絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

310 / 591
二八四話

Re:

 

 

ズズズズンッッッ……。

 

今日も、今日とて世界が揺れている。

毎日毎日、次元世界のどこかで小規模な次元震が起こり続けているのだ。きっと、師匠がまたどこかの世界を浄化しているのだろう。なんたって、次元世界の四割が汚染されているんだから。一日やそこらで、全ての汚染世界が浄化されるハズもない。

故に、毎日毎日小規模な次元震が起き続ける。不定期的な期間を開けて、ほぼ一定の圧力を持つ次元震が世界を揺らし続ける訳だ。

お陰で、毎日時空管理局の下っぱの方が慌ただしい。

やはり、危険極まりない次元震が断続的に起き続けるのは不安なのだろう。最悪、次元断層が起こると予想されているからな。まあ、そうはならないんだけど……そんな言葉は、誰も信じない。

師匠が、制御をトチらない限りは。あー……いや、『うっかり』はあるかもしれないけど。だがそれも、何万分の一程度の確率だ。

そんな不安を感じつつ、俺達はというと……いつもの如く、ホラーで擬似的なパンデミックを毎日に過ごしている(混乱)。

時空管理局・本局が、毎日毎日絶叫で大混乱な阿鼻叫喚地獄的?空間と成り果てていた。ぶっちゃけ、管理局のエースオブエースが使い物に成らなくなって一週間。時空管理局は、今日も恐怖のホラーハウスと化しています。多分、フレールくんと各主要使い魔は出払っているみたいだけど……残りの鬼畜さん達が、ほぼ全員参加でヒャッハー!しておられるのだろう。

でなければ、被害者とその他モロモロが計算合わないんだよ?

ついでに言うと、局が動けないのは《堕ち神化》の事もあるから下手なツッコミも出来なくて管理局はおっかなビックリな行動しか出来ていない。よって、次元震の方は放置気味だ。というか、《堕ち神化》問題があるから人が出せないでいるんだよね。

誰かさん達が、散々脅しまくって怯えさせちゃうから……。

そして、多分行方不明者も居る。混乱のどさくさ紛れで、人数合わせの為に拉致られていると思うんけど……どこで監禁されているのかさえわからないままだ。多分、監禁されている。監禁されて、放置されているなんて事は無いハズだからまだ生きてはいるだろう。だが、未だに混乱状態が続いているので捜索隊以前に行方不明になってる事すら気が付かれていない。そろそろ、本気で探してやらんと体調的にヤヴァイかも知れなかった。

 

「いったい、何がしたいのかしらね?」

 

「援護射撃だろ。次元震を起こすレベルの魔力を持つ師匠を、局に確保させない為に行ってるんだ。《堕ち神化》だけじゃ、ここに縛り付けられないと考えて本局内で事件を起こしてるんだよ」

 

「でも、だからってやり過ぎよ……」

 

まあ、翼の言いたい事はわからないでもない。つか、このホラーハウスで守護騎士のヴィータが轟沈。等身大なフランス人形のトラウマで、布団から出られなくなった揚げ句毎日オネショで引き籠り中だ。薄暗い空間で、等身大なフランス人形で襲った揚げ句倒されたら頭がパカッと開いて触手がにょろにょろと襲って来るなんて思いもしてないから阿鼻叫喚のトラウマで轟沈。幼い子供に、なんつぅ恐怖で攻めるんだよ!?と思わずツッコミを入れちゃったよ。てか、頭パカッの触手はアカン!!

 

「そう言えば、シャマル先生も撃沈したんですってね?」

 

「あー……。俺等を売った、シャマル先生なぁ……」

 

局に連れて来られて、即模擬戦の犯人がシャマル先生でそれを知った師匠がお仕置きしたという話である。前に、師匠との会話で師匠に弟子がいると知ったシャマルが行方を眩ませた師匠の代わりに俺達をシグナムに売り捌いたという話があった。その結果、触手に絡め取られ拉致監禁で永遠と恐怖の幻影を見せ続けられるという拷問を受けていたらしい、内容は、シャマル先生が発狂していてわからないけれど……かなり、ヤヴァそうだ。

ぶっちゃけ、現在生き残っているアースラクルーは局側がクロノとリンディさん。守護騎士では、ザフィーラとシグナムのみだ。

残りは、精神崩壊で恐怖撃沈の引き籠り中。一部、サポートがいるはいるけど……船の中から、外に出ようとしない。未だに、ウィルス性のパンデミックテロだと思い込んでいるモヨウ。

