絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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あっと、有栖川君のアーマーはBJではありません。
類似品インフィニット・ストラトスからISを持ち込んでみました。アルト○イゼン型のIS(有栖川)。
ヴァイ○リッター型のIS(遠藤)です!!

ぶっちゃけ、この二人は【魔法少女リリカルなのは】に遊び感覚で転生した転生者でしょうね。
原作に関わる気の無い転生者。
なおかつ、序章のゆりかご戦にはいなかったから……別の世界で自由気ままに遊んでたんじゃ無いかなぁ……?
他にも色々。まあ、原作に関わってた転生者は【陵辱希望転生者】に殺されたのかも……踏み台だった頃の神崎とか霧島とか……w


十七話

双夜

 

 

 

「…………それにしても、見れば見るほどアルト○イゼンとヴァイ○リッターそっくりだな……」

 

 

「へ?……師匠、アルト○イゼンとヴァイ○リッターを知っているんですか!?」

 

 

何故か、神崎が物凄く驚いた顔をする。

俺だって、知っているモノは知っているんだ。

 

 

「前に、【鮮血の】の格納庫で見掛けたことがあるってだけだ。ああ……しかし、こんな小さいモノではなく16メートル程の巨大なモノだがな……」

 

 

確か、【鮮血の】奴が趣味でゲームの機体を再現したと言ってたはずだ。俺は、そのゲーム事態を知らないから、どんな内容かはわからない。

 

 

「アルトの実物大が、あるのか……」

 

 

白髪の赤目が、目を剥いてこちらを見上げる。

確か、有栖川零とか言ったか……かなり、ゴツイ機体に乗っている。しかし、コレどっかで見たような気がするのだが……今一、思い出せない。

 

 

「ここには、無いぞ?……まあ……以前、一頁が超薄い。そのくせ、20センチ位の分厚い説明書を渡されてな?」

 

 

「乗ったのか!?」

 

 

「ん?ああ、乗った……いや、乗ったは乗ったが量産型の方だ。まあ……18時間後に撃墜された。プロトタイプは、もったいないから乗せられないし、撃墜できないそうだ」

 

 

「また、趣味バリバリな……」

 

 

うん。アイツの造るものは、基本的に趣味物が多い。

以前、その趣味が講じて……研究所の予算も、食い尽くしたというのだから凄まじい限りだ。「ガン○ムシリーズ、全機揃えたぜ!!これが、ジオングだ!!」とか自慢気に語ったていたのを思い出す。その後、研究者の一人に通報されて超叱られたのを【大魔導師】経由で聞いた。

アルト量産機に到っては、性能を知りたいからって戦闘中の武器弾薬燃料補充無しで戦わされ続けるのはキツイ。

まあ、そんな悪条件だったわけで……燃料が切れた瞬間に、敵機動戦士に撃墜された。

 

 

「リーゼの方は、飯を食った直後で……まあ、酷い目にあったとだけ言っておこう……」

 

 

ブースターのパワーがぶっ飛んでて、滑走路から飛び手た所までは覚えている。気が付いたら、ヘルメットの中がえらいことになっていた。

 

 

「僕的には、フリーダム辺りが調度良い……」

 

 

「フリーダム!?マジで!?ドラグーンシステム、マジ使いてぇ!!」

 

 

ドラグーンシステム?サイシステムではなくて?

神崎の言うことは、たまにわからない事がある。

俺的には、特化型でなくてバランスの取れた機体が一番だ。とは言え、今は全く関係ない。

 

 

「とりあえず、君達の記憶を見せて貰うよ……どうせ、白銀の世界とかからの始まりだろうから、そこは飛ばして……アホが出てきた所から、見せて貰うから」

 

 

「アホ?って、神様の事?」

 

 

「そ、そのアホ共を知りたい……創世記時代の遺産である【転生システム】とは別の【救済システム】ってヤツで、特定の魂を転生させてオモチャにしているらしい……」

 

 

「……オモチャ……」

 

 

