絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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二八二話

Re:

 

 

一ヶ月が経ち、サバイバル訓練が終わると何故か時空管理局の次元航行戦艦アースラが迎えに来て……たどり着いた先には、完全武装した原作人物達が待ち構えていた。なんで、こんな事になっているのかわからないが……ほぼ間違いなくウチの師匠が関わっているのは間違いないだろう。

 

「唐突にすまないな。だが、彼女達がどうしてもと言って聞いてくれないんだ。だから、彼女達と模擬戦をして貰えないだろうか?」

 

「えっと……俺、今デバイス持って無いんですけど……」

 

「私は、持ってるけど……メンテナンスしてないわよ?」

 

つか、翼のデバイスってメンテナンス要らずだったんじゃぁ?あ、察し。余計な事は、言わない。とりあえず、困惑した感じで彼女達を眺める様に見る。メッサ、殺る気だった。こっちの問題を上げた所で、なんか許して貰えそうにない。

師匠、何しやがった!?

とは言え、状況的に回避出来る様な状況でも無さそうなので翼に視線を向けると苦笑いが帰って来る。何故なら、翼の隣に最近は負けっぱなしの奴が超殺気立って既に臨戦態勢だった。

 

「あー……とりあえず、武装隊用の汎用デバイス貸してくんね?」

 

「汎用デバイスで良いのか?」

 

「良いも何も、非殺傷設定が使えないと不味いだろ?」

 

「まあ、そうなんだが……」

 

「セイバーは。あっちも、汎用型で頼むわ……」

 

多分、あのセイバーに非殺傷設定を持つ術式なんて組み込まれて無さそうなので、見た目をそのままに非殺傷設定だけを展開できる汎用型デバイスを渡す事にした。まあ、俺も似た様な使い方をする予定なんだけど。こうして、準備を終えた俺達はセットアップを起動させる所でちょっと戸惑ったけど何とか体勢を整えた。

 

「なんとも、不思議な感じです」

 

「まあ、セイバーはそうだろうな……」

 

「それじゃ、神崎とセイバーが前衛で私が後衛ね?」

 

「というか、それしか出来ないのが現状だな。まあ、全員前衛でも構わないけど……流石に、支援無しってのも不味いだろ?」

 

「そうね。それじゃ、回復と補助は任せてね?」

 

「こういう時、テイルズ系の能力ってチートだよな……」

 

「そうね……充実し過ぎてるものね……」

 

「じゃ、ヤバくなったらよろしく!」

 

「そんな状況に、陥るなんて事がありえるのかわからないけど……任されたわ!!」

 

「あ、セイバー。宝具の真名解放は無しでよろしく!」

 

「……わかっています」

 

「後、『対魔力』がどこまで有効かわからんからなるべく切り捨てるか避ける方針でな?」

 

「成る程。世界が違えば、能力も異なるのですね。心得ました!」

 

ちょっと、心配所と言えばセイバーの能力辺りなのでちょこっと説明で方針を与えておいた。そりゃ、全部が全部使えるとは思わないけれど……多分、使えたら目の敵にされるのがわかるので頑張って欲しい所である。まあ、目立って囮になってくれると言うのなら……それはそれで、構わないんだけどね。後で、愚痴られるのは俺達なので出来るだけ方針に沿った行動をお願いしたい。

ま、先ずは俺が()()()()べきなんだろうけど。

だとしても、いったい誰を狙うべきか……やっぱり、経験不足なシグナムをいただいちゃうべきかね?そのまま、後衛を蹂躙して前衛を食っちゃった方が良いのかもしれない。

つか、俺は基本ごちゃごちゃ考えて戦わない方が良いらしい。

ごちゃごちゃ考え過ぎで、却って弱体化していると師範代達は言う。本能に任せて戦えば、それなりに善戦するとも言われた。

 

「つか、多分……称号《踏み台の宿命》で、落とされるから詰めよろしく?って訳で翼が要ね?早々、落とされないでよ?」

 