 

「なのはちゃんの次にフェイト、はやてが轟沈とか……流石に、日本人の幽霊や妖怪に対する耐性はアレね……」

 

「全力全開で、怯えまくりだったからな……つか、フェイトのメリーさん攻めは止めて上げて欲しかったよ……」

 

そもそも、スマホタイプの携帯にメリーさんは無い。蓋閉めたら、解放されるという都市伝説もスマホタイプでは蓋も糞も無かった。そして、『貴女の部屋の前に居るの』と告げた後も最悪だとしか言い様がない。セットアップで、攻撃したらリンディ?さんで……膨張爆散生首まみれとか、どこまでホラーが好きなんだと思わずには居られなかった。フェイト、生首トラウマで轟沈。

 

「はやては、ベタだったけどな!」

 

「あれは、以外だったわね……」

 

お化けというか、幽霊?モドキで撃沈されたはやて。

てか、首無しや首だけ半透明壁抜けなヤツが駄目だった。

特に、壁から突如現れる系が完全に駄目で……真上からの強襲で気絶してた辺り、『問題あらへん』の強気発言はハッタリだったモヨウ。まあ、顔が半分無い奴とか腐乱死体もダメダメだった辺りそんな攻撃があるとも思っていなかったらしい。

生理的嫌悪感を、全力で刺激する視覚情報はビデオや映画で見た程度では克服不可能の様だ。トドメはやはり、TVから髪の長い白装束の女性が出て来たのは耐えられなかったらしい。

はやて、貞子モドキで撃沈。

 

「鬼畜で、キチ〇イなホラー戦は使い魔に軍配が上がったらしい」

 

「無理でしょう?あんな反則的存在に勝てる訳ないじゃない……」

 

「翼でも、ダメそう?」

 

「そうね……お化け屋敷自体、行った事がないからわからないわ。でも、これを見る限り無理そうだわ……」

 

「そうか。まあ、俺も苦手な分類だし体験はしたくないな……」

 

「そうなの?」

 

「そりゃ、生理的嫌悪感を刺激してくるお化け屋敷なんて無いからな?普通に、笑って騒いでの面白恐怖体験だから!」

 

「その説明だと、意味がわからないわよ……」

 

「では、今度遊園地デートとかされてみませんか!?」

 

「「チッ……」」

 

唐突に現れる師範代リリィ。しかも、パンフレット持参で全力オススメをしてくる始末。どっから、こんなモン持ち出して来た!?

 

「湧いたぞ?」

 

「湧いたわね」

 

「ほらほら、兄様!姉様!ここ!ここが、オススメですよ!!」

 

「監視付きか……」

 

「監視付きね……」

 

そんなデート、やる気は無いぞ!?保護者同伴デートとか、一番やりたくないデートだ。しかも、後でからかわれる事確定のデートなんて誰もやりたくはない。それに、常々言うが俺は翼が恋人でも愛人でも無いからな!?【嫁】でもねぇよ!?なんで、結婚もしてねぇのに翼が【嫁】になるんだよ!?あぁ?恋心でも愛人でも無いなら、『愛』しか無いだろうって!?もしくは、『アニ嫁』かも知れないだと!?つか、アニメキャラじゃねぇんだからそっちの【嫁】にもならねぇよ!!

 

「翼、本気で否定しないととんでもない決め付けされるぞ!?」

 

「そ、そうね……こ、こここ恋b、ゴニョゴニョ……」

 

「翼?」

 

「うぅっ……何でもないわ!!」

 

「!?何、怒ってんだよ……」

 

「怒って無いわよ!!」

 

いや、普通に聞こえたんだけど誤魔化されてしまったので聞かなかった事にした。しかし、『恋人候補でも……』と立候補されてしまったが俺には物語のキャラクター達と恋仲になるという目的がある。だから、ハーレムの末端に入れても良いけど……リアル人物は……なぁ?ちょっと、気が引けるっつーか何と言うか困る。

そりゃ、翼が美人である事は認めよう。

しかし……しかしだ、翼はアニメキャラじゃねぇんだよ!だから、翼と恋仲になる事は出来ないと言わざるを得ない。それなら、転生前にお付き合いしてるから!本当に『縁』があったなら、転生前に会ってるハズだ。つか、転生前に出会っているなら転生後の情報内に……そして、師匠に翼の過去を見せられた時に気が付いているハズだからあり得ない。もし、生前に会った事があったなら運命だと引き受けても良いけど……無いなぁ。

