絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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二七八話/凍真を……

???

 

 

/時間軸不明

 

薄暗い部屋で、セイビアがウィンドと向き合っている。

セイビアの表情を見るに、余り気分が良さ気には見えないその上、かなり深刻な話をしている様で雰囲気がとても重い。そして、ウィンドの内側に映っている者の表情も優れなかった。

 

『やあ、トラブルメーカー。調子はどうだい?』

 

「おぅ。異端児、お疲れ。気苦労が絶えないよ?」

 

『さて、早速だが……禍焔凍真は、どうしてる?』

 

「あー……トーマなぁ?連絡はあったんだろう?」

 

『一応ね。公開処刑みたく、晒されたけど……』

 

「あー、まあ……ねぇ?てか、知らねぇんじゃね?」

 

『知らないだろうね(笑)。それで、何か問題でも?』

 

「や。未だに、お客様状態だな……」

 

『そりゃ、仕方がないさ。目標がないんだもん。指針が無ければ、路頭に迷うのは当たり前だ』

 

「アイツ、路頭に迷ってるのか!?」

 

『迷ってるだろうねぇ。全く、『始まり』も余計な事をしてくれる』

 

「全くだ。しかも、それを監視対象に尻拭いさせるってんだから良い御身分だよな!!」

 

『あー、ウゼぇ……とりあえず、プランは三つ』

 

「三つで良いのか?」

 

『イーヨ。それで駄目なら、掃き溜めに落としちゃえ』

 

「酷ぇ……」

 

『先ずは、時間。半年、くらいでどうだろう?』

 

「割りと、短い期間だな……」

 

『生まれたばっかだろ?人間感覚、抜けないんじゃね?』

 

「まあ……そうだろうな……」

 

『それで駄目なら、外に連れ回せ。世界を見て、それで自覚が得られるならそれはそれでOKだろう?』

 

「まあな。それでダメだったら?」

 

『もう、追い詰めるしかねーだろ?最悪、借金地獄に貶めてビシバシ働かせろ。まあ、それで駄目だったら……資金確保を騙って、ガチな【地獄】に連れてって?』

 

「うへぇ……マジ、鬼畜だな!?」

 

『自覚が芽生えないなら、切り捨てて構わないよ。緩衝材は、こっちで用意するから徹底的に煽ってね?』

 

「ふぇーい。ま、ホドホドにやるさ……」

 

『……………………』

 

「……………………」

 

「『題して、【凍真追い出し作戦】!!』」

 

そういう会話がされたのが一年前。禍焔凍真が、【組織】に召喚されたくらいにトラブルメーカーと異端児の間で行われた秘密の会話。そして、彼の愛されしお馬鹿さんは最終段階の【地獄】に連れ出される事になる。

 

 

……………………。

 

 

そこは、正に【地獄】と言うに相応しい場所だった。

 

「ーーーーー」

 

セイビアの言葉を信じ、給料の良い仕事に連れて行かれた凍真は赤く熱い世界で呆然と立ち尽くす。視界の全てが、赤く染まり……そして、未だに燻り燃える炎がチリチリと肌を焼いて来る。

周囲を見回せば、辺り一面が瓦礫の山で所々から火が吹き出し黒い炭の様なモノが見え隠れしていた。それ等はまるで、歴史の教科書に出てくる戦争の爪痕の様で背筋を嫌な汗が流れていく。生前や【リリなの】世界で見た、戦争被害の写真や映像の様々な記憶が禍焔凍真の頭を過るが現実はそれ以上だった。

時折、肉を焼く様な臭いがして一瞬ほのぼのとしたバーベキューとかのイメージが頭を過るけど……それはあり得ない。

目の前にある現実が、その考えを直ぐ消して彼は察した。それにより、サァーと血の気が引く。現在進行形で、人間の血肉が燃えているのだろう。それを理解した瞬間、胃から込み上げて来るモノを自覚して彼はその場で吐き出した。

うずくまり、何度も胃の中身をブチ撒ける。

 

「凍真、俺達の仕事はここから生存者を見付け出す事だ。生存者を見付けたら、ボーナスが出るぞ?」

 

