絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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二九七話 凍真

凍真:

 

 

なんとか、拠点となる洞窟を作り上げた俺はその中央にある井戸を見下ろして唸っていた。覗き込んでみたり、小石を落としてみたりと色々してみたがやはりとんでもない問題が浮上している。

ぶっちゃけ、井戸を作ったは良いが……どうやって、水を汲み上げたら良いのか全くわからない。蔦とか、試してみたのだけど入れ物になる様なモノがなかったのである。頼みの綱だったアイテムボックスに、手を突っ込んで願ってみたけどバケツになりそうな物は出て来なかった。

 

「作れば?」

 

「木にしろ、石にしろ重過ぎて蔦が切れちゃうんだ……」

 

「じゃ、階段でも作って降りれば?」

 

「それも考えたんだけど……暗過ぎてで、ちゃんと飲めるのかどうかもわからないんだ」

 

「はぁ。これだから、現代っ子は……まず、瓶になる物を作りなさい。《土魔法》で、出来るハズよ。そこに水を溜めて、中身が沈殿するのを待ってから沸騰させれば良いんじゃない?」

 

「成る程。で、水はどうやって汲み上げるんだ?」

 

「汲み上げない!自力で、汲んで来るのよ!で、水瓶に溜めて待つだけの簡単なお仕事でしょう?ついでに、筋力も体力もアップして喉も潤せる!一石三丁の仕事よ?」

 

それを毎日して、其々の能力向上の為に行えとかなりの無茶を言い出した妖精様。ぶっちゃけ、ポンプみたいな便利道具が欲しいです。と言った所で、無い物ねだりとなってしまうので自重して俺はまたせっせと井戸の周りを拡張して螺旋階段の様なモノを作って行く。毎日、ロッククライミングで登り降りしている距離を加工し続けるのはとてもシンドかった。だが、それをしないと水すら満足に飲めない日々が続くのは勘弁して欲しい所なので諦める。とりあえず、より良き明日の為に頑張ろう!

 

「光を、外から取り込む為の窓を作っても良いですか?」

 

「魔物対策が、可能なら作ってみなさいよ?」

 

「……壁を分厚くするくらいしか思い付きません……」

 

「あんた、腕輪型のPC持ってなかった?」

 

「…………計算してみます……」

 

本当に俺は、道具をちゃんと道具として使わない奴らしい。

言われてから気が付いて、おっかなビックリで四苦八苦しつつ操作し何とか様にはしているが苦手な分類だ。ワードとか、報告書を作るのなら培ったモノがあるから良いけど。

とりあえず、今日の所は【生活魔法】の《ライト》で井戸の中を照らして間に合わせる。階段を作りながら、建築アプリで周囲の強度を計測・分析して強化が必要な所は目印を付けた上で今出来る最大の補強。それ以上は、レベルが上がってからにして少しずつ下へ下へと進んで行く。途中、補強的な問題で螺旋階段が上手く作れなくて通路を壁の中へと進もうとして外に出ちゃったりしたけど。概ね上手く、水場への道を作れたと思う。もちろん、うっかり出ちゃった外への道は塞いだよ?下手に放置して、猛獣が入って来たりしたら目も当てられないからね。まあ、強化に強化の重ね掛けでガチガチにしておいたけど。安全第一で!他にも、細長い光を取り入れる窓ではない光取り込み口等を設置しておいた。そっちは、太陽のある空へ向けて斜めに掘る方向で作るのがミソ。

下手に真っ直ぐ作ると、全く光を取り込めないとは……誤算だった。だが、空の猛禽類が怖くて取り込み口を上に向けられないと文句を言ったら……妖精様から、鳥は夜に空を飛ばないと笑われて問題解決。そうですよね!常識でしたよね!!なんで、鳥目が鳥目と言われているか忘れていたよ。そうだ!奴等は、夜は飛べないんだった。つまり、気を付けなければならないのは朝と夕方のみな訳だ。ぶっちゃけ、全く心配しなくて良かったんだよ!!