「わかったわ……というか、撃沈されるのは前提なのね?」

 

「100%堕ちるね(笑)!!」

 

「前提というよりも、確定だったか……もう、憐れみもないわね」

 

「ラストに墜ちるから、詰め頼むわwww」

 

そして、始まった模擬戦だったがシグナムいただきますと言わんばかりに突っ込んだのにセイバーに先を越される。そのまま二人は、良い笑顔で一対一の激戦へともつれ込んで行く。唐突に、梯子を外されちゃった俺はその場で棒立ち。セイバー……この模擬戦の主旨、わかってんのだろうか?なんとなく、わかってない様な気もしないでもないがシグナム抑えててくれるなら良いやと割り切る。仕方がないので、飛んで来たシューターをなんちゃって旋衝破で受け止めて投げ返しておいた。ただ、それを撃ったなのはちゃんは帰って来たシューターを横に反れるだけで回避していたけど、その後方で旋衝破に驚き固まっていたヴィータに直撃。滅茶、怒られて追い回されている。

避けた本人も、『ほぇ?』と振り替えっているのでヴィータの怒りをちゃんと理解しているらしく『ごめんなさ~い!』とか叫びながら逃げ回っていた。とりあえず、最大戦力の二人が大ボケをやらかしているので俺はその間にバックアップであるザフィーラとシャマル先生を討ち取りに行く。後方に視線を向ければ、翼が戦場全域に向けて支援攻撃を開始した所だった。まあ、役割的には間違いないんだろうけど……やっぱり、人数的なハンデがあって大変だ。と、視界の端に金色を見て足を止める。反射的に拳を振るい、迫っていた刃を弾いて見上げると目の前に立ち塞がる様にフェイト・T・ハラオウンが降りて来る所だった。

あるぇ?……これ、下手をしたら三人を一度に相手ですか?

つか、ザフィーラ達をも含めると一人で五人も相手にする事になりますね。なら、フェイト・T・ハラオウンを速攻で沈めて後方狩りに行きたい所。翼、なのはちゃんとヴィータをよろしく?と思ったけれど、背後に迫る二つの気配を感じて詰んだ事を理解した。

 

「あるぇ?なんで、俺の所に集まって来るかなぁ?」

 

「貴方が、あの子の弟子だと聞きました。なので、討ち取らせていただきます!!」

 

いや、それだと理由になってないんだけど……って、きぃゃああああぁぁぁぁ!!?なのはちゃん達よりも後方から飛んで来た砲撃に、うっかり悲鳴を上げつつ転げ回避する。ガバッと身を起こし振り返ると、闇堕ちした翼の怒りと殺気を感じた。ちょ、別に意図してこんな状況に陥っている訳じゃないんだから俺を攻撃しても意味無いんですけど!?まあ、おかげでなのはちゃん達が後方の翼に気を取られていたので、その間にフェイト・T・ハラオウンを《鎧通し》で沈めてシャマル先生の元へと走り出す。

フェイト・T・ハラオウンは、唐突な攻撃とバリアジャケットで防げなかった激痛に倒れて悶絶中。ちょっと、慌ててたから内臓器にダメージが入っちゃってるかもだけど無視して逃走。

それが理由かはわからないけど、後方からの殺気が消えて正気に戻ってくれた様子が伝わって来た。というか、ちょっとした誤解でポンポン誤射されていたら堪ったモノじゃないので勘弁してくあぁさい!!マジで、非殺傷設定があるからってガチ攻撃されたんじゃぁ命が幾つあっても耐えきれないッス!!

そう思いつつ、漸くザフィーラが間合いに入って《瞬動術》で後ろから迫って来る二人を引き離し念願の撲殺戦闘に入った。

ほぼ一瞬で、間合いを殺されたザフィーラは当初とても驚いていたけれど、一発殴ったら直ぐに正気を取り戻し殴り返して来る。

流石だなぁと思ったが、だからと言って負けるつもりはないので応戦。まあ、詰めが甘いので危機的状況には追い込まれるだろうけど……その時は、翼のブレイカー魔法で巻き込まれ勝利が待っているハズだから問題ない。つか、テイルズの最強魔術《ビックバン》はブレイカー魔法に入るのだろうか?