そう、場違いな明るい声でセイビアさんは言う。

この中から、生存者を?と鸚鵡返しに呟き周囲を見回してこの絶望の中から!?と言葉を失う。セイビアさんも、こんな赤く染まった絶望の中から生きている者を探し出せなんて無茶を言ってくれる。周囲を見回しても、瓦礫の山が見えるだけで生存者なんて居ない様に思えた。なので、近くにあった瓦礫を横にズラしてみたりしたけど何も出て来なくてホッとする。

 

「お?生存者、発見か!?」

 

恐る恐る、瓦礫を退かしていると背後でやっぱり明る目の声が上がる。こんな状況下で、生存者が居ると言われて凍真は疑問に思いつつも少し気になりセイビアがいる場所へとフラフラ近付いて行く。そして、セイビアの背後から瓦礫の中を覗き込んで彼が持つ物体に首を傾げる。それは、おおよそ生物の形をしておらず……寧ろ、金属の止め金や骨格が剥き出しになっているロボット?だった。凍真は、セイビアのしている作業を固唾を飲んで見守っていたが、プシュゥ……という音を聞いて更なる疑問の渦に呑まれて行く。そして、謎の物体がガバッと開いて中から筒上の塊が飛び出して来る。良く見れば、何らかの瓶の様だった。

 

「……それが、生存者、ですか?」

 

「おう。まあこれは、生きてないみたいだけどな……」

 

「はあ……小人とかですか?」

 

「いや、ノウだ」

 

「……ノウ?」

 

「ほら」

 

言って渡されたソレを、凍真はマジマジと覗き込み確認し、中身を正確に理解した瞬間、驚愕に目を見開いてソレを投げ捨てた。

ガシャンと、地面に叩き付けられて割れた瓶の中から飛び出て来たのは少し小降りではあるが人間の脳髄だ。

それが、瓶に入れられてロボット?の中に内蔵されていた。

凍真は、もう吐くモノも空っぽだというのに込み上げて来るモノを吐き出そうと嗚咽く。ハッキリ言って、真面目な常識人には理解出来る様なモノではなかった。人間の脳髄を摘出し、試験管の様なカラスの瓶にそれを突っ込んでロボット?にセットするなんて真当な思考の持ち主であれば考え付くモノではない。

 

「おいおい、もっと丁寧に扱えよ……」

 

「ゲホゲホ……はぁ、な、なん、ですか……これ……」

 

余りの衝撃に、凍真はマトモに言葉を紡げなくなっていた。

未だに、心臓がバクバクと早鐘を打っていて息が乱れる。

 

「ああ、そう言えばまだ言ってなかったな。ここは、俺達《神殺し》が襲撃して落とした《旧・神族》の拠点が一つ。戦闘の方は、その道のプロがやるから俺達は後方支援だな。で、『生存者』を捜索するのが今回の仕事だ」

 

「…………生存者?…………これが、ですか?」

 

呆然と、試験管が割れて脳髄が飛び出した物体を視点の合わない目で眺めつつ、どこか壊れた様子でセイビアに問う凍真。

 

「そうだ。あれが、『生存者』だ。最近は、リサイクルの出来るタイプの奴隷が出回っていてな?肉体持ちは、高級な奴隷で間に合わせの奴隷は一度心臓が停まった……所謂、肉体を失ったと言うか……使い物に成らなくなった、奴隷の脳髄だけを引きずり出して機械の肉体を与えて絶望に浸しその表情や態度を楽しむ馬鹿が増えて来てるんだ。機械の肉体っても、超高性能で表情筋とかが普通にあるヤツが多いんだぜ?」

 

「リサ、イクル……狂ってる……」

 

「ああ、狂ってるんだよ。それが、俺達《神殺し》の敵だ」

 

「敵……《神殺し》の敵……」

 

「知ってるだろう?《旧・神族》と呼ばれる集団を……双夜に説明を受けたんじゃなかったか?」

 

「……はい。受けました……」

 

「そうか。なら、顔を上げて周りを良く見ろ……」

 

言われて、凍真は視線を上げて周囲を見回す。

 

「良いか?凍真。今日、これから起きる事や見て体験する事をシッカリ覚えろ。そして、自分が何をやるべきなのか……それとも、何を目指すべきなのかを考えるんだ。望まず、此方に召喚されて困惑するのはわかる。だが、思考を放棄して何もしないのは駄目だ」