 

「恥をかいただけだったわね」

 

「恥ではない!疑問が解決したんだから、恥ではないんだ!!」

 

「貴方……自分の年齢考えて言ってるの?」

 

「うぐっ……ちょっと、痴呆ってただけだろ!?」

 

「健康体の癖に……」

 

「……………………」

 

よし、この辺で話を切り上げよう!俺は、妖精様と違って忙しいからな!!決して、心へし折れそうだからとかそういう訳じゃないぞ?本当だぞ!?とりあえず、断崖絶壁方面は出来る限り最大の強化を施して日々の日課になりつつある探索に出掛けた。

そんな日々の努力によって、《忍び足》や《気配感知》といったスキルも生えて来て最近は猛獣に追い回される事も減ってきている。と言っても、《気配感知》のスキルでわかる範囲が50メートル前後なので相手がこちらを補足して近付いて来た時にはトップスピード状態だったりするけど。なので、こちらが感知した時には目の前に居たりするのは当たり前。だから、感知したら全力で横っ飛びして逃げ出す。でないと、齧られたい放題になるのだ

《気配感知》、レベルが低過ぎて使えねぇ!!

とりあえず、先ずはこの森の主?であるあの猛獣と戦えるレベルにまで頑張るという方針で現在は活動している。逃げる事は、可能だからな!逃げる事は!だから、周囲を警戒しつつ其々のスキルアップを目指して探索をしている訳だ。

 

「というか……マジで、どこだったかなぁ?」

 

先日、あの猛獣を倒そうとサバイバルナイフで応戦した事があったんだけど……その際に、うっかり投げちゃったナイフを俺は探している。木の幹に突き刺さったのは見たけど、その後状況がふりになって逃げ出してから場所がわからなくなってしまったのだ。

そして、そのまま拠点に戻ったら妖精様に怒られて回収して来いと命じられたのでこうして探索をしつつ探しているのだが……マジ、見当たらない。クソォ!ナイフじゃなくて、魔法を撃っておけば良かった!!咄嗟の事だったから、つい手に持ってるモノを投げたけど……ナイフは、失敗だったなぁ(凹)。

 

「つか、ここに来てから魔法なんて使えなかったじゃん!咄嗟に、手に持ってたナイフを投げても仕方ないじゃん!!」

 

そして、ウロウロしているから当然と言えば当然なのだが……いつの間にか、猛獣のテリトリーに侵入していた俺は気が付く事無く猛獣の目の前に。だけど、こちらが気が付く前に補足されていて……気が付いた時には、命を賭けた追いかけっ子が始まる。

 

 

 

……………………。

 

 

 

Take 2!

 

這う這うの体で、拠点に戻った俺は何とか猛獣を振り切った。

今は、板で塞いだ穴から下の様子を伺いつつ降りるか降りないかで迷っている。猛獣は、既に森に帰って行ったので姿は見えない。だが、こちらからは見えない場所に陣取られていた場合は降りた所を狙い撃ちされるだろう。その懸念が、俺に二の足を踏ませている理由だ。とりあえず、現状を妖精様に説明して知恵を頂く他ないだろう。まあ、馬鹿にされるのはもうわかっているので甘んじて受け入れるとしても……奴は、どうすれば倒せるンだろうか?

 

「開閉が可能な、出入口を他に作るしかないでしょうね」

 

なんて、とても簡単そうに言われたが開閉可能な出入口なんて早々簡単に作れるハズもない。とは言え、現状をかんば見るに出入口をもう一つ作る案は必須だと思われる。ただ、それをどこに作るのか?という問題もあって少し困った事にはなったけど。

 

「また、掘れば良いじゃないの?」

 