「そう。だってなぁ……【救済システム】は、その名の通り魂の救済を目的としたシステムだ。それを、娯楽の為に私的利用しているわけだからね……」

 

 

「救済システム?って事は、特典とかも……?」

 

 

「【転生システム】は、転生させるだけのシステムだ。君達の言う神様特典ってのは付与できない。できるとしたら、【救済システム】位だろうね……あれは、異世界へ魂を送り出し特定の【誰か】……もしくは、【何か】を救いださせたり救いを得たりする為の仮転生だ。依頼通り救済できれば、地獄行きを回避したりすることができるわけだ。正式に転生したり……な?」

 

 

「ははぁ……成る程ね。漸く、納得できた。つまり、俺達は神々の娯楽の為に転生……ってか、救済システムでここに送り込まれた訳だ……」

 

 

「なら、その目的は?私達は、知らされてないんだけど……」 

 

 

「二次創作小説と同じなんじゃないか?」

 

 

「二次創作?なんの話だ?」

 

 

「あー……えっと……原作者以外の方々が、面白おかしく物語を改変してネット等で公開する話を二次創作といいます?」

 

 

「なんで、疑問系なんだ……で?その目的とは?」

 

 

「原作組とイチャラブして、物語を都合良く改変すること?」 

 

 

「……ふーん。で?都合良く改変できたのか?」

 

 

『踏み台にそんなことができるとでも?』

 

 

何故か、神崎と霧島が声を揃えて言い切った。

なんで、こういう時だけ踏み台の自覚が前面に出てくるのだろうか?全く持って、意味不明である。断言した上で、修正力がどうのこうのと言っていたが無視した。

 

 

「なら、他の方々にはそれができるとでも?」

 

 

「ふっ……そんな能力あるわけが「あるよ?」え?亮……?」

 

 

「はーい!私も該当しまーす!!」

 

 

浅上兄妹が、名乗りをあげた。

黒髪の兄妹。見た目は普通何だけど、【真実の瞳】から流れて来る情報には……《ギャグキャラ》という情報が含まれていた。

 

 

「私が、一度きりの死者の完全蘇生で……」

 

 

「俺が、夜天の書の基礎構造を特典として貰っている」

 

 

「…………なぜ、介入しなかった!?」

 

 

神崎が、異様なモノを見るような目で二人を見ている。

それは、他の方々も同じだ。

 

 

「事故って、入院してた。全体的に、動けなかった……」

 

 

「以下同文……」

 

 

「そういやぁ……無印の時も、ASの時もいなかったなぁ……」

 

 

「……アホ共の中に、救いを嫌っているヤツでもいるのかねぇ?奈落の底に落ちろ!!的な、救いの無い世界を求めているアホが……邪魔してたのかもな」

 

 

「なんだよ!?それ!!」

 

 

「こんな世界、滅びてしまえ!って思っているアホがいるんだろうさ。君達の言う【原作】含めて……ね?あ、大体見えて来たぞ。僕がここに召喚された理由……その上で、今教えなければならない知識は……あ、踏み台達が言っている《修正力》だな……それが、平行世界からの影響だというのは知っているかい?」

 

 

「んん!?平行世界からの影響?」

 

 

「そ、平行世界すら改変してないと……その影響を受けて、元ある話の流れに強制修正されちゃうんだ……」

 

 

神崎と霧島が、腕を組んで考え込んでいる。

そして、しばらくして結論を言った。

 

 

「平行世界から……そうか、似たような世界なんだから影響し合うのもおかしくはないのか……」

 

 

「もし、君達が《原作》と呼んでいる世界があって……その世界を中心に、破滅した世界でグルリと囲んだらどうなると思う?」

 

 

それだと、破滅を控えている世界全部から召喚されるという結末になるが……ヤバイ、この【魔法少女リリカルなのは】の世界からすぐには出られないかもしれない。

 

 

「え?そ、そりゃあ平行世界が影響し合っているなら……《原作》が、破滅の系統に傾倒するんじゃないか?」

 

 

「それって……つまり、【魔法少女リリカルなのは】をこの世から消し去りたい神様がいるって事!?」

 