 

「…………そんな事は……」

 

思考を放棄していると言われ、凍真は反論しようとするがセイビアはその言葉に被せる様に反論を封じる。実際、凍真は己が向かう先を……将来を全然考えてはおらず、現状に流されているだけだった。そんな者に、《神殺し》は務まらない。

 

「してるだろう?だから、【組織】に残留してるんだろう?」

 

「違う!それは、双夜さんが……」

 

「それは、君の言い分だ。俺達から見たら、自分が何を成すべきなのかがわからず……路頭に迷ってる子供が居る様にしか見えない」

 

「それは……望んでも無いのに、こんな場所に呼び出すから……」

 

「なら、双夜が戻ってきた時に双夜の船に潜り込めば良かったじゃないか?まあ、アイツもそれを警戒してお前の居ない時を狙っていたけれど……」

 

とは言え、選択権は凍真にあり『行かない』という方法もあったのだ。それを真面目に、連れ回されていたのは凍真である。

 

「でも、勉強なんだろう?」

 

「勉強って……はぁ。お前さ、将来、【組織】に入る予定でもあんの?【始まりの魔法使い】は、【彼女が目覚めるまで】か【リリなの】の世界にいる間で双夜の監視を頼んでいただけなのに?」

 

「え?」

 

正確には、当初【彼女が目覚めるまで】という条件だったのを【リリなの世界】が終るまでと条件を変更して受け持った話だったハズだ。だが、凍真は実力が伴ってないと【組織】に戻されて、以降周囲に流されるだけの生活を送っている。

 

「ぶっちゃけさ、君、【リリなの】の世界を双夜が終らせたら切って捨てられる存在なんだよ?」

 

「えーーーーー!?」

 

「まあ、それまでに自分の有能性を示せばスカウトされなくもないんだけど……サボってるよね?」

 

「……………………」

 

「ああ、そこで自分は望んでなかった……とか、自分の意思じゃない……とかは言い訳にしかならないよ?ウチは、超実力主義なんだ。ちゃんと、実力を示さないと切って捨てられるだけとなるんだよ?そして、君は御使いさえもまともに出来ていない。現在の評価は……言うまでもないよね?」

 

「……………………」

 

即ち、【組織】についての勉強なんて必要無かったのだと言い切られた上に己の価値は底辺だと断言されて凍真は言葉を失った。

だったら、呼び出さなければ良かったんだ……とも考えるが、最初から『【リリなの】の世界だけで……』という依頼内容を思い出して、更に何も言えなくなってしまう。そう言えば、と凍真は【組織】に召喚された当時の事を思い出して頭を抱える。

 

「だったら、どうすれば良かったんですか!?あの時は、ああするしか無かったし!【組織】に戻された後は、あのイカれた修行をすれば良かったのかよ!?」

 

「だからさ、言っただろう?周りに流されず、双夜の船に潜り込めば良かったんだってさ……だって、君は双夜の監視を承った存在なんだから……そもそも、君の役割は監視であって闘う事じゃない。故に、戦力外通知を受けたなら戦わず監視に徹していれば良かったんじゃない?」

 

「……………………」

 

結局、それを選んだのは凍真自身で選択権はずっと自分にあったんだと言われ凍真は愕然とセイビアを見上げる。凍真に取っては、正に頭を殴られたかのような衝撃的な話だった。

 

「ああ、因みに……【組織】の施設内から、【外】に出る為には【外】に出る為の申請書と他世界に入る為の許可書が必要だぞ?まあ、常識なんだけどさあ?」

 

「ハッ!?」

 

当たり前と言えば、当たり前の話であるが役所でも組織でも何かをする為には申請書や許可書は必須である。それらを提出せずに、何かをしようとすれば周囲が止めに入るのも常識だった。

 

「え?じゃあ、俺が止められたのって……」

 

「戻って来たら、もう一度最初からやり直しな?折り返しで、別の世界には行けないからな?もう一度、申請書出して許可書を貰って設備を使う許可も貰って初めて跳べるから……」

 

「……oh…………」

 