という、妖精様の鶴の一声でまた、俺は壁を掘り進める事に。

とりあえず、崖上へ掘り進める事にしてみた。とは言え、ここに来た当初俺はこの上の土地でやはり猛獣に追い回された記憶があるんだよな。下手に、真上の地面に穴を開けると猛獣と目が合いそうで恐ろしい。なので、一つ策を練ってみた。現在使っている、拠点用の穴蔵とは連動しない異なる大穴を作った上でその側面に下向きの出入口を設置するという方法だ。こちらは、崖の方みたく穴を板で塞ぐ方式ではなく、岩に木板を差し込んで引き戸風にアレンジしてみた。足場は、最低限引っ掛けられる程度にして開け閉めが出来る様に。垂直に開けた大穴の底は、そのまま崖の側面に飛び出る感じで突き出してある。なので、うっかり飛び込むとそのまま滑って行って崖に飛び出る様にした訳だ。俺?俺は、穴に飛び込んだ後は《浮遊魔法》で影となる側面に張り付き敵の猛獣が目の前を落ちて行くのを見送ってから出入口を出入りする予定。じゃないと、落ち着いてはいられない。よって、垂直な穴の壁は出来るだけ滑らかにしておいた。

飛び込んできた猛獣が、滑り台を滑る様に落ちて行ける様に。

そして、それ等を支える岩の強度は以降魔法や技術が向上すれば強化していく予定だ。今は、周囲を固めて岩肌を整えて水をまぶして置く事くらいしか出来ないけど。

 

「硬質で、強固なイメージを……」

 

硬質で、強固なイメージと言えばコンクリートだが鉄骨が入っている訳じゃないのでそこまで強固なイメージにはならない。だからこそ、垂直な穴で途中から折れて斜めにした表面がツルツルにしてある罠的出入口。上の穴は、直径一メートル程の小さな穴でそこから徐々に広がって行く様に掘り進めた。

そうでもしないと、とてもとても安心なんて出来ない。

散々、追い掛け回されたトラウマは俺に根強い恐怖と不安を刻み込んだ。なので、出来うる限り安全対策は立てておきたい。

 

「《浮遊魔法》なんて、使えたのね?」

 

「正確には、《風魔法》だな。数秒なら、浮いていられる」

 

「数秒?それ以上の場合はどうするの?」

 

「ちゃんと、足場は作ってあるよ。まあ、数センチの足場だけど」

 

「それにしては、木戸が隠れてないわね」

 

「これが、限界だったんだ……」

 

「じゃ、《幻術》系の魔法で隠してみたら?」

 

「持ってねぇよ……」

 

「もしくは、木には見えない様にしておくとか?」

 

「木には、見えなくする?例えば?」

 

「表面を焼いて、炭状にしておくとか?黒なら、影に見えなくも無いわよ?」

 

「…………成る程!」

 

という訳で、木戸の表面は黒く影に見える様に焦がしておいた。

こういう知恵は、やはりお年寄りに聞くのが一番である。

ある日、驚く程の豪雨が拠点としている周囲に降りだした。流石に、洞窟内までは染み込まなかったけれど例の縦穴に流れ込んだ水が偶々破裂した水道管の様に水を吐き出している。

それを、ボゥーと眺めていてある事に気が付いた。

雨水集めりゃ、あの暗い地下に潜らなくても済むんじゃね!?

と言うか、地下水が地面に染み込んだ雨水だというのなら、地中を改造して一点に集まる様に操作してしまえば良いんじゃね?

岩盤を大きなすり鉢状にして、地中を流れる雨水が一点に集まる様にすればそれなりの飲み水を確保する事が出来るハズだ。

そして、集まった地下水を洞窟内に滲み出る様にしておけば怖い思いまでして一々下まで降りなくても済む!