入るんだろうなぁ……(遠い目)。

 

「覇王、断空拳!!」

 

まあ、なんちゃってなんだけど。なんだけど、『なんちゃって』を入れると面倒になり始めたのでカットして短縮してみた。地面にベタ付けした足を捻り、脹ら脛から太股を通して腰、腹筋、胸筋と練り上げ腕へと伝えて叩き付ける。結果、それなりの威力となってザフィーラを一撃の元沈めた。本当は、魔力を練り上げた方が楽チンで良いんだけど……たまには、筋肉も使っておかないと殺される。誰に……とは言わない。言うまでもないからな。

ザフィーラを沈めたので、一気にシャマル先生の元へと飛び込んで回復支援担当を撃沈。そこで、漸く追い付いて来たなのはちゃん達と八神はやてが降りて来た。

 

「あるぇ……はやて?」

 

おや?おやおや?そう言えば、八神はやてを見かけなかった様な?今まで、何してたのかな?最初は、確かに見たけどその後は知らないよ?今一、思い出せなくて首を傾げる。

 

「くっ……ザフィーラが、まさか一撃やなんて……」

 

「つか、君……どこで、何をしてたのかな?」

 

「ちゃんと、戦況を見て指揮しとったわ!!」

 

「え?指揮……でも、フェイトもザフィーラも墜ちたぞ?」

 

「ぐぅ……!」

 

「まあまあ、はやてちゃん……落ち着いて!」

 

何だか、メッチャッ悔しそうに顔を歪めて俺を睨み付けて来る。

そんな風に睨まれても、普通に戦っていた俺にはぶっちゃけどんな戦術であっても意味がなかった。つーか、目の前に立ち塞がる障害をブチのめすだけのお仕事でしかない俺の戦闘は戦術を組み立てても囲まれない限り無敵だ。そもそも、ウチの師匠だって暗殺術を使う人なので単独行動が多くて中々連携とか取れにくいっていう理由もある。これが、師匠と使い魔だったら違うけど……実力差が違う俺と師匠では、連携よりも単独での一人戦術の方が有効だったりするのだった。

 

「まあ、師匠の戦闘スタイルと俺の戦闘スタイルは異なるからその戦術が有効かどうかはわからないけどね?」

 

「えぇ!?違うんですか!?」

 

「な、なんやてぇー!?」

 

「いや、普通に違うだろ……体格だって違うのに……」

 

「いや、でも……弟子っだって……」

 

「そりゃ、武術習ってんだから弟子で間違えねぇよ。だけど、何を学んで力とするかは別問題だろう?」

 

「まぁ、そうだな……」

 

「「……………………」」

 

ヴィータの裏切りに、愕然とする八神はやてと高町なのは。

いやいや、そこはヴィータに責任を押し付ける所じゃねぇからな?てか、それが普通で常識だろう?なんで、同じになると思ってたんだ!?意味がわからない。師匠の戦闘スタイルは、『暗殺』で俺の戦闘スタイルは『戦士』なのだからそれを攻略する為の作戦は全くの別物になる。まあ、ちょっと無理をすれば突破出来るだろう師匠の場合は色々と面倒だろうけど。

俺の場合は、超遠距離からの砲撃が有効だったりする。

まあ、目の前にその砲撃主が二人も揃ってる訳だけど(笑)。

つー訳で、護衛のヴィータを沈めてはやて、なのはの順で撃沈しておいた。じゃ、後はヨロシクです(笑)。

 

「《集え、創生の光……ビックバン!!》」

 

世界の全てが、翼の魔力光で満たされ凄まじい衝撃と共にシェイクされる。これにより、翼以外の全ての魔導師が撃沈されて模擬戦は終了した。

 