双夜によって、【組織】に戻された凍真が直ぐ様折り返し【リリなの】の世界に転移しようとしたあの時、セイビアが止めたのはその為だった。【組織】の施設を使う為には、其々の申請書を其々の部署に出して許可を貰わなければならない。

因みに、双夜はその辺りがちょっと緩い。

何故なら、世界の()()に直接招かれる事があるから。

それに、その事については端末で簡単に調べられた上に、職員にちょっと聞けば案内役付きで回れる様にもなっている。

そもそも、双夜自身が『許可を貰っている』と言っていたんだからちょっと考えれば直ぐに思い当たったハズだ。

故に、凍真は本当に思考を停止していたのである。

 

「あ、後、ちょっとした裏技で……時空石は、相手の時空石に触れさせると魔力交換をするから相手が何処に転移したか追尾出来る様になるよ?まあ、石同士の接触がなくても石を赤い魔力柱に触れさせる事で同様の事が出来るけど……」

 

「……………………」

 

「それから、監視って言っても常時側にいる必要ないからな?ぶっちゃけ、同じ世界に居るだけで全然OK。あの馬鹿が、暴走したら嫌でもわかるから適当に観光とかしてれば良い」

 

「……そんなぁ…………」

 

「いやいや、そもそも監視ってそういうモンだから……」

 

セイビアが言う事は、至極真っ当なモノばかりで凍真は自分のいたらなさに頭を抱えてしまう。良く良く考えれば、いずれも直ぐに思い当たった常識だった。

 

「ああ……なんて、無駄な時間を……」

 

「一応、この依頼で最低でも五人の生存者を確保すれば借金はチャラに出来るから。まあ、基本的に生存の確率は圧倒的に低いけど……居ない訳じゃないからな?」

 

【組織】に戻れば、申請書の書き方と部署を端末で調べて持ってけば一週間程で許可を得られるとも教えられた凍真は修行の事や活動資金について聞いてみた。

 

「修行?監視役に必要なの?」

 

「……oh…………」

 

「資金?双夜に貰えよ。アイツ等なら、簡単にGETしてるハズだぞ?え?嫌われてる?まあ、監視役だからな……でも、それはそれ。これはこれだ。言えば……申請すれば、貰えるハズだぞ?」

 

「マジっすか……」

 

「…………多分?」

 

「そこは、断言してください」

 

「つってもなぁ……双夜だし……ってか、未来の不確定な予想をグダグダ言うより今は資金稼ぎが優先だ。借金返さないと、【組織】から出られないんだから生存者を探すんだよ」

 

「…………わかりました」

 

かなり、不服そうではあるが凍真は言われた通り五人の生存者を探して瓦礫の山を崩し始める。先程までの面倒そうな様子は成りを潜めて、かなり前向きに捜索を開始した様にも感じた。

その後ろ姿を見送って、セイビアも作業を再開するがフと何かを思い出した様で振り返り……まあいっかと再開する。

 

「……あー、まあ、『当たり』が出ない事を祈ってるよ。『当たり』が出たら、申請云々の前にカウンセリングかな?」

 

セイビアは、頑張る凍真の後ろ姿をチラッと見てボソッと呟く。

それは、良くある案件ではないけれど特例でとんでもない拷問を受ける被害者達がいたりするんだが……中には、最も酷い『終末廃人処置』と呼ばれる拷問を受ける者達がいる。

《旧・神族》共に遊ばれて、精神も肉体もボロボロになりクローンにクローン化を繰り返し行われた者に施される処置だ。

先ず、真新しい被害者()を用意する。

出来れば、家族や友人関係の者である事が好ましいモヨウ。

そんな者達の中から、生け贄となる者を選び徹底的に弄んで廃人へと追い込む。それにより、廃人と化したその者に別の人格や記憶を上書きして別人とする。そうして、別人となったその者を今度は《旧・神族》の手足として放置していた友人達の前に立たせるのだ。結果、友人達は人格も記憶も違うけど見た目が同じな元友人から拷問じみた“遊び”を受ける事となる。

その後、友人を潰した元友人はバラバラにされてクローン体の原料として売り捌かれクローニングされて復活。それに、元々の人格と記憶を上書きーー別の記憶媒体に、元々の人格と記憶を複製してあるともっと好ましいらしいーーして……魂の補完により、自意識が戻った所で己が友人達に何をしたのかの記録を見せられる。最も、中には憎悪で黒く染まる者もいるけど。

