き放たれたソレは俺と使い魔に向かって迫って来たが一歩手前で消滅した。つか、え?……一瞬の空白を得て、それこそが奴の能力かとバッ!と振り返ったり周囲の警戒を強化確認する。だけど、何も起こらないし起きないんですけど!?

 

「……………………」

 

「……………………」

 

「……………………?」

 

 

 

 

 




???何も、起きませんでしたね(笑)。その理由は次回!!
まあ、双夜が準備をしまくった結果なんだけど。
当人も、何が起こったのかわかってません(笑)。
そして、やっと出て来た双夜の両親!そして、親族!まさか、双夜の言う『糞ババア』が母親とは違った件……とか、まあ色々盛り込んだよ(笑)。つか、あれだけ真黒な分家が普通に当主一人で纏められるハズもない。当然の事ながら、裏に黒幕がいる始末。しかも、ソイツが魔導師とか(笑)。予想すら出来なかっただろう(笑)。てか、魔導師=化け物なんじゃねぇの!?とか言いたい事は山程あるだろうけど……ま、そういう事だ。しかし、魔力持ちが普通に生まれてた件。しかも、ちゃんと魔術師として大成し自立したのに戻って来ちゃったとか……糞か!?マジで、引きニート!?
本人は、魔導師として活躍している様に見せ掛けて御先祖様が援助した援助金で豪遊しまくってるクズゴミ。
そして、双夜の両親は狂ったフリをしているだけのヘタレと来たもんだ!そりゃ、双夜が嫌うのも当たり前ってモノだよ。ま、本人達はなにもしない怠惰なお馬鹿さん達だし。そんで持って、そんなクズゴミが裏から牛耳っているんだけど……他の親族は、一人でも自立者が出たら援助が打ち切られると騙されている口です。騙しているのはもちろん、クズゴミだけど。しかし、やってる事は犯罪以外の何者でもないのでクズゴミの同類で間違いなし!!
これが、双夜の両親と分家の真実でした!!!!
この物語で、一番の悪は……間違いなく、御先祖様達だろうね?だって、適当過ぎるんだよ。考えてる撥春はまだしも、何も考えずただお金を渡せば良いと思ってる大兄が一番の悪だろう。まあ、当人は超適当な人材だけど。

そして、胸糞展開は出来なかった。こ、このコメディな流れをブッタ斬るのは無理でした。ごめんなさい。ま、まあ、現状は胸糞になるから(笑)。

仕事が忙しくて、見逃してたDetonationのDVD発売に気が付いて早速購入しました!映画館に行けなくて、DVD待ちしていたんだけれど忘れてた(笑)。後れ馳せながら、漸く見たんだよ(笑)。まさか……まさかのにゃんこだったよ!?ディアーチェ達が、どこの王様?とか思ってたらにゃんこさんだったよ。右斜め遥か軌道上で、ビックリだったね。もしかして、ゲームもそうだったのかな?

というか、ユーリはゲーム程の強さではなかったのが残念だ。微妙に弱くなってて、チートキャラは!?とか、無敵なんじゃ!?とか、ツッコミ三昧だったよ(笑)。アレかな?ゲームで、強過ぎたからアニメにする際に下方修正が入ったって事なのかな?というか、ラスボス(新キャラ)が三下で三流の悪人?で、残念だった。悪落ちするなら、もっと鬼畜で一流な人材を宛がって欲しいのに……ショボかった。
もうちょっと、はっちゃけても良かったんじゃない?って思わずには要られない。まあ、ジェイルがはっちゃけ過ぎていたのかも知れないけど(笑)。《旧・神族》とか?

ユーリの背後で、ユーリを守って?るファンネルモドキは欲しいかな?多分、アレが魄翼扱いなんだろうね。
それに、記憶を封印する話はどこ行った!?『紫天の書』はなかっただと!?他にも色々、聞いてた話と違う事が山となっていたよ。これは……間違いなく、あやふやにしていた所を明確にしたら大きく設定やらストーリーやらの変更を余儀なくされた!的な話なんだろうね?Reflectionの時も、言ってたけどもう全く異なる別のお話ですよね(笑)。これは、ゲームはゲーム……劇場版は劇場版で、別扱いとして扱えという意向なのかな?だとするなら、ゲームは別格扱いにしないと不味いか?まあ、でも……これで、ゲームのユーリと劇場版のユーリ戦が出来るんじゃないかな?

あー……双夜が手にした、『紫天の書』と『ユーリ』は《旧・神族》がゲームから引っ張って来たユーリで……それ以外のユーリは、劇場版のユーリで纏めれば良いと思われ。私が描く物語は、アニメが元になっているからユーリ達を組み込む際はアニメ系を主題にして描く予定です。
なので、ゲーム版のキャラ(現段階で双夜と一緒にいるユーリ)は出せないのが現状だった。出せても、《旧・神族》が関わるキャラのみで……ゲーム設定のユーリは、ちょっと無茶が出来る的な設定になっている、と思って?中々、出て来ないけど(笑)。魔改造されちゃっているけど!!

つか、あの所長と双夜&【鮮血の】を戦わせてみたい。
魔法と科学の融合技術でフルボッコにしてやりたい。見た目、12歳前後な十万歳の【鮮血の】と……見た目、5歳な一万四千歳の双夜にフルボッコ。確実に心がへし折れる!!
なんたって、己の技術が12歳以下で、戦力は5歳未満とか?分不相応な野望を持った奴等は、双夜達の見た目で心が傷付くっていう設定だからな(笑)。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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