その理屈だと、俺は『運命』が欲しいと言ってる様なモノだが……物語の登場人物に、『運命』なんてモノを感じた事もないから関係は無いだろう。ただ、好きだから恋仲になりたいってだけだ。でも、それだと『好き』で()()()()()物語の登場人物じゃ無くても良い?いやいや、そもそも俺が転生した理由は物語の登場人物達とくんずほぐれつな爛れた関係になる為であって『好き』と言い訳じゃ……?いやいや、『好き』である事は『好き』なんだよ?でも、恋人になりたい……んだよな?

 

「んん!?混乱してきた……ちょっと、考えたい事があるから席外すわ……」

 

「おや?等々、姉様との事を認める決心が!?」

 

「何ぃ!?兄様が、姉様と恋仲に!?」

 

「ならねぇよ!?なるハズがねぇだろう!?俺は、【リリなの】のキャラクター達とくんずほぐれつな爛れた関係になる為に転生したんだぞ!?なんで、そのチャンスを放棄しなきゃならないんだ!?」

 

唐突にオルタまで現れて、話をややっこしく混ぜ返し始めた。

だから、俺は混乱した頭のまま反論する。

 

「くんずほぐれつ?」

 

「爛れた関係……?」

 

「兄様……恋仲になりたいのでは無かったのですか?」

 

「恋仲?恋人?に……なるって言わなかったか?」

 

「いえ。『くんずほぐれつな爛れた関係』に……とおっしゃいましたよ?今」

 

「……くんずほぐれつな爛れた関係?ハーレムって、そういうモノだろう?女の子達と、イチャイチャするって事はそういう事じゃないか?」

 

「まあ、そうなんですけど……それだと、恋人では無いですよね?」

 

「え?恋人で、恋仲だからくんずほぐれつな爛れた関係になれるんじゃ無いのか!?」

 

「おや?」

 

「おやおや?」

 

「もしかして、解け掛けてます?」

 

「だが、神々が施した術が解けるモノか?」

 

「なんだ?神々が施した術って?」

 

「何でもありませんよ?それで、兄様はなのはさん達とどうなりたかったのですか?」

 

「どうって……恋人?」

 

「ああ、微妙に解除され掛かっているのか……」

 

「フム。本当に放置で良さそうだな……」

 

「これは、Masterの睨んだ通りになりそうです!」

 

「師匠が、何だって?」

 

「いえいえ、何でもありませんよ。それじゃぁ、登場人物さん達と爛れた関係に成れたら姉様もハーレムに入れられるのですか?」

 

「ハーレムなんだから、入れるんじゃ無いのか?」

 

「ええ!?」

 

「ああ!?」

 

「これはこれは……兄様には、『ハーレム』という定義について詳しく話を聞いてみたいですね!」

 

「これは……もしかすると、もしかするかもしれぬぞ?」

 

「え……どういう事?」

 

師範代達が、とても面白いモノを見付けたかの様な目で俺を見上げて来る。俺はそれを見て、何故かとても嫌な予感に駈られてその場から逃げ出した。しかし、回り込まれてしまう。ヤバい!逃げ損なった!!とは言え、まだ希望までも駆逐された訳じゃないから全力で逃げようとする。

 

「ヤメロー!俺は……俺は、自由な恋愛がしたいんだぁ!!」

 

「ハーレムは、自由恋愛ではありませんよ?」

 

「え!?」

 

「え!?」

 

「え!?違うの!?」

 

「違います。特に、一夫一妻制の世界でハーレムは恋仲の括りに入りませんから……」

 

「え……でも、恋人になればハーレムだって……」

 

「それ、誰に聞いたんですか?」

 

「え?……誰って…………誰だ?」

 

あるぇ?恋人が居ても、ハーレムを作れるって誰に聞いたんだったっけ?転生する前だった様な気もするし、転生した後だった気もする。今一、記憶があやふやだから師匠が消しちゃったエピソード記憶にその時の話が盛り込まれていたんだろう。だが、情報記憶はそのままだから俺は俺のままで居られるしブレる事はない。