記録視聴により、絶望と後悔に染め上げたらまた最初から《旧・神族》の玩具としてひたすら拷問されてイジメ抜かれる訳だ。

サイクル的には、廃人まで弄られて人格と記憶の上書き。

その後、《旧・神族》の手足として元友人達を拷問。その元友人達を壊したら、元の人格&記憶を戻されて己の所業を見せられる。そして、また拷問を受けて……と、繰り返し繰り返しその処置を続けられて絶望の果てに憎悪と絶望で肉体を変質させる程に黒く染まり上がったら、今度は異なる怪物の肉体を与えて理性を奪った状態にするとクトゥルフと呼ばれる邪神モドキとなる。

見た目は、蛇に似たナニカ。触手にも似ているナニカは、見た目と相まって誰も近付かない。混沌の怪物。もう一つの、《堕ち神》……憎悪と歪みを呪いとして内包した怪物。

 

「それに、当たらない事を願っておくよ……」

 

そう言いつつ、ニヤニヤと悪質な笑みを浮かべるセイビア。その頭の中は、この呟きがフラグに成らないかなぁ?という残酷なモノ。

ぶっちゃけ、その《堕ち神》は見付ければ生存者五名よりも報償は高い。早期発見で、早期討伐が好ましい物体なので捜索メンバーには《神殺し》のプロフェッショナルも多かった。

 

「……そう言えば、凍真って巻き込まれやすいんだよね!」

 

自分で見付けるには、余り好ましくない……だけど、一攫千金なそれはちょっとした宝くじ扱いなのである。出来れば、その一攫千金の馬尻に乗れたらと虎視眈々に凍真を眺めていた。

そして、セイビアが散々フラグを立て捲った結果……凍真は、晴れてその当たりたくない当たりを引き寄せる。

凍真の『ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ!?』という悲鳴と共に、セイビアの『《堕ち神》が出たぞぉー♥!!』場違いな明るい声が上がると同時に《神殺し》達がワラワラと集まって来た。

その中には、『今回の被害者は誰だ!?』と騒ぐ奴もいる。

何たって、その《堕ち神》は一攫千金の《堕ち神》だ。何もしてなくても、周囲に呪いを撒き散らすそれは《神殺し》達に取っては笑いのネタだった。何たって、本来の《堕ち神》と違いソレが撒き散らす【呪い】は良くわからないモノが多い。特に下ネタな呪いは《神殺し》達に取って、とても面白いモノが多かった。

気絶する凍真を引き摺り、その場から離れるセイビアが攻撃範囲から出た瞬間に《堕ち神》の排除が始まる。今回の被害者は、凍真かぁ~♪と言いつつサクサクッと《堕ち神》を排除した彼等は凍真の元に急いだ。

 

「それで、何の呪いだった!?」

 

「下半身が、Impossibleになったモヨウ!!」

 

「うはーw!もちろん、黙って置くんだよな!?」

 

「当たり前だろ!?」

 

「そして、本番で知るんだよな?」

 

「地獄だね!」

 

「地獄だな!!」

 

「好きな女性に、『不能なんだ……』と呆れられる恐怖!!」

 

「早い、短い、小さいと言われる以上に恐ろしい!!」

 

「ようこそ!地獄の一丁目へ!!」

 

「そして、始めようリハビリと言う名の悪夢を!!」

 

「うはーw、大変だな?凍真!」

 

「その前に、クトゥルフを直視しちゃったカウンセリングが先だ」

 

「ああ……あれなぁ……直視のトラウマは、キツイんだよ」

 

「憎悪が歪んで呪われてるんだもん。周囲に与える影響は、天下一品!!最悪の呪いだ(笑)」

 

「天下逸品ww!最悪だけど、下ネタ!そう、下ネタっ!!」

 

「下ネタでも、キツイモノは徹底的にキツイ!!」

 

「たまに、トイレが行けない呪いもあるからなぁ……」

 

「強制便秘とか、洒落にもならんからなぁ……」

 

「女性がキレるあれな!!」

 

「『汚物妊婦』が生まれたアレな!!」

 