 

「…………アンタ、やっぱりバカでしょ?」

 

そんな事を思い付いた俺は、妖精様へ大雑把に説明してみればバッサリ斬って捨てられてしまった。なんでも、地中に染み込んだ雨水は地層等によって濾過されて地下に流れ込むのだという。

それによって、動物の糞や尿に含まれる毒素を取り除き長い時間を掛けて地下へと溜まったモノがあの地下水だ。ぶっちゃけ、浅い地層の雨水を集めた所で飲み水としては使えない水にしかならない。腹を壊しても良いのなら、やってみれば良いと言われたけれど……流石の俺も、態々わかりきった結末を再現する気もないので諦めた。というか、糞尿混じった水とか無理です。

 

「と言うか……ちょっと、ド忘れしてただけだろう!?なのに、そこまで言う必要も無いんじゃね!?」

 

「ちょっとって……それが、致命的なんでしょう!?」

 

ちょっと、野性動物のそれ等の事まで頭が回らなかっただけで概ね『より良き明日』の為の活動は日々進歩している。ただ、ちょっとド忘れしてる事が多くておマヌケな事になってるだけだ。

とりあえず、天然の雨水が地中に染み込んだ場合は数百メートルの濾過が必要という結論に至る。なので、これまで通り飲み水に関しては地下水の利用を継続する事にした。

 

「…………くっ……」

 

そして、更なる大改造!地盤とか、大丈夫か?と、思わずにはいられない魔改造までして拠点は要塞染みて来た。とりあえず、建築アプリで徹底的に強度と耐震度を上げる計算をして強化を実行。更に、洞窟の範囲を広げる等をして……ある日突然、拠点部分が剥がれ落ちました!なんて事に成らない様にピラミッド型へと使える部分を増やしてみたりした。まあ、ある意味『塔』の様な形をした要塞……みたいな感じとなっている。ただ、元が岩山なので外からの見た目は普通の岩山だったりするけど。中身は、完全にどこかの秘密結社な基地状態だ。住人は、二人……いや、一人と一匹?しか居ないけど。

 

「というか、堀とか必要ですか?」

 

「一度、危ない時があったじゃない……」

 

本当に一度だけ、崖をよじ登る猛獣がいたけど……途中で、登れなくて諦めた奴が居た。なので、崖下を球状に掘って堀にしたのだ。

今では、水が溜まって池みたいになっている。まあ、それと同時に新たな水場にも成っているけど。なので、最近は崖をよじ登る事も降りる事も無くなっていた。専ら、上や左右の出入口から外に出たり入ったりしている。

 

「それで、まだナイフは見付からないの?」

 

「全く全然、見当たりません……」

 

木の幹に、中程まで突き刺さっていたからすぐにわかると思ったナイフだったけど……今尚見付かってはいない。どぉこ行っちゃったのかなぁ?探すのを諦めると、ヒョッコリ出て来そうではあるけれど。とりあえず、周囲を見回しても見付からないので棚上げする事に。こればっかりは……ねぇ?運だよね!56しか無いけど。

 

「仕方ないわね。占ってあげるわ」

 

「占いぃ~?」

 

「あら?占い、信じない人なの?貴方……」

 

「…………まあ、妖精様だもんな!当たりそうだ!!」

 

「何が、妖精なら『当たりそう……』になるのかしら?」

 

「いや、《超》ファンタジーだし……」

 

幻想が、『占う』とか言い出したら超当たる様な気がする。

何かしらの、超常の力が働きそうで期待してしまう。これが、人間の占い師だったら眉唾物として取り合わないんだけど……妖精や、幻想生物だと何となく当てそうな気になるのである。

これが、プラシボー効果という奴なのだろう。薬じゃないけど。

という訳で、サクサクッと占って貰った俺は妖精様が仰るナイフがあると思しき方角へと進む。拠点から、真っ直ぐ南に向かった一キロ程先のちょい東寄りな範囲にナイフがあるそうだ。

なので、拠点の真上に出て南に方位アプリで視線を向けた後、やっぱり距離アプリで一キロ辺りに魔法を叩き込む。

 

「…………チッ。レベルは、上がらないか……」

 

あわよくば!と、思っていたけど早々上手くは行かないモヨウ。

とりあえず、目印になるモノは作ったので俺は拠点を出発してナイフがあると思われる場所を重点的に探索してみる事にする。

爆心地から、東寄りに移動しつつ周囲を見渡す。

すると、視界の端に動く何かを見付けて全力で回避した。

つい、今しがたいた場所を猛獣が駆け抜けて行き。

軽やかに、引き返す姿を見た俺は反転して全力疾走を始める。

 

「クソォ!なんで、猛獣がこんな所に単騎でいるんだよ!?」

 

まさかとは思うが、ナイフを守る守護者的な存在にでもなったもか!?ありぇねぇ!この短期間で、そんな存在に成り得る猛獣が何処に居るってんだ!?ふざけんなよ!?