よって、俺が俺以外の者に成れるハズもないからその情報元がわからなくても問題はないっちゃぁ無い。だが、何故か思い出したくて堪らない。多分、俺の直感が思い出させようとしているのだろう。それが、何を意味しているのかはわからないが思い出さなければならない。

 

「…………どこだったかなぁ?」

 

「思い出せませんか?なら、今はまだその時期ではないのでしょう。仕方ありません……」

 

「ならば、兄様は本当にハーレムを作りたかったのか?」

 

「あ?そんなん、男なら誰でも願うモノじゃないか?」

 

全男性、全ての願いなんだから願って当たり前だろう(決め付け)。

ハーレム……それは、男性であるならば誰が夢に見る欲望。めくるめく、多くの美しい女性達に囲まれて愛されるという願望だ。

もし、ハーレムが嫌だという男がいるなら会ってみたいね!

是非とも、ハーレムの素晴らしさを教えて差し上げなければ!!

 

「一夫一妻制の日本で生まれ育ったのにハーレムですか……それは、本当に兄様の願いだったのですか?」

 

「当たり前だろう?男なら、一度はハーレムを夢見るモノだよ?」

 

「一度なら?では、今はどうなのだ?今でも、ハーレムを作ってみたいと思っておるのか?」

 

今か……今は、師匠が植え付けたトラウマのせいで出来れば二、三人程度に抑えたいなぁ……と思っているけど。

目を閉じれば、バーゲンセールで商品に群がるおばちゃん達が思い浮かぶ。そして、歳を取ればいずれ至るのはおばちゃんへの道。

当然、ハーレムで過ごせば生まれてくる子供は多くなるから肝っ玉かーちゃんへの道筋も理解できてしまう故に師匠の言い分は正しいと考えられる。よって、現在俺がハーレムを望んで居られるかと聞かれたら……『NO』と言い切っても問題は無かった。

だが、それでも!転生する際に、俺は【魔法少女リリカルなのは】の原作人物達でハーレムを作ると宣誓したんだ。だから、何がなんでも俺はハーレムを()()()()()()ならない!!

 

「思ってるとか、そんなんじゃないんだ。作らなければならないんだよ。絶対に、俺はハーレムを作らなければならない!!」

 

「は?ちょ、ちょっと……『作らなければならない』って、なんでそんな脅迫めいた話になるのよ!?」

 

「あ?いや、普通の事だろう?」

 

そう言って首を傾げると、師範代達が翼を部屋の隅に連れて行ってボソボソと内緒話を始めてしまった。近付こうにも、『女子会中』の立て看板があるので近付けなくなってしまっている。流石の俺も、女の子達の『女子会』には興味はあっても近付くモノではないと生前からの情報記憶も記載されているので近付けない。

 

「姉様。……、…………モノ……です」

 

「兄様は……、………………、…………その願いを、どっかの誰がが歪めてしまったのだろうとMasterは言っておった」

 

「どっかの誰か……神が?」

 

端々から、途切れ途切れで聴こえて来るモノはあるが文法にもならない言葉の切れ端過ぎて意味はわからない。だが、それが俺に関する話なのはその様子から伺う事は出来た。つまり、俺にも神様の転生で得た何かしらの後遺症の様なモノがあるらしい。

そして、それは……肉体的なモノではなく、精神にまつわる何かである事が彼女達の態度から読み取れる。つまり、俺は神様転生をした事で生前の自分と今では異なる所があるらしい。だが、いくら考えてみても思い当たる節はないので強制的に忘れさせられているか……今尚、洗脳されているという事になる。

 

「洗脳が、現実的か……」

 

主義主張を歪める洗脳か……悪辣な神々であれば、あり得そうな話である。というか、俺の魂って元々インスタント・ソウルだったんだよな?なら、転生させた神の思い通りにされていてもおかしくはないハズ。でも、そのインスタント・ソウルがどんなモノなのかを確認する為にインスタント・ソウルを更にインスタント・ソウル化して俺は《神殺し》に転生した。じゃぁ、第一次インスタント・ソウルだった時に神が俺に施したそれ等は第二次インスタント・ソウル化で薄くなったハズだ。つまり、『解け掛けている』って事なのだろう。そうすると、俺が本来の主義主張はどんなモノだったのだろうか?ハーレム主義?一夫一妻主義?いずれにしても、今の主張と本来の主張の違いはどれ程掛け離れているのだろうか!?まさかとは思うが、ハーレム反対派なんて事はないよな?ヲタクで、アニキャラを【俺嫁】と称していたくらいだ……普遍的なヲタクであったならば、ハーレム主義は鉄板だから間違いないと思われる。ヲタク=ハーレム主義!それこそが、ヲタクの真理!!踏み台は、踏み台らしくハーレム主義を主張して願ってなんぼのモンだ。下手に、一人に絞って純愛を貫いた所で上手く行くとも限らない。そもそも、俺の柄でもなければイメージでもない。まあ、世界の軸を股に掛けているので一人一人を攻略してもハーレムにはなるんだけど……それはそれで、何か違う様な気がするんだよ!やっぱり、原作人物達を集めて侍らせてくんずほぐれつな爛れた関係を築かないとハーレムでは無いと断言しておこう!!