 

「いや……物語全般じゃないか?僕を送り込んだ【組織】は、人手不足だからって理由で僕をこっちに派遣した訳だしなぁ……」

 

 

不知火が、神崎達の結論を横から掠め取って行った。

その上で、事実と照らし合わせて俺の結論も告げる。

それは、二次創作系も含まれているだろう。

【原作】が、夢も希望もない物語になるのであれば……彼等転生者もただでは済まない。

魂の存在そのものが、消えてしまう恐れがある。

そんな、大それた事を考えるアホはそう多くはない。

直感的に、これをしようとしているのは【旧・神族】なのではないか!?とも思ってしまった。しかし、利益の無いことをアイツ等がするはずもないので、その考えは切り捨てる。

 

そして、思い至ったのが……【堕ち神】だった。

 

破滅思考で、人間を滅ぼそうとしていて、何よりも人々の負の感情が大好きな存在だ。【原作】を更なる絶望に貶めて、生まれた絶望を啜る予定なのかもしれない。

しかし、【堕ち神】に理性なんてものは無い……新種でも現れたのだろうか?そう考えて、あの【組織】がその事を認知していないわけが無いことに思い至った。

つまるところ、コレはいつものアレと同じなのだ。

該当する神々を探しだし、彼等に報告するか……自分の手で倒すかの二択。転生者を送り出したアホの痕跡を見つけ出し、彼等に通報するだけでは任務完了とはいかなくなりそうだ。この予想が正しい場合、俺本来の役目を果たさなければならないだろう。

すなわち、【断罪者】として《神》を殺さなければならない。かつて、【魔導兵器】が告げた一文がある。

 

【狂いし者に断罪を……破滅を誘う者に制裁を……我ら、《神殺し》の名に賭けて……】

 

 

「うへぇ……面倒臭い……」

 

 

通報して、彼等にお任せしてしまおう。

どちらにしても、俺に《神》を殺す機会はない。

 

 

「【神殺しの異端児】じゃあなぁ……」

 

 

「神殺し?」

 

 

「ああ。アレ?……僕達が、《神々の監視者》にして《神殺し》って呼ばれてるって……言わなかった?」

 

 

「…………凄まじく、言ってないっ!!」

 

 

「俺は、TAKE1で聞いた……」

 

 

「神崎ェ……」

 

 

「拷問の時のヤツだよね?」

 

 

『拷問!?』

 

 

神崎に非難を向けていた方々が、拷問と聞いた瞬間にこっちに振り返える。ノリが良いのか、全員がほぼ同時にリアクションを起こしてくれるので驚かせる方としては楽しい。

 

 

「うん。神崎のレアスキル《ニコポ・ナデポ》を引きずり出して《スキル・ブレイク》で壊した時の話だね」

 

 

「あなた、特典を破壊できるの?」

 

 

「僕達は、《神殺し》だよ?神々が付与したものなら、なんでも破壊できるさ……んで、神崎の性欲を50年分抜き取って……」

 

 

「え?性欲を抜き取った!?」

 

 

「うん。神崎の性欲……50年分。普通なら、それだけで再起不能になるんだけどねぇ……」

 

 

「フム。Impossibleだな……総長とお呼びしよう!」

 

 

「止めてくれ!!」

 

 

「もう少し、抜いた方が良いかなぁ……ループしてるから、その分だけ回復しちゃう……ならば……」

 

 

「ひいぃ……師匠、大丈夫です!!俺、今、戦うのが超楽しいんッスよ!!!あいあむバトルジャンキー!!」

 

 

「…………嘘っぽい……」

 

 

『以下同文!!』

 

 

「うん。神崎、ギルティ!!もう、50年分抜こうか」

 

 

「グハァ!!お、終わた……」

 

 

「本来なら、君の玉をパキュっと割りたいんだけどね……」

 

 

チラッと他の男性に視線を向けると、順番に股間を隠す坊や達。ここまでノリが良いと、本当に楽しいよね!