 

 

「悔しい!!滅茶、く~や~し~い!!」

 

「はいはい、お疲れ様~。いやー、惜しかったねぇ?」

 

「もう一戦!もう一戦!!」

 

「クロノ、悪いけど……一ヶ月のサバイバル生活で、色々疲れてるんだ。まだ、模擬戦しろとか言わねぇよなぁ?」

 

「もちろんだ。部屋は用意させるから、ゆっくり休んでくれ……」

 

「だってさ」

 

翼も疲れているので、俺の提案とクロノの気遣いに乗り気である。ただ、セイバーだけがシグナムと暑く握手をしていてまだやる気満々な御様子だが……俺は休むぞ?やるなら、一人でやってくれよな?マジで!ちょっと、ドン引きしつつ案内された局内の住居区でサバイバル生活により蓄積された疲れを癒す。

 

「さて、と。翼は、どうする?」

 

「お風呂に入るわ……」

 

「いや、そうじゃなくて……明日からの話だよ……」

 

なんでこの子は、すぐ端的な予定を思い浮かべるのだろうか?

普通、お休みする事ーー飯食って、お風呂入って、寝るーーが決まっている状況で『どうする?』と聞かれたら明日からの予定を考えないかい?何故、この直後の話になるんだろうか?

 

「うぅ……/////」

 

「とりあえず、師匠は浄化を終えないと帰って来ないだろうから……また、嘱託でもやるか?」

 

「そ、そうね。それで、良いかもしれないわね……」

 

嘱託魔導師でも良いけど、その場合は毎日模擬戦三昧になりそうで怖い。はやても、なのはもあの一戦だけで満足するハズも無さそうなので事ある毎に突撃して来そうだ。

 

「とりあえず、第一候補はそれで良いとして……他は?」

 

「え!?ほ、他!?」

 

「そりゃ、色々抱えてるモノはあるだろうけど……師匠が居なければ、先立つモノは必須なんだよ?なのに、嘱託だけしか無いなんて将来がとっても不安じゃないか……」

 

俺や師匠は、黄金律という便利なスキルがあるから良いけど……翼には、そういう便利なスキルがないんだから何かしらをやらねば食べて行けない。まあ、管理局の嘱託魔導師ってのも選択肢の一つではあるんだろうけれど、それだけで生きて行ける程に翼の人生は楽では無いハズだ。

 

「でも、チビッ子が戻って来たら【外】へ出て行くのよね?」

 

「まあ、そうだけど……でも、やりたい事とやれる事は別物だよ?」

 

「それは……そう、だけど……」

 

「なんか、無いの?……お花屋さんとか、お弁当屋さんとか……」

 

「…………何故、そんなチョイスなの!?」

 

「え?あー……幼稚園児な将来の夢?」

 

「お弁当屋さんは、流石に無いと思うわよ?」

 

「警察とか、消防士は男の子の夢だからなぁ……女の子の夢って、どんなのがあるのか今一だったんだよ……」

 

そもそも、俺は昭和生まれの三十路ヲタクだったからな!多分?

故に、幼稚園児の夢と言えばそんなモンだったんだよ。お花屋さんとか、警察・消防士・弁護士・検事とキラキラな儚い夢が羅列されていたんだよ。まあ、叶ったかどうかは知らんけど。

 

「とりあえず、一度限りの人生だ。その気になったら、なんでも出来るから考えとけよ」

 

「でも……【外】に出たら、忘れられちゃうんでしょう?」

 

「あー、それな!多分、翼は関係ないんじゃね?【外】に出たら、記憶が云々って《神殺し》のみの話だろう?」

 

「…………そうなの?」

 

「だよな?つか、師範代居ますか?」

 

「居ますよ。兄様」

 

「それと、質問の答えだが……兄様の予想通りと言っておこう」

 

「だってよ」

 

「本当に?」

 

「「YES」」

 

「取り返せるなら、取り返せるだけ取り返そうぜ?」

 