「普通なら、死んでてもおかしくないのに不死だからって妊婦化しちゃったアレな!!怖くて、近寄れんかった……」

 

「それな!!」

 

「男で便秘もキツイが……女性のアレは、怖かった!!」

 

「マジでな!!」

 

「汚物妊婦ならぬ『汚物妊夫』!!」

 

「あれは、最悪だったな!!」

 

「誰の子供だよ!?事件な!!男も女も、恐怖に耐えられんかった!!そして、ブチ撒けられる汚物!!」

 

「正に地獄だった……」

 

「すか〇ロ!ス〇トロ!!」

 

「アレは、そういうレベルの話じゃなかっただろう?」

 

「汚物爆散事件な!!」

 

「どっかの科学者が、苦しんでる汚物妊夫に爆弾仕掛けたアレな!?爆発四散して、臭いわ汚いわ再生出来ないわで大騒ぎになったアレな!!超迷惑だったんですけど!?」

 

「文句は、【鮮血の】に言えよ……」

 

「ハイハイ。そこまでにしろ!ほら、生存者は待ってくれないぞ!?探せ!!」

 

「「「「はーい!」」」」

 

セイビアの号令で、周囲に散っていく《神殺し》達。

問題は、棚上げで何も解決していないが其々の現状はなんとなく把握出来ただろう。凍真に掛かった呪いについては、双夜が何とかしてくれるだろうから放置の方向で話は纏められた。

 

 

 

 

 




実際、真面目な奴ほど陥りやすい罠な話でした。
そして、ピンポイントで検索掛けないと超面倒臭い端末での常識集。その結果、見ない、読まない、聞かないが発動。怠惰な奴程、あるある話。特に、やる気のない奴が陥る怠惰なスポット。堕ちたが最後、中々抜け出せないというコンボにドハマりしていたトーマくんだった。まあ、あの世界ではアレが普通なので誰も助けてはくれないというオチ。というか、自分で何とかしようとすればするほど落ちるんだよねぇ。聞けば、ヒントくらいは教えてはくれるのに(笑)。セイビアとか、愁辺りに助けを求めれば簡単に助けてくれただろう事柄。ちゃんと、『苦労人』ってコテハンで名乗りを上げてるっていうのに……全く(笑)。まあ、わかりにくいあげくに積極的に関わって来る奴等でもないから。トーマ乙。
そして、クトゥルフ?な生存者。あー、あれはねぇ……見たら、気分が悪くなる絵画とかあるじゃない?例とするなら、ハプシエルみたいな?精神的にガツンとくるエッグい感じの蛇の集まりと言うよりゲジゲジとかムカデとか多種多様な多足系の虫が群がってる様な感じの生物?生存者?
それを見たら、記憶に焼き付いて忘れにくい。

最後は、セイビアの温情で軌道修正。ほら、監視役。双夜に気が付かれない訳がないがコソコソ行っといで(笑)。
そして、漸くトーマ合流の兆しが……でも、セイビアの口調だと双夜達に『近付くな』と言っている様だ。その上、敵(堕ち神)が出ても『戦うな』……と?(笑)。トーマの位置付けって(笑)。対人は可。しかし、対堕ち神は不可。あるぇ?もしかして、トーマの肉体って内地用ですか?外地用なら、戦闘も可能ですが……内地用の場合は、事務とかそっち系の能力(強化版)で戦闘面はそこそこレベルの肉体になる?
まあ、そういう設定もあったりしましたが疲労過労具合的に《神殺し》の肉体であろうが内職系の肉体であろうが基本ベースは戦闘用の肉体です。だから、神崎とそれ程大きな差はないハズなんですが……雑魚ッポイですよね!!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

fate/staynightで、シローが魔術失敗で褐色の肌になった云々って話があったじゃないですか……一気にですか?斑になったりしたんですか?という疑問があるんですよ。斑だったら笑えるんだけどなぁ……?浅黒い部分と白い肌の人物がー!!って事にならなかったのかなぁってw
そうなっていたら、絶対!絶対、赤い悪魔が玩具にしていたハズ!!そんな、エピソード出て来ないかなぁ?
というか、同人誌でやってそうな話か?なら、探せばあるかなぁ?

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれる方々に感謝を……

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