内心、複雑な怒りで一杯だったけど後で妖精様に聞けば「やっぱりね……」と呆れた様子で言われてしまった。というか、ここで妖精様がネタバラししてくれる。

この世界は、俺の(元)持ち物をお宝にして俺を成長させる為に戦わせる世界であるらしい。そういう世界を、既存の世界と複合して仮想的に創造したのがセイビアさんとのこと。そう言えば、あの人ってば色々な逸話がありましたね。その他にも、何人かの協力者の元に俺の成長譚と称して色々組み込まれたらしい。

 

「色々、無茶をしますね……」

 

「誰かさんが、サボり捲ってたからね」

 

「それにしたって、仮想世界?を創造なんて無茶を……」

 

「誰かさんが、役立たずに成り果てそうだったからね」

 

「……………………」

 

「あぁによ?そんな目で見たって、事実は変わらないわよ?」

 

「くっ……だって、アレは【始まりの魔法使い】がーーー」

 

「あの人は、関係無いわよ?だって、これは貴方が決める事だもの。そりゃ、召喚された事は御愁傷様。でも、その後の決断は貴方の決めた事じゃない?」

 

「…………あの状況で、断れと!?」

 

「ええ。それが、とても難しい事はわかってるけど……断っていれば、こんな事にはなっていなかったでしょう?」

 

「そりゃ……そーかも知れないけど……」

 

「つーか、『アレ』を目の前にして断れんの?」

 

「…………そうね。威圧されていなかったら断れるかもね……」

 

「超威圧されたんですけど……」

 

「え?そうなの!?」

 

「めっさ恐くて、セイビアさんに助けられた感じですかね?」

 

「……………………アイツ、何やってんのよ!?」

 

「……聞いて、無かったんですか?」

 

「聞いて無いわね。そっかぁ、威圧されたのか……」

 

「そりゃ確かに、セイビアさんが間に入ってくれて選択肢をくれたけど……あの恐怖を知ってから、断わるのはちょっと……」

 

しかも、あんな化け物に睨まれながら冷静な判断で選択出来るとか無理でしょ!?元々俺は、ただの一般人。【始まりの魔法使い】レベルを相手に、冷静かつ沈着に考え判断する事が出来るハズがない。よって、俺が【始まりの魔法使い】からの依頼を断れるなんて事は不可能でしかなかった。

 

「ついでに、何の説明もされず鍛練もそこそこに送り出されて速攻で送り返されたんだ。せめて、種族特性とか教えて貰えていれば……《堕ち神》なんぞに、突撃する事も無かったのに……」

 

「事後説明だった訳ね……なんて、後手後手……」

 

「普通に、倒せると思ったよ。なんたって、《神殺し》に転生した訳だから能力値も人間よりかは上だと思ったし……」

 

「能力説明も無かったのね……あのコミュ障、頭かち割ってやろうかしら?」

 

ヤバい!妖精様が、超恐ろしい雰囲気を醸し出している!!こりゃ、あの人死ぬんじゃね?等と思ったけどあの化け物を殺せそうにもないので別の意味だろうと思われる。

 

「どうやって?」

 

「もちろん、社会的に抹殺よ!!」

 

「Σ(ノД`)ノヒィ……」

 

こりゃぁ、あの人死んだんじゃね?普通に死んだんじゃね?