 

 

「まあ、今回は……なのはママと恋仲になって、奪おうとした訳だから……ペナルティとして、行っとく?」

 

 

「ひいぃいぃぃ!!」

 

 

「調度、バインドで逃げられそうにないし……一気にやっておこうよ!!」

 

 

神崎を、クルッと反転させる。バインドで各片足を縛り、引っ張らせて脚を大きく開かせた。

 

 

「さあ、時世の句は決まったかい?じゃあ、行ってみようか!!」

 

 

「ごめんなさい!!申し訳ございません!!二度と高町さんには手を出しませんので、何卒お許しを!!!!」

 

 

勢いを付けて、一回転半クルッと回転して踵をヤツの股間に叩き込んだ。ヤツは、ただ無言で悶絶している。

周りを見回せば、その強行を見ていた男性全員が股間を押さえていた。口の端しが、つり上がって行くのを感じる。

おもむろに、モーニングスターを取り出しブンブン振り回して、もう一度ヤツの股間目掛けて降り下ろした。

 

 

「あぎがっ!!!!」

 

 

『ひいぃ!!!』

 

 

まあ、これ以上はやっても痛いだけなので止める。

それに、これでは玉を破壊するには至らない。残念だけど、ヤツの玉を破壊するのはまた今度にしよう。

 

 

「さて…………次は、誰が良い?」

 

 

『……………………』

 

 

彼等が無言で、指差したのは……霧島だった。

しかし、彼は呪いに犯されており、そんなことをしなくても罪を償える。

 

 

「ここは、さっきからキャラ作りに励んでる有栖川君のをパキュしようかぁ……」

 

 

「ふ、フッ……な、何の事かな……」

 

 

視線が泳ぎ、冷や汗がダバダバ流れ始める。

その反応を見て、口の端がムズムズと歪む。

彼を指差し、一音で彼を半回転させる。

 

 

「反転……」

 

 

彼は、クルッと半回転した。

頭が下に、足が上に。バインドで、各両足首を固定して左右に引っ張る。ゆーっくりと、足が広がって行く。

 

 

「ギャアアァァーーーすんまへん!!マジ、すんまへんでしたぁ!!!!」

 

 

「………………チッ……」

 

 

恐怖が、天元突破したらしい。

思わず、舌打ちがでてしまった。

 

 

「だ、だよなぁ……」

 

 

遠藤が、相槌を打つ。

その瞬間、ティン!と良いことを思い付く。

 

 

「あ、そうだ!ハンマー娘から、ハンマー借りてくるよ!!」

 

 

『ええっ!?』

 

 

唐突の発案に、全員が驚いたように振り替える。

そんな彼等に対し、楽しげに微笑む。

 

 

「ラケーテンハンマーなら、ドリルでぐちゃぐちゃになることに気が付いたよ!!」

 

 

「ヤバイ!あかん方に傾倒したぁーーー!!!」

 

 

浅上兄が、頭を抱えて叫ぶ。

 

 

「師匠おおぉぉぉぉ……」

 

 

死の淵から聞こえて来るような、死者の様な声で俺を呼ぶ神崎。とりあえず、死神風の顔が怖い。

痛みを耐えての静止らしく、かなり必死な形相だ。

 

 

「ギャーーーー股間が、壊されるぅーーー!!!」

 

 

恐怖の余り、キャラが崩壊した上に「股間、股間」うるさい有栖川。特に、浅上兄と有栖川がうるさい。

【真実の瞳】の劣化を解除して、泣き叫ぶバカを見る。

久々の完全解放に、多少の負担が掛かるが……問題はない。

 

 

「…………ゼウス?アテナ……偽名だな。最近の管理職は、アルバイトだからなぁ……」

 

 

『ええっ!?神様って、アルバイトなの!?』

 

 

「そうだよ?《神殺し》が、神を殺し過ぎてて……特に《旧神族》は、ほぼ狩り尽くしたらしいからなぁ……」

 

 

「…………うわぁ……仕事し過ぎだろ……」

 

 