「…………わかった。考えておくわ……」

 

そう、頬を染めて嬉しそうにはにかむ翼。

元々、俺が『生きて』いた時代……世界軸の翼は、金持ちの爺へと嫁ぐ事が決まっていた奴だった。良い学校を出て、良い就職をして、良い家庭を持つなんて普通の事が夢のまた夢でしか無かったんだ。だから、未来が今一想像できなくて夢も希望も持てない。

師匠が傍に居るって言うのに、未だに過去に囚われて搾取され続けているのが翼だ。だから、取り戻す。何もかもを。希望を聞いて、その夢を将来を……それで漸く、彼女は()()になれる。転生者ではなく、極普通の『女の子』に戻れるハズだ。

望めるなら、その未来に夢と希望が溢れん事を……。

()()ってのは、夢と希望が溢れるモノでなければならないんだよ!悪夢や絶望であってはならないんだ!!あ、段々腹立って来た……ちょっと、頭冷やして来るかな?

 

「師範、ちょこっと鍛練良いですか?」

 

「おや?お休みするのでは無かったのですか?兄様」

 

「翼の境遇考えてたら腹立って来た」

 

「兄様の頭は、姉様の事でいっぱいなのだな……」

 

「あ?違ぇよ。【転生】って、夢と希望が溢れるモンだろう?」

 

「「……………………否定は(せんよ)しません」」

 

「なのに、悪夢で絶望な人生に強制参加とか……腹立たね?」

 

「「…………確かに、ムカ(つくな)つきます!」」

 

「デスヨネ!!なんで、ちょこっと体動かしたいです」

 

「ならば、私が行こう。では、リリィ。姉様を頼んだぞ?」

 

「はい」

 

そうして、俺とオルタは中庭に出て軽く模擬戦モドキをやった。

疲れていた事もあって、それ程熱は入らなかったけれど。

それなりには、汗を掻く程度で終えてシャワー浴びて寝た。

 

 

 

……………………。

 

 

 

翌朝。

 

「ギョギョッ!?」

 

朝、目覚めてみると俺の隣に翼が寝ていた。何が、起こっているのかわからないが……ハッキリ言って、生命の危機が迫っている気がする!!それはもう、超切実に!!つーか、今翼が起きたら俺は確実に死ぬ!!

 

「…………え!?」

 

慌てて、その場から逃げ出そうとゆっっっくり抜け出そうとしているのに、俺の気配に気が付いたのか翼が目を覚ましてギョッとした顔をする。待って!落ち着いて!違うから、多分違うから!!

そう、言いたかったのに俺に出来た事は口をパクパク動かす事だけで何もさせて貰えなかった。そして翼はというと、悲鳴を上げながら俺の顔面に全力の拳を叩き込んで振り切るだけである。

朝っぱらから、借りた家の窓を突き抜けて出勤途中の車に跳ねられアスファルトの地面を数回跳ね転がされるのだった。

ビッタンビッタンコロコロ……ビックンビクン。

超、大騒ぎな朝になりましたとさ。めでたし?

 

閑話休題。

 

 

 

「死ぬわ!?」

 

「生きてる……というか、死んで蘇生された?」

 

「ご、ごめんなさい。ちょっと、驚いちゃって……」

 

ちょっと所じゃ無かったよ!?つか、ちょっとなら局員が駆け付けたりはしない!!クロノまで出てくる大騒ぎになってたよ!?

その後、死んだと思って現場検証してたら当の本人が蘇生してムクッと起き上がったからさあ大変。更に、阿鼻叫喚の大騒ぎに発展して加害者が更に出て行きにくくなる事態となってしまった。

そこへ、悪戯好きな師範代達がゾンビに扮して出て来るから更に超騒ぎになって……多くの人々が見ている前で、ブジュルゥルッと血肉をドロドロに溶けて白骨化するからパニックに発展して怪我人まで出る始末。止めろよ!?マジ、止めろよ!?後から来た、なのはちゃん達が半泣きで逃げ出す事になっていただろう!?アレ、絶対夜一人でトイレ行けなくなってるからな!?