つか、肉体や存在的には何も出来ないからって社会的に抹殺とか最悪である。というか、彼等みたいな不死の存在は肉体や社会的よりも精神的に叩いた方が良いらしい。しかし、【始まりの魔法使い】レベルとなると早々簡単には精神的ダメージを与えるのは不可能である。

 

「恋人の振りして……振るとか?」

 

「それは、確かに効果的だけど……誰が、その恋人役をするのよ?誰も、協力なんてしてくれないわよ?」

 

「フム。お見合い写真とか?で、ドタキャン」

 

「…………それ、良いわね!」

 

ちょっとした、冗談のつもりだったんだけど……妖精様が、とても乗り気になってしまったので放置する事に。申し訳ありません!

【始まりの魔法使い】様、お見合い写真で大興奮の後ドタキャンでスッポカされるらしいですよ?

 

「実は、恋人がいて逃げたとか?」

 

「駆け落ちね!良いわ!良いわね!!」

 

「知り合いじゃないのが良いですね。出来るだけ、実在はしているけど存在すら知らない人とか……」

 

「うふふ。最高よ!それなら、【真実の瞳】もスルー出来そうね!!ちょっと、セイビアに連絡してみるわ!!」

 

「あ、セイビアさんも巻き込むんだ……」

 

「もちろん!こういう企みは、セイビアを通すのが良いのよ?調度、休暇中だしね?」

 

「ほうほう……割りと、エグい話ですよ?あ、お見合い写真の相手にもお見合い話を通して置くと良いかも知れないですね」

 

「え?でも、それじゃあ……」

 

「別に、正直に【始まりの魔法使い】だとか言う必要は無いだろう?そう言う、匿名でお見合いの場で正体を明かす的な?」

 

「最高よ!!それなら、【真実の瞳】を完全に避わせるわね!!」

 

まあ、どこまで【真実の瞳】を騙せるかはわからないが……そういう匿名を前提にして、【始まりの魔法使い】とお見合いします的な建前を打ち上げれば何とかなりそうではある。それで、あの化け物がどんな風になるかはわからないけど浮き足立つ位はありそうだ。それを、嘘でした!等とネタバラしをせずに『逃げられた』でドタキャン扱いにするつもりだって言うんだから酷いモノである。まあ、それを考え付いた俺も共犯者なんだけど。

 

「その提案、使わせて貰うわよ?」

 

「あ、どうぞどうぞ。因みに、報復はお願いします……」

 

「…………OK。その依頼、承ったわ。あ、初回特典で依頼料は無料にしておいたげるわね!!」

 

「依頼料金が、発生するんだ!?」

 

「するわよ?だけど、とても良い提案だったからそれでチャラね!成功率も高そうだし……」

 

「……そうか。じゃあ、頑張ってくれ……」

 

とりあえず、【始まりの魔法使い】を凹ませる作戦が始まった。

 

 

LV 1

HP 2500←(+528)

MP 2406←(+1005)

TP 1400←(+)

SP 1000←(+)

STR  673←(+106)

VIT  910←(+222)

DEX 812←(+)

INT  928←(+158)

AGI  978←(+)

MND 598←(+109)

LUK  56←(+)

CHA  670←(+)

スキル技術

《瞬動術Lv5》《身体能力強化Lv4》《伐採Lv4》《木工加工Lv3》《忍び足Lv3》《気配感知Lv2》《魔力感知Lv1》

スキル魔法

《魔力操作Lv3》《生活魔法Lv3》《土魔法Lv4》《風魔法Lv2》

固有   なし

EX   《神速》

称号   《器用貧乏?》

 不死の呪い

 不老の呪い

 再生の呪い

 不能の呪い

 

 

 

 

 




都会っ子が、大自然の中でサバイバルしようとすると安全面はこれくらいが普通。野生児なら、もう少し緩いんだけどな。要塞化は、回避不可だから。
因みに作者なら、ネズミ返しとかでもう少し難下させる。下は、堀で水……酢?の方が良いかな?鼻は、潰したいしなぁ……酢が良いだろう!で、上は尖り山。窓有り。まあ、光取込口だけど。で、ゴーレムクリエイションと遠隔操作でMPが零になるまでTVゲーム的な戦いをする。楽々チートな作者が考えるチート無双かな?料理人で、《血抜き》スキルで血抜き無双って言うのもあるけど(笑)。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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