彼等が、仕事をし過ぎている訳ではない。

《旧神族》は、【殲滅対象】なのである。

彼等がいると、全ての生けとし生ける者が『生存』することも『発展』することも叶わぬだろう。

 

 

「ちゃんと、新しい芽は生まれてるよ?それに、増長するアホが増えるよりかは良いだろう?その為の《死の根源》じゃないか?何の為に【魔導兵器】が、“死”のシステムを世界に組み込んだと思ってんのさ?」

 

 

神々の増長は、目に余るものだった。

本来なら、命を見守り生を育む存在だったはずなのだ。

それが、生まれてきた小さな命すら弄ぼうとしているなんて……あり得ないだろう?お金も権力も、その為のモノ等ではない。

例え、彼等《旧神族》が……《神の眷族》が、大昔からそういう行為を行っている一族だったとしてもだ。

 

 

「…………え?それって……」

 

 

「…………それに、現在……“神”は、人々……そして、《旧神族》の“悪意”を浄化仕切れずに闇に呑まれ【堕ち神】となっているからなぁ……戒律や十戒等無いに等しい……」

 

 

人々が、他者を羨み憎み殺し合う。憎しみの……負の連鎖。それを浄化しようと、神が足掻いた結果……闇に呑まれて、神々は堕ちて行く。

そして、人々を生けとし生ける者を……憎み滅ぼして回る怪物と化す。

 

 

「世界の裏話、パナいッス……」

 

 

「まあ、“裏”は深淵まで覗いたら創世記以前から真っ黒だからなぁ……」

 

 

「真っ黒なんですか?」

 

 

「創世記以前は、《死の根源》……つまるところ、《死》の無い世界だったらしいから……アホ共が、増長に増長を重ねてキチガってたらしいよ?」

 

 

死という終わりが無いから、《転生システム》が存在するわけだ。アレがあったからこそ、人々は死ねない……終わりのない日々を、夢も希望も無いままその生き地獄で過ごさねばならないという状態から脱っせていた。

 

 

「最悪じゃん!!」

 

 

最悪……なんてものじゃない。

悪夢と断言できる生活だったらしい。それは、【魔導兵器】が旧世記を歴史の一つとして伝えてくれているからわかる。

人間は、日々【神魔創世戦争】に怯えながら、更に神々に怯えて生活を余儀なくされていた。

まあ、戦争はわかるだろう。だが、守ってくれるはずの『神々に怯えて』というのが歪んでいる。神々……《旧神族》に捕まれば、改造されて兵士として前線へと送り出された。つまり、神々は自身で戦争をしている訳ではなかったのだ。

始めたのは《神々》。続けるのも《神々》。

なのに、自分達の手を汚さずに戦争をしているという事実。

 

 

「最悪で、済めば良いけど……」

 

 

「……神様って、《正義》じゃ無いんですか!?」

 

 

とは言え、それは【魔導兵器】がオブラートに包んで伝えている事で……事実は、【魔女狩り】レベル以上の悪辣さだろう。人間では、超えられない壁がある。

“魂”の改造まで可能な、あの【組織】の技術力を考えれば容易いことだ。

 

 

「人間からしたら《正義》だね。でも、同じ存在からしたら……素直に《正義》とは言え無いんだなぁ……」

 

 

「……マジッスか……」

 

 

「って言うか、あんたも似たような存在な訳?」

 

 

「一応、高次元精神生命体だよ。本体は、ここにはないけどね……入れなかったから……」

 

 

「入れないって……何で?」

 

 

「無理矢理入ることはできたよ?まあ、この世界を僕の力で押し潰す事になっただろうけどねぇ……」

 

 

『ひいぃっ!!』

 

 

転生者全員が、ドン引きする。

押し潰す理由としては、力が強いとかそういう理由ではない。《存在》が、大きいのだ。力が強いだけなら、封印やリミッターを重ね掛けすれば良いだけ。

 

 

「《存在》が、大きいって?」

 

 

でも、それ以上に《存在》の大きさはどうにもならない。

下手に何とかしても、今度は世界のバランスがヤバイ。

 

 