 

「俺は、ハーレム王になる!!」

 

「あーあ……死にましたね。兄様」

 

「なんで、その結論なのだ!?兄様」

 

「ふふふ……死ね!!」

 

「ハッ!?ぎゃあああああぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

気が付いた時には、目の前に翼の拳が迫っていて悲鳴を上げたら顔面にメリ込み、俺は振り抜かれた拳の勢いのままに壁へと激突するのだった。チーン。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

???

 

 

指定世界/【魔法少女リリカルなのは】世界。

時間軸&次元世界/不明。場所/超大森林。

 

「……オッス。俺、禍焔凍真。今、森林にいるの……」

 

彼が気が付いたのは、人工物すらない森の中。

手にしている持ち物は、【組織】から支給された制服と封筒とサバイバルナイフのみ。制服については、【鮮血の】が作ったチート装備なのでちょっとやそっとの事では破れはしないが、完全に安全が確保されている訳ではない。封筒の中身は、セイビアからの手紙で内容は……

 

『一ヶ月間、その山奥でサバイバルを行い生き残る事!ああ、安心して良い。そこは、そこそこ安全が確保された世界だ。凍真くらいでも、十分生きて行ける』

 

等と書かれた指令文のみ。

逃げ出そうにも、時空石に封印が掛けられていて720時間後にしか使用出来ない様にされている。ぶっちゃけ、完全に己の手を読まれた挙げ句に封じられて凍真は途方に暮れていた。その上、その手紙とサバイバルナイフを取り出せたアイテムBOX?は以降、再封印が掛けられたらしく完全に無反応と化している。つまり、何らかの条件をクリアしないとアイテムBOXすら使えないという絶望的な状況となっている状況だった。

 

「都会っ子にこの仕打ち……そりゃ、【組織】内に居たらアルバイト三昧で修行すらしてなかったけれど……まさか、実施訓練とか無いッスわ……(泣)」

 

膝を付いて、『orz』な体勢になるがそんな事をしている場合ではない。今はまだ、明るいけれど……街頭すらない森の中では、明るい内に水場と安全を確保しなければ何が起こるかわかったモノではない。だが、都会っ子の凍真はぐずぐずとその場で留まり未だ動こうともしていなかった。

 

「糞ぉ……まただ、また放逐された。やっぱり、彼等とは関係を持っちゃイケなかったんだ。【始まりの魔法使い】のお願いに、同意するべきでは無かった。断っておけば、こんな目には遇わなかったのにーーー(グダグダ永遠と)」

 

愚痴愚痴と、散々愚痴って気が済んだ頃には日が傾き始めているという状況で……ノロノロと、漸く動き出した彼は水場ではなく食料を探してウロウロし始める。一応、フォローしておくが彼にもちゃんとサバイバルの知識が頭に入ってはいた。だが、唐突に人工物の無い自然の中へ放り出された事で混乱していた彼はお腹が空いていた事もあり本能のままに動いている状態だ。

そして、木の実を探して木々の上を向きフラフラしていた彼は目の前に迫ってくる危機に気が付く事もなく……それに気が付いた時には、《神速》で回避するのがいっぱいいっぱいな状態。

その遭遇により、彼は水場も食料も安全も確保する事なく遭遇した危機と追いかけっ子を始め……日が落ちて、辺りが見えなくなるまで走り回ってた。漸く逃げ切れた(暗くなって見失われた)頃には、ドップリと日が暮れて辺りが真っ暗で動けない状況になっていて慌てた彼はそれでも食料を探して歩き回り……足を滑らせて、崖から落ちて運良く?断崖絶壁の出っ張った岩場部分に落ち着く。見上げれば、満面の星空で辛うじて崖上が見えるけど遠距離感は推し測れない。それでも、一応安全?が確保されたが……行く先不安いっぱいな、巻き込まれ体質な凍真だった。