 

「はかどりました!!」

 

「とっても、楽しめたぞ!?」

 

何、ヤり切った感を出してフィーと汗を拭ってやがるんだ!?

表、極大騒ぎになってんだぞ!?なんつーか、どっかの科捜研まで出庭って来て完全装備で消毒?を行っているモヨウ。つーか、この悪戯に数人の使い魔が関わったらしく……各地で、パンデミックモドキ起こして人々を恐怖のドン底に叩き落としたらしい。

安全な場所に避難できたと思ったら、隣の隣人が唐突に苦しみだしてボロボロと腐敗して融けていく様子を見せられたらパニックになっても仕方がないとしか言いようがない。そのせいで、管理局はそれがウィルスによる科学テロだと思ったらしく今尚厳重体制が解かれていない状況だ。何故、こうなったし!?

 

「なんか、色々ヤヴァイ……」

 

「ご、ごめんなさい……私のせいで……」

 

「翼のせいじゃねぇよ。そもそも、俺を翼のベットに移動させたのだって師範代達なんだぞ!?全部、奴等の思惑通りなんだ!!」

 

そう、このパンデミックモドキは最初から予定されていたパンデミックモドキだったのである。最近、大人しいと思っていたらそんな下らない事を計画していやがったのだ。多分、これには師匠も関わっていると思われるが……何処に居るかもわからないので、文句の一つも言い様がないという状況だった。

 

「くっそ!マジで、クッソウゼェ……」

 

そして俺達は、避難させられたというか隔離されているというか良くわからない研究所の様な場所に軟禁されていた。多分、あの血肉がドロドロに融けるウィルスに感染していると思われているのかもしれないが……アレは、鬼畜共の悪戯なんだよ!!

その上、件の鬼畜な使い魔達は姿を消していて声だけが聞こえてくるという状態だ。まだ、何かをやらかすつもりでいるのか部屋の死角で省エネモードな子猫に扮して細かいネタを披露してやがる。先程のドヤ顔と、汗拭いも子猫の姿でやっていた事柄だ。

 

「どうするつもりだ!?」

 

「大丈夫です。計画は、順調ですから……」

 

「兄様達は、ごゆっくり楽しんでおれば良い……」

 

全く持って、心休まる気がしないのだが……何をどう、ゆっくりしろと!?まさか、この状況で翼とイチャ付いていろとでも言うつもりか!?マジで、心休まらないんですけど!?

そして、奴等は次のミッションがあるのか……いつの間にか、消えていたのだった。

 

 

 

 

 




最近、悪戯してない気がして……ついでに、狂気も薄まってる気がしたので狂気成分を追加です(笑)。偶々、昔の映画で死者を甦らせるなんて話があったのでそれを使ってみました。いやー、幼い頃に見た映画ではあったのですが……濡れシーンで、女の人が融けていく様子は凄まじいトラウマでした!!まず、ブツブツと肉が泡立ってその後ドロドロに融けていくんですよ!題名は忘れましたが、とても恐ろしいシーンでしたね。特に、お色気シーンで見入っているというのに対象をドロドロにするとか……止めて欲しいね!!
後は、大体コメディなのにあのシーンだけが印象的でトラウマ化しちゃったよ!!なので、今回はホラーだけどコメディの見本をやってみたよ!!これこそが、ギャグコメディでしょ!!って見本なお話だよ!!サバイバルから解放されて、原作人物達と模擬戦やって……恐怖な喜劇のホラーッポイコメディだよ!!多分、大笑い間違いなしの話になってるね!!ちょっと長いオチになったけど……続く!!

ちょっと前に、《堕ち神化》問題で賑わったばかりなのに……今度は、ウィルス?な恐怖のドロドロに融けるホラーとか……災難としか言い様のない世界だね!!

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m(_ _)m

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いつも、読んでくれる方々に感謝を……

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