「あー、《徳》が高いって言えばわかるかい?」

 

 

「とく?道徳のアレかな?」

 

 

「まあ、善行を重ねたら溜まっていくアレだ」

 

 

「でも、【神殺し】なんですよね?【神殺し】って、《徳》とは無縁じゃないですか?」

 

 

「だから、僕は【神殺しの異端児】だと言ったろう?僕は、【堕ち神】を浄化できるんだよ!!で、やればやるほど《徳》がうなぎ登りに……最終的に【太陽の主権】を得てしまう程に…………」

 

 

「【太陽の主権】……お前、《神》的存在なのか……」

 

 

「うーん……どっちかというと、【魔王】?」

 

 

【聖なる浄化の光】がある限り、【魔王】にはなれない。

あのアーティファクトが、俺の心を常に浄化し続ける以上、俺が【魔王】と化すことは決してない。

 

 

「逆さまだろ!?全然関係ないじゃん!?」

 

 

「まあ、劣化術式で【太陽の主権】は【太陽の化身】に変化してるけどな……」

 

 

もしかしたら、【眷族】かもしれないけど。

 

 

「【太陽の化身】?」

 

 

「うん。太陽から、無限に力……この場合は、魔力か。を、供給して貰えるだけさ。一応、自然の半永久機関だ。無限のエネルギーが供給される訳だが……そんなもん、扱い切れる訳ないんで……稀にしか、使わないよ?後、【太陽神】に関係するスキルかな?」

 

 

「なんて、チート……」

 

 

「チート……なのかな?あの【組織】の方々の方が、キチガイレベルのチートだと思うけど?」

 

 

大体、裏方の存在なんてチート以外の何者でもないと思う。それが、表舞台に出てきた時点で世界のバランスはややっこしくなっていると言えるだろう。

その上、神様特典を持って生まれた《転生者》もいるのだ……もう、ちょっとやそっとの事で、どうにかなる様な事は少ない。

 

 

「とは言え、「あ、一つ気になったんだけど……」何?」

 

 

「原作人物に、この話聞こえてたらヤバくない?」

 

 

「防音結界張ってるから、大丈夫じゃない?」

 

 

「そう。なら、大丈夫ね……」

 

 

「そうでもないよ……悪口とかは、素通りするから……」

 

 

「なんて、好都合結界……」

 

 

「術式アレンジは、得意なんだ。【真実の瞳】があるからね……」

 

 

「【真実の瞳】?」

 

 

「面倒なんで、踏み台君に聞いて♪」

 

 

「ええっ!?」

 

 

「え?だって、もうアホのデータは抽出したし……“外”の方々に、データをメール送信したし……僕の役割は、一応終了さ」

 

 

放っておけば“外”の方々が、転生者を送り出したアホ共を捕まえてくれるだろう。【断罪】するかもだけど……まあ、そうなれば《転生者》達のサポートは終了する。

活動資金とかを“神”に出して貰ってたヤツは、間違いなく大泣きだ。

 

 

「ま、頑張って働いてくれ……」

 

 

『???』

 




漸く、本来の路線に戻って来た。
変な方向に行った時は、どうしようかと思ったけど……やっぱり、行き当たりばったりは良くない。

さて、如月双夜が【神殺し】であったことが判明しました。“外”の方々は、ベテランの【神殺し】です。
この話、何がしたいの?的な質問?があったと思いますが……神を殺したかったんです!!
正確には、如月双夜(神殺しの異端児)では神を殺すことができません。なので、世界の中に入って、神の恩恵を受けているモノを探しだし通報するのが役目なのです。

※注:ロストユニバースより、“サイ・システム”。
人の精神エネルギーを糧にして動く宇宙船の話。

ニュータイプ系の技術は再現しなかったもよう。
チート科学者のはずなのに……と思ってたら、ロストユニバースの技術が先に再現されていたらしく……万人に使えない、技術的に流出しにくい等の理由で採用されたとのこと。そういえば、【鮮血の】は自分の技術が流出することに酷く敏感で嫌がるのを思い出した。

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