 

 

 

 

 

 




凍真のパートがあったけれど、アレはアレで必要なモノだから気にしないで(笑)。神崎くん達には、教師役が居たのに凍真には居ない件。いずれ、出てくると思うので安心して下さい。ぶっちゃけ、凍真どこに居るの?妙な飛ばされ方をしてたから、良くわからん所に飛ばされるだろうなぁとは予測してたけど……猛獣に追われてるから、大自然なアマゾンの奥地で崖っぷちとなってるんだね。
Tアレックスをイメージしたけど、歩幅の理由で却下したよ(笑)。虎的な生き物に追われてると思いねぇ。作者的には、ジュラシックパークが良かったんだけどさ。凍真じゃ、逃げ切れ無いよね?なので、ボツ。
さて、今回は神崎くんにまつわる話になりました。本当は、ホラー一色で殺りたかったんだけど……原作人物が、軒並み撃墜されてしまったので急遽本編を入れてみた。こっちも、巻き巻きしないとねぇ?前にもチョロっと書いたけれど、あの時は未だ洗脳されたままだったので今回は解け掛け状態で記載。それでも、ハーレム王を目指すとか言ってるのでそのまま流したよん(笑)。いずれ、それから解放された時の神崎くんについても書かないとね。まあ、翼が闇堕ちする方が先だと思うけど(笑)(笑)。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれる方々に感謝を……


では、何時もの思い付きストーリーを。

勇気と正義のヒーローvs境界の守護者~愛を求めて~

まあ、『僕らのヒーローアカデミー』を視聴した日の後に見た夢だから似た様な設定になったんだと思われる。
ただし、内容は全然違ったけれど……
次元の壁を突破して、異世界から侵入してくる怪物とヒーローが戦う物語。異世界から侵入して来た怪物は、その世界を破壊せんと暴れるんだけど……それを、ヒーロー達が排除して平和をもたらすのがこの物語の醍醐味ーーーではなく、その異世界から侵入して来た怪物の中にイレギュラーが居て(女の子二人。姉妹だった)、その子達が『幸せ』を求めて普通の生活をするお話に何時もの境界の守護者(元勇者)を混ぜて彼女達の『幸せ』をお手伝いするお話です!!でも、次々に彼女達を襲う試練。詰んでる人生。正義と勇気のみを持ったヒーロー。ヒーローに『愛』は無かったよ……な世界で、境界の守護者が彼女達に『愛』を与える物語だよん。そして、怪物な彼女達には一年というタイムリミットがあるので、それまでに彼女達を『幸せ』にするというミッション。
もちろん、最後はハッピーエンドで締め括る物語だった。
彼女達の能力は、超能力系で人間を潰せるくらいの能力はあったかな?最初は、小さなパン屋さんのお姉さんを洗脳して姉妹認識で妹達を学校に通わせる所から。そこで、境界の守護者に目を付けられるんだけど……境界の守護者は、ヒーローとは異なる組織の人材なのでヒーローに通報する事なく日々を監視?しつつクラスメイトとして接して行く。で、彼女達の家……っていうか、洗脳されたお姉さんのお店に集まる事になるんだけど、そこで感じた違和感にうっかり口を滑らせて彼女達に潰されてループ。
その後、彼女達の余りにも運のない日々にループを繰り返していた境界の守護者は彼女達の目的を知って力を貸す事にする。つーか、この境界の守護者さんはみんなが笑ってないと不機嫌になる我が儘さん。みんなを笑顔にする為には、ヒーロー達ですら敵に回すキチガイさんでもあるのでパン屋のお姉さんの元に居たら、一ヶ月も持たない彼女達を救うべく自分の手元……即ち、自宅に連れ込みます!!
そこから、ひたすらループと試行錯誤の日々を得てヒーロー達と戦いながら彼女達を笑顔にする境界の守護者。
どっちが、ヒーローでどっちが悪?な物語だねぇ。
最終的に、ヒーローと話を付けて彼女達に『幸せ』をプレゼントして貰った報酬が『ありがとう』の一言と頬へのキスで終了。異世界との戦いは続くし、ヒーロー達の正義と勇気の物語も続くけど一応の終わりとなるお話だったよ!!(笑)(笑)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。